どうしたァ……?
 まだまだ僕は喰い足りないんだよォ……!


 劇場版:電王少年ロジカルユーノ


『地獄と破壊の路線』


 廃墟と化した世界の中に6つの影があった……
 その内三つは時空を捻じ曲げる『イマジン』と呼ばれる存在。
 そしてイマジン達を束ねていたのが目の前にいる自分とは似ても似つかない男だった……
 ここは2004年の10月初旬(TVシリーズ第一期の放映日)。この時間にユーノ・スクライアはアルハザードに封じられていた時を消し去る列車《デストライナー》によってこの時代へ飛ばされてきた……
 何よりも驚いたのが、一連の事件を引き起こした張本人は『ユーノ・スクライア』と名乗った事だ……
 革製のジャケットやパンツ、胸を露出し、髪型はざんばらで、とてもではないが同一人物とは思えない。
「この日を覚えてるかァ?」
 目の前のユーノが問いただす。
「まさか……僕となのはが出会った日?」
「ああそうだ。だからわざわざ連れて来たんだよ。たった一日だが、この日さえ消えればお前となのはの繋がりは完全に消え去る。その様を特等席で見物させてやるよォ!」
 見ているこっちの背筋に寒気が走るような笑みを、向こうのユーノは髪をつかみながらこっちのユーノの眼前に引き寄せて見せ付けた。
「どうして……あなたが僕ならどうしてこんな事を……」
 ユーノが問いかけると、未来のユーノは手を放して腹に膝蹴りを入れる。
「何もかもがウザイんだよ……! 過去も未来も現在も、時間と一緒にこの世界を丸ごと消してやりたい。世界の全てをぶっ壊して、創造神『ツヅキマキ』だってこの手で八つ裂きにしてやるんだよッ!」
 猟奇的な哄笑を張り上げながら、未来のユーノは更に話を続ける。
「この日を消したら、次はフェイトだ。僕からなのはを奪った忌々しい女が作られた日を消してやる!」
「させないよ……、そんなことはさせない! 一日だって、一秒だって、一瞬だって、忘れたくない記憶があるんだ!」
 ユーノは立ち上がる、そして……
「ムルシエラゴ!」
 名前を呼んだ。自分に取り憑いたイマジンの名を……
「ムルシエラゴ!」
 共に戦ってきた仲間の名を……
「ムルシエラゴ!」
 忘れかけていた相棒の名を……
「ようやく思い出しやがったか!? 待ちくたびれたぜ!」
 黒い竜の姿をしたイマジンがユーノに取り憑き、光り輝く黄金の髪と真紅の瞳に変化する。
「変身ッ!」
『Scythe form!』
 ユーノの体は黒と赤の鎧に包まれていく。
「オレ、参上ッ!」
「見物してろっつったんだけどなァ……、吐き気がするほど大した聖人君子ぶりだよ。この糞餓鬼がァァッ!」
 未来のユーノもベルトを呼び出した。
「変身!」
『Hell form!』
 何もかも喰らいつくす顎を思わせる仮面と鎧を未来のユーノは体に纏う。
 一方は大鎌を、もう一方は鋸のような大剣を掲げて相手に向かって突進した……

 

 あとがき


 えー、思いっきり劇場版電王のネタバラしまくりました……
 いやー、良かったよ。去年のカブトとは大違い。予算大丈夫か? ってぐらいクオリティ高すぎでした。
 少々の不満はあるもののブレイド以来の良質なストーリーだったし、2000円払って良かったよぉ(感涙
 しばらくしたら地獄ユーノのNGでガオウライナー出すかもしんないってぐらい心に残りました。





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