管理外世界、クリスフォードにて――― 「―――がッ!?」 とある街の郊外に建った、小さな建物。その中で、一つの戦闘が発生していた。 二本の細身の刃を操るのは、赤いジャケットを着て、その薄茶色の髪を首の後ろで一つに纏めた青年。右の刃で目の前の男を斬り裂いた彼は、そのまま身体を回転させて後ろから来た男の首筋を斬った。 「ふッ!」 短い呼気と共に、青年の体が一瞬で消え去る。彼が一瞬前までいた場所に槍を突き出した男は、自分が攻撃を外した事に気付く間もなく首を落として絶命した。 部屋の中に十人ほど集まっていた人間は、既に後一人しか残っていない。 「な、な・・・・・・」 カタカタと震えて壁際まで後退する男に、刃を構えた青年が近付く。それに反応した男は、半ば恐慌した状態で叫び声を上げた。 「な、何でだ!? 俺達が何をしたってんだ!!」 「・・・・・・・・・」 男の叫びに青年は肩を竦め、嘆息しながら答える。 「強盗、殺人、婦女暴行・・・・・・した事なんざ、挙げてけば切りが無いだろ」 「―――ッ、だからって、ここまで! ここまでする事無いだろ!?」 「お前・・・・・・騎士団に喧嘩を売って、ここまでされる覚悟も無かったってのか」 呆れを交えて、青年は呟く。無論、騎士団とてそうそう犯罪者に殲滅指定などつける事は無い。だが彼らは二週間ほど前、騎士団への反乱と言う名目で別の町にあった司法組織―――警備隊を襲撃し、何人もの人間を殺害している。流石に、騎士団も放って置く訳には行かなくなった訳だ。 「暇だからなんて理由でこの俺が駆り出されたんだぞ、オイ・・・・・・わざわざ分かり切った事を聞くな」 「何、だよ・・・・・・何なんだよ、お前は・・・・・・」 「・・・・・・・・・まさか俺の顔も知らないで騎士団に敵対するとは、最近のテロリストは随分と無用心だな」 「は? ―――ッ!?」 その言葉に男は青年の顔を見上げ―――硬直した。先ほどまでライトグリーンだった瞳の色が、今は血を固めたような鮮紅色に、そしてその瞳孔は猫のように鋭く切れ上がっている。 「眼術持ち・・・・・・紅い、龍の瞳・・・・・・『龍眼の殺戮者』、アレン=セーズ・・・・・・」 「ご名答」 物騒な二つ名を持つ騎士―――アレンは、呆然とした男の言葉を笑みを浮かべながら肯定した。 曰く、たった一人で十万の軍勢を壊滅させられる騎士団の殲滅兵器。それを目の前にし、死を間近にした男は半ば過呼吸気味な様子で彼の姿を見上げていた。と――― 「・・・・・・・・・まだ終わっていなかったのか」 「レイヴァン」 背後から歩いてきた男―――レイヴァン=クラウディアに、アレンは目の前の相手から視線を外した。瞬間。 「あ、あああああああ――――ッ!!」 正気を失いかけながらも、男はナイフを抜いてアレンに向かって飛びかかる――― 「ああああああああああ―――あ?」 ―――そしてその瞬間、五体をまとめて切断され、さらには炎で包まれてその存在は一瞬でこの世から消滅していた。視線は戻さず、レイヴァンに向けたまま肩を竦める。 「今、終わった所だ」 「フン」 彼の容姿は漆黒のロングコートに、中に着ているシャツとズボンも黒。髪も同じく黒く、長い前髪は顔の左半分を隠している―――その黒の中で唯一、瞳の色だけが美しい銀色だった。そんな黒ずくめのレイヴァンが、苛立ちを隠そうともせず言い放つ。 「何故俺が、お前の部下の尻拭いをしなければならん」 「仕方ないだろ、あいつはいないんだから・・・・・・クラインのアホのせいでな」 「・・・・・・縄で縛って火口に落とせ、奴は」 「下手をすると、それでも死なないかも知れんぞ」 半分本気で呻きながら、アレンは小さく嘆息した。血振りをして刃を鞘に収めながら、既に人の気配の消えた建物からの脱出を始める。 「確かに、こいつらが直接恨みを持ってたのはクロスみたいだったが・・・・・・ま、面倒見てやるのも兄貴の役目でな」 「相変わらずのお人好しだな、アレン=セーズ。いつか後悔するぞ」 「生憎だが、もう後悔する生き方はしないって決めてるんでね」 小さく笑みを浮かべて、アレンは声を上げた。 「後悔しない生き方ってのは、要は自分の好きなように、やりたいようにやるって事だからな・・・・・・違うか、魔剣使い?」 「フン・・・・・・異論は無い。邪魔する者は消す―――それが俺達のやり方だ」 「ま、それも否定はせんがな」 事実、この漆黒の魔剣士はそうやって生きてきた。邪魔するものは殲滅し、ただ己の望む事―――復讐のみを目的に生きてきた男だ。復讐を終えた今も生きているのは、単なる偶然と気まぐれでしかない。 「まあ、クロスの奴にも教えたんだが・・・・・・まだ理解はしてないみたいだな、あいつは」 「お前の三馬鹿部下どもに理解できるのか?」 「ミリアやアリスには俺達の生き方はそのままでは理解しがたいだろうが・・・・・・」 クローセスが姉と慕うミリアと、自身の幼馴染であるアリシェラ―――二人の姿を思い浮かべながら、アレンは小さく嘆息した。 「だがお前も気付いてるだろ、レイヴァン。クロスは・・・・・・俺達に、非常に近い」 「フン・・・・・・」 「俺も、お前も、クロスの奴も・・・・・・皆、壊れかけた人間だ。まあ、俺やお前はどうにかなったが―――クロスの奴はまだ、な・・・・・・」 視線を俯かせ、己の部下の姿を思い浮かべる。出会ったのは十三の頃・・・・・・あの時から、考えられないほど大人びた少年だった事を覚えている。 「あいつの『欠落』が、きっかけさえあれば癒せるものなのが唯一の救いか・・・・・・」 アレンのようにそれが呪いとなって心を蝕むまでに発展する事は無い―――だが彼が、レイヴァンのように心を壊してもなお正気を保てるような人間だとは思っていない。 難しい問題に頭を抱えつつ、アレンは建物の出口を通りながら建物に火を放った。指令書も同時に火の中に投げ込みつつ、外に向かって歩き出す。そこに、少々甲高い声が響いた。見れば、長い茶髪を腰まで流した女性の姿がある。 「遅いわよ、アレン!」 「・・・・・・悪かった。多少、アホがいたもんでな」 「・・・・・・貴様の声は頭に響く。黙れ、ミリア=セフィラス」 「ちょ・・・いきなり何よレイヴァン!」 「貴様に名前で呼ばれる筋合いは無い」 水と油の関係である二人に嘆息し、アレンはもう一人の部下に視線を向けた。 「逃げた者はいなかったか、アリス?」 「はい。問題ありません」 真紅の髪をポニーテールにした少女、アリシェラの言葉に頷く。ちなみに彼女はミリアの一つ年下なのだが―――初対面でそう見えるには、絶望的なほど背丈が足りていなかった。 まあ、それを指摘すると本気で怒るので止めておくが。 「あの・・・・・・」 「ん? 何だ、アリス」 「心配、ですか?」 「心配してるのはお前達の方だろ」 嘆息交じりに言い返す。無論、一つも心配が無いと言えば嘘になるが――― 「あいつなら、きっと何とかなるさ。昔の俺に似てるが・・・・・・あいつもいい奴だ。きっと、周りにはいい仲間も出来る・・・・・・あいつの殻を破ってくれる奴だって、きっと現れるさ」 「・・・・・・やっぱりお兄さんなんですね、アレン」 「俺に家族が必要だって言ったのは、あの馬鹿娘だからな」 ミリアの姿を苦笑交じりに見詰め、アレンは小さく笑った。 「俺に言う前に、ずっとお人好しなんだよ、あいつは―――」 * * * * * 「―――ほう」 興味深そうに呟いたレイのその声音には、珍しく興奮とも思える感情がこもっていた。無限書庫の果てない広さとその蔵書数に、司書としての血が騒いだのか。 「これは凄いね・・・・・・下手をすれば、《原書》の情報量すら凌駕しそうだ」 「ま、無限の名は伊達じゃないみたいだし」 無重力状態の中、器用に空を飛びつつレイは辺りを見回す。まだ慣れないこの空間を楽に移動できるのは、流石古代魔導族と言った所か。とりあえず周囲を見回し―――クローセスは、上の方でいくつも本を広げているユーノの姿を発見した。レイの体を掴んで梁へと寄り、そこを蹴ってユーノの方へと飛び出す。 「ユーノ!」 「え・・・・・・あ、クロス」 元気の無い様子に苦笑して、クローセスはユーノの横に並んだ。やはり、先ほどのなのはの一言が堪えているらしい。 (ま、それも当然か) 好意を寄せている相手に戦力外通告をされれば、誰だってショックを受けるだろう。一人で物を考えがちなユーノならば、それも尚更に。 「・・・・・・ええと、どうしたの?」 「ん、まず一つ。なのはがあんな事を言った理由から」 その言葉に、ユーノは再び表情を曇らせた。痛みに耐えるような表情に溜め息を吐きつつ、真実を伝える。 「シアシスティーナ・・・・・・あいつが狙っているのは、どうやら君と僕らしい。なのはが前に出てくるなと言ったのは、純粋に君の事を案じての事だ―――なのはの事、許してくれるかな?」 「そう・・・・・・いや、元々怒ってはいないよ」 まだ沈んだ表情は戻ってはいなかったが―――それでも、先ほどより幾分か気分は晴れているようだった。現金な―――と言うのは失礼だが。 「なのはがごめんなさい、だってさ」 「はは・・・・・・うん、こっちもゴメンって伝えといて。詳しく話も聞かないで・・・・・・」 「・・・・・・君は何も悪くないんだから。ま、君らしいと言えばそうだけど」 苦笑しつつ、クローセスは頷いた。とりあえずなのは関係の伝言はこれで終わり―――後は、事件関係の事だ。 「リンディさんに頼んでおいたんだけど、レイはしばらく君と一緒に後方支援の形になる。無限書庫を利用できるのは結構な特例措置みたいだけど・・・・・・多分、司書たちの力になってくれると思うよ」 「ねえ、ユーノ。魔法構築の基礎と応用、それから速読、検索魔法・・・・・・要は、この無限書庫の仕事に必要になる知識のある本を貸してくれないかな?」 「え・・・・・・? あ、はい」 ユーノが魔法を起動する―――数秒後、彼の手の中に五冊の本が集まってきた。重なって浮いているそれの上にレイは飛び乗り、そのまま体から緑の光を放つ。 目を瞬かせるユーノに、クローセスは苦笑しつつ声を上げた。 「レイは、元々司書の種族から生まれた古代魔導族だから・・・・・・本の内容を、読まないでもそのまま丸ごと理解する事が出来るんだ」 「え、えええっ!?」 人間の基準で考えれば、脅威のスキルである。規格外基準に認定される第一階梯古代魔導族は、そもそも存在の次元が違う。様々な種族の突然変異として生まれた彼らであるが、第一階梯となった者たちは皆名のある種族から生まれたものばかりである。 次々と緑の光に包まれてゆく本を苦笑混じり眺めながら、クローセスはある意味冒涜だ、と胸中で呟いた。 「―――ふむ」 「あ、終わった?」 「うん。ま―――こんな感じかな」 突如、レイの足元に緑色の魔方陣が現れる。ユーノの色よりも深いそれは輝きを放ちながら回転し、今読んでいた本を元の場所に戻して新たな本を十冊ほど呼び寄せた。 「レイでもそれぐらいの数か・・・・・・」 「いくら《原書》が休眠状態でも、封印に魔力は喰われて行くし・・・・・・それに、元々十五冊くらいが限界だと思うよ」 改めてユーノの才能に感嘆しつつ、クローセスはユーノに向き直った。 「とりあえず、レイはユーノの指示にだけ従う事になってるから・・・・・・レイの事、頼むよ?」 「あ・・・・・・う、うん。こんな優秀な人の協力を得られるなら願ったりだけど」 「気に入ればここに就職するかもねー」 「レイ・・・・・・」 呆れを交えて嘆息するが、レイがそれを気にする事は無かった。まあ、どの道レイがクリスフォードの戦力である事は変わりないのだから、別段気にする必要も無いのだが。そう考えながら苦笑していた所に、レイの声がかかった。 「さて・・・・・・もう戻るの、クロス?」 「んー・・・・・・いや、少しユーノと話をしてからにするよ」 「そう。じゃあユーノ、何か仕事ある?」 「え? ああ・・・・・・じゃあ、ここからここまでの検索と資料作成お願いします」 「ん、任された」 頷くと、レイは二人から少し離れた所で本を集め始めた。気を利かせてくれた事に感謝しつつ、クローセスは近くの梁に腰をかけた。隣に座るようにユーノを促して、話し始める。 「・・・・・・前々から、君には話そうと思ってたんだ・・・・・・僕の生い立ち」 「え?」 「人の輪に入ろうとしないのか、それとも入れないのか・・・・・・どちらにしても、一歩引いた立ち位置を選ぶ君は、僕とどこか似通った場所があるんじゃないかと思って」 なのは、フェイト、はやて―――その友人、仲間であるはずのユーノが何故彼女達の輪から一歩離れた場所で戦うのか・・・・・・クローセスには、それが自分と同じ理由に思えて仕方が無かったのだ。 「・・・・・・僕も、そうだ。兄さん達の仲間なのに、一緒の輪に入る事は出来なかった。いつも一歩離れた場所で見てる事しか出来なかった」 「それは、どうして?」 「僕が壊れてるから、じゃないかな」 肩を竦めて嘆息し、クローセスは呟いた。思い出すのは、今は無き自分自身の故郷の町―――森の中に存在していた、小さな町の事。 「僕は、生まれた時に母さんを失って、三歳の時には父さんが戦死した。兄弟もいなくて血縁も少なかった僕は・・・・・・ずっと一人だった。父さんの真似をして拳の戦い方を先生に学び始めて―――僕がやりたい事は、結局それだけしかなかった事に気付いた」 自分自身に苦笑する―――これだけの事を、それほど不幸と思えない自分に。仲間達と比べれば、大体人並み以上の不幸、程度でしかないから。 「血縁連中は僕に冷たくて・・・・・・ただ生きるのに必要な金は払ってる、って言う程度だった。別にそれでもいいって諦めて、そのまま戦い方を学び続けて・・・・・・いつしか僕は、一人でいる事が普通になってた」 「クロス、それは―――」 「事実だから。それで、そんな日々が続いてた途中―――先生が、突然死んだ。九歳の時だ。僕に唯一優しくしてくれた人だから、沢山泣いて―――その時初めて、人の死っていうものを知った」 思えばあの時から、あるいはそれよりもっと前から人間として、子供として壊れてしまっていたのだろう。だが、話している内容に対して、クローセスの表情は至って穏やかだった。 「それからは一人で技術を磨いた。早く起きて、ご飯を作って・・・朝練して、学校に行って、帰ってきて訓練して食事して寝る。誰かと一緒にいることも無かったし、そうしようとも思わなかった―――気付けば、僕は誰かと一緒にいる事に・・・・・・違和感を覚えるようになっていた」 ブラブラと足を動かし、嘆息する。自分自身の考察をするのはこれが何度目になるのか・・・・・・何度行っても、同じ答えに辿り着く。 「だから僕は、皆の輪に混じれない・・・・・・多分それは違和感だけじゃなくて、その輪に自分が釣り合わないように思えて仕方ないからなんだ」 「クロス・・・・・・」 「君はどうなのかな、ユーノ?」 笑みを浮かべて、クローセスはユーノに向き直った。ただ色の薄い、空虚な笑みのみが浮かんでいる。外見に似合わぬその表情に、ユーノは思わず目を逸らしていた。 ポツリと、ユーノが語りだす。 「・・・・・・君ほどじゃないけど・・・・・・僕にも両親はいない。部族の皆は家族だったけど・・・やっぱり、子供の頃は変な意地を張ってて、しばらくは一人っきりでいようとしてた。それでその時・・・・・・僕は、皆とは違うんだって気付いてしまったのかもしれない」 「皆とは違う、か・・・・・・」 「それに、なのはへの引け目もある・・・・・・はやてを助けた闇の書事件の時も、何の役にも立てなかった事もある」 ユーノはそう言うが、客観的に見れば一切そんな事は無い。アルフとシャマルだけではあの戦いの時、軌道上までの長距離転送を可能にする事は出来なかったし、どうであれユーノが無限書庫で調べ上げた事はクロノを真実に近付けさせた。 ただユーノはそれを、現場で戦っていたなのはたちと比べてしまっているだけなのだ。 「・・・・・・だから、皆とは釣り合わない?」 「うん・・・・・・一緒だね、僕達は」 「そうだね・・・・・・」 視線を合わせて笑い合う。例えそれが傷の舐め合いだと分かっていても、共感を覚えずにはいられなかった。 (少しは良かった、かな・・・・・・) ユーノが作っている壁の中に入り込めた事に安堵する。後はこちらから少しずつ壁を削って、向こうへと近付けさせればいい。壁を抜けさえすれば、ユーノはきっと自分とは同じにはならない――― ―――そう笑うクローセスは、これが自分も救いを求めた結果であるという事には気づいていなかった。 あとがき? 「おー、俺達の世界の話がちょこっと出たな」 「だねー」 「兄さんも姉さんも元気そうで何よりだよ」 「つーか、何でレイヴァンはいたんだ?」 「話し広げやすかったんじゃないの? 作者のお気に入りキャラだし」 「一番のお気に入りなんだよね・・・・・・ハンドルネームに使ってるぐらいなんだから、兄さんの方が好きなのかと思いましたけど」 「性格設定が作者を基にしてるだけでしょ。そもそも、作者がハンドルネーム変えたのはアレンが創られた後だし」 「昔ネガティヴで今割り切ってる辺りとかな」 「あははは・・・・・・さて、ちょっとユーノとなのはの雲行きが怪しくなって来た所ですけど・・・・・・」 「んー・・・・・・まあ、あーゆーカップルには紆余曲折があったほうがいいってこった。アレンとミリアもそうだったろ」 「だったねぇ・・・・・・まぁ、遭難だの行方不明だの大変だったけどさ」 「どうなるかは分かりませんけど・・・・・・」 「ま、悪い結果にはならないだろ。きっと、恐らく、多分」 「・・・・・・・・・何か不安になるんで止めてください」 「ま、それはそれとして・・・・・・君の方はどうなのさ?」 「いや、僕は・・・・・・すいませんノーコメントで」 「・・・・・・ツッコまないの、クライン?」 「んー・・・・・・まあ、こいつの心中を明かすと後々大変だからな。今は秘密でいいだろ」 「うわ、クラインが珍しくまともな事言ってる」 「まとも、かなぁ・・・・・・?」 「はっはっは」 「胸張って威張らないで下さい・・・・・・さて、そろそろ敵の勢力が明らかになります」 「一部だけどね」 「あはは・・・・・・ま、それでも相手の状況が分かってきます。お楽しみに」 |