クローセス=シェイン

天界騎士団上級騎士:ランクAAA

元Sランク騎士、ハーティセン=シェインの息子。十三歳の頃、AAランク上級騎士アレン=セーズ(十七歳当時)によって発見、同騎士の推薦により入団。以後、同騎士の直属部下として活動。

同年、敵勢組織の壊滅に貢献したため、中級騎士として認定される。十三歳でのBランク認定は、アレン=セーズ(十二歳当時)が入団と共に中級騎士に認定された事に告ぐ記録である。

■■■年、古代魔導族との抗争にて多大な貢献をし、Aランク上級騎士に認定。しかし、抗争の終了と共に『欠落』を確認。以後、要注意観察指定、準殲滅指定を受ける。

■■■年、昇級試験によりAAAランク上級騎士に認定。『欠落』による『崩壊』の予兆は今の所見られず。

■■■年、古代魔導族の遺産の暴走により、行方不明。トレーサーとして、第一階梯古代魔導族レイムルド=L=クレスフィードを送り込む。『崩壊』を確認次第、殲滅する。



特別記述

第二階梯古代魔導族ガルディアラスの直系により、眼術《瞬狼眼》を操る。強化点は動体視力、および身体能力(主に速力)。スピード系の眼術としては最高位のものである。
先祖返りを起こしているため、眼術は非常に強力。それにより、『■■■■■■■』を扱える二人目の術者となる。



メモ

クラインの野郎、書類に好き勝手書いてるんじゃねえよ。クロスがいなくなったのはお前のせいだろうが、お前の。今のままじゃどうしようもなかったのは事実だが―――新たな刺激があいつをどっちに転がすかは、全く分からないんだぞ? ハーティセン=シェインとお前は親友だったんだろうが・・・・・・何を企んでるかは知らないが、絶対にクロスだけは救え。
もしあいつが死んだら、俺がお前を殺す。

アレン=セーズ


 * * * * *


「・・・・・・・・・?」

咄嗟に目を閉じていたフェイトは、頬に当たった生暖かい感触にゆっくりと目を開けた。目の前にある黒い影―――逆光になった誰か。
目を凝らせば、そこに紅い背中が立っていた―――いくつもの、氷の槍を生やして。

「え・・・・・・?」
「だい・・・・・・じょ、ぶ?」

ほとんど掠れた、声にならない声が響く。しかし、フェイトはそれを認識する事が出来なかった。生えている氷の槍からはぽたぽたと紅い雫が垂れ、氷の地面にゆっくりと水溜りを作ってゆく。

「なに・・・・・・してるのよ・・・・・・」

愕然とした表情で呟いたのは、攻撃を放った本人だった。氷の槍を放った姿勢のまま、目を見開いてクローセスの姿を見詰めている。
最早喋る力もなく―――それでも、クローセスは口元に笑みを浮かべた。

(心臓には当たってない・・・・・・即死は免れたか・・・・・・)

だが、致命傷だ。身体は穴だらけで、重要な臓器をいくつも貫かれている。あと数分もせず、自分は死に至るだろう―――醒めた頭で冷静に分析しつつ、クローセスは胸中で苦笑した。
と―――

「なんで・・・・・・なんでなんでなんでっ!?」
「フェ、イ・・・・・・」
「クロスッ!! やだ、こんなの嫌だっ! 何でこんな事したの!? バルディッシュが防御してくれるのに!」

錯乱しつつ、フェイトが叫ぶ―――バルディッシュは氷に閉じ込められ、力を封じられている事にも気付いていない。口を開こうとして血の泡が口の中に溢れ、それを吐き出してから、クローセスは念話でフェイトに言葉を伝えた。

『ゴメン・・・・・・なんて言ったらいいか分からないや。せっかく即死しなかったのに・・・・・・』
「違う! そんな事言ってるんじゃない! 私は―――」

氷に閉じ込められたまま、フェイトはあと少し届かない場所に居るクローセスに向かって左手を伸ばす。あと数センチが、どうしても遠かった。

「―――私がクロスを助けなきゃいけないのに! なのはに救ってもらった私が、今度はクロスを救わなきゃいけないのに!! やだよ、こんな結末なんて嫌だッ!!」
『大丈夫、大丈夫だから・・・・・・泣かないで』
「大丈夫なんかじゃ、ないよ・・・・・・っ!」

確かに、と苦笑する。どう考えてもこれは致命傷だ。けど傷の痛みよりも、フェイトを泣かせてしまっている方がよっぽど一大事だ。

『フェイト、ありがとう。君のおかげで、僕は戻れた・・・・・・踏み止まれた』
「違う・・・・・・それだけじゃダメだよ・・・・・・!」
『ううん、大丈夫・・・・・・後は、僕が何とかするから』

言って、視線を上げる。未だに愕然と、茫然自失としている古代魔導族へと。

―――もう、躊躇わない。

「クリ、ア・・・・・・」

―――もう、迷わない。

「術式、起動・・・・・・」

―――クローセス=シェインは―――

その先の言葉を飲み込み―――それと共に、クリアスゼロが静かに輝きを放った。


 * * * * *


―――目を開けた時に見えたのは、やはり黒い墓標だった。

「僕の内包世界、か」

内包世界―――あるいは精神世界、心の中と言った方が妥当か。ゆっくりと、その黄昏の荒野に視線を巡らせる。何も無い、ただ墓標が一つあるだけのその世界―――だがその背後に、一人の気配を感じた。

「・・・・・・驚いたな。まだいたんですか」
「些か語弊が在るな、その言い方では」

十六歳の己の体―――それで振り返る。その先に、茶髪の少年が一人、静かに佇んでいた。外見はほとんど同じ―――ただ、その髪の色と服だけが違う。

「我は当に存在しない。ここにいる我は、お前の記憶が作り出した存在だ」
「僕の貴方に対するイメージの塊って事ですか・・・・・・ガルディアラス」
「そう言う事だ。お前に敗北した以上、我はお前の血の中に力として眠る他無い」

自分の先祖―――『孤高なる狼の王』ガルディアラス。それが、彼の名だった。以前この内包世界で自分と戦い、力を譲渡して消えた、世界で最も尊敬する人物の内の一人。

「・・・・・・まあ、それはどうでも良い。ところで・・・・・・答えは、出たのか?」
「・・・・・・はい」

相手の目から視線を外す事無く、真っ直ぐに。純粋なる力がこもった視線を受け、ガルディアラスは小さく笑みを浮かべた。

「成程、良い目をするようになった。未だに答えを出していない様であれば、この場で殺してやろうかと思っていたのだがな」
「・・・・・・次にこの力を使うのは、答えを出してからにしようって・・・・・・最近、思ったんです」

つい先日ですけど、という言葉は飲み込み、クローセスは苦笑した。その表情を見て、ガルディアラスもまた視線を上げる。

「簡単な事だったんですね。貴方の血を受けた僕が、孤独である事は当然なのかもしれないって思いましたけど―――」
「お前はお前、我は我だ。生き方まで縛られる謂われは無かろう」
「ええ、その通りです」

ただ穏やかに笑い、頷く。黄昏の荒野の中でただ二人―――それでも、孤独を感じる事は無かった。だがそれは、『欠落』のせいではなく―――

「人を求める方法なんて、人を受け入れる方法なんて簡単だった。ただ一言―――『助けて』と、そう言えば良かった。それを、フェイトが教えてくれました」
「成程、な・・・・・・」

満足そうにガルディアラスは頷く。子供のように無邪気に、けれどどこまでも冷静に―――クローセスは、静かに言葉を紡いだ。

「思えば、出会った時から惹かれてたのかもしれない・・・・・・結局世話かけてばっかりで、今回も助けてもらっちゃいましたけど。でも―――今度は、僕の番だ」
「そうか・・・・・・何、その力は最早お前の物だ、我が子よ。躊躇う事無く、しかしその意味を見失わぬよう振るって来い」
「・・・・・・はい」

力強く頷き―――その次の瞬間、ガルディアラスの姿は夕日に溶けて消えていた。瞬きの間に消滅した先祖に苦笑し、再び墓標に向き直る。
―――ジェイス=クワイヤードと、そこには記されていた。

「・・・・・・結局僕は、貴方との約束を果たせなかった」

『リースの事頼むぜ、クロス・・・・・・見ての通り、意外にもお兄ちゃんっ子だったらしくてなぁ・・・・・・ったく、普段しこたま嫌ってたくせによ』

目を閉じれば聞こえてくる、徐々に冷たくなってゆくジェイスの、その掠れた声。助けようとして助けられなかった、救おうとして救えなかった人。

「・・・・・・だから、僕の事を恨んでも構いません」

『嫌だ! 兄貴―――兄さんッ! ボクを独りぼっちにするなんて許さないッスよ!? 目を開けて―――ッ!! クロス! アレンさん! 兄さんを助けて―――!!』

今もなお耳に残る、救えなかった親友の慟哭。自分では、彼女の支えになれなかった―――それが、何よりも悔しい。
―――だからこそ。

「だけど、それでもまだ僕の事を認めてくれるなら―――」

この身に刻まれた事は後悔ばかり。だけど今度こそ、兄の言うように後悔しないためにも―――

「―――見ていてください、ジェイスさん。リースの騎士にはなれなかったけど・・・・・・僕は、フェイトの騎士として戦います」

―――クローセスは、黄昏の荒野に背を向けた。


 * * * * *


アースラのミーティングルームは、痛いほどの沈黙に沈んでいた。モニターに映るのは、いくつもの氷の槍に貫かれたクローセスの姿。それに誰もが言葉を失い―――血の気が首の下まで下がるのを感じていた。

「嘘、やろ・・・・・・クロス君・・・・・・」
「―――ッ! 医療班を呼べ! 本局にも連絡! 最高のチームを集めろ!」

真っ先に正気に戻ったのはクロノだった―――いや、否。そもそも、初めから冷静だった者が一人いたのだ。

「・・・・・・ああ、クロノ。その必要は無いよ」
「なっ!? レイ!?」

黒いローブの古代魔導族は、あくまで余裕の表情でモニターを見詰めていた。のらりくらりと、一切の不安要素など無いと言うように、ただ冷静な声を上げる。

「ここでクロスが死ぬなら、彼自身が限界だと感じた証拠だ。それなら、僕が殺す手間が省ける」
「テメェッ!! それが仲間に対する言葉かよ!?」
「今回はヴィータと同意見だ! 貴様、一体何のつもりだ―――答えろ、レイムルド!」
「何様ですか、貴方は・・・・・・!」
「返答次第では・・・・・・例え共に戦った仲とは言え、許さぬ!」

激昂するヴォルケンリッターの四人―――そちらに苦笑交じりの視線を向け、それを再びモニターへと戻した。
―――それとほぼ同時、画面の中で、クリアスゼロが輝きを発し始めた。

「・・・・・・そうか、君は諦めないんだね」
「―――何これ!? く、クロス君の魔力値、増大! 推定ランク―――オーバーS!?」

モニターに向かっていたエイミィが、信じられないと言うように叫び声を発する。それと共に、レイに向かっていた敵意や軽蔑の視線もすぐさまそちらへと向かった。

「・・・・・・何が、起こっている?」
「抗ってるのさ。クロスは最後まで諦めないつもりらしい・・・・・・あるいは、答えを見つけたとも考えられるかな」
「どう言う事だ?」

呆然としたクロノの問いに苦笑し、静かに前に出る。モニターの前に立ち、クローセスはその口元に満足気な笑みを浮かべた。

「眼術持ちは、体内に二つの魔力回路を持っている―――本来生物が一つずつしか持たないはずの物を、だ」

体のあらゆる部分に魔力を行き渡らせるために作られる魔力回路。それは本来、複数必要の無い物だ。だが―――眼術持ちは、古代魔導族の直系だけは違う。

「彼らは人間の魔力回路と、始祖となった古代魔導族の魔力回路を持ってる。眼術の発動は、人間の魔力回路に流している魔力の内の何割かを、古代魔導族の方に流し込む事によって行われているんだ」
「なら、これはどういう事だ!?」
「こう考えてみるといい。人間の魔力回路に流している魔力、その全てを古代魔導族の方に切り替えたらどうなるか、とね」

人間が人間である理由とも言える、人間の魔力回路―――ならば、その全てが古代魔導族のものへと変わったら?

「これを発現出来た者は、クロスを含め二人しかいない。故に、これは眼術持ちの最終奥義にして、究極の到達点―――君達が《祝福の風》と名付けた者と同じ名を持つ技法。人間が古代魔導族を超える可能性―――」
「リイン、フォース・・・・・・」

その口元に笑みを浮かべ―――無邪気に、残酷に、嬉しそうに―――声を、上げた。

「―――『人間の古代魔導族化』・・・・・・それが、クローセス=シェイン最後の切り札だ」


 * * * * *


魔力が駆ける。銀の魔力が、無色の魔力が渦巻き、クローセスの全てを再構成してゆく―――

『回路T、魔力流カット―――回路Uに完全移行』
「眼術拡張。《瞬狼眼》、臨界突破―――発動率、百パーセント」
『術式、発動。コード―――』

―――そして、最後の言葉を言い放った。



「―――ガルディアラス」/『GALDIARUS―――』



瞳がブラウンへと変色する―――そして変色はそれだけに留まらず、その髪の色も同じブラウンへと変化させた。そして、それとほぼ同時―――クローセスの体から、黒い靄が浮かび始める。

「何を呆けてるんだ、シアシスティーナ。もう忘れたのか?」

ゆっくりと立ち上がる。その際に抜け落ちた氷の槍が、地面に落ちて砕け散った。
―――しかし、それでも血が吹き出ることはない。

「孤独な狼は、ただ独りの荒野でその傷を癒さなければならない―――」

力の恍惚に口元に笑みが浮かびそうになるが、自然とそれは収まっていた。今自分は、暴虐のためにこの力を使うのではないのだから。
浮かび上がった黒い靄は、やがてクローセスの頭上で一点に収束し始めた。体から黒い靄が上がる度に傷は消え、失われた血は元に戻る。

「―――故に、有する力は身体ダメージの魔力情報化と、その抽出、および破壊」

視線を、上げる。最良の状態へと戻った体には、一切の傷は残っていなかった。力への恍惚も、慢心も無い―――ただ、在るがままそこに在る。
―――そして次の瞬間、黒い靄の塊は澄んだ音と共に砕け散った。

「《再生》―――それこそが、ガルディアラスの固有能力だ」
「な、によ・・・・・・その、姿は・・・・・・何で貴方が、ガルディアラスになってるのよ!?」
「知ってるものだと思ってたんだけどね。君を殺したのは、ブレイズィアスになった兄さんだったじゃないか」

その言葉に、シアシスティーナは息を飲む。
『力の目覚め』―――その意味を込めて兄が《リインフォース》と名付けたこの技法の最初の発現者は、他でもない兄である。第一階梯古代魔導族、『炎竜王』ブレイズィアスの力を発現させた、ただ一人の人間。
それと同じ力を発現したクローセスを、フェイトは呆然とした視線で見上げていた。

「クロス・・・・・・?」
「うん、そうだよ。言ったでしょ? 大丈夫だって」

変わらない様で、何もかもが変わった―――その笑顔で、微笑みかける。思わず硬直したフェイトに苦笑して、クローセスは氷の地面に右手をつけた。

「響け、破壊の聖音。全てを砕く清き咆哮。我が前に来たりて、立ち塞がりし敵に破滅の調べを響かせよ」
「―――ッ!! 氷よ!」

足元の氷が隆起し、クローセスの身体を飲み込もうとせり上がる。だが、それより一瞬早く―――

「―――謳え、破滅の福音」
『Gospel Ruin.』

―――破滅の衝撃波が、周囲の氷を蹂躙した。
可変振動衝撃波―――それが、クローセスの放った術の名。仕組みはクロノの持つブレイクインパルスと同じ―――だが、その規模が違った。
第一波が破壊したい物質の固有振動数を読み取り、それに次ぐ第二波がその振動数に合った衝撃波を叩きつけ、完全に破壊する。

それによって周囲の氷は、ほぼ一瞬で全てが粉々に砕け散っていた。

「貴方・・・・・・本当に、人間・・・・・・?」
「違う―――そう言ったのは君のはずだが?」

フェイトに手を貸して立ち上がらせつつ、クローセスは冷酷な視線をシアシスティーナに向ける。ルヴィリスも立ち上がり、その姿を短剣に戻すと、そのままクローセスの手の中に納まった。

「―――けど、そんな事はどっちだっていい。人間だろうが化け物だろうが、『僕』には変わりないんだ―――『僕』が消えない限り、壊れない限り、恐れるものなんて何もない」

『崩壊』さえしなければ、どうとでもなる。
今までは、死ぬ時は死ぬと―――奪って来た者として当然の結果だと、半ば受け入れつつあった。だが、今は違う。死にたくないと、はっきり言える。だからこそ―――

「・・・・・・ねえ、フェイト」
「クロス?」

立ち上がらせる時に握ったままだった手を、軽く握り締める―――心の中にあるのは、多少の不安。勝手な事ばかりして、見放されてしまったかもしれない、と。
けれども―――これは、導き出した答えだから。

「君は・・・・・・僕の事、助けてくれるかな?」
「―――!!」
「ムシがいいって事は分かってるけど、それでも―――」

クローセスは、そこで思わず言葉を止めていた。フェイトが、その手を軽く握り返していてくれたから。
―――フェイトの顔には、嬉しそうな笑みが浮かんでいた。

「大丈夫だよ、クロス―――私が、クロスを助けるから」
「―――そっか、ありがとう」

微笑んで、手を離す―――前に出てシアシスティーナの前に立ち、クローセスは力強く宣言する。その覚悟を、その意思を―――その、在り方を。

「―――もう、躊躇わない」

力が足りないから、届かないから―――そんな理由で手を伸ばすのを止めない事を誓う。

「―――もう、迷わない」

この身を懸けて、この名に懸けて―――護りたいたった一人を絶対に護りきる事を誓う。

「―――僕は今、フェイト・テスタロッサの騎士としてここに在る。誰にも否定は―――させない!」

それこそが―――クローセスの行き着いた一つの答えだった。







あとがき?



「と、ゆー訳で、クロス復活。ご都合主義と言われても仕方ない展開だったが」

「仕方ないじゃないですか・・・・・・って言うか、この能力のおかげで僕が誰か庇ったりした時は、いつも瀕死の重傷なんですから」

「まぁ、仕方ないでしょ。僕の《原書》やブレイズィアス・・・・・・アレンの《白焔》みたいに派手でもないし。メルレリウスの《人形》みたいに応用範囲が広い訳でもない。まあ、その分使い勝手はいいだろうけどね」

「いーじゃない。あたしの能力よりも《再生》の方がまだ便利で派手よ―――って言うか、レイ。あんたまだいたの?」

「クロスが無事だと分かった途端に元気になってからに君は・・・・・・まあ、それはともかく。能力の便利さや希少性自体は、《再生》はかなり高いランクにある能力だね」

「即死しなけりゃ死なないからな」

「最初は失った血は戻らないって言う設定だったんですけど、それだと僕が初めて使った時―――右腕右足が吹っ飛んでたんだよね、あの時・・・・・・まあ、その時に血が足りなくて動けなかっただろう、って言う事で」

「って言うか、普通なら数分とせずに失血死してるわよね」

「これのおかげでクロスは特攻できるからな。何せ、心臓か頭を潰されなければいくらでも戦えるわけだ」

「そうとも限らないんですけど・・・・・・今の僕じゃ、《リインフォース》の発動は十五分ぐらいが限界だと思うし」

「名前被っちゃったのよねぇ。まぁ、今更設定を変える訳にも行かなかったから、仕方なくそのままネタとして使ったらしいけど」

「最初はレインフォースだと思ってたみたいだけどね、作者」

「そのまま読むからでしょ・・・・・・」

「どの科目もほぼ平均点を取る作者の、唯一苦手科目が英語だったりする」

「あんまり自分をいじめなくても・・・・・・とまあ、それはともかく。少し説明しときますね。この状態の時、僕の魔力は高まってS+ランクほどまで上がります。それと同時に、特殊な魔導を魔法にアレンジした術をいくつか使えるようになります」

「ゴスペルルインなんかそうね。元々、振動波系広域破壊魔導だし」

「それと固有能力として《再生》が使えるようになります。けどまあ、発動に時間がかかるのと、タイムオーバーになるまで能力を使うとそのまま動けなくなってしまったり・・・・・・あと、《リインフォース》は一日一回しか使えません。それと、使った後はしばらく眼術が使えなくなります。魔力量と、魔力回路に対する負荷が原因なんですけど」

「便利っちゃ便利なんだけど、割と欠点も多いね」

「寝る前に発動して鍛える、とかやってるからな。アレンも。睡眠は魔力が最も回復するから、起きた時には回復しきってるし」

「ま、便利な力はそんなもんでしょ。次回は本気になったクロスが戦う訳ね♪」

「あははは・・・・・・それでは、次回をお楽しみに」






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