「ふははっはっはっ」
 アルフレッドは、笑いながら飛んでいた。
そう、彼は飛行する事が出来るのだ。
「ジュリアスは、連れ帰ったら地獄のしごきだ! 世話を焼かせた代償、で払って貰うとするか」
 世話の掛かる部下に怒りを感じるアルフレッド。
「どうせ、私に傷を負わせる事の出来るものなど居ないのだからな…… 気がかりは、次元の魔女とクロウ・リードの後嗣だ。
フェルナンドも言ってたが、此処で出逢いたくないな」
 アルフレッドの予感は、此の直後的中するするのだった。


 魔法少女リリカルなのは -RESERVoir CHRoNiCLE-
 ―第一部『ガトランチスの進撃』― 第四話『アルフレッドとのファーストコンタクト』


「誰に逢いたくないの?」
 突然の声に驚くアルフレッド。
「誰だ! 何処にいる?」
「誰だと言う前に自らの名を名乗りなさい!」
「管理局侵攻軍司令長官アルフレッド・マクダウェル。 今度は、そっちが名乗る番だ! 隠れていないで出て来い」
「名乗っても良いけど聞く余裕ある?」
 既に目も前にアリサとすずかが居たのだ。
「何! 貴様等、何時のまに……」
「名前と出身世界、目的を言いなさい!」 
 アリサが、アルフレッドに聞いた。
「お前、バカか? 俺が簡単に喋ると思うか?」
「誰がバカですって!」
 アリサは、其の一言で頭にきたようだ。
「お前が、バカだと言ったんだ」
「何ですってー。 私がバカですって!」
「そう言ったんだよ。 おバカさん」
「アリサを侮辱は、許しません。 貴方を此の世界への質量兵器使用及び魔導師襲撃の容疑で逮捕します」
 すずかがデバイスを構える。
「俺を逮捕するだと! 小娘が笑わせるな! 『ジャスティンファルス』」
≪Explosion.≫
 カートリッジをロードするジャスティンファルス。
「貴様等だけが古代ベルカ式のデバイスを持っていると思うなよ!」
 アルフレッドは、二人のデバイスが元始ベルカ式だということに気づいていない。  

「(すずか、コイツ如何やって倒す?)」
「(倒すって如何しよう)」
「(ねぇ、アリサ。 カートリッジ何個か分けて? 後、一個しかないから)」
 すずかに頼まれてカートリッジを渡すアリサ。

「此の世との最後の別れは、ついたか?」
 冷たく言い放つアルフレド。
「行くぞ! ジャスティンファルス」
≪Ja.≫
「二人まとめて燃やせ!」
≪Jawohl.≫
 アルフレッドのデバイスから炎が噴出した。
「くっ、しぶとい。 燃やし尽くせ!」
≪Explosion.≫
 更にカートリッジを消費して炎を大きくするアルフレッド。
激しい魔力爆発が起きる。
「殺ったにしては、手ごたえがない」
 手ごたえがない事に疑問を持つアルフレッド。

「ゲホッゲホッ。 何とか防いだよ」
 咳をしながら言うすずか。
「アレを防いだだと! S−ランクでやっと防げる威力だったんだぞ」
 驚きを隠せないアルフレッド。
「(此の世界の事を聞いていて良かったね、アリサ)」
「(意志の力が全てを決する世界だと言う事を相手に気づかれないようにしないと)」
「(そうだね、アリサ)」
「何時までもボーとしていると瞬殺するぞ!」
 気が短くなっているアルフレッド。
「今度は、私達から行くから……」
「来い! 返り討ちにしてやる」

「『ヴァンッアームーン』! カートリッジロード」
「『グロフォード』、カートロッジロード」
 すずかとアリサのデバイスからガコンという音と共にカートリッジがロードされる。
「やっとその気になったか? 遊んでやる、来い!」
「いくよ、すずか!」
「うん、アリサちゃん」
 次の瞬間、光速で戦闘を始める三人。

「はっはっはっはっはっ。 もっと、俺をワクワクさせてくれ!」
 完全に戦闘狂の人格が出ているアルフレッド。
「うらぁ! さっさと掛かって来い! ゴルァー」
「(目が完全に逝っちゃってるね)」
「(うん。 如何やって逮捕する?)」
「(なのはもフェイトも手が離せないみたいだし……)」
「(其れに、さくらさん、私達を此処に送った後、何処に行ったんだろう?)」
「(魔力の反応すら感じない……)」

「ひゃーはっはっはっはっ」
「(すずか、アイツを止めるよ)」 
「(如何やって止める?)」
「(何をしてでも止めるわ!)」



 艦船アースラ―――
「アイツの性格急に変わらなかったか?」
 クロノは、艦長席で戦闘を見守っていた。
「クロノくん、犯人の一部を魔力封鎖牢に放り込んだって、武装隊から連絡があったよ」
 エイミィが報告する。
「逮捕人数は?」
「逮捕者数は101名」
「100名超だと! 牢は、足りるのか?」
「可也無理して詰め込んでいるから……」
 笑いながら言うエイミィ。
「直ぐに護送艦を呼べ!」
「でも、此処は普通の方法じゃ来れない場所じゃ」
「くっ、そうだった…… 此処は、普通の方法じゃ来れない世界だった」
 
「クロノ、すずかとアリサは?」
「クロノくん、すずかちゃんとアリサちゃんは?」
「敵司令官と思われる戦闘狂と戦闘中だ!」
 スクリーンに映し出される戦闘狂アルフレッドを見て武装隊の血が騒ぎ出すなのは。
「クロノくん、私が出て行ってあの人を簀巻きにしてこようか?」
「駄目だよ、そんな事しても……」
「さくらさん、何処へ行ってたんです?」
 フェイトが、さくらに聞いた。
「ある人の所へ行っていたの」
「ある人? まさかとは思うが、伝説の提督方の所じゃないだろうな」
「半分正解、でも半分ハズレ」
「お久しぶりですね。 クロノ君」 
 一人の青年がクロノに話しかけた。
「お前は、柊沢か?」
「覚えていてくれたのですね」
「覚えるも、お前は有名すぎるからな……」
「そうですか」
「ねぇ、クロノくん、誰なの此の人」
「なのは、フェイト、この人は……」
「後で、お話しますよ」
 クロノは、エリオルが何処の所属か知っているようだ。




「ひゃっはっはっはっ。 しゃぁー」
 相変わらず暴走している戦闘狂バトルマニアアルフレッド。
「アリサ、大丈夫?」
「何とかね……」
≪すずか様、私に考えがあります≫
「何? 『ヴァンッアームーン』」
≪敵は、未だに私を古代ベルカ式のデバイスと思っています。 其処に突破口があります≫
「其れは、何なの?」
≪其れは、不本意ながら敵と同じ土俵に上がることです。 すずか様は、普通に戦ってください≫
「普通に戦って勝てるわけないでしょ」
 アリサが、つっこむ。
≪其処で、幻惑魔法の出番と言うわけです≫
「幻惑魔法ってベルカにもあったん?」
≪はい。 此の事は、ヴォルケンリッター達も知らない事です≫
≪マスター達は、私達の言うとおりに動いてください。 そうすれば、倒せずとも敵を追い返すことくらいは出来ます≫
「じゃあ、ちゃっちゃっと片付けるわよ」
 そしてデバイスの指示通り行動に移るすずかとアリサ。


「何処だ! 何処へ行きやがった、小娘どもが!」
 幻惑に掛かったとも気づいていないアルフレッド。
「其処か!」
 突如、アルフレッドが爆発する。
「げほっげほっ」
≪Es ist ganz recht?≫
「あぁ、大丈夫だ!」
 暴走から元に戻ったアルフレッド。

「一旦引き上げて体制を立て直す」

「待ちなさい! 貴方を逮捕します」
「残念だが、今は捕まる訳に行かない。 何れまた合間見えることになるだろう……」
「素直に言う事を聞きなさい!」 
「聞いて欲しくば、次に逢うときまでに腕を上げておく事だ!」
 そう言い残して、アルフレッドは姿を消した。


 艦船アースラ―――
「敵、戦闘を止めて撤退しました」 
 エイミィが言った。
「じゃあ、アリサとすずかを収容してくれ!」
「了解」
「収容が終わったら、事情聴取だな…… 人数が人数だから何時間掛かるか」
 クロノは、事情聴取の時間を気にしていた。
其れは、逃げた犯人を一刻も早く捕まえに追いかけたいからだ。





 関係者からの聴取が終わった後、エリオルの事が話された。
「柊沢提督は、本局の提督なんですか?」
「そう言うことですよ。 高町なのはさん」
 何とエリオルは、本局の提督だった。
「柊沢、何しに来た! 超多忙のお前が勝手に来てもいいのか?」
「いいのですよ、クロノくん。 之は、あの方達からの命令ですから……」
 エリオルの言うあの方達とは、彼の三提督の事だ。
「其れに、今抱えている仕事は全て済ませてきています」
「お前は、化け物か? 毎日、山のような仕事が舞い込んでくるだろう」
「私の能力をご存知じゃないのですか?」
「お前は、簡単には喋らないだろ…… 情報が入ってくるわけないだろうが」
「良くお分かりで……」
 エリオルは、クロノで遊んでいる。
遊ばれているクロノは、たまったものじゃない。

「それでは、私の事をお話しましょう。 私は、本局提督の柊沢エリオルと言います」
 初めての人の為に紹介するエリオル。
「初めまして、えぇと……」
「エリオルで良いですよ、月村すずかさん。 アリサ・バニングスさん」
「私達、まだ名前を言っていないのに……」
「読み解く者には、分かるのですよ。 特に私やさくらさんのように力の強い者には……」
「さくらさんもですか?」
「はい。 さくらさんは、私をも凌ぐ魔力の持ち主です。 さくらさんも出来て不思議はありません」
「全く、俺の周りには化け物じみたヤツばかり何だ!」
 何故かニコニコしているエリオル。
「可愛らしいさくらちゃんを化け物呼ばわりする人は、何処の誰ですか?」
 突如掛けられた声にクロノの方を見る一堂。
「そうですか。 貴方ですか、クロノ提督」
「あ、えっ」
「さくらちゃんを化け物と言った覚悟は好いですか?」
 ドス黒いオーラを発して仁王立ちする女性。
「だ、大道寺……」
「おほっほっほっ」
「助けてくれ! 柊沢」
「クロノくん、精々がんばってください」
 助けを求めるクロノ。
「柊沢、お前、大道寺の上官だろ! 何とかしてくれ」
 クロノも恐れる大道寺のお仕置きとは……

 大道寺によるクロノのお仕置きは、読者の想像にお任せします。

「あ゛ー」
 意味不明な言葉を発してグッタリしているクロノ。
「良く似合ってましたよクロノくん」
「もう二度と大道寺の縄張りで木之本の悪口を言うんじゃないな……」


「では、話を元に戻しましょう…… 其処で屍状態のクロノ君はほっておいて……」
 クロノを無視して話を再開するエリオル。
「私が、此の艦に来たのは、彼の三提督の要望です。 しいて言えば、聖王教会の依頼でもあります」
「聖王教会…… 其の依頼は、騎士カリムじゃ」
「其のとおりです。 クロノくん」
「全く同窓会気取りの任務じゃないのに……」
「この事件が、解決するまでは同窓会気取りの任務が出来るはずですよ」
「事件解決まで、騒がしい状態が続くのか」
 ため息を吐くクロノ。
「指揮官演習中のはやてさんやヴォルケンリッターの面々もアースラに来ますよ」
「部隊毎の統計規模は如何なる! 其れだけの人数が、許されるわけ無いだろう?」
「許可なら、名誉元帥から頂いていますよ」
「そう簡単に許可が出るわけ…… 柊沢、何をして許可を引き出した?」
「今回の事件の結末を教えられるだけ言っただけですよ」
 エリオルは、其れだけで許可を得たのだった。





 設定資料

 ジャスティンファルス
 アルフレッドのデバイス。
 使用魔法は、古代ベルカ式。



 柊沢エリオル
 クロウ・リードの生まれ変わり。
 本局提督で、あらゆる部署、部隊から引き合いが多い。
 魔道師ランクは、SSSランク。


 大道寺知世
 さくらと又従姉妹(はとこ)
 非魔道師ながらずば抜けた知能と洞察眼で数々の事件を解決に導く。
 階級は一尉。







 あとがき

 今回は、アルフレッドVSアリサ&すずかの戦闘シーンをお送りしましたがアルフレッド暴走させすぎたかな?
 戦闘シーンの描写は難しいえ。

 そして、エリオルに知世も出して次は、ルビーとスッピーか。
 StrikerSネタを何処まで盛り込むかで構成が変わるからな〜

 次回はいよいよStrikeSの某Drにガトランチスが接触する予定。
 ご意見感想お待ちしています。





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