「うわぁ、なんや宝石みたいやな」

中央惑星コルサンド。
長い年月をかけて惑星全体を都市化した星。
地表は建物の光なのか、星全体がキラキラと輝いていた。

「何十世紀とかけて星を都市化してきた星です」

大気圏を抜けると、ミリィが言ったとおり辺り地面ビルが立ち並び、下もビルの根本が見えないほどに深かった。
辺りには小型の宇宙船舶や空を飛行する車などが通り、まさしく一昔前誰もが夢見た未来の姿がそこにはあった。


第7話
世界一の騎士団


「すごいよ!。車が空飛んでる」
「まぁ、未来だからね」
「見えてきましたよ」
「うぉっ!!、でけぇ!」

手狭く聳え立つ未来的な建物群の中に、広くとられた敷地にそれに見合う5本の塔が聳える巨大な建物。
まるで庶民の家のド真ん中に富豪の豪邸があるみたいだ。

「あそこが君達の駐屯地か?」
「はい、我々I・E・S・T、というかジェダイ騎士団の本拠地という認識のほうが普通ですね」

ファルコンは建物横のハンガーに着陸した。

「アニスを起こしてきますからエアロックでちょっと待っててください」

数分後、皆がエアロックの扉の前で待っていると

「お待たせ」

長袖の白い胴着のような服に茶色のローブを羽織ったアニスが現れた。

「さぁ行こう」
「ミリィ。先ほど言ったジェダイ騎士団とは?」

シグナムが問うと、ミリィとアニスは笑いを噛み殺している。

「なっ…。なぜ笑う!?」
「ごめんなさい。マスターの言ったとおり、騎士団に反応したもので」
「なるほど、見透かされたわけか」
「それでそのジェダイ騎士団ってなんなん?。私も気になる」
「ガイアの言葉で勇気ある者。昔からある騎士の称号で25年ぐらい前にホウ様。アニスのお爺様を初め当時のフィフス達が
神魔戦争を終結に導いたのを皆に認められ授与されたものです。
その後、ホウ様はフィフス達と自分が率いる部隊、オーフェンズ・フォースを中心にジェダイ騎士団を発足し以後、
I・E・S・Tと二束のわらじで運営し、今では銀河系の守護者とまで言われるようになりました」
「ほら、いつしか俺がシグナムに話した騎士団、それがジェダイ騎士団だよ」
「銀河の守護者ねぇ」
「侮らないほうが良い。ナイトクラスでもあなた方を凌駕するから」
「ちなみに騎士団にはパダワン、ナイト、マスターナイト、ジェダイ・アークという階級がありまして、
アニスは今現在マスターナイトクラスです」
「シグナムは力量だけだったらナイトクラスの中ってところか」
「アニスより強ぇヤツいるんだ」
「実際、アニスもジェダイ・アーククラスなんですけど」
「アークは評議会メンバー、評議会入るの嫌」
「この有様です」

正門を通り玄関には刃の部分がビームで出来た戦斧を持った男二人が仁王立ちしていた。

「お帰りなさい、マスター・アニス。マスター・サイがお待ちです」
「その前に、ミリィさんとアルトさんは分かりますが、その他の人達は?」
「アルトの配偶者とその家族、友人達よ。大丈夫、私が保証する」
「そうですか。ですが一応規則ですので調べさせてもらいます」
「わかったわ」

みんなはガイアの軌道エレベータのようにスキャン装置を潜り軽い検査を受け中に入った。

「うわっ!」
「広いです!」

エントランスも広く、アニスと同じ格好をした人達が往来していた。

「ヴィータ、リィン、走っちゃアカンよ」

子供なら広い場所に出ると走りたくなるものだ。
二人もそんな衝動に駆られたが、寸でのところではやてがストップをかけた。

「それじゃ、私は行くから、みんなのこと、頼んだ」
「お任せください」

アニスはみんなと別れ、奥に進んでいった。
みんなは、ミリィのあとを追って施設内を見て見る。
部屋の窓越しに訓練する風景が眼に入る。
ライトセイバーを持ち訓練する者は多種多様の容姿をした種族で皆若く、
中には10歳にも満たないであろう子供もいた。

「子供もいるようなのだが?」
「騎士団の年齢層は、赤子から20代後半。もともと騎士団の前身であるオーフェンズ・フォースは、
アニスの曾祖母、中嶋美幸様が戦時中、戦争孤児を拾い育てて自然に出来たもの、
今でも同じ境遇にある子供達を保護し生き抜く力を養っています。今じゃ膨れ上がって総員数2万4000人強。
全員12人のジェダイ・アークを部隊長とする12の部隊に属しています」
「子供達も戦うの?」
「能力があり希望する者はそうですけど。基本的に奇数部隊が戦闘が出来る成人、
偶数部隊が戦闘のできない子供達及び護衛が属すことになっています」

しばらく進むと、騒がしいまでの人の歓声とJ−POP系の音楽が聞こえてきた。

「何だ?」
「コンサートでもやっているの?」

さらに進むと、広場でコンサートが行われていた。

「シグナム達には教えたと思うが、ジェダイ騎士団の戦法は超高速の剣戟でリズム感が絶対必要になる。
リズム感を養うには音楽を聴くのが一番」
「ここの子達は何かしらお気に入りの曲があります。無かったとしてもああやって曲を作り
演奏したりすることもあります。遊び目的もありますけど、決してそれだけじゃありません」
「なるほどれっきとした訓練なわけだ」
「あれ?、そういえばシグナムは?」
「あれっ。いつの間にかいない。まぁ、子供じゃないんだし、大丈夫でしょう」
「まさかバトルマニアの血が騒いで誰かとバトってたりして」
「戻ってみます?」

少し戻ると、意外と簡単に見つかった。
部屋の窓越しに佇み、中で行われている訓練を興味深そうに見ていた。

「あっ、いたいた。シグナムーっ!」
「あっ、主はやて」

急いで駆け寄ろうとするが

「わっ!!」
「きゃっ!!」

誰かとぶつかり互いにコケた。

「いててて。誰よ。ちゃんと前を見て歩きなさいよ」
「すまん。こちらの非だ」
「ん?。聞いたこと無い声。誰?」

見ると、シグナムと大体同じ年恰好の女性。
彼女は、シグナムに近寄り、顔に手を這わせている。

「何のマネだ一体?」
「ごめんなさいね。私生まれつき目が見えないから初対面の人にはいつもこうしてるの」

見ると開かれている彼女の目には光が灯っていない。

「はぁ、そうか」
「うん、認識完了。ごめんなさいね。私はセトレ。あなたは?」
「シグナムだ。こちらこそ悪かったな」
「あのう、二人で話しているところわるいんやけど」
「おや、まだ聞き知らぬ声が。ミリィは気配で分かるんだけど、残りはどなた?」
「この前、結婚式を挙げた二人とその親族親友達よ」
「おおっ、そういえばアニスや彩兄ぃがそんな事言ってたなぁ」

セトレは一人一人名前を聞き顔を触っていった。

「セトレお姉ちゃん」

セトレが全員の顔を認識した頃だろうか、5歳ぐらいの子がセトレの袖を引いた。

「ん?。何?」
「もう訓練の時間だよ」
「おう、そういえばそういえばそうだったわね。みんなゴメン私急ぐから」

そう言うと子供の手を引き、去っていった。

「ところでシグナム、ジェダイに興味わいてきた?」
「まぁ、わかないといえば嘘になる」
「それじゃ、実際に見学してみる?。セトレの授業がこれから始まるようだし」

みんなはセトレのあとを追いかけた。
「ん?どうしたの?」
「ちょっとあなたの授業見学させてくれない?」
「別にいいけど、今日は暗天模擬戦よ」
「構わないわ」

しばらく行くと、大きな扉があり、開けると広々としたドーム状の部屋。

『こんにちは、マスター・セトレ』

その中にいる10人ほどの、10歳から15歳ぐらいの多種多様の子供達がいっせいに挨拶する。

「はい、こんにちは。遅れてごめんね。さぁ早速始めるわよ。みんな準備運動は終わってるわね?」
『はい!』
「うん、よろしい」
「あのマスター、あの方達は?」
「ああ、みんなの授業を見学したいんだって。なに、普段どおりにしていれば大丈夫よ」
「分かりました」
「あなた達は離れていて。それじゃ昨日伝えた順番で行くわよ1組目は用意して」
『はい!』

フルフェイスのヘルメットを被った二人の男の子が中央に出る。
ヘルメットのバイザー部分も黒く塗りつぶされ外からも内からも完全に見えなくようにしてある。
おまけに部屋の電灯も消され、完全に闇の中。

「まずはシングルから行くわよ。始め!!」

セトレの声と同時に、プシュュと青白い二つの光刃が伸び、模擬戦が始まる。
まずは手始めにゆっくりと剣戟を始める。
ブゥゥゥンとまるで蜂の羽音のような音で空気を切り、刃が交わるたび、雷光のような閃光を放つ。

「ダブル!」

セトレの声と共にもう1本ずつ光刃が伸び、剣戟も段々スピードを増す。

「ツイン!!」

二つの光刃が直列に繋がり鍔迫り合いが起き、離れる。
空気を切る音が激しくなり、光刃の動きと交わる閃光の間隔が段々狭まり、激しさを増してゆく。
しかし、光刃を通して微かに見える彼らの口元は歪んでおらず、むしろ楽しむかのように微笑んでいる。
その後にも、セトレの指示するとおりにセイバーの形状を変化させ模擬戦は続く。


「暗闇の中を想定した戦闘か。でもこれはやりすぎではないのか?」
「こっちは眼が慣れてきたけど、二人は目隠ししてるんだよな」
「これくらい、フォースを使えば簡単に出来ます。
それに、この程度でやりすぎと言ってるようじゃこの銀河系最強は名乗れませんから」


「それまでっ!」

光刃がピタッと止まり、電灯が灯く。

『………』

二人の首に皮一枚という近さで光刃が掛かる。
玉の汗が肌を伝い、ジュゥと蒸発する。
2人はヘルメットを取りセトレのほうへ向き直る。

「2人共、技術は向上したけどまだ熱くなるところがあるわ。そうなると周りも見えなくなるし判断も鈍る。
あなた達は妹や弟達を守る立場にあるのよ、そのことを忘れないでね」
『はい、マスター』
「よし、それじゃどんどん行くわよ」

部屋が暗くなり、次の組の模擬戦が始まった。
戦闘が終われば次の模擬戦、そしてまた次の模擬戦。
その間にセトレは適切なアドバイスをしている。

「セトレさん、目見えないのに良く分かるね」
「彼女は生まれつき目が見えくて代わりに他の五感が発達してるの。
その上、人の動き、感情などをフォースを介して感じ取っているの」
「それだけではないだろ?。彼女からはそれ以外の強さを感じる」
「さすがシグナム。ええ、彼女は強いわ。マスターナイトクラスでは1.2を争うぐらいにね。
現に第2部隊副長兼年少組護衛隊戦技教官だしね」
「なんだよ、まだいつものクセが出たのかよ?」
「うるさいぞヴィータ」
「頼んでみます?」
「正直その気持ちはあるが、武器が違いすぎる」
「実剣とレーザーですからねぇ」
「大丈夫ですよ。ねぇ、セトレ」
「ん?。何ミリィ?」
「あなたと模擬戦したいって子がいるんだけど」
「誰?」
「私だが」

セトレはシグナムに歩み寄った。

「そう、あなたが、たしかに強そうね」
「シグナムは実剣だけど、どう?」
「うん。いいわよ。異文化同士の模擬戦って言うのもみんなのいい勉強になるしね。
みんな、これから私とこの方で模擬戦を始めます。学ぶところもあるかもしれないからしっかり見てね」
『はい、マスター』

子供達はミリィ達と同じく壁際に移動し、部屋の中央にはセトレとシグナムが立った。

「レヴァンティン!!」
(Ja!!)

シグナムはレヴァンティンを起動させ騎士甲冑を羽織った。

「面白い武器ね」
「構えないのか?」
「これが私のスタイルだから。私はいつでもいいわよ、だけど私を一撃でしとめる位の勢いで来てね。
そうしないと痛い目合うわよ」
「たいした自身だな………」

シグナムは一呼吸置き、タッと駆ける。
その速さ、俊足。そこから繰り出す抜刀斬り、並大抵の者なら一瞬で決着がつくだろう。

「なにっ!!」

金属同士がぶつかりあう甲高い音。
レヴァンティンは寸でのところでセトレの槍に阻まれていた。

「速いわね。でもまだ感じ取れる速さね。手を抜いたでしょ?。そんなことじゃ私に勝てないわよ」
「盲目だと思い思わず手を抜いてしまったが。これは失礼した」

シグナムは後ろに飛び離れ

「ヴォルケンリッターが剣の騎士シグナム。炎の魔剣レヴァンティン。
我が剣の全てと我が主にかけて、この勝負、勝たせてもらう!」
「いや、かけへんでいいから」
「ならば!、ジェダイ騎士団第2部隊副長、継竜のセトレ、竜槍ブラッドペイン。
我が刃と師の誇りを賭けて、向かい討つ!!」

口上を述べそれぞれの武器、シグナムは炎の魔剣レヴァンティンを、
セトレは刃が異様に長い、自分の背丈以上にある双刃槍、竜槍ブラッドペインを構える。

『はっ!!』

二人、同時に駆け刃が交わる。
しばしの鍔迫り合いの後、互いの刃を弾き距離をとる。

(Explosion!!)

カートリッジをロード。
手加減など無用。
炎を纏った刃を思いっきり振り下げる。

「ハッ!」

セトレはそれを矛先で受け止める。
それだけではない、衝突と同時にレヴァンティンに加された炎熱が消失する。

「対魔力!?。キャッ!!」

そのまま矛先で押され吹き飛ばされ壁に衝突、煙が立つ。


「シグナム!!」
「セトレさんって神族なんですか?」
「いいえ、DNAデータでは純粋な人間、民族的にはイギリス人ですよ」
「えっ?。でもあの槍は……」
「竜槍ブラッドペイン。確か、彼女の師、3代目フィフスの一人。クレナイ=ランス・ブレイカー様の
ゼロハルコンから作られていると聞く」


「クッ……」
「とりゃーーーっ!!」

立ち上がろうとしたところにセトレの追撃。
痛む身体に鞭打ち何とか回避。

(Sturmwinde!!)
「ハッ!!」

セトレの後ろを取りカートリッジロード。
剣を振り下げ繰り出される衝撃波。
しかし、槍の一振りでかき消され、突きが炸裂。

「クッ、速い!」
(Panzergeist!!)

即座に後ろに跳び、防御壁を展開。
だが、槍のリーチ外まで跳べず、最初の一突きで防壁は消失、次突きをレヴァンティンの背で受けとめているが、
何発かは騎士甲冑を切り裂き、肌に血を滲ませている。

「クッ!」
「なるほど。魔力を込めた弾丸をリロードして攻撃力をあげているわけか」
「察しのとおりだ」
「もっと他のもあるんでしょ?。出し惜しみしないでよ。
大丈夫、この部屋はちょっとやそっとじゃ壊れないようにできているから」

微かに笑みを浮かべて言う。

「今度はこっちから行くわよ」

ブラッドペインを一回転、構えなおし突撃する。

「ハッ!!」

地面についた片足を軸に身体を回転させ槍を振るう。
遠心力で勢いがついた槍がシグナムに襲いかかる。

「くっ!、重い!」

剣の背で受け止める、スピアータイプの槍なのにやけに重く感じる。
槍を弾き何とか間合いまで入り込もうと駆ける。

「チッ!」

会心の一撃を打ち込もうとするが、またしても槍に阻まれた。

「ばかなっ!」

槍とは中距離専用の武器。
ましてやブラッドペインは2メートル近くある長槍、その扱いは難しく接近してしまえば防御も不可能に近い。
しかしセトレは手元を器用に使い槍を引き下げ先端部分を持ち直し寸でのところで受け止めた。

「ならばっ」

長距離はおろか、接近戦もだめ、シグナムは即座に離れレヴァンティンを鞘に戻しロードカートリッジの後、抜刀体制。

「飛竜……一閃!!」

ならば超長距離ならばどうだ。
抜刀と同時に魔力を帯びた連結刃がセトレに襲い掛かる。

「なんと!!」

迫ってくる刃にセトレは驚いたが、何とか跳び避ける。
しかし連結刃は何処までも伸び、蛇のように動き追跡する。
セトレは高速で跳び逃げ回るが

「しまったっ!!」

壁際に追い詰められ、身体に刃が蛇のように絡みつく。

「くっ!」
「どうやら勝負あったな」
「ハッ、連結刃なんて非効率の攻撃方法を私ら以外してこないと思っていた私の失態ね。
……だけどこれがあなたの専売特許ってわけじゃないのよ」
「なに?」

ブラッドペインの二つの刃が勢いよく飛び、それに連なり光の鎖が伸びる。

「なにっ!?」
「捕縛せよ、ツインペンドラゴン!!」

二つの刃がまるで意思を持っているかのようにシグナムに振り向き、襲い掛かる。
刃は蛇のように動きシグナムの連結刃より速い。
回避行動はおろか、認識すらできないうちに光の鎖がシグナムを締め付ける。

「しまったっ!」

互い、刃は立てず傷つくことはないが、方は人間、方は魔法を無効化するので抜け出すこともできない。

「くっ!、こちらが先に決めたのだから、もう観念、くっ!、したらどうだ?」
「ハッ、冗談!。最後まで諦めないのが私等の信念よ!!」
「なら……これならどうだっ!」
「くっ!!」

拘束されている手でレヴァンティンの柄を器用に操作し、連結刃の締め付けを強める。

「やったわねっ。そっちも観念したらどうっ!」

セトレも同じように鎖を締め付ける。
どちらも譲らず相手が締め付ければこちらも締め付けるということをしていたのでこのまま膠着状態が続いた。


「二人とも頑固ですねぇ」
「いったい何処の放置プレイだよ?」
「こりゃぁ、決着がつかないぞ」

またしばらく膠着状態が続いていると、急にカンカンカンと音がした。

『えっ!?』

音のする方を皆で振り返ると

「アニスちゃん」
『マスター・アニス』

そこには両手にフライパンとお玉を持ったアニスの姿が

「みんなご飯よ。大食堂に集まって、そっちの二人も変なプレイしてないでご飯よ」
「だめ!。向うが降参しないと」
「こちらものつもりだ」
「そう。みんな行くわよ」
『は〜い』
「ほら、あなた達、ご飯食べてって」
「えっ、でも……」
「あっちは?」
「当人達がそうしたいっていうんだからいいんじゃない?。さぁ、行くわよ」

みんなは後ろ髪を引かれつつも部屋を出た。

『………』

それからまたしばらく時間が経つ。
時は夕暮れ時だろう、ぐ〜っとお腹の虫もなっている。

「…………ねぇ」
「…………なんだ?」
「お腹もすいたし引き分けってことにしない?」
「奇遇だな。私も今それを考えてた」
「それならカウント3で放すわよ」
「ああ」
『1、2、3!』

連結刃と鎖が外れ二人は開放された。

「ふ〜っ、全身血が滲んじゃってる、これはお風呂に入ったらとんでもないことになるなぁ」
「大丈夫か?」

手を差し伸べセトレを立たせる。

「ええ。そちらこそ大丈夫?」
「ああ」
「そう、なら行きましょう」

二人も大食堂に向かった。

「やはりお前は強いな」
「ふっ、あなたもね。って言っても最後があんなだから実力はまだまだだけどね」
「確かに、私も大人げなかったな。ところでお前は神族か?」
「地球人だけど、何で?」
「いや、お前が持っているあの槍、対魔力が付加してあったしあの光の鎖は――」
「ブラッドペインの刃や本体は純ゼロハルコン製、だけど中身はセイバーと同じ回路装置と
光の鎖を作るための回路装置を入れてるけどね。アレを開発するのに数年かかったわ」
「そうか」
「あんたもただもんじゃないわね、魔力値も普通の人間にしては高いし」
「そんなことまで分かるのか?」
「まぁ、師匠が神族だったしね。そこらへんもたたきこまれた」
「私は夜天の魔道書の主を守るために作られた守護騎士プログラムの一人だ」
「へぇ、あなた達の世界ってすごいのね」
「驚かないのか?」
「驚くって、こっちには神様がいるのよ。それ以上何を驚けっていうの?」
「ふっ、確かに。私は明日帰ってしまうがまた会えるだろうか?。模擬戦の続きをしたい」
「国交が始まるからその気になれば会えるわよ、私も望むわ。今度は真剣勝負でね」
「ああ」

二人は再戦を誓い、固い握手を交わした。

「それじゃ速いとこ食堂に行くわよ。グズグズしてると全部食べられちゃうわよ」
「そうだな」







あとがき

Krelos:はい、第2部もあと残すところ1話となりました。それではまた次回――――
エイミィ:ちょっと待った〜!!。
Krelos:なんですかエイミィさん?。
エイミィ:後半部分から私等のセリフが減少してきているようなのですが。
全員:そーだそーだ〜〜。
Krelos:仕方ないでしょ、キャラが多いんだから。
ザッフィー:私は下手したら部を通して一言二言ぐらいしか喋っていない。
エイミィ:ザッフィーはいいわよ!、私なんか存在忘れてたまで言われてたのよ!!。
ザッフィー:難儀だな、エミリッタ。
エイミィ:そのほかにもセリフが少ないって不満いっぱいの人がたくさんいるのよ。
Krelos:はいはい、善処します。(←棒読み)
全員:ぜんぜんわかってな〜い!!。
Krelos:ノォ〜〜〜〜〜!!。





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