「すっかり遅くなっちゃった…」

元より出て行った時間が遅いのだから、ある意味当たり前である。
人間の姿のまま高町家へと帰ってきたユーノは八神家を出てきた時間が既に2時を回っていた事を思い出す。
まあ、まだなのはの起床時間まではそれなりにある。
なのはは一度寝たらグッスリなので、外に出てた事が気づかれる事もあるまい。

「それじゃ、戻るかな。」

フェレットフォームになってから、ユーノは飛行魔法を使ってなのはの部屋へと戻る。
カラカラ、と窓を開けて、中へと入――

「そこまでだ。」

いきなり、外から静止の声を聞いて、窓際でユーノは恐る恐る首を回す。
高町家の屋根に立っているのは――

「恭也さん…」

思わず、と言った感じで呟いて、ユーノは恭也がその手に白刃を持っているのを見て、顔をひきつらせる。

「最近、おかしな侵入者がいる、と思っていたが、お前だったか、ユーノ。」
「侵入者…?」
「いきなり道場の裏に足跡が現れる、何日も続けばそれは不信にも思う。」

冷静に考えれば、窓から降りて、人間体に変身。
それを道場裏でいつも行っていたのだから、いきなり足跡が現れたようにしか見えないだろう。
しかも、出て行くほうだけだ。

「…ふう。」

白刃を吐いた息と共にしまい、恭也はユーノ方へと歩いてくる。
どうしたらいいのだろうか、と焦りながらユーノはワタワタと前足を振り回す。

「落ち着け、別にどうこうしようとは思っていない。」

言われて、ユーノはふう、と息を吐いた。
殺されそうな雰囲気だったさっきとはえらい違いだ。

「なのはも当然、人間だと知っているのだろう?」
「はい…まあ、途中からですけどね。」

それに多分、最近は人間の姿にもなってないから、またフェレットだと認識されているような気がする、とユーノは思う。
少なくとも、なのはの前で人間になってはいないし、なのはから人間らしい扱いは受けていないので、苦笑するしかない。

「なら、なのはが朝早くに起きるようになったのも関係があるのか?」
「…それは…全面的に僕のせいですけど…なのはが言う決心をするまで、待っててくれませんか?」
「…ふむ、分かった。今回の事はお前達が言い出すまで黙っていよう。」
「すいません。」

ペコリ、と謝るフェレットを見ながら、恭也は内心、世の中不思議な事はまだまだあるものだ、と思う。

「聞いておきたいのだが、人間が本当の姿で間違いないか?」
「はい、そうです。」
「そうか…」

と言う事は、高町家一同、人間をペット扱いにして飼っていた、と言うことになるのだろうか。
う〜む、と思わず考えこんでしまう恭也だった。

「あの…恭也さん?」
「いや、なんでもない。」

しかし、人間扱いにして欲しいなら、ユーノが遠慮しても、なのはが言うだろう。
つまり、今の扱いのままで良い、と言う事になるのだろうか。
実は、なのはとユーノの間でその手の話題が上がった事は一度もない。
なのはは第一印象が話すフェレットで、ユーノが人間だと分かってからも、フェレットで過ごす最近から、これが普通なのだと錯覚している。
ユーノは人間らしい暮らしがしたくても、居候の身の上、食費も抑えれるし、迷惑がかからないのはこちらだろう、と認識している。
それに別にフェレット生活を否定するほど嫌なわけでもない。
まあ、できれば、程度の認識、と言う事だ。

「…最後に聞いておく。」
「はい。」
「お前は男か?」
「男ですよ!」

コンプレックス抜群の部分を指摘されて、ユーノは吠える。
しかし、その答えに苦い顔をする恭也。
あれ…と思うが、理由に思い当たる。

「あ〜…その、なのはと一緒にいて欲しくないなら…恭也さんの部屋に。」
「…いや、なのはに文句を言われそうなのでやめておく。」

それだけ言うと、恭也はヒョイ、と屋根から屋根に移って、自分の部屋へと入っていった。
身軽なその動きに、恭也さん凄いなぁ、と素直に感心を覚えるユーノだった。
恭也の思考をたどると、男でも一緒にいると言う事は、それなりに仲が良い、と言う事なのだろう、と認識していた。
まあ、実際の所、なのはは今現在、ユーノを異性として認識してないだけなのだろうが。

「…疲れたなぁ。」

闇の書から始まり、最後は恭也に。
ほんの二時間少々の間だったのだが、えらく疲れてしまったユーノだった。
部屋に入ると、そこには最後の関門が待ち構えていたのだが。

<<マスターユーノ、お帰りなさい。>>
「レイジングハート?」
<<こんな夜更けにどこにお出かけですか?>>
「…黙秘。」
<<マスターなのはに密告します>>
「…お願いです、黙っててください。」

卑屈なまでに頼み込んでくるユーノに、レイジングハートも折れた。
何か起こるまでは黙っておく、と約束してくれたので、ユーノも息を吐いた。
闇の書はロストロギアだろう、とユーノは推測している。
この辺りを説明すれば、なのはも巻き込む。
まだ、守護騎士達が何を考えているか分かったわけでもない。
もし、はやてを裏切って行動するようなら、その時こそ、時空管理局にも連絡入れて、対処するべき。
それまでは胸の内にしまっておこう、と思った。
まあ、はやてに手を出すような事だけはない、と思ったのだが。
プログラム云々言っていても、彼女達のメンタルは人間とほぼ等しいのは見ていたら何となく分かる。
あれは、ただ単に、経験が足りないだけなのだろう。

「…まあ、様子見だよね。」

嫌な事など起こらないように願いつつ、新しい家族達と頑張る明日を思い描きながら、ユーノは就寝した。
二時間寝ただけで起きる羽目になったのだが。
それはまあ、仕方がない。

「ユーノ君、今日はいつもより眠そうだね?」
「…なんでだろうね。」

ユーノはボケッ、としながら、なのはとそんな会話をかわす。
誤魔化すのに、フェレットなら簡単だ。
人間の眼からフェレットの表情がそんなに分かるはずもない。
少し不思議に思いながらも、いつもの日常と同じように、時間は流れていく。






「行ってきま〜す!」

なのはが出て行くのをいつも通りに見送って、ユーノはまたいつも通りに部屋へと戻っていく。
桃子が不思議そうな目をするのもいつも通りなのだが、恭也はなるほど、と見ていた。
ユーノを追いかけて、恭也もなのはの部屋へと行く。

「ユーノ。」
「…キュー。」
「大丈夫だ、俺のほかには……いない。」

一通り気配を探ってから、近くに誰もいない事を恭也は確認する。
それを聞いて、ホッとしたのか、ユーノは普通に話し出した。

「どうしたんですか、恭也さん。」
「いや、今日もお出かけか?」
「はい、あ、足跡残さない方がいいですか?」
「できれば、な。 父さんが不信に思っている。」
「今更ですけど…恭也さん達って…」

それに対して、聞くな、と恭也も首を振る。
まあ、ユーノも黙っている事が沢山あるのだ。
お互いに言いたくないことを言わないくらいの機知は持っている。

「それじゃ、行ってきます。」
「ああ、あまり遅くならないようにな。」

ヒョイ、と窓から飛んでいくフェレットを見ながら、芸達者な奴だ、と恭也は頷く。
と言うか、飛んでいる事態に、昨日見た時から凄いなぁ、と思っている恭也だった。
まあ、そんなに驚いていると言う事もない辺り、やっぱりこの人も少しネジの位置がおかしい気もするが。
本人に言わせれば、旅してきた慣れなのかもしれないが。





本日は道場裏で足元を少し浮かしたまま、人間へと変身して、そのまま浮いたまま出て行った。
こうすれば、足跡は残らない。

「しかし、見られたからって、普通に魔法使うのはまずかったかな?」

今更思うユーノだったが、恭也を信用するかしかない。

「さあ。行くか。」

のんびりと歩いて、八神家へと到着するユーノ。
チャイムを一応鳴らしてから、合鍵で鍵を開いて入る。

「おはようございま〜す。」

玄関先で挨拶をすると、チャッチャと爪を鳴らしながらザフィーラがやってきた。
他の面子は現れないので、ユーノは首を傾げる。

「何かしてるんですか?」
「…体のサイズを測っている。」

端的に言われて、ユーノは一度首を捻ってから、そういえば、と思い出した。
彼女らの服とか、一つもないのだ。
ヴィータははやての服でもいいだろうが、シグナムやシャマルはまず無理だ。

「ザフィーラさんは?」
「俺はもう計られたが…いらない。」

いらない、とは服が要らない、と言うことなのだろうか。
なるほど、狼状態のザフィーラではいらないだろう。
昨夜、一度人間の姿を見たが、あの体格では服も大きい。
経済負担になるなら、いらない、と言うことなのだろうか。

「ユーノ君、ちょお来てくれへん〜?」

はやてに呼ばれて、ユーノは靴を脱いで上がる。
ユーノの後ろをザフィーラも歩きながら、リビングへと入ると。

「朝ごはん、手伝って。」

いつもより調理量が増えて、ちょっと大変そうにしているはやての姿があった。
サイズを測る傍らで、作っていたのだろう。
所在なさげに立っているヴィータとシグナムとシャマルを見ながら、ユーノは苦笑する。

「3人とも、立ってないで座って待っていたらいいんじゃないですか?」
「…しかし、主に働かせて、我らが休むと言うのも。」
「…ええと…どうすればいいのでしょう?」

シグナムとシャマルが困惑した顔をする。
これも一つの感情か、と思うと、思ったよりも人間味豊かな彼らに、ちょっと親近感が湧いた。

「それじゃ、そっちの戸棚から、お皿を人数分出してください。」

言うと、サー、と滑るように移動し、シャマル達はお皿を出していく。
教えれば大丈夫そうだなぁ、と思いながら、ユーノは黙って動かないヴィータに、声をかける。

「え…と、ヴィータ。 こっちに来て、はやてを手伝ってあげてくれる?」

ユーノがそう言うと、ヴィータは無表情に一つ頷いた。
基本的に主の家族、と言う認識しかされていないユーノのはずなのだが、それでも何故か守護騎士達は言う事を聞いてくれる。
この辺り、融通が非常に利きやすいし、人間らしい、と思えてくる所だ。

「はやて、今日はどうするの?」
「実は食材がギリギリ…でも美味しいもん作ってあげたいやん。」
「そうだね…」

二人で穏やかに微笑みあいながら、ご飯と味噌汁、魚を焼いていく。

「ヴィータ、この鍋からボコボコ大きな泡が出てきたら教えてな。」
「う、うん。」

なにやら困惑気味なヴィータに、ユーノとはやては苦笑したが、それもまた、仕方がない。

「主はやて、ユーノ殿、お皿はこんな感じでいいのでしょうか?」

シグナムの声に振り返れば、綺麗にお皿は並べられていた。
まあ、それはともかく、ユーノ殿、と言う呼び方に、なんとなく居心地の悪さを感じるユーノだった。

「お皿はそんな感じでいいんやけど…シグナム。」
「はい、何でしょう、主はやて。」
「家族にそんな堅苦しい言葉使ったあかんよ。」
「は…」

はやてに言われて、シグナムはう〜む、と考え込む。
何せ、長い時間の間で、こんな事を言われたのは初めてだ。
どうしたものか、と思ってしまう。

「そ、それでは、ユーノ、とお呼びしますが…」
「いや、そんな敬語もいらないですよ。 シャマルさんやヴィータに話しかけるみたいにしてくれたら良いですから。」
「…分かった、ユーノ。 これでいいか…いいのでしょうか?」

凄く、困惑しながら言葉を紡いでくるシグナムに、ユーノも苦笑するしかない。

「ええ、そんな言葉遣いで結構です。」
「…ふむ、それでは普通に話させてもらう。」

一つ一つ、歩み寄りがあるなぁ、とユーノとはやては思う。
まあ、人と仲良くなるのが、基本的に大人っぽい人ばかりだったユーノとはやても、こういうやり取りは実は結構苦手だ。
それでも、家族になろう、と思ってやっていくのなら、お互いに努力、と言ったところだろう。

「はやて、出てきたよ。」
「あ、ヴィータ、ありがとな。」

お礼を言われて、ヴィータは少し困惑してから、テテテ、とシグナム達の方に行ってしまった。
フフフ、と笑うはやては、どこかお母さん的な雰囲気があるなぁ、とユーノは思う。

「さあ、作ってまおか。」
「うん、そうだね。」

小さくしてお父さんとお母さん的な立場に立った二人は、のんびりと優しい雰囲気の中、朝食を作る。





騎士達も料理を満足して食べてくれたようで、ユーノとはやても満足だ。
特にヴィータは、掻き込むようにして食べてくれた、それほど美味しかったのだろう。
ザフィーラは狼形態のまま、地べたで食べていたが。

「ユーノ君、片付け終わったら服買いに…」
「…どうしたの、はやて?」

言葉が途中で止まったはやてを見ながら、ユーノは不思議そうにしている。
しかし、ジーとこちらを見ているはやてからは何を考えているのかよく分からなかった。
自身の胴体辺りに視線が注がれているのだが…

「ユーノ君、今更ながらに思ったんやけどな…それは、いつも同じ服来てるんとちゃう?」
「…あ。」

間の抜けた声を上げたユーノに、はやては脳内で更にユーノの家族内容がおかしな風に変容していく。

思い出してみれば、ユーノの服は、会ってから一度も変わっていない。
夜に洗濯して朝着ているのだろうか。
しかし、昨日の夜も同じ服だった。
と言う事は、ずっと着たきりなのだろう。
ずっと同じ服着てても何も言わないユーノの家族…
やっぱり、家族内で凄い冷遇されているのとちゃうんか、とはやては思考を走らせていく。

「…ち、違うよ、同じがらの服がイッパイあるだけで。」

パーカーと膝まであるズボン。
いつもそれ。
それがイッパイある、と言われても、普通納得しない。

「…一昨日ついた汚れがそのままや。」
「え、どこ?」
「嘘や。」

あっさりと露呈させたユーノは机に突っ伏した。
いい加減、本当に家庭内環境を聞きたい、と思うはやてだったが、ユーノが話してくれるまでは聞いてはならない、と思っている。
そのやり取りを見守っていた騎士達も、お互いに顔を見合わせて首を捻る。
ユーノが、どういう存在か、と言うことで。
家族、と言われたが、その割には昨日はどこかに帰って行ったし、この家には住んでいない。
それに、はやてでさえ、ユーノの全貌は見えてないようだ。
これには首を捻るだろう。

「ユーノ君の服も買う。」
「だ、駄目だよはやて!」
「あかん、決定! 皆も思うやろ!?」

いきなり話を振られた騎士達だったが、はやての言葉には普通に頷いた。
別に主の意見だから、と言う事も多少あったが、話を聞いていたら、そりゃそうだ、と言う感覚になったからだ。

「ユーノ、諦めた方がいい。」
「そうですね、はやてちゃんの言うとおりです。」
「あたしは、はやてが正しいと思う。」
「諦めろ。」

5人の集中砲火に、ユーノは机の上でぐったりとなった。
つまり倫理的に普通…
あはは、と思わず乾いた笑いを浮かべてしまうユーノだった。

「…ん…ユーノ君……怪我してますね。」
「え?」

シャマルに言われて気づいたが、ユーノの指先に切り傷が走っていた。
いつ切ったのだろうか。

「治しましょうか?」

聞いてきたのに、シャマルはそのまま手に緑の光を生み出すと、あっさりと傷を消すように治してしまった。
うわぁ、と驚くはやてと、目を見開くユーノ。

「へえ、今のが魔法か、シャマル?」
「そうです、尤も初期の治療魔法です。」

魔法に驚いているはやて。
そして、ユーノが驚いているのは。

(凄い、緻密な構成…)

ミッドチルダ方式ではないが、それでも今の小さな治癒魔法でも、構成が非常に良く出来ているのはわかった。
治療魔法では、とてもシャマルに勝てそうにない、と悟るユーノだった。

「魔法って凄いんですね。」
「ええ…でも、魔力がない…と…?」

口に出したのはそんな言葉だったユーノなのだが、相の手をうったシャマルは、不思議そうにユーノを見ていた。

「…クラールヴィント。」
<<Ja>>

いきなり指輪から伸びたペンデュラムに、ユーノはうろたえる。
デバイス起動させて、何をするつもりなんだろうか。

「ちょっと、ユーノ君、動かないでくださいね。」

ピタ、と胸の中心に接触してきたペンデュラムの先に、操作魔法が走っているのに、ユーノは感づいた。
まあ、分かる事はたかが知れているだろうけど。

「どうしたんや、シャマル。」
「…ユーノ君、並より少し上程度に、魔力を持ってますね…それに、全身操作系の魔法を良く使ってません?」
「全身操作系…?」

ヒヤリとした空気がユーノの首筋を撫でていく。
ちょっとだけ、まずい、と思ったが、ユーノはとりあえず、とぼける事にした。

「そういわれても、魔法なんて知ったのは、昨日…今日か、が初めてですし。」
「…う〜ん、じゃあ、何か特殊能力ですかね?」
「特殊能力…」

もしかして、全身操作系って…
周りから視線を集めて、ハァ、とユーノは溜息をついて、話した。

「絶対、誰にも言わないでくださいね、うちの家族の秘伝って事ですから。」

そう言うと、ユーノはシュルシュルと光を放って小さくなる。
呆然、とそれを見ていたはやては、光が収まった後に、ポツン、といる小さな獣を目にした。
そのハニーブロンドの毛皮は…

「ユ、ユーノ君か?」
「そうだよ、はやて。」

フリフリと前足を振ってみる。

「…変身魔法ですね、家族の秘伝ですか。」
「今の式は、ミッドチルダ式だな。」
「もしかして、ユーノ君のご先祖様は、ミッドチルダから移住してきたのかもしれないわね。」
「家名は…」
「スクライアです。」
「…放浪の一族、スクライア。 なるほど、ほぼ決定ですね。」

そう言うと、呆然としているはやてを置いて、シグナムは宣言した。

「君は、魔導師しての才能があるかもしれないな。」
「そうですね、それもそれなりに上級の。」
「上手く訓練すれば、騎士になれるかもしれないぞ。」

すいません、実は魔導師です、とは言えない。
切り札は、見せないで取っておきたい。
そして、呆然としていたはやては。

「可愛いで、ユーノ君!」
「うわ、はやて!」

いきなり抱き上げられ頬ずりされて、ユーノはうめき声をあげる。
さすがに締め上げられれば苦しい。

「ユーノ、これ何だ?」

ヴィータに声をかけられて、ユーノが苦しげにそちらを向けば、そこには震えるはやての携帯電話があった。

「はやて、電話、電話!」
「え、あ、ごめんごめん。」

解放されて、ユーノは床にポテン、と落ちた。
高さ20cmくらいだから、さして痛くはない。
しかし、締め上げられた余韻で苦しがっていると、ザフィーラが咥え上げて、ソファーに載せてくれた。
ザフィーラの不器用な優しさに感謝するユーノだった。

「…あ、石田先生。」

はやての声に注目すれば、会話から内容が分かる。
どうやら、今から診察にこちらに来るらしい。
はい、と頷いて電話を切ったはやては、振り向いて、あ、と思った。

「ど、どないしよ、シグナム達。」

黒尽くめの集団3人と、牙が何ともいかつい狼一匹。
ユーノは、言い訳考えないとな、と思った。

ー続くー

ちょっとドタバタ。
色々フラグ立ててみるのですが、回収先はあるのか。
う〜む。





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