第3訓練場
そこは大規模戦闘演習を行うため結構広くフィールドが取られていた。
と言っても訓練区の一番端の外壁に出入り口のプラットフォームや応戦用の砲塔システム群を作り、
それに接した草原全体を訓練場と呼んでいるだけなのだが。
そこに訓練兵は集められていた。
男女に分けられ草原に座り、目の前の舞台に立つ教育隊に目を向けている。
赤、青、黄、黒、茶、白のジャケットを着た訓練生は数にしてざっと200人、教育隊は50人と言ったところだ。
教育隊の面々の中から見知った顔、総合戦技教導軍副団長、カティウス=ゼファー中艦将が姿を現した。


第2話
最強の赤と蒼


「え〜と、ホントは団長自らの挨拶だが、今休業中でな。俺が代わりにやる。
登軍訓練というものは文字通り我が軍、ユニバーサル・フォースに入隊するために行われる訓練だ。
でもまぁ、最近は他軍からの軍事研修としても使われるようになった。まぁ、それは些細なことだ。
内容的には、白兵戦、銃撃戦、サバイバル術はもちろん、Xs−グラスパーによる空中戦、ガンダムによる陸海空戦。
まぁ基本をやってもらう。この訓練を無事やりとげることが出来れば得るものは多いだろう、
だが生半可な覚悟で挑めば良くて病院送り、悪くて死だ。それを肝に叩き込んでおけ!!」
『はい!!』
「それじゃレクリエーション前に、この訓練を統括するマスターチーフを紹介しよう」

カティがパチンと指を鳴らすと教官数人が舞台を降りた。

「なぁ、ケーちゃん。マスターチーフって何?」
「教官達を統括する教官よ。こんなことも知らないの?」
「う〜ん、私休職する前は捜査官だったから、軍事的なことにはあまり」
「じゃ、何でここに?」
「ウチの組織ってな、事件が起きた後の対応が迅速じゃないんよ。
だから私は少数精鋭の事件に迅速に対応できる部隊を作ろうと思った。
選抜した人材は優秀でもそれを指揮する指揮官がちゃんとせなな。それでアニス超将軍にここを紹介してもらったんよ」
「へぇ〜、よき指揮官になるためか。いいんじゃない?」
「ケーちゃんは?」
「私はいたって平凡、軍に入り戦技教導官になること、目標はひとまず大尉かな。
さて。おしゃべりはこれくらいにして、誰だろう、マスターチーフって?」

先ほど部隊を降りた教官達が車椅子を押して帰ってきた。
2台の車椅子に乗っているのは二人の男女。
一人は真っ赤な髪に右頬から首筋にかけて猛禽類の刺青があるレイの男、
もう一人は青い髪から竜の角が飛び出し右頬から首筋にかけて竜の刺青があるスイの女、二人供眠っているようだ。

『ホウ=ソード・ブレイカー様!、クレナイ=ランス・ブレイカー様!!』

その姿を見た瞬間、神族が悲鳴のような叫び声を上げた。
中にはこの世の終わりだといったような絶望した表情の者までいる。

「みんなどないしたん?」
「うわ〜っ!!、なんであの二人を呼ぶん!、しかも二人供縛られとるやんけ!!」
「ホウとクレナイって確かもう死んどるアニスちゃんの祖父と祖母の名前よね?」
「あの様子からするとたぶん過去から拉致って来たんだと思うけど何でんな自殺行為をするねん……」

ケーニッヒはどよ〜んと肩を落とした。

「どういうこと?」
「あの二人はな、もう一人、ロストという女性とあわせて3人とも相思相愛の万年新婚夫婦なんよ。
だから私達よりも人一倍、相手が傷つけられたりするとその怒りも凄まじいの。
過去の事例では、ホウ様はクレナイ様とロストのご子息が誘拐されたさい、犯人グループとその仲間5000人を皆殺し。
クレナイ様はもっとすごくて、幼児化したホウ様が浚われて怒りで犯人アジトをその周辺星系ごと吹っ飛ばしたんや」
「何やすごい人達やね」
「ええ、だからあの状況で目を覚まして見なさい、互いに怒り狂って皆殺しにされるかも知れへん……」
「ううん。ん……?」

その時、クレナイが目を覚ました。

『げっ!!!!』
「なんちゅうバッドタイミング!!」
「あれ?、私なんでこんなところにいるの?」

糸目なのか意識を取り戻してもその瞳は見えない。

「ホウ。何で縛られてるの?」
「ううっ」

同じくホウも目を覚ました。

「おろ?、クレナイ、何で縛られてんの?」
「さぁ?」
「おはようございます。将軍方」
「お前は?」
「はじめまして、ニードとナウシズの子、カティウス=ゼファーです」
「ああっ、双子のお兄ちゃん」
「大きくなったわねぇってことはここは未来?」
「はい」
「それで、何で俺達縛られてるの?」
「実はおりいって頼みたいことがあるのです」
「頼み?」
「はい、実は今日から登軍訓練が始まりまして、今はレクリエーション中です」
「まさか教官をやれっ言うんじゃないだろうな?」
「いいえ、マスター――――」
『ヤダ!!』

言い終わる前の返答、そして見事なシンクロ。

「そう言われると思って半ば強制的に連れてきたわけです。どうか引き受けてはもらえないでしょうか?」
「イヤだ!。大体ウチの参謀殿が許さないだろう」
「いいえ、許可は取ってあります」
『えっ!!』

舞台中央のメインスクリーンが点灯し一人の青年を映し出した。

「"ん?、ああ、カティか、どうした?"」

男はやる気もなくぐったりしていた。

「ザーレン大佐、お二人に許可のことを話してください」
「"ん?。ああ。二人供、協力してやってくれ。以上"」
「ちょっとマテェ!!」
「部隊と騎士団、それに今介入している紛争はどうするのよ?」
「"ああ、紛争も鎮圧できたし、しばらくは俺達だけで大丈夫だ、それにせっかくのご指名だ、
いつもグータラしてないで働け、仕事しろ。部隊・騎士団の長として子供達の教育に悪影響を及ぼすつもりか?"」
「"アナタ、そんなこと言ったら二人に悪いわよ、ホウ兄だって外交とかで引っ張りだこなんだから"」

そこに金髪の女性が現れた。

「カレンか、お前からも何か言ってくれ」
「"私からは何も、こちらは私達に任せてがんばってきてくださいね"」
『………』

カレンの言葉に二人は絶句した。

「"そんなわけで仕事サボって途中で帰ってきたら……分かってるんだろうな?。
百物語強制視聴の後、ゴライアスゴキブリの巣に投げ込むぞ!"」

ザーレンは鋭い睨みをきかせた。

「ワッワッ、ワカリマシタ。ハッ、半年間、ガンバリマス!!」

その睨みが利いたのか、ホウは身をブルブルと震わせ納得してくれた。

「ふぅ〜、まぁ、しょうがないわね」

クレナイもやれやれと言った感じで納得した。

「そういえばロストはどうしたの?。それに彩もいるのよ」

そこにミリィ達と同じミニのエプロンドレスを着た薄緑色の髪の女性が赤ん坊を抱いて現れた。

「ロスト」
「彩」
「"二人ともごめんなさい。見事にハメられました"」
「ううん、あなたのせいじゃないわよ」
「ああ」
「彩のこと、頼んだわよ」
「"任せて!!"」
「"それじゃカティ、後は頼んだぞ。ボロ雑巾のようにこき使ってもいいからな"」
「お前、俺一応上司だぞ」
「"なら上司らしい仕事ぶりを見せてみろ"」
「あ〜。それでは大佐、またお会いしましょう」

通信が切れた。

「さて、万事解決したところで。早くこの鎖を解いてくれないかしら?。
私にこんなアブノーマルなことをしていいのはホウだけよ」
「はい、今解きます」

兵士達は鎖を解き、二人は解放された。

「それで、もうはじめていいのか?」
「いえ、まだレクリエーションの最中です」

言うと同時にバシッ!という爽快な音が、見るとクレナイがハリセンでカティを引っぱたいていた。

「突込みが甘い」
「同感」

呟くはやてとケーニッヒ。

「おバカ。まったくもう私達は着替えと朝食を摂ってくるからその間に終わらすのよって、
私達パジャマのまま?。ということはチョーカーは!?」

クレナイが慌てて首元を触る。

「ない!!。そういえばお風呂入ったあとすぐ寝ちゃったんだ!」

一人慌てるクレナイ。
そしてカティウスに掴み掛かった。

「今すぐ私を帰しなさい!!。今すぐ戻るの!!」
「おっ、お待ちください!。ちゃんと用意はできております」「えっ?」

タイミング良く他の兵士が二人にキャリ―ケースを差し出した。

「おっ、お二方の半年分の衣服、日用品はザーレン大佐とカレン中佐が用意してくれました………あの首輪も」
「用意がいいな」
「2人に暴れられるといくらこのラーナとて壊滅してしまいますからね」
「大袈裟だなぁ。行くぞ」
「はぁ〜い」
「あと俺達のアーシナル・オフィスにデータ送っとけ」
「了解」

軽く指示を出し舞台を降り基地内に入る二人を見送り、部下にデータ転送の指示を出しレクリエーションが再開された。

「さて諸君、説明の再開だ。このレクリエーションが始まる前にいくつか支給品があったと思うが、最初はこれだ」

カティが取り出したのは何の変哲もない腕輪。

「これは軍のタクティカルアーマー、通称グランアーマーの発生装置だ。
何かを羽織るイメージをしてみろ。そうしたら腕輪のセンサーが働き、内蔵されているガンダリュウム合金
コーティングナノマシンが瞬時に無限大数にまで増殖、アーマーを構築する。服着てても大丈夫だからな」

訓練生達は腕輪を付け、次々にアーマーを纏っていく。
はやても羽織ってみる。
着ていた服は光になり消散し、代わりに黒のインナースーツを着、その上にアーマーとサレット型のメットが装着される。
前に一度見たことはあるが、自分が着るのは初めてだろう。
インナースーツは窮屈なく体にフィットしアーマーも思ったより軽い、まるで服を着ているかのようだ。

「このグランアーマーは一見、軽装甲に見えると思うがコアのガードシステムによって
どんな苛酷な環境でも活動できるようになっている。宇宙空間はもちろん、
灼熱地帯や氷点下地帯などから君達を守ってくれる。そしてそれぞれ用途に合わせた変化機構があり、
ノーマル型のGドール。重装甲型のGアグレス。重武装型のGショット。地上高機動型のGマッハ。
空中高機動型・スーツ最終形体のGマスターの5形体に変身可能だ。
それぞれ個人に合わせた詳細設定やGドールのパーソナルカラー変更も出来るが今はいい」
『え〜っ』

カティの声にみんなが不満の声を上げた。

「はいはい、静かに。お前達は訓練生なんだから量産色のグリーンでいいの。
その他にもアーマーにはステルス迷彩機能やブラスターも内蔵されている。
戦場で身を守る最も身近な装備だ、戦闘訓練はほとんどこのアーマーを着るから早く慣れろよ」
『はい!』
「そして次にこれだ」

次に出したのは、受付時にもらった四角い機械。

「受付時にもらったと思うが、これは多目的PDAで主に通信機として使われる。
これだけでも通信は出来るがディスプレイを構築することにより通信先の状況も見ることや
コンピュータ端末、アーシナル・ネットワーク、パーソナル・オフィスのログイン端末として使うことも出来る」
「副長、ホウ将軍達が戻って来ました」

シティのほうから、私服の上に白いジャケットを着た二人が向かってくる。

「説明はもう終わったか?」
「はい、今支給基本装備の説明を終わったところです」
「それじゃもういいな」
「はい、よろしくお願いします」

2人はみんなの前に立ち

「え〜と、無理やりマスターチーフになることになった、中嶋ホウと妻のクレナイ=ブルーリバーだ。ヨロシク。
俺達にとってはいきなりのことで不本意なんだが、任されたからには徹底的にやる。可愛がってやるから覚悟しろよ」

頭をポリポリかき、一見めんどくさそうに言い、教育隊のメンバーがいやらしく笑う。

「教育隊、お前らもだぞ。変に手ぇ抜いてみろ、訓練生と一緒に一般兵から鍛えなおしてもらうからな」

いきなりの鋭い目線、それを聞き教育隊のメンバーの顔から笑みが無くなった。

「言うまでも無いが、男は俺が、女はクレナイが面倒見ることになる。
よし、そんじゃ手始めに体力強化に軽く10キロほど走ってもらおうか」
「よし!、全員俺に続け!」
「さっさとしないと昼飯にありつけんぞ!!」

みんなは急いで立ち上がり先行する教官の後を追った。

「あの表情、絶対機嫌悪いよね?」
「うん。はぁ〜っ、教導軍も何であの人達に頼むかなぁ、下手すれば全滅だよ〜」

走りながらケーニッヒが嘆く。

「そんなにすごいんかあの2人って?」
「フィフス・カイザーの長と次席だからね。その攻撃力は歴代のフィフスでも1、2を争うほど、
おまけに気性の荒さとハチャメチャな性格も重なって人間災害と化し、その噂や逸話は星の数ほどあるそうよ。
一つ例を挙げるとしたら俗に言う固有結界大戦。自分の部下であり姉であるベルダンディー様と一つのお饅頭を取り合って
星を壊しかけたこともあるんだって」
「何やそれ!」
「そこ、何を話しているの?」

声をかけられ横を見ると、そこにはクレナイの姿が

「くっ、クレナイ様!」
「クレナイでいいわよ。変に謙られても肩凝るだけだしね、ホウも同じ。それより何コソコソ話してたのかなぁ?」
「それじゃ、ホウさん、機嫌悪そうでしたよね?」
「まぁ、いきなりだったってこともあるしね。大丈夫、あんた達に当たるっていうことないから。
むしろ教導軍側が危険だけどね」
「教導軍の憂さが私らに向かってこないことを祈ろうか」
「ん?。そういえばあなたよね、八神はやてって?」
「はい、そうですけど」
「さっき資料に目を通して気になったのよね。ミッドチルダだっけか、多次元並行の世界?」

クレナイはインカムを着け、走りながらデータを参照している。

「はい、元々は地球出身なんですけど、中学を卒業した後仕事のためにそっちに移りました」
「所属は時空管理局ねぇ。まぁ、平行世界は無限にあるんだし他次元を管理する組織もいたっておかしくないわね。
しかも推薦者は私の孫!?。なにやら面白いことになってるわね。後で聞いてみよう」
「ダメですよ、未来の出来事を不用意に聞くのは」
「行動に移さなければいいの、ただ知ってる分には何の影響も無いしね」
「クレナイさん、ちゃんと教導してくださいよ」
「へ〜い。そんじゃ」

他の教官に注意され生返事をし、ネイビーブルーの翼を広げ、天高く飛び立った。
しばらくして急降下する影が

「何だあれ?」
「クレナイだよ」

ガァァァァアアア!!!と空気を振るわせる雄叫び、降下してくるのは中型の蒼いドラゴン。
地上付近に近づくとスピードを落とし訓練生達の後ろに付く。

「ほらほら、ちんたら走ってると食べちゃうわよ」
「そんなご無体なぁぁぁあ!!」
「たすけてぇぇぇええええ!!」
「何で俺等までぇ!!」

口をパクパクさせながら追いかけるクレナイ、必死に走る教官、訓練生達。

「いっ、いいんですか。ホウさん?」
「問題なし!!」

その後、休憩は入れたものの、10キロマラソンを5セット、計50キロを走らされた。

「はぁ、はぁ!、クレナイさん、始まった、はぁ、はぁ!、ばかりなのにいきなり50キロって、
はぁ、はぁ!、無理じゃありません?」

はやてをはじめ、訓練生のほとんどは膝をつき肩で荒い呼吸をしている。

「何言ってるの、ここに来た者はある程度の体力があると言う前提で訓練を進めているわ。
50キロも走れないでどうするの?」
「そうだぜ訓練生、これっぽっちで根を上げちゃこれからの訓練をクリアしていけないぜ」
「よし、ひよっこ共、少し遅いが飯の時間だ。2時にまたここへ集合だ。解散!」
「よかったぁ、私もうお腹ペコペコ」

みんなはヨロヨロ歩きながら食堂に向かった。

「そうやった。ここにはこれがあるんだった…………」

愕然とする一同。
お昼も過ぎたというのにそこはいつものように騒がしかった。

「う"〜わぁ〜!!。なんやの、ここは四六時中戦場かい!!」

子供のように床に転がり暴れるケーニッヒ。

「ケーちゃん、そないなことしてると余計体力減るよ」
「だってぇ〜」
「さすがにあの中はつらい」
「噂ですごいとは聞いていたけれどこれほどとは」
「今は何とかして食料を確保するんや、後が辛いから」
「そうやな」
「でもどうやってよ?」
「私達じゃすぐに弾き飛ばされちゃうよ」

みんなが考えているとクレナイが現れた。

「みんなどうしたの?」
「あっ、クレナイさん」
「これをどうしようかと」
「何言ってんの、それを考えるのも訓練のうちよ」
「これも訓練のうちですか〜?」
「ええ、自分はどんな力があり何が出来るか、周りにはどんなものがありそれが使えるか、
それをフルに使って生き延びる。まぁ、サバイバルの基本ね。200人はいるんだから何かしらは出来るはずよ。
それじゃ私はお先に、あんた達も早くしないとなくなっちゃうわよ」

クレナイは刃が青み掛かったスピアー型の双刃槍を構える。
その槍は神々しいまでの存在感を放ち

『げっ!』

その存在感に気づいた兵士達は一斉に恐怖し、脂汗が滲み出ている。

「行くよ、ヴァレシティ!」

タッ!、と跳びあがり人ごみの中心へ消えていく。
少しして"肉ゲットだぜ〜"と高らかに叫び、人ごみから跳びたつ。
片手にはいくつか料理が盛られた皿と槍の矛先には見事な肉の塊が突き刺さっていた。

「テメェ、クレナイ!!」
「ヴァレシティ持ち出すなんてきたねぇぞ!!」
「その肉よこせぇ〜!」

その肉を追って、幾人かはなだれ込むようにクレナイを追っていった。

「うわぁ、自分のマテリアルファクトとはいえ、神槍をあんなことに使っちゃってるよあのお方」
「自分は何が出来、周りには何があるかか……」

はやては周りを見渡す。
周りにあるのはテーブルとイス、それと人。

「こうなったら仕方ない。みんな耳かして」

何か良い安を考え付いたのかみんなにそれを伝える。

「えっ!、それほんとにやっちゃうの?」
「だけど背に腹はかえられない」
『うん!』

みんなの決意も固まり

「ちょっとあなた達〜、手伝ってくれない?」

ポカンと見ている男達に声をかけた。

「手伝うって何を?」
「ほら、みんな力を合わせたほうが効率いいじゃない」
「ここでかっこいいところ見せておいたほうが後々特よ」
「そこまで言うなら仕方がない、んで何をすればいいんだ?」

今度は男達も含めてヒソヒソ話。
そして用意しはじめたのは周りに置かれている長テーブル。
男達がそれを持ち後に女達が続く。

「これって俺達やばくねぇか?」
「みんな行くで!、訓練生の力見せてやるんや!」
『オーーーッ!!』

考えるのが遅かった。
テーブルと男達を楯にして女達が人ごみに突っ込んでゆく。

「オラオラオラオラァ!!」
「イテッ!、イテテテ!」

他の兵士の抵抗はあるものの、それは男達が受けてくれる。
ある程度周りを引っ掻き回し、屍のように横たわる男達を尻目に女達は悠々とその腹を満たしていった。
早くも女達に団結力が芽生えてきたのかもしれない?。







あとがき

Krelos:はい、突発思いつきのこの企画、思ったより早く出来上がってしまった第2話。
はやて:なんや、神族の人達の驚きようからなんかとんでもない人達が来たね。
Krelos:ここでホウ=ソード・ブレイカーとクレナイ=ランス・ブレイカーの紹介を少々。
はやて:うんうん。
Krelos:本名を中嶋ホウ、クレナイ=ブルーリバーと言いまして、ここでの設定では21歳と20歳、
血縁的にはアニスの祖父と祖母に当たります。階級は超将軍、I・E・S・Tとジェダイ騎士団の初代部隊長と副長です。
はやて:中嶋って言うことは日本人?。
Krelos:まぁ、クレナイのほうはオリキャラですが、ホウは某警察アニメの婦人警官と白バイ隊員の子という設定なので
そういうことになります。
はやて:でも神族やで?。
Krelos:そこはフェイトのような事例もあるんで、実際は違うんですが。
はやて:へぇ〜。
Krelos:性格としましては、ホウはちょっと強引で、母親の遺伝で怖い話やグロテスクなものが苦手。
基本的にワン○ースのシャ○クスを目指してます。
はやて:目指してる?。
Krelos:目指してます!!。
はやて:はいはい。
Krelos:クレナイは基本、ホウ第一主義者。ホウに対しては奴隷気質?。依存症?。
それと子供達や部下の面倒見がいいほうなので母性タイプも含まれるのかも。
はやて:何やそれ?。
Krelos:2人共、神族の中では最強クラスなのですが、なぜか部下で人間のザーレン大佐には頭が上がりません。
宇宙の七不思議のひとつです。
はやて:ああ、あのモニターの男の人。そういえばホウさんに仕事せいってすごい睨みつけてたけど。
ホウさんってそんなに怠け者やの?。
Krelos:いや、実際はそれ以前、幼少時代から部隊を率いて英雄と呼ばれるぐらいの功績をあげたので、
部下達が半隠居生活をさせようという意見で固まってホウもその気で怠けモード驀進中だったけど
部隊や騎士団のほうが忙しくてそうもいかなくなったわけですよ。決して根っからの怠け者じゃありませよ。
はやて:そうなんや。
Krelos:今日はこのへんでぇ〜。
はやて:さいなら〜。





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