「クッ!。しばらくは大丈夫と思っていましたけど、やはりエネルギー消費が激しいですね」

地上本部頂上の塔、ルミナス・ウォールを維持し続けているリィンとヴィザードがそこに立っていた。
GSドライブからのエネルギーの供給量よりも消費量が上回りパワーダウン、サイ・システムによる
供給量の底上げは図っているが常人の精神力には限りがあり、リィンはすでに疲労困憊、
ウォールの防御力もだんだんと防御力を落としてきている。

「出力が安定するまで一度サテライトシステムでチャージしないと」

その時、コクピット内に接近警報が響く。


第15話
鋼鉄の守護神 〜リィンとヴィザード〜


「なに?、敵!?。うわっ!」

気づいたときには遅く、目の前にはガンダムタイプの黒い機体。
蹴りが炸裂しヴィザードが落下してゆく。

「まだ仲間がいたんですか!」

バーニアを吹かし体勢を整えるが、黒い機体が突進、腰にマウントしてあるビームソードを抜きヴィザードに切りかかる、

「このぉ――っ!!」

ヴィザードもビームソードを抜き、赤と青の光刃がバチバチと音を立て鍔迫り合いを起こす。

「“ヒャハッハッハ!”」

通信から下品な笑い声が響き、モニターが開かれる。

「“なんだよ、ガキかよ”」
「お前は、ナンバーズのツヴァイ!?」

通信に出たのは5年前アルトに倒されたはずのナンバーズ02、ツヴァイ。

「何で?、アルトさんに倒されたはず!」
「“ああ。俺もあのクソ女にやられたときにはもう終わりかと思ったさ、だが運よく脳みそが生きててな、
オヤジに新しい身体を作ってもらったわけだ”」

暗がりのコクピットの中をよく見てみると、ツヴァイの首から下は無く、直接太いケーブルが繋がれていた。
そう、この黒い機体こそツヴァイの新しい身体なのである。

「へっ、腕慣らしには物足りねぇが、いいぜ、遊んでやる!」
「その減らず口を黙らせます!」

鍔迫り合いから離れツヴァイは腰にマウントしているビームライフルを2.3発撃つ。
ヴィザードは腕に内蔵されているビームシールドで防ぎ同じくビームライフルを撃ち反撃する。

「へっ、当たるかよっ!」
「クッ、機動性が違いすぎる!」

普段ヴィザードは宇宙・空中での細かな移動を機動兵装ウイング付属のスラスターに頼っている。
しかし、今はウイングピットがなく、バーニアや両腰のレールガンと兼用のスラスターを用いたとしても
大まかな動きしか出来ずその分隙が目立ってしまう。
ピット作動時に飛行を代行する推進システムは搭載されているのだが、パワー消費が膨大で、
今エネルギーを極力消費したくないリィンフォースにとっては戦略の最下層に埋もれた手段だ。

「そんなノロノロじゃ俺の速さについてこれないぜっ!」
「くっ!」

至近距離でのツヴァイの攻撃をリィンは紙一重でかわし、その顔に銃口を当てる。

「!!」

ツヴァイは咄嗟に避けようとするが、機体自体の回避はワンテンポ遅れその頬部分を微かに溶解させる。

「はっ!」

リィンは閃く。奴自身はそれほど意識していないが、機体の運動伝達速度は向こうが劣っているのではないか。
兵装ウイングが無いぶん、今はこちらのほうが不利だが、もともとフル装備のスペックで比較してみると
ヴィザードのほうが遥かに優っているのではないかと。チャンスだと思い、ツヴァイとの間を一気に詰める。

「チィ、舐めたマネを!、うおっ!!」

ツヴァイの横っ面にヴィザードの会心の一撃。
よろけるツヴァイの頭を掴みニーキックが胴体に入る。
コクピットのある胴体はさすがに装甲が厚くキックごときでは傷つけられないが確実にダメージは通っている。

「くっ、空中格闘戦だと、うわっ!」

リィンは極力回避行動を抑え、回避速度が鈍い相手に効率よくダメージを与えるために格闘戦に持ち込んだ。
激しいラッシュ、拳が当たる度、金属がぶつかり合う鈍い音と装甲が剥げ破片が宙を舞う。
格闘技ははやてから習い中々のものだ。あとはコンボを決め続けどのぐらいダメージを与え続けられるかが勝利のカギである。

「くっ!、ナメるなチビがぁっ!!」

ツヴァイも負けずに拳を振るう。
しかしそれはヴィザードに当たることなく空しく空を突く。

「ちぃ、何でだ!、なんで遅れるんだよっ!!。こんなチビに俺様が劣るわけねぇだろ!!」

ツヴァイは叫びながらもパンチやキックを繰り出すが、一向にヴィザードに会心の一撃を入れることが出来ない。
そう、それはまるで玄人と格闘技を少しかじった者が組み手をするように。

「これで最後ですっ!!」
「そうはさせるかよっ!」

互い両手を組み押し合いが続く、そんな折、突然ガシャンと何かが外れる音が木霊する。

「えっ?……」

一瞬、リィンは何が起きたのか理解できなかった。
突然、ツヴァイの両腕が間接部から外れ、腕を残したままヴィザードから離れ

「うわっ!!」

ツヴァイの背中の6基のビーム砲がヴィザードに向け発射される。
ヴィザードは不意の攻撃に浮力を失い落下しそうになるが、咄嗟にバーニアをふかし体制を整えた。

「まだまだ安心するのは早ぇぜ!!」

ヴィザードがいまだ握るツヴァイの両腕、その装甲から2連の機関砲がせり出し、
ダダダダダ!!と火花を散らし実弾を吐き出す。

「うわああぁぁぁぁあああ!!」

至近距離の砲火はヴィザードの装甲を傷つけダメージを与える。

「ハハハハッ!、さすがに実弾は防ぎきれねぇか形勢逆転だなぁ!!」
「ハァッハァッ!、何のこれしき!……えっ……」

ツヴァイの背中の6基のビーム砲がガコン!と音を立て外れそれぞれ不規則に飛び回る、
それだけではない外れた両腕もその中に入る。

「なっ、何てことです……」
「遠隔操作機動兵装はテメェだけの十八番じゃねぇってことだっ!!」

リィンに戦慄が走る。
今のヴィザードの機動では一方向からの攻撃を避けるのが限度。
ツヴァイとの戦いも1機だけだからこそ余裕が出来、戦略を立てることが出来た。
流れは確実にリィンフォースが掴んでいた。
しかし、敵も自分と同じ遠隔操作機動兵装群を装備していたことで流れは変わった。むしろ窮地に陥った。

「きゃぁぁぁっ!!」
「アハハハハッ!!。怯えろっ!すくめぇっ!」

四方八方から迫り来るビームと実弾の嵐。
両腕のビームシールドで防ぐがすべてを防ぐのは不可能。

「ああっ……」

ヴィザードが受けたダメージが痛みとなって全身を走る。
トレース時、リアルな体感と命の危機を実感させるために作られたシステムを今は恨めしく思える。

「オラオラッ!、さっきまでの勢いはどうしたんだよ!!」
「!」

背中のバーニアユニットにビームが被弾、咄嗟にエネルギーラインをカットしユニットをパージする。

「わっ!!」

バーニアエンジンが爆発し、ヴィザードは衝撃に巻き込まれその機体を地上本部の外壁にめり込ませる。

「もう終わりかよ」
「……………」

容赦ない攻撃が続き、コクピット内には損害アラートと各部損害を知らせるモニターが表示され、
リィンは全身を駆ける痛みに意識が飛ぶ。

「ヒャハハハハ!!。俺様に勝とうなんざ100年早ぇんだよ!!」

砲撃が止み、弾幕の先には糸が切れた人形のように力無くうなだれるヴィザードの姿、
装甲は破壊され所々から機械部品が覗き、右腕は二の腕部分が完全に吹き飛んでいた。
ヴィザードは重力に身を任せ雲海の底へと落ちていく。

「さて、ガキんちょはぶっ殺したしもうひとと暴れするかぁ!」

ツヴァイは意気揚々とし宇宙に上がるためバーニアを全開にした。


「……………」

風を切りヴィザードが落下する。
コクピットには煩いほどのアラート音。
この高さだ。衝突すれば機体はバラバラになりパイロットも命を落とすだろう。

「あっ………」

リィンが目を覚ます。
しかし半目に開いた瞳には生気が宿ってはいない。

「……状況確認……損傷多々、飛行不能。最優先事項、パイロットの心肺停止、
生命活動に致命的な危機あり、心肺蘇生処置開始」

その言葉は異様に事務的というか機械的、そしてリィンフォースの小さな体が跳ねる。

「蘇生確認。バイタル正常値、意識レベル250前後、デバイスリンクによる回復を続行。
続いてシステムチェック、敵殲滅のため残存エネルギーからフェニックスシステム起動時間・攻撃時間を算出。
……限界時間およそ480秒。姿勢制御、システム起動、追撃開始!」

サイドスラスターを使い姿勢制御、背中の兵装プラットフォームが展開し後方に光を噴射、
それを基に8枚の光の翼が形作られそのまま急加速で空へ昇ってゆく。


ツヴァイは順調に上昇を続けていた。

「ん?」
コクピット内に警報。

「下方から超音速で接近する機体があるだと?。ちっ、誰だよせっかくの気分をぶち壊したのは!」

モニターで下を映すと光の翼を広げて猛スピードでこちらに向かってくるヴィザードの姿が。

「なにっ!!」

驚くのも束の間、一気に詰め寄られヴィザードのパンチがツヴァイにヒットする。

「ふざけるなよっ!」

ツヴァイはよろけながらも背中のビーム砲を分離、不規則に攻撃するが
ウィザードの瞬間移動のような回避機動の前には掠ることも出来ない。

「チィ!、テメェは俺がぶっ壊したはず。何でここにいるんだよ!!」

ツヴァイは慌てふためき叫ぶ。
しかしその相手であろうリィンフォースはいまだ生気の宿っていない半目で佇むばかり。

「……パイロット、意識レベル回復、コントロールを譲渡……はっ!!」

リィンフォースは意識を取り戻し辺りをキョロキョロ見渡した。

「私は何でここに?、確かボロボロにやられたはず……えっ!、フェニックスが起動している?。
私は起動した覚えは無い……えっ!?」

困惑するリィンフォースの頭に誰かが語りかけてきた。

「ヴィザード?、あなたがやったの!?」

リィンは驚いた。
ヴィザードに搭載されているA・Iはシステム管理及び音声認識による機体制御のみの機能しか持たない。
対話機能やましてや自己判断できるような自我を持つていない。

「……そうですが。助けてくれてありがとうです、ヴィザード」

驚きは束の間、リィンはやさしく微笑み言った。
いつだろうか、以前に『世に作り出されたモノには全て意思があり、
互いに疎通が出来ないのはその方法が違うからだ』と言った人がいる。
同じ創り出されたものとして何か通じるものがあるのか、リィンフォースはヴィザードが配備された時より
暇を見つけては一緒に過ごし一方的ではあるが近況なども語ることもあった。
ガイアにはヴァルキリーが人間になったという奇跡も起きている。
単なる管理A・Iがリィンフォースに影響され対話するまでに自我を持ったとしても不思議ではないのかもしれない。

「“何ごちゃごちゃ言ってやがる!”」

オープンチャンネルからツヴァイの叫び声が聞こえる。

「“いいさ、今度こそ跡形も残さねぇぐらいバラバラにしてやらぁ!!”」

ツヴァイの攻撃が襲い掛かる。

「今度は負けない!私にはヴィザードがついているからっ!!」

ヴィザードが伝えてきたフェニックスシステムの残り稼働時間は4分弱。
その時間内にツヴァイを倒すべく攻撃を開始した。

「うぐっ!!」

瞬間的な機動に耐えながらも片腕でビームソードの柄同士を直列繋ぎ、ダブルブレイデッドにし一気に間をつめる。

「なにっ!」

交差する瞬間にツヴァイの右腕を絶った。

「くっ、かああぁぁっ!!、この死にぞこないがぁああぁぁぁあ!!」

瀕死だったヴィザードに再び追い込まれ、プライドを傷つけられたツヴァイは叫び罵る。
しかしリィンフォースは聞く耳持たず、ただ敵の攻撃をかわし残された時間で精一杯攻撃するのみ。

「はぁっ!、はぁっ!、くっ!」

機体に異常振動、そして警報。
フェニックスの光パルス推進が生み出す戦闘機動は傷ついた機体に予想以上の負荷をかける。
自分の精神力も限界に近づいてきている。
このままではタイムリミットが来る前に機体が空中分解するか精神力が尽きてしまう、
リィンは次の一撃でキメることを決めた。

「ヴィザード、今しばらく耐えるです!」

ダブルブレイデッドビームソードを掲げツヴァイに突進してゆく。

「落ちろおおぉぉぉお!!」
「うおおおおおぉぉぉおおおお!!!」

ツヴァイの猛攻、ヴィザードはかまわず突進を続ける。
遠隔砲塔がビームを放ち機関砲が火を噴く。
足を被弾し頭が中破するがリィンは一直線に突進してゆく。
そしてヴィザードとツヴァイ、二つの影が重なった。

「うっ!!」
「があっ!!」

ヴィザードのソードはツヴァイのコックピットを貫き、
ツヴァイの口元が開き伸びたビームソードはヴィザードの右胸を貫いていた。
エネルギーが切れ光の翼は消失、ソードも消え遥か下へと落下していく。

「やっ、やった……」
「まだだっ!!」

突然の声にリィンはビクリと体を跳ねらせる。
ツヴァイの腹には風穴が、しかしコクピットにいるツヴァイの首はほぼ無傷、どうやら突き刺さる瞬間にズラみたいだ、
ツヴァイの髪の右側が少し焦げている。

「まだだっ、相手にや不足だがこうなれば仕方ねぇ!!」

口から伸び背中まで貫いているビームが返しのように曲がり、浮遊する両腕が後ろからホールド、
何かのシステムを起動しそしてカウントダウン――――。

「自爆装置!?、放すです!」
「おせぇよ。爆発まで残り1分を切った」
「このぉっ!」

残っていた腕でツヴァイの頭に掴みかかり潰そうとする。

「うっ!。往生際の悪ぃ奴だなぁ」
「リィンはこんなところでやられるわけにはいかない!!」

最後の力を振り絞り腕に力を入れる。
頭がミシミシと軋み、そして徐々に歪んでくる。

「あああぁぁぁあああ!!!」

頭を握りつぶし、ビームの杭が消える。
そして力いっぱいに機体を引き剥がした。

「ふっ、遅かったな――――」
「うわあぁぁぁぁああっ!!」

ツヴァイは自爆、そしてヴィザードは爆風に飛ばされた。
リィンはヴィザードと共に落下してゆく、気力も限界で機体もぼろぼろ、
もうダメかと思い脳裏にこれまで楽しかった思い出、辛かった思い出が走馬灯として思い浮かべる。
しかし神は彼女を見捨ててはいなかった。
ガクンと衝撃が走る。

「っう――――」

不時着したのは地上本部の屋上、そこには風の音とハァハァと浅く呼吸するリィンの息遣い。
呼吸を整えている間にふと脳裏によぎった、ツヴァイの動力炉は何だか分からなかった。
今の爆発でGSドライブではないことは分かった。もしGSドライブで私が破壊、奴が自爆でもしたら……
この星を基点に1000光年は跡形も無くなっていただろう、今更になって背筋が凍る思いだ。
しかしそんな思いも束の間、イクリプスからの攻撃は続いている。
すぐにエネルギーチャージしないとルミナス・ウォールがいつ消えてもおかしくない。アーキとの通信回線を開く。

「マイスターはやて」
「“リィン大丈夫か!?”」
「敵を倒すのに少し苦労しましたが、何とか無事です。それでエネルギーの使いすぎで出力が低下してきています。
このままじゃルミナス・ウォールが維持できません。マイクロウェーブ送信をお願いします」
「“分かった。ヒメル”」
「“サテライトシステム起動します”」

しばらくの後、天から青白いビームが一条、ヴィザードの胸のクリスタルに溶け込む。
あと数秒後にはマイクロウェーブが照射、エネルギーがチャージされウォールは安定、
あとはヴィザードの回復を待ちGSドライブの出力が安定すればまだ守り続けられる。
ふぅ〜と一息するリィンの耳に

「”マスター!、イクリプスが砲撃を中止、内部に高エネルギー反応!“」
「”あの陣形、主砲を撃つ気か!“」

耳を疑う言葉が通信から聞こえた。
威力は分からないがあれほど大きい艦の主砲だ、最低でもクラナガンほどの都市でも地図から消えるかもしれない。
考える間も無しにシステムチェック、サテライトキャノン使用可能か調べる、……使用可能。
背中の2門のキャノン砲が回転、砲口が上を向き前に展開、肩からせり出したマウンタで固定される。
腰のレールガンも展開、発射時の衝撃に耐えるため腰と肩のアンカーを建物に深く埋め込む。

「“無茶や、威力が違いすぎる、止めるんや!”」

はやての叫ぶ声が聞こえる。
しかしリィンは従わなかった。
このまま主砲を撃たせれば今度こそクラナガンは消える、最悪ミッドチルダ自体消えるかもしれない。
サテライトキャノンを使えば最低でも相殺することは出来る。

「きたっ!」

マイクロウェーブ照射、機体全体でそれを受け止め鈍い音と共にエネルギーチャージが始まる。

「!?」
コクピット内に警報、ザラついたモニターにはルミナス・ウォールを軽く食い破り迫る巨光の姿が。
エネルギー不足、即座に脳裏によぎった。

「かくなるうえはっ!」

Gストーンを液体化しエネルギー変換、機体維持に最低限必要な分を残しすべてサテライトキャノンへ。

「くっ!」

高エネルギーに機体が耐えられずあちこちで小爆発が起きる。

「もうちょっとの辛抱です!、頑張ってヴィザード!」

中破した頭部のセンサーではうまく標準がつけられない、しかしあの大きさだ、サブシステムの標準装置でも大丈夫だろう。

「いっけえぇぇ!!」

4門の砲から勢いよく放たれた高出力ビーム。
そして発射の衝撃に耐え切れなくなった両足は爆発し砕けた。
天と地から延びる2本の巨光、互いは空中で衝突。大爆発を起こし広がった閃光と熱はヴィザードを飲み込み
地上本部タワーの中層階まで達し衝撃は地表に達した。


「うっ!!」
「なのはさん!!」

首都へと向かうフォワード部隊。
シグナム達と合流し順調に進んでいたものの、なのはが肩の痛みにうずくまった。

「大丈夫ですか?」
「ええ、さぁ行きましょ、うっ!」
「無理ですよ!、少し休んだほうが」
「アニスさんとスバルさんも休んでください。シグナム副隊長達を担いでいるんですから」
「そうね。ことは、だいち。悪いけど先行してちょうだい。すぐに私達も行くわ」
「分かりました」
「はい。皆さん母さんをお願いします」

ことはとだいちはなのは達と別れ先を急いだ。

地上本部より数十キロ離れた瓦礫、そこにボロボロになったヴィザードの姿があった。

「“…リィン!、…リィン!”」

装甲が抉れ露出したコクピットには横たわるリィンフォースとはやての呼びかけがノイズ紛れにうるさく響く。

「……大丈夫です。リィンは…大丈夫です。ですが…ヴィザードが…ボロボロです。
パワーが足りなかったので…Gストーンをエネルギー変換したんですけど…それでも足らなかったようですね」
「“よか…った、リィンが…生きてて良かった”」
「安心するのは早いですよ、ルミナス・ウォールもなくなりましたし」
「“そう…やな、あとは…私達が何とかする、…リィンは安全なところに…避難してゆっくりお休み”」
「そうさせて…もらうです。…もう限界です………」

通信装置が限界により爆発し、リィンフォースはそのまま意識を深い闇へ落とした。







あとがき

Krelos:はい、久々の投稿、決戦3戦目はリィン・ヴィザード組と復活のツヴァイでした。
リィン:今回はリィンの大勝利で幕を閉じたです!。
Krelos:はいはい。
リィン:作者さんも筆が進んでよかったです。
Krelos:うん、よかったよかった。
リィン:でも今回の内容、リリカルなのはの内容とちょっと違うような気がするんですが……。
Krelos:……リィンちゃん。そんなこと言うのはこの口ですかぁ?。
リィン:ふぃててて!!。痛いです!。
Krelos:そんなことを言うからだ!。自分も自覚はしているが、てこ入れしたら余計時間がかかっちまう。
もう言わないこと、いいですね!。
リィン:分かったですぅ。
Krelos:さて次回の対戦カードはロングアーチとイノーブスだ!。





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