―――夢を、見ていた。

紅く染まる黄昏の荒野―――血の色に染まる不毛の大地に立ち、クローセスは目の前の墓標にただ視線を向け続けていた。黒いそれは、その下の物言わぬ骸を強調しているかのようで、酷く吐き気を催す。

紅い
赤い
あかい
アカイ

この大地が、この衣が、血を浴びたこの身が―――どれも血の色にしか見えないのは、どういう事か。

「ク・・・・・・」

嗤う。嘲笑う。何よりも無様な自分を。何よりも無力な、人一人護れない弱い自分を。どれだけ奪っても、何一つ守る事の出来ない自分を―――

「―――何やってんだよ、■■■」
「・・・・・・・・・兄さん」

声が聞き取れない―――エラー。
クローセスは振り返り、そこに立つ青年に視線を向けた。アレン=セーズ。クローセス=シェインが、最も尊敬する騎士の一人。強く、気高く、全てを護れるだけの力を持つ人物。
それに比べて、自分は―――

「・・・・・・帰還は明日の朝だ。別に、今はそうしてても構わん」
「・・・・・・ありがと」

ぶっきらぼうに答えると、背後の兄が溜め息を吐き出したのが聞こえてきた。

「・・・・・・誰の責任でもない。そんなものを背負うのは、傲慢だ」
「でも、僕が油断しなければ、■■■■さんは死ななかった・・・・・・僕が兄さんみたいに強かったら、殺さずに済んだ」
「もしもの話だ。意味は無い・・・・・・責任を問うなら、直接殺したあの氷の山猫にしろよ」
「・・・・・・奴は、兄さんが殺しちゃったじゃないか」

自分でも驚くほどに平坦な声。自分でも思わず疑うほどの、感情の無い声。どこかが壊れてしまったんだと、妙に醒めた自分が自覚した。

「復讐者にはなるな。そう、言わなかったか?」
「兄さんがそれを言う?」
「俺だから、言うんだ」

そう言って、アレンは前に出て隣に並ぶ。皮肉気に顔を歪めて、自分よりももっと返り血に染まったその顔で―――アレンは、哀しく天を仰いだ。

「どの道、その復讐すべき相手もいない訳か・・・・・・だが、その憎しみを自分に向けるのは間違ってるぞ」
「・・・・・・・・・」

否定出来なかった。何かに心を向けなければ、心を保つ事が出来なかったから。憎む相手が、己の無力以外になかったから。無様さに呆れ、腹が立つ。

「・・・・・・何で、こんなに弱いんだろうね・・・・・・僕」
「弱い、か・・・・・・そんなもの、誰だって変わらんさ。俺だって護れなかった事に変わりはない」
「兄さんは強いよ・・・・・・僕じゃ、手が届かないぐらいに」
「バカ言うな」

苦笑し、アレンはそう切って捨てた。空を血の色に染める黄昏を、どんな思いで見上げているのか―――

「俺だって似たような経験はあるさ・・・・・・二度も、親友を救えなかった。そうやって磨耗した人間が、強い訳があるか」
「―――! ご、ゴメン・・・・・・」
「気にすんな、そんなもん」

かつて、目の前で親友が殺されるのを止められなかった、己の恋人をその手に掛けなければならなかった―――その兄の経験を思い出し、クローセスは顔を伏せた。結局何も分かっていないのは自分なのだと、目を細めながら呟く。

「・・・・・・それで、お前はどうするんだ?」
「・・・・・・・・・」
「涙はあの時に流せるだけ流した―――なら、お前が■■■■にしてやれる事は何だ?」

考える。何をすればいいのか―――だが、そんなものは考えるまでも無い。自分のやるべき事は、当に決まっている。

「・・・・・・約束を、守る」
「ほう?」
「任されたんだ・・・・・・■■■を護ってくれって・・・・・・だから、護る。僕の全てを懸けて」

視線を上げる。黄昏に染まるその視界の中に、不敵な笑みを浮かべる兄の姿があった。自分の憧れる人物だからこそ、その彼に誓いを立てるために―――クローセスは、宣言した。

「僕は彼女を護る・・・・・・だから、そのために僕を強くして。兄さん」
「ああ・・・・・・いいぞ。付いて来れるならな」
「付いて行くさ」

その言葉を聞き、アレンは笑う。成長を見届けて、嬉しそうに―――



―――けれど、その誓いすら護れなかった自分は、どうすればいいのだろうか―――


 * * * * *


「・・・・・・変な、夢・・・・・・」

ベッドから起き上がり、フェイトはあまり思い出せない夢の内容に首を傾げていた。眠気を払うために目元を擦り―――何故か、手に冷たい感触が残る。

「え・・・・・・?」

涙だった。どんな夢かも思い出せないが―――自分は、その夢を見て泣いていたのだろうか。フラッシュバックするように思い出せる一つの情景は―――黄昏の中にある、悲壮な空色の瞳だけ。

「・・・・・・・・・」

空色の瞳、と言われて思い出せるのはたった一人だけだ。だが、何故自分が彼の夢を見たのか。寝ぼけた頭で数秒間考え―――フェイトの顔は、唐突に爆発した。

「あわわわわわわ! きゃ!?」

慌てながら顔を抑え、何故かそこでバランスを崩し、ベッドに手を着こうとしたらその手を外して、フェイトは床へと落下した。その痛みのおかげで何とか冷静に戻れたが―――

「恥ずかし・・・・・・」

夢にまで見ると言う事は、つまり彼の事をそこまで意識していると言う訳で―――それを考えると、今床に落ちた事も含めて顔から火が出るほどに恥ずかしかった。

「うううう・・・・・・」

顔を抑えながら起き上がる。と―――その視界に、既に見慣れた透明な宝玉が映った。

「・・・・・・クリア?」
『はい。おはようございます』

今の行動を見られていたのかと考える所なのだが―――それ以前に、昨日までこのデバイスはこの部屋にいなかったはずなのだが、と言う考えが先行した。いつもクロスの傍に控えているはずなのだが―――
そこで、一つの仮説が生まれた。

「・・・・・・もしかして」
『ええ・・・・・・大方、貴方の予想通りでしょう』

デバイスにもかかわらず溜め息交じりに答えたクリアスゼロの言葉に、フェイトは思わず顔を引きつらせた。つまり、昨日からこの家のメンバーに加わった、あの少女の仕業である。

「どうしてここに運ばれたの?」
『私がいると五月蝿いから、と言ってましたねあのアマは。意識が眠れば虚像も実体も保てないくせに、一体何をする気なのだか・・・・・・まあ少なくとも、ロクな事ではないでしょうが』
「・・・・・・いつに無く辛口だね、クリア」
『クロスは確かに懐いていますが・・・・・・彼女の人格は褒められたものではありません』

どうやら、このデバイスとあのナイフはどうにも致命的にソリが合わないらしい。苦笑しつつクリアスゼロを持ち上げて、フェイトは部屋から出た。

「でも、この時間だとクロスも起きてると思うけど」
『・・・・・・いえ、反応はまだ部屋の中にあるようです。珍しい・・・・・・と言うか、おかしいですね』

基本的に、クローセスの朝は早い。五時ごろに起きて外で走り込みやらイメージトレーニングやらをしているのだが、今日に限っては七時近い今でも眠っているらしい。

「・・・・・・・・・何か、嫌な予感が」
『ええ・・・・・・』

頭の中に浮かんでくる情景を振り払いつつ、フェイトはクローセスに教わった気配遮断を駆使して静かに歩き出した。彼は熟睡している訳だが、いつも気配を近くに感じただけで目を覚ましてしまう。それ故にこうやって近付かなければ、彼の寝顔を見る事はまず不可能なのである。

「―――って、よく考えれば・・・・・・ルヴィリスがちょっかい出す前にクロスは起きちゃうよね」
『確かに、そのはずですが』
「あははは・・・・・・じゃあ、大丈夫だよね」

とは言いつつも、寝顔を見るまたとない機会―――もとい、自分の気配遮断の力を試す機会なので、フェイトはそのままクローセスにあてがわれた部屋の前まで来た。
ドアノブに手を掛け、音を立てないようにゆっくりと捻る。起きる気配は―――無い。

「ふふ・・・・・・クロス、おは―――」

笑顔で声をかけようとし、フェイトは硬直した。若干はがれた掛け布団―――その中に、二色の頭がある。言わずもがな、黒と浅葱色の。
ロクに油を差していない機械のような動きで、その視線を床に向ける。床に落ちているのは、白いリボンとベルトについたレモンイエローの腰布。

そして、布団の中には―――ルヴィリスに抱きついた、クローセスの姿があった。

「・・・・・・・・・」
「あら、フェイト。おはよ」
『・・・・・・何をしているのですか、ルヴィリス』
「見てのとーり、添い寝♪ クロスって寝てる時に抱きつき癖があるのよね。フェイトもやってみる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

―――数秒後、朝の街に少女の怒号が響き渡った。


 * * * * *


「―――でね、酷いのよフェイトったら。この身体じゃ非殺傷設定でも結構危ないのに、ザンバーで斬りかかって来るんだから」
「それで、クロスを盾にして逃げて来た訳かい?」
「あははははー」

無重力の無限書庫。力尽きてぷかぷかと浮かんでいるクローセスを横目で眺め、レイは小さく嘆息した。相変わらず、目の前の少女は人生を謳歌しているようである。

「エンジョイしてるね、相変わらず」
「んふふふふー」

満足そうに笑うルヴィリスに嘆息し、レイは仕事を再開した。ユーノが抜けてはいるが、レイはそもそも休眠や食事の必要が無いので、それこそ際限なく仕事を続けることが出来るのだ。無論、魔力の限界と言う問題はあるが。

「ま、それはともかく・・・・・・わざわざ僕に会いに着たんだ。用事があるわけでしょ?」
「まぁね。調べながらでいいから聞いてよ」
「ん」

検索魔法を続けながらレイは頷く。その様を眺めつつ、ルヴィリスは黒犬に向かって笑顔で声を上げた。

「ちゃんとした体が欲しいの」
「―――ナニをする気だい?」
「ノーウェイトでその聞き方はどうかと思うわよ? あたしを何だと思ってんのよ」
「・・・・・・ま、冗談はさておき」

憮然とした表情のルヴィリスに、レイは咳払いを交えて答える。真っ白な視線を受け流して、レイは先を促した。

「それで、どーゆー訳?」
「別に・・・・・・単に、あたしも戦力になりたいだけ」
「戦力になる、ね」

どうやら、カルハリアを倒せなかった事は意外と彼女のブライドを傷つけていたらしい。確かに、千年に渡る戦闘経験を持つ彼女がまともに戦えるようになれば、何かと便利だろうが―――

「難しい、かなぁ・・・・・・」
「そーなの?」
「僕はメルレリウスとは違うからね・・・・・・あいつの《人形》は固有能力だし」

どうしたものかと首を傾げる。単に実体を作り出すだけなら、クレスフィードにしたのと同じシステムを組み込むだけで済んだのだが、実際の体となるとそうも行かない。

「使い魔を作り出して、その身体を使う―――いや、どうした所で使い魔の自意識が生まれるか」
「そんなに難しいもんなの? ヴォルケン何たら達だって皆プログラムなんでしょ?」
「あの四人は元々闇の書を守護するために一から作られたプログラムだから。まあ、管制人格であったリインフォースは・・・・・・」
「―――? レイ?」

唐突に言葉を切ったレイに、ルヴィリスはきょとんと首を傾げた。何を考えているのか、ぶつぶつと何やら呟いている。何か、思いつく事でもあったのか―――

「ユニゾンデバイス―――」
「え?」
「一からボディを作り出し、単体でも魔法を扱う古代ベルカの特殊デバイス・・・・・・これなら、もしかしたら」
「えっと・・・・・・よく分かんないけど、出来るかもしれない訳?」
「うん」

魔法を発動し、レイはいくつもの本を集め始めた。レイの周りに集まってくるデバイス工学と、古代ベルカについての本の山、山、山―――それを目を丸くしながら見詰め、後ろから飛んできた本を首を傾けて躱し、ルヴィリスは感心したように頷いた。
その直撃を受けたクローセスがどこかに飛ばされていたが、それはともかく。

「で、ユニゾンデバイスって何な訳? クリアと何か違うの?」
「―――ここミッドチルダで、現在主流なのはストレージデバイスとインテリジェントデバイス。クリアやフィー・・・・・・レイジングハートはインテリジェントだね。その次点にあるのが、ヴォルケンリッターたちが使ってるようなアームドデバイス。基本的に、大体はこの三つだと思っていい」

無数の本を次々緑の光に包み込みながら、レイは言葉を続けた。

「けど、一般にはほとんど知られていない第四のデバイスがある―――それが、ユニゾンデバイスだ」
「ユニゾンデバイス、ね・・・・・・で、それってどんなやつな訳?」
「文字通り、ユニゾン―――デバイスがマスターと合体する訳さ」

読み取りが終了してレイが放り出した本をキャッチし、適当にページを開く。そこに写っていたユニゾンデバイス―――小人ほどの大きさのヒトガタに、ルヴィリスは首を傾げた。

「ちっちゃいじゃない。こんなのでどうするのよ?」
「その大きさの方が燃費がいいのさ。まあ、ユニゾン機能とかそんなのを除いて、単にその技術を利用した人形を作ればいい訳だから、それはあまり気にしなくても大丈夫。はやてにもユニゾンデバイスの作成を頼まれてたし、ちょうどいい練習になる」

いつになく生き生きとしている黒犬に、小さく苦笑する。短剣である《ルヴィリス》を作る時もその材料を頼んだのは彼に対してであったが―――何かと凝りやすいのは、この黒犬の特徴のようである。

「―――興味深いね。小型だけど、機能は人間に似てる・・・・・・物も食べられるのか」
「あ、それいいじゃない」

何せ、ここ八百年は何も口にしていないのである。食物の味が恋しいと思う事はたまにあるのだ。

「ん〜♪ クロスの料理も食べてみたいなー♪」
「今じゃ手に入りにくい素材も使われてるな・・・・・・けど、《原書》から出したものを分解すれば、何とか・・・・・・」

徐々に自分の世界に入り込んでゆく二人の古代魔導族を、無限書庫の司書達は放り出された本を片しながら嘆息交じりに見詰めていた。

ちなみに―――
無限書庫の奥まで弾き飛ばされていたクローセスは、半日ほど掛けてようやく無限書庫から脱出したのだった。


 * * * * *


「―――で、君はそんな事のために家の中で魔法を使ったのか」
「だって・・・・・・」

クロノの説教を受け、フェイトは顔を俯かせながらそう呟いた。確かに魔法を使ってしまったのは悪かったかもしれないが、あれは怒ってしかるべきだったと思う。何と言うか、乙女の勘的に。

「人をおちょっくている感があるとは言え・・・・・・彼女の悪ふざけはそこまで過敏に反応するものなのか?」
「分かってないなー、クロノ君は」
「・・・・・・エイミィ?」

冷蔵庫からオレンジジュースを取り出してきたエイミィに、クロノは眉根を寄せつつ視線を向ける。胸を張って自信たっぷりに、エイミィはお姉さんとしての声を上げた。

「好きな男の子が別の女の子と一緒に寝てたら、そりゃあ怒るでしょ」
「エ、エイミィ!」
「あー、フェイトちゃんは可愛いなぁ、もー!」

真っ赤になって止めようとするが、逆に捕まって頬ずりされる―――エイミィの腕の中で、フェイトは先ほどとは違う理由で顔を俯かせていた。
フェイトをぬいぐるみよろしく抱き締めつつ、エイミィは上機嫌で声を上げる。

「それにしても、クロス君にも子供っぽい癖があったんだねぇ。いつも先に起きるから分かんなかったけど」

今日は恐らく、ルヴィリスによって強制的に眠りを深くさせられてたのだろう。それでなければ、彼は抱きつき癖など絶対にバレなかった―――と言うか、バラさないようにしたに違いない。

「意外な側面ってやつ? 何気に高感度アップするのよね〜」
「エイミィ・・・・・・まぁ、確かに意外ではあるな。クロスは自分の本質を隠す癖があるように思える」
「別に抱きつき癖が本質って訳じゃないだろうけど・・・・・・」

苦笑しつつも、フェイトは内心クロノに同意していた。いつもクローセスが浮かべている微笑はどこか仮面のようで―――それ以外の本当の表情を、フェイトは戦いの中以外では見た事が無いように思えたのだ。

「ああ、それと・・・・・・これは僕の主観だが」
「うん?」

クロノが、腕を組みつつ言葉を続ける。フェイトとエイミィは、首を傾げて彼の言葉を促した。

「―――ルヴィリス・・・・・・彼女は、どこか『わざとらしい』んだ。クロスと同じで・・・・・・どこかに自分の本質を隠しているんじゃないか?」
「『わざとらしい』・・・・・・それって、どういう事?」
「どうもこうも・・・・・・僕には、彼女がクロスに絡むのは、まるで君の事を煽ってるようにも見える」

悪戯好きで、刹那的な性格―――その瞬間瞬間を楽しもうとする節は、確かにある。クローセスの事を気に入っているがための行動でもあるのだろう。だが執務官の観察眼には、それがどうにも芝居がかって映っていたのだ。

「どの道・・・・・・あの二人は、恐らく己が本当に信頼している人間にしかその本質を見せないだろう。自分自身で全てを解決しようとする性格―――どこかの誰かにそっくりだ」
「ふぅん・・・・・・クロノ君も、よく見てるんだねぇ」
「彼らはまだ、全てを話した訳ではないからな。いくつか隠してる事もあるだろう・・・・・・クロス達だけで話しているような場面の映像でもあれば、また何か分かるかもしれないんだが―――」
「あ・・・・・・」

クロノの言葉に、はっとしてバルディッシュに目を向ける―――その様子を、エイミィは見逃さなかった。

「フェイトちゃん、もしかして・・・・・・」
「あ・・・・・・う、うん。お風呂入ってる間に、ルヴィリスが何かしないかバルディッシュに見張っててもらったんだけど・・・・・・」
「・・・・・・・・・まあ、特には何も言わないが・・・・・・」

覗きまがいの行為はあまり褒められたものじゃない、と言うクロノの言葉にグサッときつつも、フェイトはバルディッシュに映像記録を再生させた。

―――そこにある二人の姿を、知らないで。







あとがき?



「再び日常編。大体日常かバトルしかやってないような気もするが」

「そんなもんなんじゃないの?」

「大まかに分ければ、そんな感じだと思うよ。三分の一は戦闘だろうし」

「数えてないけどな」

「それは、まぁ・・・・・・でも、一話で終わる戦闘少ないですね、最近」

「グランゼストなんか三話にまたがったからねぇ」

「撤退予定だったカルハリアまで二話、ね。こりゃ、本格的に四十話の危険があるぞ」

「あはは・・・・・・ホント、初めて読む人が読みづらい長さですね・・・・・・」

「まぁ、流石にこれ以上キャラを増やす予定は無いらしいが」

「元々『なのは』側のキャラが多いからね。全員まとめての戦闘なんて、とてもじゃないけど訳分かんなくなるし。作者の能力じゃ」

「・・・・・・まあ、確かにそうだけどね・・・・・・」

「今でも訳が分からんと言う説もあるが。敵側を整理してみるとだな、メルレリウス、ウェルフィレア、シアシスティーナ、カルハリア・・・・・・だけになってる」

「カルはあたしの獲物よ」

「シアシスティーナの相手は、まぁ予想通りの事になるだろうし」

「だな・・・・・・まぁ、そこでメルレリウスの《人形》がある訳だが」

「数はともかくねー・・・・・・あの外道二人は反響が怖いわ。何してくる事やら」

「あの二人が敵になることは予告編の時点で決定してたみたいだがな」

「典型的な悪役、って事ですか」

「どーだかな。まぁその代わり、うちには典型的な正義の味方やら主人公はいない訳だが」

「『正義? ンなもん知るか。要は敵を斃しゃいいんだろーが』だもんね。アレンの場合」

「と言うか、『自分のやりたい事を勝手にやるだけだ』の方が合ってる・・・・・・騎士は皆そんなものだと思うよ。この人だってそうだし」

「はっはっは」

「いや、褒めてないですけどね」

「ま、いーんじゃないの? こいつの場合、結果的に何とかなってるし」

「終わり良ければ全て良しって奴だ」

「いや、クラインさんの場合は過程も気にしてくださいよ・・・・・・」

「まーまー。さて、次回は・・・・・・多分、終わりの所で分かってると思うけどね。あたし達の秘密・・・・・・一体、どんなものだと思う?」

「次回を・・・・・・お楽しみに」






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