“マジカルナースぶちぬきシャマルゲーム版
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“『どうしてもラブラブなのが書きたかったんです』”






“マジカルナースぶちぬきシャマルゲーム版”
ストーリー:時空管理局付属病院……最近ここにはある患者が入院している。患者の名はクロノ・ハラオウン、毎日のように襲来する見舞い客達に耐えられず脱走を繰り返す問題患者である。そんな彼の治療のために専属看護士となった看護士の名はシャマル。卓越した治癒魔法と暴れる患者を安静にする技術から「マジカルナースぶちぬきシャマル」と呼ばれ恐れられている凄腕のナースであった。果たしてシャマルは無事クロノのハートを手に入れることができるのか!?そしてクロノは無事退院できるのか!?

 システム:このゲームはさまざまなイベントと三つの行動を駆使して無事クロノを退院させるのがクリア条件だ。クリアしたときの状態によってさまざまなエンドに分岐するぞ!
 行動…できる行動は怪我を治す「治療」、シャマルの好感度を上げストレスを下げる「奉仕」、そして時には会話、時には戦闘によって行なう「お見舞い阻止」の三種類だ。うまく使い分けてクロノのステータスを操ろう。
 クロノのステータス…ステータスは怪我の治り具合を表す「体調」、ストレスの溜まり具合を表す「ストレス」、そして各キャラに対する「好感度」の三種類だ。シャマルへの好感度をMAXにした状態で体調をMAXにするのが基本的な攻略方針だ。
 お見舞い…さまざまなキャラがクロノのお見舞いにくるぞ!キャラとイベントによってクロノの体調やストレス、各キャラへの好感度が上下するので気をつけよう!
 脱走…クロノの体調が一定以上あり、ストレスが溜まっていると起こるぞ!クロノが逃げてしまったらゲームオーバーだ。ぶちぬきバトルで阻止しよう!
 ぶちぬきバトル…クロノの脱走が起こった時に発生する。クロノの脱走を阻止するためにクロノのハート(リンカーコア)をぶちぬけ!ただしクロノの体調とシャマルへの好感度が下がるので注意が必要だ。また、お見舞いを阻止するためにバトルになることもあるぞ。
 エンディングについて…クロノの体調がMAXになれば退院してエンディングだ。シャマルの好感度がMAXになればグットエンドだが、他のキャラの好感度が高いとそのキャラとのエンドになってしまうぞ!また、クロノのストレスがMAXになるとストレスで覚醒したエロノによる鬼畜ハーレムエンドになる可能性も……?

キャラクター:クロノのお見舞いにはさまざまな人物が訪れる。好感度が上がりやすい「フェイト」、ぶちぬきバトルが不可能な「はやて」、ユーノと仲がいいのになぜか好感度がある「なのは」、ほかにも「エイミィ」、「シグナム」、「ヴィータ」、「すずか」他たくさんのキャラがおりどれも強敵だ!またユーノやザフィーラはストレスを下げてくれるが恐ろしいことに彼らにまで好感度が設定されているぞ!また特殊な条件を満たすと出現する番外編ではもうこの世にいないはずのあのキャラやあのキャラも……?


 ふふふ……コンさんが面白そうなんて言うからこんなのまで考えついちゃいましたよどうしてくれる!?ていうか微妙にかえるさんのときめきクローディアパクッてるし!? ああ……私は 1・本編を書こうとして高確率で挫ける。2・コンさんに書いてくださいと土下座する。3・吊ってくるのどれを選べば……?
まあ、とりあえず送りますが。






“ぶちぬきシャマルゲーム版・イベントサンプル”



『はい、あーん。レベル1』


「はーいクロノさん。食事の時間ですよ」

「ああ、ありがとうシャマル。……ってこれは?」

「ほら、昨日クロノさん言ってたじゃないですか。昔と違って舌が肥えてるから病院食が味気なく感じるって。だから許可貰って私が作ってみました」

「なるほど……食べられる料理だよな?」

「あー、ひどいですクロノさん。たしかにまだまだ修行中の身ですけどね。ちゃんとしたお料理くらい作れるんですよ?」

「……そうか。疑ってすまなかった」

「その微妙な間が気になりますね。まあいいです。はい、あーん」

「……待て。それはどういうつもりだ」

「どういうって……見ての通りですよ?」

「そうじゃない。……なぜ手ずから食べさせようとする?」

「それはほら、クロノさん怪我人ですし。それにせっかく作ったものなんですからおいしく食べて欲しいじゃありませんか」

「いや、ほぼ理由になってないんだが……」

「いいから、観念してください。……ぶちぬきますよ?」

「…………あーん」

「はい、よくできました」
「……拷問だ」

「そんなぶつぶつ言わないでくださいよ。ほーら次ですよ。はい、あーん」

「……頼むからもう勘弁してくれっ!」




『はい、あーん。レベルMAX』


「お待たせしましたクロノさん。お楽しみのシャマルお手製料理ですよー。はい、あーん」

「あーん」

「…………」

「……うん。初めのころよりずいぶん上達したじゃないかってどうしたシャマル?」

「むー。クロノさんなんか平然とするようになりましなよね」

「……一体何度目だと思ってるんだ? いい加減慣れたさ」

「つまらないですー。クロノさんが恥ずかしがりながらご飯を食べるのを見るのが楽しいのに」

「あのなあ……」    
「ぶーぶー」

「……わかった。なら恥ずかしくなるようなことをやってやろうじゃないか。ほら、あーん」

「え?」

「いいから、あーん」

「はあ……あーん。…………っむぅ!?」

「……ふ……んっ……」

「……んんっ……むっ……ふぁっ……んむっ……」

「ん……っごくっ……ふう……。やっぱり、さすがに口移しは恥ずかしいな」

「………う」

「シャマル? どうした? 大丈夫か?」

「…………うう」

「あー。もしかして息苦しかったとかか?」

「う、う、うわーん! クロノさんに手玉に取られて奪われたー! わ、私の方が年上なのにー!」

「お、落ち着けシャマル! 旅の扉を開いてぶちぬき連打はやめろ!」

「落ち着けますか! 年上お姉さんキャラとしてのプライドをズタズタにされたんですよ!」

「ま、待て。僕が悪かった! 謝るからやめてくれ! うわ今かすった! リンカーコアかすったぞ今!」



 はい。というわけでぶちシャイベントサンプルです。なんとかSSSにはできました。
レベル1からMAXになるまでに一体ナニがあったかは各自で補完して下さい。それとレベルによるクロノの態度の違いは好感度のせいです。あとシャマルの調教の成果。






“風に消えた言葉”

注・この話はA's最終話の捏造サイドストーリーです。あらかじめ御了承下さい。



闇の書事件は終わった。
闇の書の今代におけるマスター、八神はやてにより新たな名を与えられた管制人格は己から暴走していた防衛プログラムを切り離すことに成功し、その防衛プログラムも高町なのはやフェイト・テスタロッサ、アルフやユーノ。そして八神はやてと守護騎士ヴォルケンリッターの協力により消滅した。
だが、事件解決の功労者の一人である時空管理局執務官クロノ・ハラオウンの顔は晴れやかとは言えなかった。
彼の頭の中には、つい先程自らが親友や母と交わしていた会話が再生されていた。


『いやー終わった終わった。これで管理局の悩みの種だった闇の書事件も解決ですねっ!』

『まだ大量の事後処理が残っているがな』

『……なんでそう欝になること言うかなクロノ君は。いーじゃんちょっとくらい浮かれたってー。艦長もそう思いますよねっ』

『ええそうね。これで闇の書が生んだ悲しみも……終わったわ』


繰り返そう、闇の書事件は終わった。それはクロノもわかっている。
だが、それでもクロノの心にはなぜかしこりがあった。きっとそれは


「……失礼します」


自室の扉の開く音とかけられた声により思考が形になる前に中断される。扉の前に居たのは


「少し、お時間をいただいてよろしいでしょうか。クロノ執務官」

「ああ、かまわないよ。……リインフォース」


かつて闇の書と呼ばれた、祝福の風の名を持つ女性だった。



* * * * * * * *




「まずはお礼を。我が主と守護騎士のことを助けていただいてありがとうございます」


部屋に入り、クロノと正面から向かい合ったリインフォースは、まずそう言って深く頭を下げた。


「気にすることはない。僕は僕の務めを果たしただけだ」


リインフォースの心からの感謝に対し、クロノは当然のようにそう返す。
その言葉が間違いなく彼の本心であると理解した彼女は再び「ありがとうございます」とつぶやき、


「クロノ執務官。ぶしつけですが貴方に聞かねばならないことがあります」


ひどく真剣な顔で、そう告げた。


「……まず話しておきますが、記憶を歪められていた守護騎士達と違い、私は今までの闇の書の記憶を全て覚えています」

「そうか……それで、聞きたいこととは?」


何かに耐えるように言葉を紡いでいくリインフォースに、クロノは平坦な声で聞き返す。
とはいってもそのやりとりは半ば確認作業に近い。クロノはリインフォースが自分に会いにきたときから彼女が何を言いに来たのかわかっていたし、そのことはおそらく彼女自身も理解しているのだろうから。


「そして、その記憶には無論暴走時のものも含まれています。……その上で聞きます。クロノ執務官、もしや、貴方の父親は……」


だから、予想どおりの質問に、当たり前のように答えを返す。
……目の前にいる人の辛さを少しでも軽くするために。


「ああ。僕の父の名はクライド・ハラオウン。前回の闇の書事件の最後の犠牲者だ」


クライド・ハラオウン。クロノ・ハラオウンの父、つまりリンディ・ハラオウンの夫であった彼は生前は時空管理局において提督の地位にあり、巡行艦“エスティア”の艦長を勤めていた。
そして、前回の闇の書事件において闇の書の護送任務に付き、制御を奪われた艦に一人残り共に消滅した、前回の闇の書事件の最後の被害者であった。


「……辛いことを思い出させてしまって、すみません」

「気にすることはない。こちらとしては母さんではなく僕に聞きにきてくれたことにむしろ感謝したいぐらいだ。……それに、どうしても聞かなければならないことだったんだろう?」

「……はい。私が消えてしまう前に、これだけは知っておきたかった」


答えを聞いたことで覚悟が決まったのか、先程までとは違う強い意志を秘めた目でこちらを見つめ返すリインフォースを見て、綺麗だな。という場違いな思考を抱きながらもクロノは言葉を紡ぐ。
まるで、演劇の台本をなぞるように。


「……君は、やはり消えるつもりか」


そう、まるでこれは演劇だ。相手がどう答えるかわかっているのに、何も知らないかのように言葉を紡いでいる。
だから、次に彼女がどう答えるかもわかっていたのに

「……はい。いつまた防衛プログラム修復されるかもわからず、そして私が存在する限り主の体が治らないというのならば、私は主のために消えることを選びます」


その言葉は、自分の心に深く突き刺さった。


「そう……か」


わかっている。ともう何度繰り返したかわからない言葉を再び繰り返す。
彼女の決意は固い。自分なんかが何を言おうと彼女の意志を変えることはできないのだろう。
なのに、それとも、だから、だろうか?
自分の口から、こんな言葉が漏れたのは。


「何か、僕にできることはあるだろうか?」


「……なぜ、そんなことを?」

「別に、ただの気紛れだ。これから消えていく君への餞別だとでも思ってくれればいい」


目を見開いて問い返すリインフォースに、そう返す。
自分でもなぜこんなことを言ったのかいまいちわからないが、多分そういうことなのだろう。
……他に特別な意味など、ないはずなのだから。


「そう、ですか……」


こちらの答えに納得できたのかわからないが、彼女はそう言って俯く。
が、その時間は僅かのみで、すぐ顔を上げた。


「では一つだけ、お願いしたいことがあります」


その言葉にクロノはああ、と頷く。そして、リインフォースは


「私のことを、決して許さないで下さい」


そんな残酷なことを、クロノに願った。


「……どうして、そんなことを言うんだ」


リインフォースの言葉に動揺を隠せないまま、クロノは問い掛ける。


「私は、ある時は主の願いのまま、またある時は暴走するままに、多くの人を傷付けてきました。それは、絶対に許されないことです」

「だが、……それは君の望んでやったことではないのだろう?」


いっそ穏やかとも言える様子のまま、言葉を続けるリインフォース。その姿を見て、自分でもなぜそこまで動揺しているのかわからないままに、それでもクロノは言う。


「それでも、私の手が血に塗れていることに変わりはありません」

「それは……仕方がなかっ……」

「クロノ執務官」


リインフォースは静かにクロノの言葉を遮る。
それだけで、クロノは何も言えなくなってしまう。


「私は、今まで私が生み出してきた悲しみを仕方がなかったことにはしたくありません。無論、貴方の父親を殺したことも、です」

「…………っ!」


言外に「それは貴方も同じでしょう?」と問い掛けるリインフォースに、クロノは唇を噛み締める。

一人犠牲になることを選んだ父。
最愛の人を失った母。
後悔と責任から闇の書を封印しようとしたグレアム提督とリーゼ達。
娘を失い狂ったプレシア。
母に愛して欲しかったフェイト。
ずっと家族が欲しかったはやて。
執務官として働く中で見てきた悲しみ。
……そして、父さんがもういないことを知ったときの自分。

さまざまな感情がクロノの中を暴風となって荒れ狂い、言葉を消してしまう。


「……僕は」


なのに、心のどこかが叫んでいる。
まだ自分には言えることが、言わなければならないことがあると叫んでいる。


「…………僕は!」


けど、言葉はでなかった。
伝えたい言葉があるはずなのに、その言葉が形になる前に消えてしまう。


「……そんな顔をしないで下さい、クロノ執務官」


呼び掛けとともに、クロノの頬に手が添えられる。
彼女自身が血塗られていると言った、プログラムでできた手のはずなのに
……その手は、泣きたくなるくらい暖かかった。


「クロノ執務官、ありがとうございます」


もう何度も聞かされた感謝の言葉に、やめてくれ、とクロノは思う。
僕は君に何もしてやれないのに、なぜ礼を言うのか、とも。


「私は今までずっと、自分は永遠に人を傷つけ続けることしかできない呪われた存在だと思ってきました」

なのに、リインフォースは言葉を続ける。


「でもそんな私に主は新しい名を下さり、そして私を闇から解き放ってくれた。それは、私にとって、とても嬉しいことでした」


でも、と彼女はさらに言葉を続ける。


「それだけでも私の身に余るほどの幸福なのに、今、もう一つとても嬉しいことができました」


そして、リインフォースはふわりと微笑み


「クロノ執務官、貴方と出会えたことです」


本当に嬉しそうに、そう言った。


「貴方にとって私は憎らしくてたまらない父の仇であるはずなのに、貴方は私を助けるのを手伝ってくれた。そして恨みの全てを背負おうとすることを止めようとしてくれて……私が消えていくことを、こうして悲しんでくれている。そんな優しい人に出会えたことが、そんな人がこれから先、主と守護騎士達を見守ってくれるであろうことが、嬉しくてたまらない」


だから、と彼女はもう一度笑い。


「ありがとうクロノ、私と、出会ってくれて」



* * * * * * * *




そうして、彼女は去っていった。
はやてが目覚める前に消滅のための儀式を済ませたいと言っていたから、なのはとフェイトの所へ向ったのだろう。
そして一人になったクロノは、力任せに壁に拳を打ち付けた。


「何が……」


口から漏れる言葉は、自分に対する罵倒。


「何が、こんなはずじゃない世界をなくしたいだ……」


彼女はずっと、こんなはずじゃない世界で一人ぼっちだったのに。


「何が、今戦って未来を変えるだ…………」


消えなければならない彼女の未来一つ、変えることができなかったのに。


「僕は、無力だ…………」

彼女のような人を救うために力を手に入れたはずだったのに、何一つできなかった。
自分の無力さに心が折れそうになる。自分の腑甲斐なさに涙がこぼれそうになる。
でも、それでも


「……強くなろう」


強くなろう。と心の中でもう一度繰り返す。
そう、ずっと前から知っていたことだ。いつだって世界はこんなはずじゃないことばっかりで、自分の力だけじゃどうにもならないことばっかりで
……それでも、こんなはずじゃない世界をなくしたいいと思ったから、今までずっと進んできた。
なら、こんなところで立ち止まってなんかいられない。
だから


「強くなるよ、リインフォース。今度は君を救えるように」


最後に一言そう言って。クロノ・ハラオウンは歩き出した。
こんなはずじゃない世界を、なくすために。
悲しみしかない未来を、変えるために。




あとがき
どうも。ゲーム紹介、SSSと来てついに小説まで書いたNo5です。そんなわけでクロノとリインフォースの話を書いたのですが……あれ? もしかして某ライトさんの拍手お礼SSS除いたらクロノ×リイン1の小説ってこれが初……? すみません、責任とって吊るべきですか私。
えーと、で、内容の方なんですが……ごめん、やりすぎた。いや、最初はもっとおとなしめなクロノ+リイン1ぐらいでいくつもりだったんですよ? でもいつのまにかこんなどシリアスなことに……しかもA's最終話の捏造裏話だからBAD風味だし。
まあ、そんなわけでいたらないところ盛り沢山だと思いますが、楽しんでくれれば幸いです。それでは。






No5が拍手で送った電波から、今再び妙な作品がここに生まれる!!



注・今回の作品は全力全開で電波です。しかも元ネタがわからないと全く楽しめない可能性が高いです。見るなら覚悟して下さい。




















……いいんですか?




















…………いいんですね?



















では覚悟完了ってことでスタート!













突如海鳴市上空現れた謎の城。それは古の人々が次元災害と戦うために作り出したデバイスを納めた『デバイスの城』と呼ばれるロストロギアだった。

太古のデバイスを巡り、今海鳴市にて魔導師達の戦いが始まる!







「聞こえる・・・声が聞こえるの。悲しみの声が。絶望の声が。私が守らなきゃならない人達の声が」



御神の作りし人類の決戦存在。『魔導兵器』高町なのは。





「デバイスの……城!?そうか……新しいアルハザードの主が生まれたんだね。“挑むもの”は間に合わなかったか。戦ってみないと……」



万能デバイスバルディッシュを従える魔女。『黒にして金色』フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。





「一難去ってまた一難か……全く、最近海鳴に怪しい城造りたがる魔導師が多くて困る。いや、この街に……城って奴が発生しやすい理由があると見るべきか……フッ、捜査開始と行くか」



大神(狼)の血を継ぐ獣人。『K&Z(クロノ&ザフィーラ)探偵事務所所長』ザフィーラ。





「もしもし…ああ、私だ。分かった。依頼、引き受けよう。この城にいるアルハザードの主を、倒せばいいのだな?」



三本のレヴァンティンを持ち歩く義に厚き騎士。『主を守る重罪人』シグナム。





「司書長。このユーノは、今まで無限書庫司書としての責務を忘れたことはありません。僕は、ノルマをこなしてきました。僕は労働し、僕は欠かさず整理に行きます。僕は、知識のために戦ってきました。それがこの書庫のためだと信じています。だが、この一戦だけは・・・・・・海鳴のために。一心不乱の友情のために。」



友のために戦うミッドチルダ司書。『無限司書』ユーノ・スクライア。





「色々世界回ったけど、浮かぶ城は初めてやね。……ていうか非常識や!! あーもー! 恋人の手掛かり見つけたら、これ!? トホホー……仕方ない、仕方ない……速攻や。そう速攻で行く。OK!! いっくでぇぇぇ!」



恋のために世界を渡り歩く少女。『夜天にして蒼天』はやて・八神。





そして――――





「僕の名前はクロノ・ハラオウン! 悪をぶっ飛ばす青年探偵! お前の選択は二つに一つ! A.ぶっとばされてお縄になるか、B.お縄になってぶっとばされるかだ! リインフォース、GO!」



夜天舞踏リインフォースと共に正義のために戦う男。『悪をぶっとばす青年探偵』クロノ・ハラオウン。





人々を守るために戦う彼らの前に、最大の敵が立ちはだかる!





「よくここまで来たな、クロノ」

「父さん……なのか?」

「今でも父と呼んでくれるのか。嬉しいな」

「父さん、何でこんなことをしたんだ!?」

「一度、盛大な親子喧嘩がしたくてね」









果たして彼らの戦いの果てに待つものとは!?

「あれか!?・システム」が作者の脳内で贈るキャスティングクロスオーバーシューティングゲーム第二段!(第一段はどこいった)。

『デバイスの城U』

主に作者の脳内において永遠に発売予定!





「……それで、私達はどうなるんでしょうか……?」

「Vで出てくるんじゃないの? 微妙な線らしいけど」

「確定してるのはリインちゃんと隠しキャラの擬人化バルディッシュさんだけですもんね……」

「えーとちなみに今回のボスは……ステージ1:アリシア・テスタロッサ。ステージ2:高町恭也。ステージ3:ランディとアレックス。

ステージ4:月村忍 ステージ5:クライド・ハラオウン。……だってよ」

「なんでメイン差し置いて脇役がでしゃばるかーー!!」









こうご期待しないで下さいお願いします!!









あとがき

えー、そんなわけでまたぶっ飛んだネタを投稿することになりました。全ては妙な電波ばかり量産する私の脳のせいだと思います。つまり私のせい? ……ああやっぱり吊ってこようか……。

えー、では。この完全電波な作品を見てくれた方、つまらなかったら御免なさい。少しでも面白いと思ってくれたのならありがとうござい

ます。永遠に電波を放ち続ける男、No5でしたー。



















注・ここからは急遽取り付けたおまけです。完全にパロディでセリフも多少アレンジしてるもののほぼパクリですので色々と覚悟してください。







“『デバイスの城V』最強女装コンビデモ集”



コンさんに頼まれましたが絵が描けないのでSSSにして送ります。絵を想像しながら読むと爆笑するかもしれませんので注意してください。

元ネタは 式神の城 デモ集 ロジャー&ミュンヒハウゼン で検索しても見ることができます。ていうか私はそれで見た。画像つきの奴









【1−1開始前】



依頼を受けてやってきた無限司書ユーノと万能デバイスバルディッシュ(擬人化)。今日も今日とて変な城が出てきてそれをやっつけるという展開である。



「何処の誰だか知らないけど。またクロノにちょっかいかけてるな。僕も行かないと」

「待て」



それを呼び止めたのはフェイトの僕たる万能デバイスバルディッシュ。

今回は擬人化してプレイヤーキャラとしても参加しているのである。



「?」

「折角の男同士なのだぞ。もったいないとは思わんのか」

「イヤな響きがするねそれ。いや、ちょっと待って、いくらネタにしやすいキャラの組み合わせだからって、それはいくらなんでも……あ、イヤ……」









【 1-2 月村忍Ver.2 対戦前 】



「…………………」



このステージのボス月村忍Ver.2は大口を開けて硬直していた。

なぜかというと、敵を待っていたはずなのに目の前に居たのは……





「ついに来た来たやっと来た。新シリーズ超ヒロイン伝説だよ!」



頭にでっかいリボンを付けて頬に過剰にファンデーションを塗った、元が華奢な美少年なせいでむしろ気色悪く仕上がったユーノ子。

そして、こちらは小さなリボンを付け、同じくファンデーションを塗った、同じくらい気色悪いバルディッシュお姉様。



「いくわよ、ユーノ子」

「ええ、お姉様」



罰ゲームで面白がってやったらむしろやったほうが後悔しました。とでも言いたげな姿をした二人組みが、そこには居た。



「……なんなのよ、アンタたち」



かろうじてそれだけを搾り出す忍。



「いやねえ、他人行儀で。同じ女同士じゃない。もっと奔放になりましょう!?」



そんな忍に最強女装コンビが突貫する!



「うわー! 寄るなぁ!」



その叫びはかなり悲痛だった。





【 1-2 月村忍Ver.2 対戦後 】



「さあ」

「お姉様」



戦闘後、敗北した忍ににじり寄る二人



「いやー!」

「あ、消えるわ」

「根性の無い子ね」







【 2-1 開始前 】



「・・・・・・・・・」



何かをこらえるように拳を握るユーノ子。



「何かしら」

「むなしいわ」



バルディッシュお姉様の問いかけにそう答える。



「いやいや、そういいながらも中々板についてるじゃない」

「私が? そんな事あるわけないじゃない!!」



とか言いつつノリノリでポーズをとっている姿では説得力がないのであった。





【 2-2 高町士郎 対戦前 】



「・・・・・・・・・」



ここのボス高町士郎もまた硬直していた。彼の場合は自分の娘を待っていたはずなのだが……



「この格好だと取り敢えず相手の反応が面白いね」

「そうね、ユーノ子」

「ええ、お姉様」



やってきたのがこの二人なのだから当然といえば当然だろう。



「よ、寄るな!」

「うふ」



娘を想う父の魂の叫びも、この二人には無力だった。





【 2-2 高町士郎 対戦後 】



「うぎゃー!!」

「いつにない真剣なやられ声ね」

「典雅ではないな。をふぉふぉふぉふぉ」



……父、憐れ。





【 3-1 開始前 】



「それにしてもこの戦術は中々効くわね!」

「ええっ!」



どうやら駄目な方向に開き直ったらしい二人。



「燃えて来たわ! 罰掃除の草むしりくらいっ!」



ユーノ・スクライアさんは罰掃除を面倒臭がるわりに始めると熱心にする子でした。(作者談話 同部族の方)





【 3-2 リニス 対戦前 】



「あの、私思うんですけど・・・。そういう言動で自分を表現するのはどうかなぁって」

「ひどいわ!!」

「ああああ、ごめんなさい。こういう時はどうするんでしょう。おろおろ」



困惑しつつ言った言葉に逆ギレで返され混乱するリニス 。



「今よ!」

「戦術また成功! 」



そしてその隙を突く外道二人であった。





【 3-2 リニス 対戦後 】



「なんて、ヒドい・・・」

「否定はしないわ」



でも一応良識は残っていたらしい。





【 4-1 開始前 】



「このまま最後まで行って欲しいけど」

「無理でしょうね。敵もそんなに甘くはないわ」



もはや完全にノリノリな二人。



「この私の小さな胸をかき乱すのは新たな、激闘のヨ・カ・ン? 」



次元断層の果てにしまっておけそんな予感。





【 4-2 ギル・グレアム 対戦前 】



その面のボスはギル・グレアム。マッチョでダンディな強敵だったはずなのだが……



「・・・・・・・・・。(うふっ)」



登場したボスはなぜかピンクのチェック柄のビキニブラを装着していた。



「ぶはははぁっ!」



現れたボス。ギル・グレアム(ビキニブラ装備)に思わず噴出すユーノ子。



「君が笑うな! じゃない。あなたに笑われる覚えはないわ!」



どうやら敵にまで変態が伝染したらしい。



「あら、私の美貌に焼いているのかしら? をふぉふぉふぉ、ねえ、お姉様?」

「をふぉふぉふぉ、そうよ! きっとそうに違いないわ」

「違う! ヒドいわ! みんな! だから殺してやる!」

「望む所よ!」



いっそ皆揃って死んでもらいたい。





【 4-2 ギル・グレアム 対戦後 】



「・・・あっ・・・・・・・・・」

「今、自分がやられる声がカワイイと思ったでしょ?」

「もっと早く、この道に気づいていれば・・・」

「そうね。あなたが私の妹だったかもしれないわ」



そんな展開は全力全開で御免したい。



「ごきげんよう・・・、お姉様」

「ごきげんよう」



頼む。早く終わってくれこんな悪夢。





【 5-1 開始前 】



「いよいよ最後ね。ごほ、ごほ」

「お姉様!! まさかさっきの戦いで」

「いや、痰が詰まってな・・・、げほげほ」

「痰じゃないでしょ。お痰よ!」



もう黙れお前ら。



「ああ、そうだったわね! ユーノ子!! そう、たとえ私がお痰が喉に詰まって倒れても、振り返らないで前へ進むのよ! お痰が喉に詰まっても!! 」

「お姉様!」



そしてナレーションももはやつっこめなくなるのであった。



【 5-2 リンディ・ハラオウン 対戦前 】



「ようこそ、悪夢の城へ。そして私が最大の悪夢・・・」



大仰な調子で語るのが、今回の最終ステージボスキャラ、リンディ・ハラオウンである。



「どこが最大の悪夢なのかしら」

「ぐはぁ、り、リンディさん?」



どうやらここが最大の悪夢だったらしい。主に特定の人物に対して。



「リンディさんじゃないでしょ、ユーノ君。みんな呆れちゃうわよ、知人全員」

「ぐはぁ! 確かに書庫で見つけたエロ本を持ち帰って発見されて以来の悪夢!!」



確かにそれも悪夢である。主に思春期の青少年にとって。



「なんて事を! 許さないわ!」



そして結局最後までこの調子であった。





【 5-2 リンディ・ハラオウン 対戦後 】



「私が・・・、矯正させなきゃ・・・」



大人としての最後の責任らしきものをリンディが呟いた直後、ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・と城全体が揺れる。

ラスボス戦、開始である。





【 エンディング 】



「・・・・・・・・・」

「悲しい?」



もはや戻れない道に踏み込んだユーノ子に問いかけるバルディッシュお姉様。



「・・・ええ」

「でも、身内ってみんなそんなものよ。身内はあなたが心配だって言うけれど、それは嘘。本当は自分の体面が心配なのよ」

「・・・わかってるわ、わかってるのよ。でも・・・」



ユーノの声でナレーションが入る。

ユーノ子は涙をふいた。もうどんな言い訳も、聞かないだろう。

これからいばらの人生が始まるのだ。



というか、淫獣とか呼ばれた時点でそんな感じがしなくもない。






“雪の日の言葉”

注・この話は『風に消えた言葉』の続編となっております




その人を見つけたのは、本当に偶然だった。
クリスマス前日であるその日、月村すずかは公園を訪れていた。
親友達に送るクリスマスプレゼントを買った後、ほんの気紛れでやってきたその場所で、彼女は意外な人物と出会っていた。


「クロノ……さん?」

「やあ。すずか」


クロノ・ハラオウン。自分の親友の義兄である人で、異世界の人間でもありかなり多忙な人だとも聞いていた。
そんな人がなぜこんな半端な時間に公園にいるのか。すずかには見当もつかなかった。
そのことを彼に問うと


「いや、本当なら明日のクリスマスパーティーにちょうど間に合うように仕事を終わらせるつもりだったんだが、予想より早く終わってしまってね。暇を持て余してここまで来たというわけさ」


と苦笑しながら話してくれた。


「でも、他にやりたいこととかないんですか? 折角のお休みなのに」

「生憎僕には趣味と呼べるものはなくてね。しかも書類仕事もデバイス整備もトレーニングも禁止されたあげく家から追い出されて何もできないときたものだ」
「それは、しょうがないんじゃないかと……」


なるほど。親友達の内三人が言っていた通り、彼は筋金入りの仕事中毒らしい。休日ですら仕事に関係しかやることがないとは。


「……そうかな?」

「そうだと思います。フェイトちゃんになのはちゃんにはやてちゃんも皆クロノさんのことを心配してましたよ。仕事とトレーニングのしすぎで倒れるんじゃないかって」

「……とはいわれてもな。生憎僕はまだまだ未熟者でね。自分をもっと鍛える必要があると常々思ってるんだ」

「未熟……なんですか?」

「ああ。僕なんかまだまだ未熟で無力だよ。師匠達からも才能がないと言われ続けて来たしね」


未熟で無力。それは、すずかが聞いていたクロノのイメージとはまるで正反対の言葉だった。

高町なのはが語るクロノは厳しいところはあるが優しくて強い人だった。
フェイト・T・ハラオウンが語るクロノは不器用だが優秀で頼りになる人だった。
八神はやてが語るクロノは頑固だが真面目で面倒見の良い人だった。

皆、クロノのことを尊敬していて、クロノのことを信頼していた。
なのに、彼は自分のことを未熟と、無力と言う。
もっと強くなりたいと言う。
……それは、どうしてなのだろうか?
すずかはそう思ってしまい、そのことをつい口に出してしまった。


「……どうして、そんなに強くなろうとするんですか?」

「……不思議かい?」


クロノの問いにこくり、と頷く。
すると、彼は少しだけ空を見上げて


「……そうだな。つまらない話だが、聞いてくれるかい?」


公園のベンチに二人並んで座る。
座る時にホットの缶を渡されたのは少し驚いたが、「まあ、口止め料とでも思ってくれ」と言われたので何も言えなくなってしまった。
そうして二人並んで座った後、クロノは愚痴みたいなものだがと前置きして話しだした。


「まず僕がこの仕事についた理由なんだが、それは幼い頃悲しいことがあったからなんだ」

「悲しいこと、ですか?」
「ああ。たくさんの人が悲しんだことでね。それを見て、こんなことをなくしたいと思ったんだ。まあ、理由としてはありきたりなものだろうが」

「そんなこと……」


そんなことない、とすずかは思う。
だがクロノはそんなすずかに気付く事無く話し続ける。


「まあ、そんな風に決めて、今の仕事について、自分なりに努力を重ねて来た。その中では確かにどうにもならないこともあったけど、それでも最善を尽くして来たと思ってた。でも……」


そこでクロノは悲しい顔をして、まるで、そこに何かを見いだそうとするかのように空を見上げて。


「もう何年も前の話なんだが……ある人に対して何もできなかったことがあるんだ」


本当に辛そうにそう言った。


「その人はたくさんの人を望まぬままに悲しませてしまった人でね。そのせいで、家族を置いて遠くに旅立つことになってしまったんだ」

「悲しいこと……ですね」
「ああ。しかしあの時はそうしなければならない事情があって、その人もそのために旅立つことを決めていた」


だけど、とクロノは言葉を続け


「その人は、旅立つ前に僕にこう告げたんだ。『自分のことを絶対に許さないでくれ』って」

「なんで……ですか?」

「その人は自分のやったことを本当に悔いていてね。その悲しみを仕方なかったことにしたくなかったから、そう願った」

「そんなの……ひどい」


酷い話だと思う。そして悲しい話だとも。
大好きな家族と離れ離れになるだけでも辛いはずなのに、それでも自分が許されないことを願うなんて。
それは、自分で自分が永遠に苦しまなきゃならない決めるということなのに。


「ああ、酷い話だ。でも僕は、そんな人に何も言うことができなかった」

「それは……クロノさんのせいじゃ……」

「そうかもしれない。でも、それでも僕は何かを言いたくて……なのに、言えなかった」


バカな話だ。とクロノは笑う。


「後悔ばかりしても意味がないとわかっているのに、今でもこの時期になると時々思い出してしまう」

「クロノさん……」


それは違う、と言いたかった。
クロノはきっと強い人だ。後悔しないと決めたのなら、彼はきっと後悔しない。どんなに悲しくても、悔しくても、後悔ばかりせず前に進もうとするのだろう。そんな人が今でもそのことを思い出すのはきっと
……その人がいなくなったことが、彼にとって本当に大きな出来事だったからだ。
なのに彼は笑う。自分は情けない奴だとでも言うように。
それが我慢できなくて


「……言いたいことを言えば、よかったんだと思います」

「……すずか?」


つい、そんなことを言ってしまった。


「私も小さい頃、そんな風に何も言えなったことがありました」


言葉と共に思い出すのはまだ自分に友達がいなかった頃のこと。
そして、自分に親友と呼べる人達ができたときのこと。

「その頃の私は周りの目が恐くて、自分の言いたいことも言えなくて、よくいじわるとかもされてました」


その日も金髪の少女にいじわるされて、大切なヘアバンドをとられて……それを見たツインテールの女の子が、その子のことを叩いてケンカになった。


「でも、そのせいで大騒ぎになって、とうとう我慢できなくなって大声で叫んだんです」


あの時は二人とも随分と驚いた顔をしていたし、自分でも人前であんな大声で叫ぶとは思っていなかった。

「でも、そのおかげでいじわるされることもなくなって、大好きな友達もその時にできたんです」


だから、とすずかは目の前にいる、優しくて不器用な人に言う。


「クロノさんも言いたいことを言えばよかったんだと思います。他の人の気持ちとか事情とかを考える前に、自分の素直な気持ちを言えばよかったんだと、思います」

「……そう、か」


噛み締めるようにクロノが呟く。
それを見て、自分が色々喋ったことが急に恥ずかしくなった。
クロノの方を向いていた目を正面に向ける。


「あ……すみません。なんか偉そうなこと言っちゃって……」

「いいや、そんなことはないよ。……ありがとう、すずか」


なのに、わざわざ目をそらした自分の正面に回ってそんなこと言われても困る。
それも、優しげな微笑み付きで、だ。
……どうしよう。
困惑したまま空を見上げる。すると目に飛び込んで来たのは


「あ……雪……」


空からわずかに降ってくる小さな雪。
そういえば天気予報で今日の夜から明日にかけて降るといってたな。と思い出す。
どうやら予報より早く降りだしたらしい。


「……どうやら随分話し込んでいたみたいだな」

「……みたいですね」

「お詫びにお茶でもおごらせてくれ。口止め料も冷えてしまったしな」


確かに。気が付けば買ったときは熱いほどだった未開封の缶はすっかり冷たくなっていた。


「でも……なんだか申し訳ない気がします」

「だが、君にお茶をごちそうしたいのが僕の素直な気持ちなんだ」

「その言い方はずるいです……でも、そうですね。それじゃあ、お願いします」

ベンチから立ち上がり、クロノの隣を歩きながら、少し余計なことを思う。
彼の話に出てきた人は女の人だろうか、と。そしてもし女性ならその人が羨ましいな、とも。だから


「クロノさん。昨日はごちそうさまでした」

「す、すずかっ! それは秘密だって言ったはずだぞ!?」

「口止めされたのはその時したお話だけですよ?」

「な、なんだってー!?」

次の日のパーティーでは、少しだけいじわるすることにした。




あとがき
どうも。No5こと『水谷さんと共に細々とクロすずを盛り上げる会』会員No5です。
実はこの度自分が作品投稿していながら一つもクロすずを書いていないことに気付きまして。今回ついにクロすずを書きました。
……クロノ×リイン1前提ですけどねっ!
ふふふ俺は何回吊れば許されるんでしょうかこんな邪道書いて。
ああ、でも私は死ねない!リインフォース復活話を書くまではっ!
……頑張ろう。






今回の注意点・今回の話は細かい設定無視のパラレルものとしてお読み下さい。




二人分のココアをトレイに乗せて階段を上る。二階に上がったらそのまま廊下を進んで書斎の前に行き扉をノックするが、やはり返事はない。予想通りの状態ため息を吐きつつ、書斎に入り


「ココアを持ってきました。少し休憩したらどうですか、クロノ」


そう言って書類仕事に没頭中の彼の横に、リインフォースはカップを置いた。




『どうしてもラブラブなのが書きたかったんです』




「……ああ、ありがとう。でももう少しで終わるんだ。少し待っていてくれ」


クロノは一度こちらを振り向くとそう言って作業に戻る。
素っ気ないとすら言える態度だがそれも馴れたものなので、彼の背中を見ながら静かに待つ。
……彼がこういう応対をするのは、一刻も早くこちらの相手をしようと頑張っている時なのだから。
そうしてしばらくすると、彼も作業を終え、カップを手にしてこちらを向く。


「すまない、待たせてしまったな。君が起きてくる前に終わらせるつもりだったのだが」

「いえ、気にしなくても結構です。むしろ起こして下さってもよかったのですが」

「君が随分とよく眠っていたのでね。起こすのが忍びなかったのさ」


この日リインフォースは数日がかりの仕事を終えて帰宅し、同じく長期の仕事を今日終えるはずのクロノが帰ってくるまで仮眠をするつもりだった。
だが、仕事を家に持ち込んでまで帰ってきたクロノが見たのはリビングでぐっすりと眠るリインフォース。それを見たクロノは彼女を起こさず先に仕事を片付けることを選び、起きたリインフォースは彼が仕事を持ち帰ってまで早く帰ってきたことを悟り、書斎にココアを持ってきたというわけだ。


「……そうですか。すみません」

「気にしなくていい。君の方こそ、僕が毎度毎度家にまで仕事を持ち込んでいることを怒ってもいいんだぞ?」

「それは……貴方がそういう人間であることはとっくに承知していますから」

「ははは、そうかもな。母さんにも言われたよ。本当に僕は父さんの子供なんだな。って」

「そう、ですか」


クロノが何気なく言った『子供』という言葉に、少しだけ気分が落ち込む。


「……何か、あったのか?」

「いえ、クロノが気にするようなことは何も……」

「……リインフォース」


……やはり、誤魔化せはしないようだ。
リインフォースは観念して話をしだす。それは、今日たまたまクロノの妹であるフェイトと会ったときのことで−−−−


「フェイトに、彼女が保護している子供達の写真を見せてもらったんです。その子たちは皆笑っていましたし、何枚かの写真に一緒に写っていたフェイトも嬉しそうに笑っていました」

「それが、どうかしたのか?」

「その写真や、見せてくれた時のフェイトを見て、失礼ながら母親か、そうでなければ姉のようだ。と思ってしまいました」


そう、子供達のことを話すフェイトは本当に嬉しそうで、本当にその子達を大切に思っていた。


「それで、ふと考えてしまったんです。私も子供を持ったらこんな風に大切にするのだろうか、と。……私は、プログラムの身でしかないのに」

「……だが、君達の身体機能は普通の人間とほぼ変わりないはずだろう?」

「はい、その通りです。ですが……」


クロノの言う通りだ、技術局の解析結果によれば、自分達はそういった面でも普通の人間と同じ機能を有している。だが−−−−


「同時に私達には成長や老化を阻止し、体を一定の状態に保つプログラムも含まれているため、妊娠などが起こる可能性はかなり低いとも言われました」

「そう、か」

「はい、ですから一時の気紛れと思っていただいて結構です」


それだけ言って温くなったココアを口にする。
そう、それは自分からは遠すぎる望みだ。
この身は所詮造り物でしかなく、そんな自分がこうして愛する人の伴侶として居られることですら、奇跡のようなことなのに。
それなのに、どうして彼は−−−−


「でも、可能性は零ではないんだろう?」


そんな風に、自分に希望を与えてくれるんだろう?


「んっ……」


ココアと、それよりずっと熱くて濃いクロノの味が口の中に広がる。
その感覚に力が抜けそうになりながらも目の前を見れば、そこにあるのは真剣な彼の顔。


「たとえ確立が低くても妊娠は可能なんだろう?」

「……理論上は、そうです」

「なら、試してみる価値はあるはずだ。……少なくとも、僕はそうしたいと思う」


ああ、本当にクロノにはかなわないな。とリインフォースは思う。
彼はいつも、私を嬉しくてたまらなくしてしまう。


「確立は、本当に低いんですよ?」

「それでも、試してみる価値はあるはずだ」

「それでも駄目だったら」
「その時はもっと確立を上げる方法を見つけるか、あるいは養子をとったっていい」

「……もし子供ができたら、その子幸せになれるでしょうか?」

「僕と君の子供なら大丈夫さ」


なら、とリインフォースはつぶやき。


「お願いします。私を子供ができるくらい強く愛して下さい、クロノ」


最後に一言そう告げて、世界で一番愛しい人の温もりに全てを委ねた。





あとがき
えーと、なんと言うか……リインフォースはシャマルとは違う意味で素でエロい人だと思いますっ!(ぇ え、むしろエロいのは私? ……えーとロープロープ。吊って反省してこなくちゃ……





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