次元の魔女の店
「之から貴方は、如何するの?」
 侑子がゼルレッチに聞いた。
「暫くは、此処にいるつもりじゃ」
「そう…… 今頃、向こうは大変な騒ぎでしょうね」
 侑子は、夜空に浮かぶ月を見ながら言った。
「アルクェイド達が上手くやってくれるじゃろう」
「信じましょう。 あの子達の未来を……」





 魔法少女リリカルなのは -RESERVoir CHRoNiCLE-
 ―第一部『ガトランチスの進撃』― 第十九話『続く恐怖の虚言の夜!!』





 ミッド繁華街
「喰らえ!!」
 “ネロ・カオス”は、繁華街で人を喰っていた。
「今度は、私が血を吸う番だろ?」
「貴様は、死者を作って襲わせているのだろう。 私が喰らっても問題なかろう!?」
「だが、派手にし過ぎると感づかれてしまうだろ」
「今宵は、之で喰い止めとするか」
「私は、死者共を使ってもっと力を蓄える」
 “ロア”は、死者を使って力を蓄えると言う。


 ミッド工業地区
「此処は、許可ないものは立ち入り禁止だ」
「邪魔よ!!」
 “プレシア”は、一言で片付けた。
「此処の魔導師も大した事ないわね」
 其のい建物は、ボロボロになりつつあった。
「何処にいるの? カルナス!! エヴィンス!!」
「止まれ!! 止まらないと攻撃するぞ!!」
「出来るものなら、して見なさい」
「(此方警備0058、侵入者に遭遇!! 応援求む。 侵入者は、プレシア・テスタロッサ)」
「応援を呼ばせると思って!?」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「カルナスとエヴィンスが何処にいるか答えなさい!!」
「誰が、答えるもんか!!」
「じゃあ、あの世で後悔しなさい」
 プレシアが其の魔導師を葬った直後、警報が鳴り響いた。
最後の力を振り絞って警報を鳴らしたようだ。
「其処までだ!! プレシア・テスタロッサ」
「まだいたの!? ゴミが何人居ても無駄だというのが分からないの?」
「無駄な抵抗は、止めて大人しく縛につけ!!」
「“カルナス・ネレス”と“エヴィンス・エレース”は、何処にいる?」
「絶対に此処を通すな!!」
「そう。 其の奥に居るのね」
 プレシアの魔力が膨れ上がる。
「全員消えなさい!!」
「ぐわぁぁっ!!」
「うぎゃぁぁっ!!」

「待っていなさい。 今すぐ貴方達を殺しにいくから……」
 ドゴオンっと爆発音が建物内に響き渡る。
また、プレシアの手によって幾人もの命が奪われた。


 一夜明けた翌朝……
『おはようございます。 昨夜も、また凄惨な事件が起きてしまいました』
 暗い表情でニュースを読み上げるキャスター。
『事件が起きたのは、昨夜で、殺害されたのはバスターカンパニのほぼ全ての社員と役員で、犯人は
防犯カメラの 映像解析で“プレシア・テスタロッサ”と判明しました。 また、同夜、ミッドの繁華街
で、大量失踪事件も起きており管理局で関連を調べています』



 時空管理局地上本部長官室―――
「中将、依然第二分隊との連絡取れません」
「使えない分隊だな」
「例の連続失踪殺人事件に巻き込まれたのかもしれません」
「中将!! 大変です。 第二分隊の隊員の変死体が……」
「第二分隊が如何した!?」
「ですから、“レジアスター”第二分隊の変死体が見つかりました」
「報道機関にかぎ付けられると厄介だ!! 現場を封鎖し情報操作をし規制線を敷け!!」
 レジアスは、此の件をもみ消すようだ。



 ミッドの地上は、恐怖に満ちていた。
次は、自分が殺される番かもしれないと……



 聖王教会―――
「今日の夜は、“ロア”の死者を殺します。 昨夜、可也の数を死者にしたようです」
「“ロア”、今夜はからは死者を増やさせないから」
「おそらく、“ロア”は“ネロ”と行動しています。 無闇に戦おうという気を起こさないことです」
 二人の危険性を話すエリオル。
「こっちも規格外の戦力をそろえないといけません。 騎士カリム、八神さんとヴォルケンリッター
への連絡お願いします。 私は、高町さんとフェイトさんへ連絡します」
 管理局で規格外の戦力に加え吸血鬼のパワーで事件を解決しようと言うのだ。


 そして、一同は、艦船アースラに集った。
 艦船アースラ―――
「全員集まりましたね」
「うち等を集めると言うことは、同窓会任務か!?」
「此れからあたってもらう任務は、簡単なものではありませんよ」
「エリオル提督、今回の任務と言うのは……」
「今、ミッドを騒がせている連続失踪殺人事件です」
「其れって、体内の血がなくなっていたりするアレか?」
「はい。 ミッドで起きている一つは、吸血鬼が犯人です」
「吸血鬼ってコイツラか?」
 ヴィータが聞いた。
「なによ。 私に喧嘩売る気?」
 アルクェイドがヴィータに言った。
「ヴィータ、喧嘩はあかんよ」
「だけどよ、得体の知れん奴と一緒に戦うのは嫌だぜ!!」
「彼女達は、心配要りませんよ。 今回の事件の協力者です」
 エリオルは、協力者について説明する。

「うち等の世界におったとは、知らんかった」
「私達の事を知っているのはごく一部の人たちだけだから」
「知っているのは、聖堂教会、魔術協会、王立騎士団や一部の退魔師たちです」
 エリオルは、裏の話をした。
「聖堂教会と聞いたら嫌な奴の名を思い出したわ…… 馬鹿シエルの名を」



 第97管理外世界―――
「はっくしょんっ!!」
 シエルは、クシャミをした。
「誰かが私の噂でもしたのでしょうか」
 シエルは、噂をした犯人の目星を付ける。
「犯人は、アーパー吸血鬼でしょうし…… つぎ会ったら串刺しにして差し上げましょう」
 シエルは、アルクェイドの抹殺を誓うのだった。
「取りあえず今日は、次元の魔女のバイトにカレーを作らせましょう」
 シエルの此の考えが一人の青年を不幸にするのだった。


 次元の魔女の店―――
「魔女!! 貴女のバイト居ますか?」
 シエルは、侑子に聞いた。
「四月一日ならゼルレッチと出かけたわよ」
「魔道元帥とですか…… 何処へ行ったか知りませんか?」
「教えても良いけど、対価を貰うわよ」
「本当は、殺していいのですが、ナルバレックから貴女は手を出すなと言われてます」
「シエル、カレー食べていきなさい。 四月一日に作らせておいたから食べていく!?」
「いいのですか?」
 シエルは、笑顔になる。
「対価は、聖堂教会に請求するから……」
「大いにしてください。 私もナルバレックは、嫌いですから」
「じゃあ遠慮なく遠慮なく請求させてもらうから」
「(ナルバレック、今までの恨み……)」
「『晴らしてやる』と言うつもり!?」
「まだ、言っていないのに何故、私の考えが分かったのですか?」
「分かるわよ。 貴女の考えは、手をとるように……」


 聖堂教会―――
「シエル、如何したんだい!?」
 ナルバレックがシエルに聞く。
『対価を次元の魔女に払ってください』
「其れは、君の責任だろ!? 君が払えばいいじゃないか」
『誰のせいだと思っているのですか!!』
「君が騙されたんだろ!?」
『対価の件は、魔女と話がついています。 そういう事で払ってください』
「私には、払う義務はないのだよ」
『そんなこと言っていいの? 先代の貴女は、そう言って踏み倒しているのよ』
 侑子がナルバレックに言う。
『先代のナルバレックが踏み倒した対価、貴女に払ってもらうから』
「先代のつけなど払わないよ。 既に時効だし……」
『キチンと払わないと法王庁に無理やり払わせるわよ。 其れに教会内で貴女の評判が悪くなる
けどいいのかしら』
 侑子が如何いう人物か知っている者は、敵対行動を絶対にしない。
しかし、ナルバレックは、侑子に喧嘩を売る言動を繰り返す。
「わたしに、支払う気はまったくないから」
 そう言って、電話を切るナルバレック。


 次元の魔女の店―――
「ナルバレック、貴女には必ず払ってもらうから……」
 侑子が電話を切った相手に言う。
「ナルバレックは、何といっていましたか?」
「支払わないそうよ」
「あの人らしいですね」
「今後、困るのはあっちなんだし」
「私は、之で……」
「待ちなさい。 シエル」
「何ですか!?」
「カレーを食べた対価払っていきなさい」
「さっき、ナルバレックに請求するって言ってたじゃないですか」
「貴女が、後でナルバレックに請求しなさい」
「あの芽狐に請求できると思いますか?」
 シエルが、ナルバレックの怖さを言う。
「あの女は、死徒二十七祖を……」
「知っている。 二十七祖を数人滅ぼしているというのでしょう」
「あの化け物を相手に私が勝てるわけないでしょう。 教会最強の執行者ですよ」
「根っからの殺人者ね」
「其れを知っていて出来ると思いますか?」
「貴女には、対価分働いてもらうわ」
 対価分働けという魔女。
無理やり働かされることになったシエル。



 事件現場―――
「原型をとどめていない」
「惨い……」
 現場は、悲惨な状況だった。
其処には、人だったか分からない塊が散らばっていた。
「之じゃ、個人の特定はできないな……」
「犯人は、何が目的なんだ!?」
「犯人は、殺人を楽しんでいるみたいだ」
 口々に調査する管理局員。
「おかしいなぁ〜」
「何がおかしいんだ!?」
「数だよ」
「数?」
「局員の数と遺体の数が合わないんだ!!」
「其れは、本当か!?」
「あぁ。 合わない」
 数が合わないという局員。
「例の失踪事件か?」
「失踪事件なら、此処にこんな塊は残らんよ」
「じゃぁ、此処のは同時に起きたということかぁ」
 彼らは気づかない。 
ミッドで起きている事件と関連があることに……



 艦船アースラ―――
「アルクェイド、言い忘れるところでしたが……」
「何よ!!」
「此の世界で、赤い月は効果ありません」
 エリオルがアルクェイドに言う。  
「効果が無いって如何言う事よ」
「此の世界は、赤き月の力が及ばないという事ですよ」
「じゃあ、“タタリ”を倒すのは無理って事!?」
「不可能じゃありません。 唯、大規模な結界を張らなければいけません」
 大規模な結界を張る必要があるというエリオル。
「其れには、“タタリ”を結界内に誘い込む必要があります。 其れに、“ネロ”と“ロア”も
相手にしなければなりません。 数日掛りの作戦になります」
「それで、如何するの?」
 アルトルージュが聞く。
「今宵は、“ネロ・カオス”を倒します。 “ネロ”の相手をする余裕は無いでしょう」
「じゃあ、決まりね」
「最終的に貴方に殺してもらうことになります」
 エリオルが志貴に言う。
「弓塚さん。 貴女には、真祖としての戦い方をしていただきます」
「えぇっ。 私が?」
「はい。 貴女の持つ固有結界『枯渇庭園』で“ネロ”の力を奪っていただきます」
「エリオル。 まさか、なのは達に全力全開で攻撃させるんじゃないだろうな!?」
「よく、お分かりになりましたね」
 何故か、エイミイは震えていた。
あの惨状を思い出したからだ。
「“ネロ”との戦いは、吸血姫達とすずかさんとアリサさん、後、遠野くんでします。 なのはさん達
と、さくらさんは、後方で待機です」
 エリオルの言葉にホットするクロノ。
「ですが、直ぐに飛び込める位置での待機ですが……」
「ぶっ飛ばして良いんだね!?」
 何故か、なのはは喜んでいる。
「頼むから、問題だけは起こさないでくれよ。 幾らエリオルの後ろ盾があるからって言っても……」
「クロノくん、もう一人は如何する?」
 エイミィは、名前を出さずに聞いた。
「あぁ。 アレか?」
「その人も“タタリ”が具現化したものです」
 エリオルも名を出さずに言った。
「その人は、私が相手をします。 その間、クロノくんに指揮をお願いします」
 エリオルがプレシアの相手をすると言う。
「作戦は、ミッド時間2100に開始します。 皆さん其のつもりで準備していてください」
 作戦開始時刻は決まった。
彼女達の前に立ちはだかる敵…… 其れは、吸血鬼。 吸血鬼の中でも強力な吸血鬼、死徒二十七祖。
間もなく、ミッドを恐怖に陥れている吸血鬼たちとの戦いの幕があがる。




 あとがき

 なのは世界で大暴れ中のTYPE-MOON伽羅たち。
 特に“ネロ”と“ロア”がミッドで暴れまわっています。
 “プレシア”も暴れています。
 次回は、戦いがメインになります。
 
 ご意見感想、お待ちしています。




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