セフィロート―――
「お前達は、あいつ等を始末しろ! 私は、コイツを殺る」
 フェイトを殺すと言うクラヴィス。
「本当に大丈夫なのですか?」
「心配いらん! そう簡単に負ける私ではない。 だが、相手は執務官……」
「では、健闘を……」
「お前もな、ジュリアス」 
 副隊長の名はジュリアス。

「執務官! 貴様を殺す」
 クラヴィスは殺意をフェイトに向ける。
「質量兵器使用で逮捕します」
「逮捕だ? たかが執務官風情が……」
「貴方には、弁護士を呼ぶ権利も黙秘する権利もあります。 罪を重ねる前に投降してください」
「之が、答えだよ。 執務官さん!」
「投降の意思なしと見て実力行使します」



 別の場所では……
すずかとアリサは、魔法騎士マジックナイトたちと対面していた。
「貴方達は誰ですか?」
 すずかが、魔法騎士マジックナイトたちに聞いた。
「私は、獅堂 光」
「鳳凰寺 風ですわ」
「龍崎 海よ」
 すずかとアリサに名乗る光、風、海の三人。
「貴方達が、魔法騎士マジックナイトですね」
「何故、貴方が魔法騎士マジックナイトの事を知ってますの」
 風が驚く。
≪敵です。 ご注意を……≫
 警告を発するすずかのデバイス。
そして、100人以上の敵兵が現れた。


 魔法少女リリカルなのは -RESERVoir CHRoNiCLE-
 ―第一部『ガトランチスの進撃』― 第三話『魔法騎士マジックナイト再び!! 後編』


 何処か分からない次元……。
其処に、創造主モコナを探しにさくらは来ていた。
創造主モコナは、何処かな?」
 さくらは、創造主モコナの気配を探っていた。

 そして、当の創造主モコナは……
「ぷぅ。 ぷぅ」
 遊んでいる。
「ぷぅ。 ぷぅ。 ぷぅ」


 セフィロート―――
「お前達に怨みはないが、我等が野望の為、死んでくれ!」
 ジュリアスが言う。
武器を構える100人以上の兵達。
「(すずか、さっさと片付けるわよ)」
「(アリサちゃん、暴れすぎないでよ)」
 相手に聞かれないようにする為、念話で話す、すずかとアリサ。 

「行け!」
 攻撃を命じるジュリアス。
「『おおぉ』」
 威勢を挙げてすずかたちに襲い掛かる。
≪結界を展開します≫
 結界を張る『ヴァンッアームーン』。
「幾ら結界を張ったところで質量兵器の前では無意味だ!」
 彼等は、理解していない。
此の世界は、意思の強さで攻撃も防御も変わってくるって事を。

「かってぇ」
 結界は、思いのほか硬かったのだ。
「ベルカにしては、術式が違う…… 古代ベルかとも近代ベルかとも違う。
何時のベルカ式なんだ?」
 部下達の戦闘を見て分析するジュリアス。
(若し、アレが『元始ベルカ』なら可也厄介だな…… 何しろ伝説の魔法形態だからな。 まぁ、どちらにしろ
データは手に入るのだからな……)
「どんな手を使ってでも、あの二人からデータを引き出せ! あの三人でも攻撃してな……」
 ジュリアスは、光たちへの攻撃を命じた。


 其れから数十分後……。
「何故なんだ! 何故、あいつ等に攻撃が通じない!」
 ジュリアスは、驚いている。
「何故、我々の攻撃が通じなくて、やつ等の攻撃は通じるのだ!」
 既に半数以上の手駒が戦闘不能にされたジュリアス。
「だが、だんだん動きが鈍くなってきている。 そろそろ、アレの使い時だな……」
 何かを使おうとしているジュリアス。




 再び何処か分からない次元……。
「ぷぅ。 ぷぅ」
 どこか分からない場所で『魔神マシン』が創造主モコナに膝まづいていた。
創造主モコナが『魔神マシン』に何かを言っている。
 其処へ、さくらが現れた。
「やっと見つけた。 『創造主モコナ』探したよ?」
「ぷぅぅぅぅ」
 さくらに飛びついてきた。
侑子(ゆうこ)さんの言ってたとおり『ふわふわ』している」
「ぷぅ。 ぷぅ」
「『創造主モコナ』、私と一緒に来てくれる?」
「ぷぅ」
「貴方の創った世界の一つが大変な事になっているの。 其れに魔法騎士マジックナイトも『魔神マシン』の力を
借りないといけない事態になるから……」
「ぷぅ」
 再び膝を折る『魔神マシン』。
創造主モコナと何かを話しているようだ。
「ぷぅぷぅ」
「そう。 一緒に来てくれるんだ!」
「ぷぅ」
 創造主モコナは頷いた。
どうやら一緒に来てくれるみたいだ。
「時間が無いから直ぐ転移を開始するから……」
 そう言って、転移の呪文を唱える。
創造主モコナ魔神マシンを含めてさくらの魔力に包まれていく。



 セフィロート―――
「はっはっはっはっ。 お前達の力は、其の程度か?」
 勝ち誇ったように言うジュリアス。
其れも其のはず、違法な薬物で肉体を強化したからである。
「此の世との別れは済んだか? 済んだのなら死ね!」
「其処までだよ」
 !
「誰だ! 何処に居やがる」
 突然現れた気配に驚くジュリアス。
魔法騎士マジックナイトにお土産だよ。 之で戦いなさい」
 すぅっと現れる創造主モコナ魔神マシン
「アレって『魔神マシン』よね」
 お互いに確認する光、風、海。
「『魔法騎士マジックナイトよ再び我等を纏い戦うがいい』」
 レイアースがウィンダムがセレスが言う。
「『汝等の此の世界を救いたいと思う意思、確かに認めた!』」

「何だ! 何なんだ! アレは? 今まで姿かたちなど無かったはず」

≪マスター、新しい空のカートリッジと交換してください。 これ以上魔力を吸収できません≫
 カートリッジの交換をするようにアリサに言う『グロフォード』 。
「後、一個しかないわよ空のカートリッジ」
≪危険ですが、方法はあります≫
「何よ其れ。 教えなさい」
≪圧縮率の変更による強制注入です≫
 方法を言う『グロフォード』。

「余所見する暇が在るとはな…… 死ね!」
「此の世界を侵す人たちは許さない」
 『魔神マシン』を纏った光が言う。
「炎の矢!」
 光は、魔法を唱えた。


 艦船アースラ―――
「戦闘現場に巨大兵器出現」
 エイミィが言う。
「質量兵器じゃないだろうな」
「ちょっと待って、あの三体魔法を使ったわ」
「魔法だって! 質量兵器じゃないのか?」
『(違うよ。 アレが、創造主モコナが創った『魔神マシン』なの)』
「『魔神マシン』? まるでロボットじゃ」
『(そう、ロボットなの。 でも唯のロボットじゃ無いけど)』
「唯じゃないって如何言う事なんだ!」
『(あの三体が其れ其れ意志をを持っていると言う事)』
「意志って、機械が意志を持つか? 普通……」
『(普通はね…… でも、此の世界は意志が全てを決するって言ったよね)』





「馬鹿な…… 圧倒的に優位だったのに。 何故、こんな結果になるんだ!」
 再び形成をひっくり返されたジュリアスは言った。
「無駄な抵抗は止めなさい」
「無駄な抵抗? ふん、時間稼ぎとも知らずに……」
「何の時間稼ぎ?」
 ジュリアスは、背後から急に声をかけられた。
「彼の者達を深き眠りに誘え『スリープ』!」
 とっさの出来事に対応できず眠りに落ちた。
「イキナリ眠らせて如何するのよ!」
 アリサがさくらに言う。

「『魔法騎士マジックナイトよ必要なときは我等の名を呼べ! さすれば、汝等の前に現れよう』」
 そう言って、異空間へ『魔神マシン』は姿を消した。

「(クロノくん? 犯人の一部を捕らえたよ)」
『(犯人を伸したんじゃないだろう?)』
「(『スリープ』で眠らせただけだよ)」
『(そうか…… そっちへ人を送る。 協力して護送してくれ)』


 一方、クラヴィスと戦闘中のフェイトは……
「さっきまでの切れが在りませんよ? 執務官!」
「はぁはぁはぁ」
 息が上がっているフェイト。
「! 【ジュリアスは、捕らわれたか……】」




 戦艦『スケルツォ』―――
「ジュリアスめ、捕らわれおって……」
 艦橋の指令座のモニターで見ていたアルフレッドが言った。
「如何なさいます?」
「貴重な手駒だ! 失うわけには行かん……」
 彼にとっても貴重な戦力なのだ。
「爆撃用意!」
「爆撃用意! 目標、管理局局員」
 戦艦『スケルツォ』から魔法騎士マジックナイトやすずかたちがいる所へ爆撃が行われた。
其れも正確に管理局員のみへだ。
「爆撃、管理局員へ命中! しかし、我等が同胞が逃げた形跡ありません」
「如何なっている。 バインドで縛られているのか?」
 少し考え込むアルフレッド。
「やむえん、私が直接出る!」
「何も直接出向かれなくても……」
「クラス、クラヴィスに撤退命令を…… ジュリアス等は私が取り戻す」
 自ら出撃しようとするアルフレッド。
止めようとするクラスだがアルフレッドは、振り切って出撃して行った。





 設定資料


 創造主モコナ
 嘗て地球を含む世界を創造した。
 白くて、ふわふわした生き物。


 魔神マシン
 ・レイアース
  光が操る事のできる炎の魔神マシン。 
  一角と炎のたてがみがある赤い獅子の姿を持つ。    
  『炎』『情熱』『未来』を司る。

 ・セレス
  海が操る事のできる水の魔神。
  青い龍の姿を持つ。
  『水』『優しさ』『現在』を司る。

 ・ウィンダム
  風が操る事のできる風の魔神。
  4つの翼がある緑色の鳳凰の姿を持つ。
  『風』『知性』『過去』を司る。


 クラス・ビュール
 アルフレッドの副官。


 クラヴィス・ル
 地上制圧部隊隊長。
 魔道師ランクS+
 デバイスは、『グラールベル』
  ・『グラールベル』
   ベルカ式デバイス。   

 ジュリアス・ルージュ
 地上制圧部隊副隊長。





 あとがき

 今回、予告どおり創造主モコナ魔神マシンを出しましが如何でしたか?
 モコナ、『ぷぅ』としか喋らないから判りずらいかな……
 「ぷぅぅ!」
 無駄話していないで進めろ?
 「ぷぅ」
 では、次回のお話は……
 最後で出撃していたアルフレッド。
 管理局に捕らわれたジュリアスたち……
 アルフレッドは、連れ帰せるのか?
 また、アリサとすずかは、如何戦うのか?

 ご意見感想お待ちしています。





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