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My Heart to You Heart”へ “りりかるなのは? 傍観×横槍=ご利用は計画的に、漁夫の利を得るのは策士的に”へ “りりかるなのは的新年挨拶(かなり間違い有)” 新年の挨拶は大切なの! です! ユーノ「新年」 リイン「あけまして(?)」 ユ&り「おめでとうございま〜す♪」 ユーノ「もう年明けだなんて…早いものだね」 リイン「一年間色んなことがありましたね」 ユーノ「うん。幼女趣味疑惑で生かさず殺さずされ続けたり、娘もできたり」 リイン「ラジオもやってましたよね? それにしても、ユーノさんはどこの人の世界でも忙しそうでした」 ユーノ「う〜ん。言われて見れば…どこでも検索の仕事してる姿が多いような気が…」 リイン「ユーノさん。あんまり無理しちゃメッですよ?」 ユーノ「努力するよ」 なのは「ニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜の〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 ユーノ「うわぁ!?」 リイン「なのはさん?」 なのは「ユーノくんの嘘吐き! ウソツキ!! うそつき!!! あの言葉は嘘だったんだぁ!!! 気持ち的には裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったなカヲル君! だよ!! こんなのが続くとなのはユーノくん食べなくちゃいけなくなるよ! むしろ食べたい!!!」 ユーノ「な、なのは! ダメだよそれ両方別世界の話!?」 なのは「別に良いもん! あれを基にした勝手に後編話考えてるって文さん言ってたから良いんだもん!!」 ユーノ「暴露話し!?」 リイン「どんな話しになるんでしょうか?」 なのは「取り合えず、なのはばっかり黒いのは不公平だから、リインちゃんも黒くなってもらうの♪」 リイン「ペンキを体に塗れば良いんですか?」 ユーノ「いや、違うからリイン。それより、なのはも呼ばれたの?」 なのは「うん。なんだか新年にやりたい事があるから、仮発表頼むねって連絡があったの」 ユーノ「やりたい事って」 なのは「予告ダイジェスト風にしたいんだって」 リイン「あ、メモが飛んできましたー」 シュカッ! ユーノ「…毎回僕が傷を負いそうになるのはなんでだろう?」 なのは「大丈夫…なのはの想いがユーノくんを守るから…色んな意味でね」 リイン「リインもお守りしますよー!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!! ユーノ「な、なんで? なんで大晦日or元旦でこんな奇妙な冒険っぽい空気が巻き起こるの!?」 なのは「ユーノくん、なのはがメモを読んで良いかな?」 ユーノ「あ、うん別に良いけど」 リイン「ずるいです〜! リインもユーノさんと二人羽織りして読みたいですぅ!!」 ユーノ「へ? どういう事?」 なのは「メモを読む時は、ユーノくんと二人羽織り状態で密着しながら読んでくださいだって♪」 ユーノ「なんで!?」 なのは「ここは譲れないよリインフォースちゃん」 リイン「リインもここは譲りたくありません」 なのは「こうなったら、語り合うしかないね」(拳で) リイン「(ボン!)…受けて立ちます」 ユーノ「おっきくなっちゃった」 なのは「なのなのぉ! 裁くのはなのはの魔力なのぉ!!!」 リイン「やれやれです……こうゆうのはキャラじゃないんですが…」 ユーノ「あ、あの…二人とも」 なのは「なのなのなのなのなのなのなのなのなのなのなのなのなのなの!!!」 リイン「エイエイエイエイエイエイエイエイエイエイエイエイエイエイエイ!!」 ユーノ「大きくなっても眼を瞑っての駄々っ子パンチなんだ」 ゴガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ………14●hit!(未だ上昇中) なのは「高町極道拳!!」 リイン「八神転生拳!!」 ユーノ「……二人がとんでもない空間に突入したので、僕だけで進めます」 ユーノ「えーと…新年のSSS目標は、りりかるですずかやアリサを絡めつつユーノ愛を育んでいく(ついでにanを進める)…どうなるんだろう僕? 次はっと、新しい話の企画でリリカルおもちゃ箱はやて風味が頭を過ぎったので妄想中?」 な&リ『ふぇ?』 ユーノ「えっと、その名もリリカルおもちゃ箱CASE!! 登場予定人物:オリキャラ・ユーノ・はやて・リイン(大小両立予定)・アリシア プレシア(疑問)・故アリサ・バニングス・すずか(夜一)?・その他色々? って、なんかオカシな表記多くない!?」 なのは「それより、今なのはの名前が無かったよ!?」 リイン「わー、マスターとユーノさんと一緒です〜☆ とっても嬉しいです〜♪ 頑張りましょうねユーノさん☆」 ユーノ「う、うん。よろしくねリイン」 なのは「ホワイトファング出動ぅぅうおなぁああああのおおおおおおおおおおおおお!!」 ユ&リ「般若ぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」 リリカルおもちゃ箱CASE (嘘予告) ある時空に魔力も何の才能も無く、知能は人並みより少々下。 勇気は最低ランクのコミケ常連の青年が帰宅途中、何の因果かジュエルシード発見。 欲望に忠実な妄想少年の願いが、様々な時空を旅する力を手に入れる。 ひょんな事から別世界の八神はやて(性格は変わりなし)の世話になる事に成功した主人公。 その後ユーノ・スクライアと出会い、様々な次元に飛び散った”天使の軌跡”という魔道書の全ページを探す手伝いをする事になる。 その過程ではやてが魔法の力を手に入れ、様々な人と出会い成長していく過程も見られて主人公は役得と言った様子だ。 驚きの出会い。 『あんた達…あたしが見えるの?』 「ゆ、ゆ、ゆ、幽霊!? ほんまもんのユーレーさんやぁ!?」 「塩撒けー! 塩ぉ!!」 『痛ぁーーーー!? ちょ、何するのよ!!』 「効いてるし!?」 「今や! 紫外線照射装置ぃー!!」 「ピィーム」 『いや〜〜〜〜〜!!!』 バトル。 「はやて、僕に合わせて感覚の導くままに動いて!」 「了解やユーノくん!」 「行くよ! 「自然緑波紋疾走(グリーンネイチャーオーバードライブ)!!」」 「波紋かよ!?」 そして「ちょっとまつのーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」 ユーノ「な、どうしたのなのは?」 なのは「これってもし実現したらユーノくんとはやてちゃんの話しになっちゃうよ!?」 リイン「そうですね〜♪」 なのは「そんな事したら色んな所からクレーム来るの! 管理人さんに迷惑掛かっちゃうのぉ!!」 ユーノ「もう手遅れだと思うよ」 なのは「…」 リイン「?」 ユーノ「なのは?」 なのは「……もう出番もキャラもどうでも良いの」 ユ&リ「え?」 なのは「可愛さも儚さも愛らしさも全部捨てるの……」 リイン「ゆ、ゆーのさぁん」 ユーノ「り、リイン、全力で守るけど…どうにもならなかったらごめんね」 リイン「ユーノさん…リインはユーノさんを信じてます。だから…ユーノさんも自分を信じて……突き進んで」 ユーノ「リイン」 なのは「だけどユノなの物以外のSSはケジメとして消滅させるのぉ!!!」 ユーノ「それでは皆さん」 リイン「今年度もリインたちの応援よろしくお願いします」 なのは「貴様等に見せる容赦など無いの!! 壊と嘆きと寂しさのぉ!! ナノニングフィンガーソーーーード!!」 ユーノ「それでは皆さんは良いお年をお過ごし下さい。僕は病院の上で新年を過ごす羽目になりそうでーす」 リイン「それではみなさんさよーならー♪」 なのは「なの! なの!! なぁあああーのぉおおおおおお!!!」 ユ&リ「新年も宜しくおねがいしまぁあああああああす!!!?」 明けましておめでとうございます! と、いってもコレ書いてる時はまだ元旦手前。 冬コミ後で妙なテンションだなぁ… はぁ、何故に元旦から仕事じゃぁあああああ!! いや、俺が悪いんだけどさ!! ちなみに、この後二人羽織りはどうなったかと言うと…三人羽織りで終止符を打ちました。 なのはとリインがユーノを挟む形で羽織る事になります。 ユーノの膝の上にリイン、ユーノに後ろから抱きつくようになのはがという順番でおせち料理食べました。 その際、ユーノが滅茶苦茶あっついハンペン料理を顔に漬けられたのは不可抗力。 あー、正月はだらけたいが現実がそれを許さない! 最近心の中でクロノの名台詞が良く浮かぶ私は末期なのか!? はぁ…気合入れないとなぁ…… 前回のあらすじ ガ●ガイガー直伝の技を放つなのはの前に窮地に立たされたユーノ。 そんな彼を救ったのはシャマル電波により光を受け継ぎ、バージョンアップを果たしたリインフォースU。 いや、敢えて言うならヴァージョンアップ・リインフォースと言う事でリインX2と言っておこう。 なぜ言い換えるかって? それは。 その方が格好良いからだ!! 間違った感性はさて置き、GなのはvsリインX2。 ゴジ●vs鎧モス●ばりの世紀の戦いの火蓋が、今正に切って落とされようとしていた。 ”りりかるなのは? デカイ―小っちゃい=嫉妬の炎が真っ赤に燃える!!” 「り、リインフォースなの?」 「そうですユーノさん。怪我はありませんか?」 「うん、リインのお蔭でね。ありがとう」 ユーノがお礼を言うと、リインフォースは大人びたものに変わった顔で微笑む。 ついでにユーノを愛おしそうに優しく抱き寄せ、その豊満な胸に顔を埋めさせて彼の髪を撫でる。 その柔らかで弾力のあるその感触を顔全体で感じるユーノは瞬時に耳まで真っ赤になる。 そんなユーノの反応を知ってか知らずか、リインフォースは一旦ユーノを胸から離す。 引き離され、改めて彼女の姿を見ると服の色が純白になっている以外は、ほぼ全てが初代リインフォースと変わらない。 幻想かと思えそうなその姿に見惚れつつ、なぜ彼女の姿が変わったのかと彼の残った冷静な部分が尋ねる。 「り―」 ムギュー3 んでもってまた抱き寄せてユーノの顔を埋もれさせるリイン。 どういう訳か彼女はその行為を数回ほど繰り返し、ユーノは彼女の行為の意図が読めずに困惑する。 リインフォース自身も弱冠恥ずかしいのか、別の理由からか顔を赤らめている。 もしかしたら、色々と大人な体になった感触を試してみたのかもしれない。 ユーノもリインの行為に身体が熱くなり、心臓の音がやけに速く聞こえる。半分は顔が埋まって息が出来ない事も原因だろうが同情はしねぇ。 てかそのまま逝けこの野郎。 リインフォースも自分の行動を振り返って、更に顔が赤くなり自分の胸の鼓動を強く感じてユーノにまで伝わるのではないかと思いつつも離そうとしない。 二人はクロックアップしたかのように二人だけのザ・ワールドを作り出していた。 だが時は動き出す。 それを許容できない刻の少女高町なのは。 彼女は涙目になりながら震える腕で二人を指差す。 「な、な、な……何やってるのぉぉぉぉ……!!」 「な、なのは」 「そ、そんなへぇボタン連打するみたいに押し付けて、ユーノくん、埋まって…べ、別に羨ましくなんか…うらやましくなんか、ないもん……うらやましくなんかぁ……」 メガッさ羨ましそうだ。 「なのは、不憫ね」 「なのはちゃん…可哀そう」 物陰から経緯を見守っている親友二人はなのはの心の慟哭を感じ取り、ホロリと涙を(実際出てるか別として)拭う仕草を見せる。 今のなのはが二人を見れば、ある意味この二人も裏切り者的な扱いを受けそうな予感がヒシヒシとするのは気の所為ではあるまい。 遠くから様子を見ていると、なのはが肩を震わせながら俯き妙なオーラを纏い始めた。 「アレはナニ?」 「なのはちゃんの周りの揺らぎからすると…熱気じゃないかな?」 「何で熱気なんて出るのよ?」 「アリサちゃん」 「なによ」 「恋心ってね。一度火が灯ると自分でも止められないんだよ?」 「すずか……アンタ恋なんてした事あるの?」 「少なくても別世界では」 「やめなさい」 笑顔で語る彼女の表情から本音を知る事は適わなかった。だが、コレだけは何となく予想がつく。 なのはが顔を上げた後、多分ここは戦場になる。 それは決定事項だろうと。 ドクン―ドクン―ドクン 緊迫感が辺りを覆い、それを見守るユーノ達は生唾を飲みながら緊張に身を硬くする。 緊張で強張っているユーノの手の甲に、そっと重なるように優しく手が触れられる。 「リイン?」 「私は今度こそ守って見せます。この光で……それが、私に与えられた使命ですから」 「何の話し?」 「ホワイトファング編での事です」 「それ別世界だから!!!」 二人が和やかな空気を作り始めると、それを感じ取ったなのはは勢い良く顔を上げ、その燃え上がり射す様な瞳で二人を睨む。 その眼光の輝きはまるで超新星爆発の如く十字に光り、閃光の様に二人を射抜く。 「怒りの嫉妬ファイヤー的眼からビィイーーーム!!!」 「本当に目からビーム出たぁああああーーーーーーー!!!?」 射抜くって言うか、飛び出てきましたね。 嫉妬の炎に包まれた光線が二人に迫る。 ユーノを守る為に左腕を盾にして真っ向からそれを受け止めるリイン。 その際、反射的になのかどうなのか知らないが空いた右腕でユーノを抱き寄せる。 もちろんボリュームアップした胸に顔を埋める羽目になりユーノは息が出来なくなるが、俺にとっては知るかそんな苦しみって感じだ。 当然だがその様子を直視しているなのはは怒りゲージが更に高まり、睨みも光線のパワーも大幅アップする。 眼光を受け続け、燃え上がる腕に弱冠苦痛に顔を歪ませるリインフォース。 「この姿は、決して(身長というか大きさと言うか、色々と)希望を諦めない人の為に成るもの…それに気付けぬ貴女に、勝てる筈が無い」 「!?」 止め続けた眼光を、逆に魔力を込めて増幅し腕を払う事で圧し戻す。 増幅された光線がなのはに迫り直撃。彼女を中心に巨大な爆発が辺りを包み込んでいく。 「(身長というか大きさと言うか、色々な)希望? 笑わせるの………なのはは無敵なの。(小さくてもペタンコでも)断じて負けはしないの!!」 「!!」 なのはの足元に強く輝きを放つ羽が現れ、空高く飛翔する。 ほぼ同時にリインフォースも背中から三対の白い翼を広げて空へと飛び立つ。 互いに大きく旋回しながら高速で飛行し、円を描くように近づき中心点に到達。 魔力を帯びた二つの拳が唸りを上げた!! 「リインフォースちゃん! 貴女に勝ぁつ!!!」 「負ける訳にはいかない! なのはさぁん!!!」 「逝くの!! 衝撃のファーストブリットォオオオーーーーーーーーーーーーー!!!」 「静かなる拳、烈震!! 剛なる右拳! 伏龍!!」 (名前表記解らないのでコレが精一杯!!) 拳と拳がぶつかり合い、雄々しき轟音と巨大な閃光。 それは、壮大なる聖戦の幕開けを告げる篝火となった。 「結界展開!! でも、正直言って持つ自信無いよ!!」 「ちょ、なに!? これなんか身に覚えがあるんだけど!?」 「…また取り残されちゃったみたいだね」 「なんでそんなに冷静なのよーーーーーーーーーーーーー!!?」 一般市民に被害の出ないよう奮闘するユーノ。 だけど、色々と手遅れっぽいぞ。どうするつもりだ!? それは作者自身にも解らない。 久方ぶりのノリだなぁ。 ついに始まった二人のバトル。 決着はどうつけたら良いんだろう? 何はともあれ、なのはさん色々と不利です。 ネタがねぇ。 最近テレビもまともに見れやしねえコンチクショウ。 しかも冬コミで買ったゲームがインスト出来ねえ。 新年早々なんてこったい。orz 呼声 なのは「ユーノくん」 ユーノ「なのは」 なのは「ユーノくん♪」 ユーノ「なーのは♪」 なのは「ユーノくん?」 ユーノ「なのは?」 なのは「ユーノくん…」 ユーノ「なのは…」 なのは「ゆうのくぅん」 ギシッ なのは「ゆーのくん」 ユーノ「なの…は」 ギシッギシ…(ベット軋む音) なのは「ユーノ…くん」 ユーノ「なのは…なのは」 パン! パンパン!! なのは「ユーノくん…ユーノくん!」 ユーノ「なのは!」 なのは「ユーノ…く…! ん! ユーノくん!?」 ユーノ「なのは…なのは!」 なのは「ユ…ノ……くん…ユーノくん!!」 パン! パンパンパパン!! ユーノ「なの……は」 なのは「ユーノ……く…ん」 ポスッ アリサ「ちょっと待ちなさ〜い!!!」 バン!! ユーノ「アリサ?」 なのは「アリサちゃん?どうしたの?」 アリサ「どうしたのって、なにやってんのよあんた達はぁああああ!?」 ユーノ「何って」 なのは「ただ名前呼び合ってただけだよ? ね、ユーノくん」 ユーノ「うん」 確かに如何わしい事はしていない。 二人はただベットの上で抱き合いながらゴロゴロしているだけだ。 まぁ密着し過ぎだとか、顔近すぎとか色々突っ込みたい事はあるがやましい事はしていない。 アリサ「なんでそんな事やってんのよ」 なのは「最近こうやってユーノくんと一緒にいられる事って無かったから、ついうれしくなっちゃって」 ユーノ「僕もなのはと同じだよ。一緒にいられる機会が減っちゃったからつい…ね」 なのは「ユーノくん」 ユーノ「なのは」 アリサ「じゃあ、途中から聞こえてきたあの音は何なの?」 パン!パパンパン!!パパパンパパン!! シャマル「オ・レイ!!」 ヴィータ「なんでノリ良く踊ってんだシャマル?」 シャマル「それは聞かない約束よニーニョ」 ヴィータ「ニーニョってなんだ?」 ―――― スランプ突入! ネタが無いんだぁ!! カブトとか佳境に入ってると言うのに全く見れて無い所為でネタ不足だぜ! どうなってるんだ今のカブトは!? ああ、もうどうしようもない。 こうなれば執事はプレシアさん出すしかネタが続きそうも無いな。 それと、(居ないだろうけど)この文章で何かしらイケナイ想像したアナタ? その想像力を大切にして下さい。狽пi〇M〇) 前回出番のなかったシャマルさん。 さあて、今回はどこに逝ってるのかな? 「過去に戻りたいと言っている貴女にに足りないものは―、それは!!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さーーーそして何よりもーーーーーー!!!!!」 「ちょ、ちょっちょっちょーーー!?」 「速さがたりないっ!!解りますか?シャムニさん」 「シャマルです! それに私過去に行きたいんじゃなくて、元の世界に戻りたいんですよ!!」 「元の世界!?そーですかそれはまた失礼しました―しかし元の世界とはこれ如何に!?別世界に逝けたアルター使いは極僅か!その世界へ辿り着くには俺でも無理だったそれを貴女はやり遂げると言うのですかシャマンさん!!」 「シャマルですってば! それに貴方何か勘違いしてませんか!?」 「そんな貴女の心意気に惹かれる男がここに!良いでしょう貴女が望む世界へ私も突き進んで見せましょう!なにスピードは全ての要!!速さを極めれば時空をも超えられる―つまり!!世界さえも行き来できる!!!速さを制する者は全てを制す!!―これ私の従兄弟のお婆ちゃんの口癖なんですがね―ユニークな言葉でしょう?」 「いやー! 降ろして! 降ろしてくださいぃぃぃぃぃぃ!!」 「はっはっはっは!!飛ばしますよチャマルさん!!」 「シャマルですううぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」(ドップラー効果) その後の彼等は見事。 事故った。 シャマルさん緊急入院速報より。 別に目の前の人を怨んでる訳じゃない。 (多分) 違う人を好きになったなら、こうはなっていなかった。 (かな?) でも、あの時もう解ってしまった。だから戻れない。 (っていうか、もう引くに退けない) だから、上に行きたい。白黒ハッキリつけたい。心に区切りをつけたい。 (ネタも限界近いし) 目の前の人は壁。相容れぬ存在。 (身体的に) ああ、全ては愛のために。 (嫉妬じゃないよ?) 全ては愛の為に。 (別に羨ましくないんだよ? 本当だよ) そう。 (魔物がいるんだよ!) (それ違うから!?) そう思っている筈。 (でも何で魔物?) (この展開は羨ましいんじゃなくて、魔物の仕業だからだよ♪) あなたも!! (そうでもないです) りりかるなのは? 激突×猛攻=あるのはただ破壊のみ 「逝くの!! 衝撃のファーストブリット!!!」 「静かなる拳、烈震!! 剛なる右拳! 伏龍!!」 「結界展開!! でも、正直言って持つ自信無いよ!!」 「ちょ、なに!? これなんか身に覚えがあるんだけど!?」 「…また取り残されちゃったみたいだね」 激しい爆音が辺りに響く。 拳を交えた二人の少女は互いに弾き合って距離を取り、再び拳を振るい激突する。 ドゴン! ドゴン!! ドゴン!!! 拳が交わる度に大気が震え、空気が爆発する。 どんな状況になってるかは、アニメドラゴンボールの戦闘を思い出していただければ解るだろう。 二人の姿が見えるのは動きが止まった時、恐らく会話が発せられる時のみ。 「何故そんなにも出番を欲するんですか!!」 「ネタが持たない時が近いのリインちゃん!!」 光の翼を羽ばたかせて互いの間合いを計り流れるように、時に激しく速度を上げて飛び交う二人。 光の線が交差し合い互いの肌を掠めていくが、光が交わり合うその光景は幻想的な雰囲気さえ漂わせる。 白い翼をはためかせて不可思議な軌道を描きながら高速飛来する桜色の光を避けるリイン。 「飛べる…リインはこの空を、飛べます!!」 「マキー!!」 嫉妬の戦いは熾烈を極め、そのトバッチリはしっかり関係の無い方々にも影響が出ていた。 「っく! やっぱり二人の戦いは僕一人じゃ抑えきれない!!」 ヒューっと情けない音を立てながら、致死的威力を秘めた流れ弾が飛んでくる。 一つや二つではないのは仕様がない。咄嗟に後ろに飛び去りバックステップでかわし続けるユーノ。 そんな避け方した所為で、進行方向の建物の影からアリサとすずかが飛び出てきた事には気付かなかった。 「もー!! 何なのよこれぇ!!」 「とにかく物陰に行こう、アリサちゃ―」 「え!?」 ドッシーン!!! ボヨヨン・プルン、ドンガタガッチャーン!!! 「きゃ!?」 「げぶふぉあ!?」 すずかと衝突し、とても良い音を立てて弾き飛ばされるユーノ。 空高く舞い上がり、錐揉み回転しながら地面へ激突する。 天誅!!煤ib−ー−) 「ゆ、ユーノ!?」 「だ、大丈夫ユーノくん?」 「だ、だいじょうぶ…5・6メートル吹き飛んだけど、だいじょうぶだよ」 「口から血ながしながら言っても説得力無いわよ」 ちなみに顔色はパープル。 すずかは無傷だった。 ただ激突しただけで5・6メートル吹っ飛ぶなんて、ミラクルだなぁ。 「で、でもどうして二人がここに?」 「そ、それは…その」 「ちょっと買い物にきてたら巻き込まれちゃって」 (ナイスよすずか!) 「そっか…ごめん。二人を巻き込んじゃって」 「ううん。ユーノくんの所為じゃないから気にしないで」 「…確かに…あたし達にも非はあるけど」 アリサとしてはユーノに根本的な原因があるとも思ってたりする。 だが、なにより本当に申し訳なさそうに頭を下げるユーノを責める気にはなれなかった。 と言うより、巻き込まれたのは自分自身の所為なので深く突っ込めばすずかからツッコミが入りそうだ。 何か知らないが、そんな感じなのだ。 「取り合えず僕から離れないようにして」 「うん。もしもの時はよろしくね」 「大丈夫なの?」 「二人は必ず守ってみせるよ」 それは安心させる為か、自然なものだったのか。 二人に微笑んで見せたユーノの顔は晴やかで健やかで、とても綺麗で儚く見えた。 男性である筈なのに女の子のような、そんな表情を見た二人は自然と顔が熱くなるのを感じた。 それはさて置き、空中では何が起こっているかというと。 「自分のキャラが壊れたSSに出演した時のあの苦しみ、存分に思い出して!!」 急速でリインフォースに接近しつつ魔力球を生成、射出し続けるなのは。 弾幕の驟雨に曝されながらも反撃に紅の刃を精製、迎撃するリインフォース。 彼女の意識が目の前の弾幕に持っていかれる中、視覚から鋭い一線が襲い掛かる。 咄嗟に後退してかわすが、体制が崩れた所に空かさずなのはの桜色の驟雨が襲い来る。 「情けない人!!」 「なにを! 貴女こそ、その属性がユーノくんを危ない人にさせる事がなぜ解らないの!!」 「貴女こそ!!」 リインの拳が唸り、なのはの防壁を打ち付ける。 しかしデバイスが無いとは言えど、管理局の白い悪魔は伊達じゃない。 「このくらい!!」 「パワーで負けている!? ええい!!」 出力を上げて押し切ろうとするなのはに対してリインは身を翻し、回転しながら身体全体のバネを生かし遠心力を乗せた拳を叩き込む!! 「ゲキガンッフレアァアーーーーーーーーーー!!!!」 「なのぉ!?」 熱く燃える魂の拳がなのはの堅牢なる防御壁を粉々に破壊し、腕が深々と桜色の防壁に突き刺さる。 眩い火花が飛び散り、周りの暗い空気と雰囲気がそれを一層引き立てていた 「キラーーーー!!」 「大丈夫だよユーノくん。リインちゃんは剣を持ってないから爆発オチはないはずだよ」 「それ以前に何で二人はさっきから妙な事ばっかり叫んでるのよ!!?」 防御壁を破壊されたなのはは拳の威力で遥か後方まで吹き飛び地面と激突。 盛大な土煙を巻き起こす。 「これで終りですか? なのはさん」 「なま言ってんじゃないのお!!! こっから先は初めてでしょ!?」 叫びの後に更なる爆発が起こったように土煙が舞い上がる。 「周囲の魔力を集めている、コレは!?」 「逝くの! レイジングハート譲りのスターライトブリットォオオーーー!!」 「まだです!! オールゼクターカムバーック!!」 『幼女は我等の命!』 『天の道であり全てを司る!!』 『銀河の宝である!!』 『幼女でなくとも可愛いければ構う事無し!!』 『喰らえ! 愛しさと可愛さと青春のぉ!!』 『マキシマムハイパーサイクロン!!』 強大な魔力の放流同士がぶつかり合い、凄まじい衝撃と轟音が周囲の建物を薙ぎ倒す。 その有り余る衝撃波はもちろん、近場で見物していた(もとい呆れていた)三名にも襲い掛かっていく。 「ちょ!?」 「きゃぁ!?」 「ラウンドシールド!!」 咄嗟に二人の前に出てシールドを張り衝撃を防ぐユーノ。 直後、金槌で叩かれたかのような強い衝撃が魔力の盾越しに伝わってくる。 「ぐうぅぅぅううう!!」 ギシギシと嫌な音と共に、腕が痺れ強烈な痛みが響く。 今までの妙なノリから来たとは思えない展開だと思った。 ノリ自体はギャグそのものだが、巻き込まれる方々には死活問題級という凄まじき傍迷惑。 最早傍迷惑を飛び越えて、何と言って良いのか分からない。 「ユーノくん!?」 「ゆ、ユーノ!?」 「大丈夫、二人は必ず守ってみせるから!!」 痛みを伴う衝撃を防ぎながらも、二人を気遣う姿に二人は思わず見惚れていた。 その原因を考えると途轍もなく馬鹿らしいと思えてしまうが、ここでは忘れて頂きたい。 「くぅうううう!!!」 「えええええい!!!」 バチィイイイイイイイイイ―――!!! 拮抗していた魔力の放流。 その均衡がついに破られ、あらぬ方向へと吹き飛んでいった。 「え?」 「へ?」 「な!?」 か弱き巻き添え三人娘の方向へ向う魔力の放流。 そこで弾かれた事に驚き、つい顔を向けたなのはとリインの二人はようやく三人の存在に気が付いた。 「ユーノくんすずかちゃんアリサちゃん!?」 「危ない!?」 二人は叫ぶがもう遅い。 凶悪過ぎる魔力の放流は更なる凶悪さを持って三人を襲う。 非殺傷と言えどその膨大過ぎる魔力に曝されればどこぞの戦闘民族さえも一撃だろう。 そんな物に一般市民が巻き込まれればどうなるか。 理由は違えど、その場にいる誰もが表情を絶望に歪めた。 たった一人、ユーノを除いて。 「うぉおオオオオオオ!!!!」 迫り来る放流に恐れをなさず全力でシールド展開する。 衝撃波だけでも既に危うい状態であるにも拘らず、本体を防ぐ事など可能なのか。 考えるまでも無い事だが、他にどうする事もできない。 (ならばせめて――二人だけでも!!) かつて無い衝撃がユーノに襲い掛かり、その負荷で腕がバラバラに吹き飛ぶんじゃないかと思えてしまう。 実際ユーノの肩から先の腕の部分は激しい火傷ができ掌は黒く焦げ始めている。 「ユーノくん、駄目!!」 「なにやってんのよアンタ!?」 「大丈夫……ふたりは必ず守るから」 そう言ってユーノは笑った。 命が掛かっている状況(嫌な掛かり方だと心底思う)にも関わらず、彼は二人に微笑んで見せた。 その微笑が何より優しさに満ちていて、激しい衝撃による暴風が巻き起こる中でも二人は再び見入ってしまう。 「オオオオオオオオオオ!!!」 圧倒的な魔力の暴流に向き直り咆える。 辛うじて防ぐ防壁も大きく亀裂が入り、止められていた魔力はやがて凄まじい爆発を起こす。 まるでドームの様に光が広まっていく爆発。 それが広まりきった時。 ユーノが展開していた結界が完全に壊れた。 後書き あと少ししたら温泉行こうか。 温泉ラブコメは恋愛の王道やしな。 そこですずか&アリサも活躍できるようになる。 かも? その日、無限書庫内が仕事とは違った喧騒に溢れた。 「ユーノくんの意地っ張り!!」 「なのはの分からず屋!!」 広大な空間に響く二人の声は周りの気を引くのには十分だった。 注目の的になっているのは、最近其処彼処でバカップルと容認されている男女。 高町なのはとユーノ・スクライア(本人達は未だ正式にはくっ付いてない)である。 いつもは当人達が意識せずとも妙に甘ったるい、独り身の者には殺意の波動を授ける雰囲気を放つのだが今日は違った。 始まりが何時からかは知らないが、数分も前から二人は苛立った様に口論をしていた。 いつも仲睦まじい二人には珍しい事だと思いながら、近場にいる局員達はその様子を巻き添え喰わないように一定の距離を開けながら聞き入っている。 「ユーノくんなんて、もう知らない!!」 「僕だってなのはなんか知らないよ!!」 一際大きな声を出し、踵を返して書庫から出て行こうと駆け出すなのは。 それに対してユーノも顔をフンっとそらしてそっぽを向いてしまう。 なのはは出入り口まで到達した所でピタッと動きを止めて、恐る恐るといった様子で振り返る。 「ほ、ほんとうに行っちゃうからね? もう知らないんだからね?」(ウルウル) そういう彼女は怯えたようで、恐がっているような不安な面持ちで少し泣きそうな表情をしていた。 「か、勝手にすれば良いじゃないか」(グググイ〜→っと何かの力に引っ張られている) 歯切れが悪く、相当無理をしていると解る程に後ろ髪を引かれながらもなのはを突き放す言葉を紡ぐ。 その返答を聞いたなのはは「うわ〜ん! ゆ〜のくんのばかぁあああああああああ」と叫びながら、道に屯している局員達を轢き飛ばしながら去っていく。 彼女がドップラー効果を残して去っていった後の無限書庫で、ユーノは深い後悔に苛まれて頭を抱えてしゃがみ込んで落ち込んだ。 「救急車ぁー!! 救急車呼べ〜!!」 「お爺ちゃ〜ん!?」 「た、たかし…強く生きるんじゃぞ」 「殺さないで! 殺さないで!!」 「ぼくが傍にいる」 「まり…ガクッ」 「ブツブツブツブツ……」 「早よ医療スタッフ呼べ司書ぉおおお!!!」 廊下は第三次巻き添え大戦NYが勃発していた。 その頃なのはは未だにひたすら走っていた。 「ふぇええええ〜〜〜〜〜〜ん! ゆーのくんのばかぁぁああああああああ!!!!」 どがバキゴシャグキメキボキゴキベキグチャg;ア、lpらl@げjこらwmglぱうぇr………!!! 「グハッ!?」「ゴァ??」「ゲボウ!!!?」「ニラ茶飲めやゴルァアアアア!?」「ギャランドゥ!?」「うわらばぁ!?」 400 600 800 1000 1200 1400 1600 2000 4000 8000 1UP 2UP 3UP 3UP 3UP☆ スーパーマリオの曲を流しながらもうダッシュするなのは。 その後姿を見た開発部の一人が、それからアイデアが浮かび、スーパーNさんワールドなる物を新春に発売。 通解爽快アクションゲームとして大絶賛するが、それは彼が半年の入院生活を終えてからの話しである。 リリカルなのは 外伝話ほのぼの系? My Heart to You Heart 〜犬も食わぬ事情編〜 「貯まった仕事をサボって、何をしているんだ君は?」 無限書庫に立ち寄ったクロノが開口一番に発した言葉がソレだった。 威厳が付いてきた鋭い双眼が今は緩くなり、呆れてものが言えないと言葉の代わりに目の前で影を背負って浮かんでいる司書に向ける。 「……あ、クロノおひさ〜」 クロノ目の前にいる彼はブルーだった。 ・・・顔色は弱冠紫掛かっているが注して気にしない。 普段追加の資料請求を頼んだり、急な要請で残業させたり数日間書庫に籠もらせたり色々無茶をやらせた時も似たような表情をしていたなと思う。 今回と同じ様に影を背負ってたり、最悪顔色が紫になった所も何回か見た事がある。 しかし、今の彼の状況は今まで見てみぬよう勤めてきた顔色のどれとも違っていた。 そうだな、強いて言うなら死んだ魚の目をした侍魂を持つ万屋が絶食期間セール突入したような覇気の無さだ。 「何かあったのか?」 「べつに……なんでもないよ」 視線を横に逸らした彼はフッという効果音と共に影が薄くなった気がした。 いや、影というより色彩か。と、どうでも良い事を考えていたクロノだが、ユーノがこのままでは仕事に使用をきたしそうなので率直に尋ねる事にした。 彼相手には遠まわしに言っても効果は薄いだろうという思いと、早く仕事を終わらせたいという情けのない思いからだった。 友情のゆの字くらいだせよお前。 「嘘をつくな。いくら僕でも今の君のおかしさを見れば嫌でも気付く」 「おかしさって…」 「そんなベタ塗りを忘れたような眼で言っても説得力は無い」 ユーノはクロノ、どこでそんな言葉をと思った。 けど、すぐに身近にそういった事にめり込んでる緑色の方が思い浮かんだので一人で納得し満足した。 最近どうでも言い事に思考が埋没するな。 悟りを開いたような気分になりながらもこの鬱な気分を紛らわす意味合いも込めてクロノ先程起こった事を話し始めた。 ☆ ☆ ☆ 一方のなのはは管理局ではなく、地球のあるレストランで仲良し五人組メンバーに掴まっていた。 偶然雷雲を頭上に、人魂を数個中空に発生させて視線を地面に落としながら歩いている所をアリサとすずかに見つかり連行。 その後、フェイトとはやてにも連絡を取ってなのはの様子について聞いたが、二人も事情を知らないのでアリサ達と合流する事にした。 全員集まった所で、店に入っても暗い雰囲気を残すなのはに業を煮やしたアリサがなのはに事情を問い質す。 「ユーノ(くん)と喧嘩した?」 「うん」 覇気の無い声で答えながら頷く。 今の彼女はションボリという擬音が似合いそうなくらい落ち込んでいるようだ。 その様子を見たはやて達は珍しいと思いうと同時に疑問も浮かぶ。 「二人が喧嘩なんて珍しい事もあるんやね」 「なのは、ユーノとなにかあったの?」 やはり彼女達にしても、なのはとユーノが喧嘩をするというのは珍しく思う。というより、有り得ないとさえ思っている節もある。 それくらいこの二人は普段から仲良しこよし? そんな言葉生温いの☆ 的妙な空気を形成しているのだ。 はやてとフェイトの質問になのはは口篭る。 「なのは、話したくないなら話さなくても良いわ。けどね、答えを出せないまま一人で悩むのはやめてよね」 「魔法に関しては何も手伝えないかもしれないけど、話しを聞くことは出来ると思うから」 「アリサちゃん、すずかちゃん」 彼女達の想いに、なのははぽつぽつと事の経緯を話し始めた。 「フェイトちゃんとはやてちゃんは、この間無限書庫に超特急の資料請求要請が来たのは知ってるよね?」 「う、うん」 「あれは…とんでもなかったらしいけど……」 「なによ、その超特急なんとかってのは?」 「アリサちゃん。風の名前って知ってる?」 「は?」 さて、画面の向こう側の顔も知らぬあなた方はもうお分かりだろう。 なのは達の話題に出てきた珍妙な請求。 ぶっちゃけて言えば、名前には全く何の意味も複線も無い。 ユーノがぶっ倒れる話というのが伝われば他はどうでも良いっつーだけの名前だ。 更に言ってしまえば、作者が細かい内容書くのが面倒なので事の経緯は歌にしてお贈りしたい。 あるー日、本の中(本の中♪) 資料請求(エコー♪) 来ちゃぁった(×2♪) それからあ〜わ〜わ〜の〜わ〜♪ 血反吐〜はい〜っちゃ〜った〜〜♪ (ユーノが) 「なんで暗い話しなのに、そんな明るいテンポの曲を選ぶのよ」 「クマさんは可愛いと思うよ?」 「すずかちゃん。それは関係あらへんて」 「それが今回の喧嘩の原因?」 「うん」 ボケとツッコミの押収の中フェイトが尋ねるとなのはは小さく頷く。 「でも、今の聞いた限りだと別にユーノはなにもしてないじゃない」 「だって…ユーノくん無茶しすぎるんだもん」 ☆ ☆ ☆ 同時刻、ナルト占いという珍妙な事をサービスに営んでいるラーメン屋。 クロノはユーノを引きつれ、麺を啜りつつユーノの話を右から左へ流れ出るように聞いていた。 「だって…なのはが無茶しすぎるから」 「彼女の無茶は何時もの事だろう?」 「そうかもしれないけど……でも、前に任務でなのはが大怪我をしたことがあっただろ?」 「ああ、あの時のキミは使い物にならなそうでヒヤヒヤしたな」 当時のユーノは気が気でなかった。 細かく書くと後々首を絞めそうだし、何より描くのが面倒もとい意味の無い事なので端折る。 「キミやなのは達はいつも危険な目に合いながら頑張ってる。だけど僕は皆に対して役に立てない」 「それは別問題だろう? 僕等のような現場での仕事は危険がつき物、皆それくらいの覚悟は出来ている。 それに不服だがキミのお蔭で被害も無く済む事件だって数多くある」 その後もクロノがユーノの功績を挙げて、元気付けようと話を持ち出していく。 何の偶然か、その内容は同時刻、同じタイミングでほぼ同じような内容だった。 二つのシーンを分けるのが面倒になったので、ここからは同時進行で見ていただこう。 手抜きと思うかもしれない。だが、アニメでも画面分割して同時刻の内容を表す手法を取り込むものがあるのだから構うまい。 ☆ ☆ ☆ 「それで僕が無茶しないようにって注意したんだけど…なのはが」 「それでなのはが無理しないでって頼んだんだけど…ユーノくんが」 『なのは、少しは休まないと……ここ数日出っ放しじゃないか』 『ユーノくんこそ、休まないとダメだよ。ずっと徹夜してるってきいたよ』 『僕は平気だよ。死ぬような目に合う訳じゃないし、でもなのはは危ない目に合ってるんだからちゃんと休まないと』 『わたしは平気だよ。ユーノくんそんな事言って、この間だって倒れそうだったじゃない』 『なのはこそ一週間前の任務の時疲れでダウンしちゃったじゃないか。また同じ事が起こったらどうするの?』 『わたしは局員さん達がサポートしてくれるから大丈夫だけど、無限書庫はほとんどユーノくん一人で仕事してる』 『ここで倒れても少し寝てれば問題ないよ。けど、なのは達はそうもいかないだろ?』 以下、エンドレスに似たような会話が流れ続けて聞き飽きた為に飛ばします。 決して作者が面倒だからって訳じゃないぞう!? 信じよう皆! 信じる事は大切だ!! ☆ ☆ ☆ 「「心配だから言ってるのに、全然聞いてくれないから」」 回想が終わった所で二人の声が重なる。 彼等の相談役である面子も、カウンターに肘を着いて頬に手を付きながらジト目で当事者を眺めている。 もう、知った事かこのバカップル。とあからさまに目で歌えているアリサとクロノ。 はやて達は苦笑してなのはの話を聞いていた。 「ユーノ…(いやいいか、何も言うまい)…それで、キミはなのはに呆れたのか?」 「なのはちゃんはユーノくんに呆れちゃったの?」 クロノとすずかが同時刻に口を開く。 これが画面分割での言葉だったら、それはもう聞き取り辛い事だろう。 二人(当人達にすれば一人だが)の言葉に二人揃って答える。 「「そんな事無いよ」」 即答だった。 ならさっさと行けよって思うが、それは口には出さない。 それが大人のモナー。(’∀’) 世の常だ。 「そりゃ、なのはは無茶するし、危なっかしい所もあるけど…それはみんなの為だから」 「確かに、ユーノくんは何でも引き受けちゃって、無理するけど…それはみんなの為だもん」 『だから、止められる事でもないって、解ってはいるんだけど……やっぱり無理はして欲しくないよ』 そう言って苦笑する二人。 話しを聞かされている側からすれば、ご馳走さまといってサッサと勘定払って店から出て行くことだろう。 相談役の方々がそうしなかったのは、まあ友情というか流れだから仕方なく。 「それで喧嘩したのか? 馬鹿だな、キミ達は」 「それで喧嘩したの? あんた達って、馬鹿?」 容赦なく放たれるアリサ(クロノ)の言葉に目をギャグ調に丸くしながらガックリと肩を落とすなのは(ユーノ) 「これって喧嘩って言うのかな?」 「どっちかって言うと、惚気話やな」 「二人とも仲が良いんだね」 「ぅぅぅ〜……」 友人達に何だかんだ言われ、顔を赤くしながら両手の人差し指をツンツン合わせながら俯くなのは。 それが結構可愛らしかったので思わず悪乗りしそうになるが、話しが終わらなくなるので自制する一同。 「それで、これからどうするのかな?」 「どうするって?」 「ユーノくんのこと」 「でも、勝手な事言っちゃったから、怒ってないかな」 「大丈夫だよなのは」 「そやそや、ユーノくんならちゃんと言えば許してくれる」 「ここでウジウジ悩んでないで、さっさと行ってきなさいよ」 「うん……でも、何て言ったら良いのかな?」 何がそんなに後ろめたいのかと聞きたくなった。 踏ん切りの悪いなのはにアリサ達は弱冠イラつきも覚えたりする。(主にアリサが) 「別にそんなに気にしなくてもええんとちゃうか?」 「う〜…でもやっぱり」 「なのはちゃんが行かないなら、私がユーノくん盗っちゃうよ?」 ビシィっと、空気がひび割れる様な音が鳴り響いた気がした。 「え、すずか?」 「すずかちゃん?」 「ダメかな?」 「だ、ダメダメぇ!? ユーノくんとすずかちゃんが……そんな…あぅ」 「なら、さっさとユーノに会いに行きなさいよ」 「う」 嵌められた。 すずかとアリサの打ち合わせの無いコンビネーションにアッサリとやられたなのは。 「もぅっ」と不満そうに呟いて見せるが、内心は二人の計らいに感謝しているのが見て取れる。 「うん。そうするね」 「後は妙な修羅場が無ければ終りやね」 「修羅場って?」 「ユーノが他の女の子とあってる所を見て、なのはが勘違いを起こすとか?」 「その通りや」 「アリサちゃん、はやてちゃん!?」 「実際前にもあったよね」 「フェイトちゃんまで〜」 からかわれて餅の様にだらしなく顔を変形させるなのは。 「もう、みんなして冗談が酷いよ」 「冗談?」 なのはの言葉にすずかが首を傾げた。 そう……何を言ってるの? と純粋に疑問に思ってる感じで聞いてきた。 その様子を見た一同は、ギクリと動きを止めた。いや、止めさせられた。 「す、すずかちゃん?」 「なに? はやてちゃん」 「えっと、さっきのユーノを盗るって話し……冗談だよね?」 はやてとフェイトは恐る恐る尋ねる。 すずかは何も答えず、ニコニコと日溜りの笑顔を向けてくる。 それはもう爽やかを通り越す、有無を言わさぬ微笑みでした。 「え、えと…」 「やだな。盗っちゃうだなんて、ユーノくんはモノじゃないんだよ?」 「そ、そうだよね」 「誰とも付き合ってないんだから、盗るって言うのは間違いだよ」 止まった。 固まった。 石化した。 アンニュイ。 ウルトラの父ヘルプミー。 いえ、やっぱり帰って下さい。 (父、ションボリしながら帰る) ビシッと音が鳴った。 すずか以外の少女達は白くなり罅割れた。 「そう言えば、もうすぐバレンタインだけど、なのはちゃんはユーノくんのチョコ用意したの?」 「…………………//………………にゃ?」 セミが脱皮するかのように、石化から抜け出すなのは。 他のメンバーは立ち直りが遅く、メッキが剥がれる様に石化が溶けていくのに時間が掛かっていた。 「どうしたのみんな?」 「す、すずか?」 「わたしは用意したけど、ユーノくん気に入ってくれるかな?」 「だだだ、ダメなのぉ〜〜〜〜〜〜〜!! ゆ、ユーノくんにチョコ渡すのはなのはなの〜!」 「どうして?」 「あ、ぅ、それは〜、その……と、とにかくだめなの〜〜!!」 ムキになって両手をバタバタ振るうなのは。 すずかはあくまでも笑顔で対峙する。 傍から見れば楽しい事この上ないが、一番近くにいるはやて達は精神が押しつぶされそうだった。 後日。 無限書庫の入り口にて佇む二人の少女の姿があった。 なのはとすずかである。 その手には綺麗にラッピングされた手作りチョコの入った箱。 「負けないからね。すずかちゃん」 「私も負けないよ。頑張ろうねなのはちゃん」 「うん!」 意気揚々と書庫内へ足を踏み入れる二人。 ユーノの姿を探して無重力の空中を探し回る。 「見当たらないね」 「うん。どこにいるのかな? ユーノくん」 「あ、いた! ?」 「ほんと? なのはちゃん?」 嬉しそうに手を伸ばして指差すなのは。だがすぐに顔ごと身体が引き攣ったように固まった。 なのはの変化を不思議に思いながら、固まったままの指差された方向を見てみる。 そこには捜し求めていた人物であるユーノ。 と、彼に擦り寄る一人の女の子の姿。 「ユーノさん」 「リインフォース、どうしたんだい。はやては?」 「今日はリインがユーノさんに用事があって来たので、はやてちゃんは一緒じゃありません」 「僕に用?」 首を傾げるユーノに、リインは照れながら後ろ頭を掻き、手に持った小さなバックから丁寧にラッピングされたあるモノを取り出す。 「ユーノさん。今日が地球でどういう日か知ってますか?」 「今日地球で…うーんっと、確かバレンタインって言って…好きな人にチョコを挙げる日だったかな?」 「わー! よく知ってますねユーノさん」 「はは、伊達に無限書庫の司書をやってないよ。そっか、今日だったっけ」 「そうなのです。だから、今日はリインからユーノさんにプレゼントです」 言いながら、両手でリボン付きの箱をユーノに差し出す。 照れているのか視線を下に落とし、弱冠頬を赤く染めながら、時折様子を窺うようにユーノを見る。 ユーノは微笑み、箱を受け取るとリインの頭を優しく撫でる。 「ありがとう、リイン」 「あ」 二人の周りに点々が湧き出る。 毬藻のような、シャボン玉のような、ポワポワした空間が形成されていく。 少女マンガの恋愛シーンで出るウィルスが二人の形成する空間から洩れ出ていた。 それはS(嫉妬)ウィルスとなって、無限書庫ラクーン部隊に蔓延しZ(全然羨ましくないけど、血の涙が出るくらいムカつくぜ)化させていく。 悲劇は何時如何なる時も起こるものだという証明が成された瞬間だった。 ゴオン。 「はっ!?」 空中に浮かんで移動する無限書庫に、通常でも有り得ない足音のようなものが聞こえた気がした。 ゴオン。 「ほぇ?」 リインがキョトンとした、純粋無垢な表情で首を傾げる。 ゴオン。 振り向くな。 まるでゲゲルの標的にされたような、いや、明らかにそれ以上の恐怖が降り注ぐ。 ゴオン。 逃げちゃダメだにげちゃだめだにげちゃだめだニゲチャダメダニゲチャダメダメンドクサイカラ以下省略ダ。 「「ゆ・う・の・くん♪」」 後ろから声が掛けられる。 それも二つ重なり、明るく可愛らしい声。 普段なら気軽に振り向ける筈なのに、なぜか今は振り向けない。 途轍もない圧迫感がユーノに降り注ぐ。あくまでもユーノだけに。 ダラダラと汗が流れ出る。 目の焦点が会わない。 「あ、なのはさんにすずかさん♪」 「「こんにちわ。リインフォースちゃん♪」」 揃い過ぎていた。 何でか知らないけど、それがまた恐さを際立たせた。 ギギギギギギイイィィィ… 錆びた扉の様に音を立てながら、振り返ってみる。 「「こんにちわ。ユーノくん♪」」 そこには、バリアジャケット生成完了。 笑顔のままデバイスをジャキッと構えて、戦闘準備バッチリOKな少女達がいた。 「「ユーノくん、今日が何の日か知ってる?」」 「なんで二人揃って聞いてくるの? それともう二つ聞いて良い?」 「「何かな?」」 「なんでなのははスターライトブレイカー・エクスキューションシフトを展開してるの? って言うか何ですずかはバリアジャケット着て巨人召還してるの!? いや出来るの!?」 「「それはネタだからだよ☆ ユーノくん♪」」 同時ににこやかに言い放つ二人。 死刑宣告だった。 「コンさんとSISさんに謝ろうよ!!?」 「やっぱりこうなったか」 「仲裁に行かなくて良いのかな〜クロノくん?」 「無限書庫は僕の管理じゃないから、こっちに苦情が来ない程度なら構わない」 「アッサリ見捨てたね」 「触らぬ神に祟りなし、さ」 モニターで無限書庫の様子を見ていたクロノとエイミィは遠くを眺めるように傍観を決め込んだ。 「「ふふふ、逃がさないよユーノくん」」 「い、い……イヤアアアアァァァァァァァァァァァァ…………!!!!???」 ズルズルズルズルズル………(効果音) その日、無限書庫では激しく何かが衝突した音。 そして無限書庫奥の司書長室からは、幾つかの衣擦れの音が聞こえ続けたという。 数時間後。 司書長室の中から出てきた少女達は妙にスッキリした表情をして帰っていった。 更に数時間後、司書長室の真ん中でユーノは血溜まりの中倒れ臥していた所を発見された。 追記すると彼の体には外傷はなく、大量の出血による気絶だったらしい。 中で何が起こったかは彼ら以外誰も知らない。 ちなみに、出血は鼻からだったとの事。 なにをしたんだお前等。 ここは炎の少女、アリサバニシングス邸。 その調理場に置かれた一品を睨んでいる、と言うより扱いに困ったような表情をして突っ立っているアリサ。 両手を机に突いて、斜め手前の視界に移るのは豪華な洋菓子。 一言で言うなら超ゴージャス。 フルーツとかでデコレーションされた高級店で出されるチョコケーキのような、見るからに金持ち専用。 豪華絢爛、糖分過剰摂取の危険性在りという副題が現れそうな、兎に角無駄とも言えそうな芸術品が置かれている。 呆然としてるのかどうなのか、微妙な物を見るような視線をそのチョコケーキ(?)に向け続ける。 (いざ、冷静になると凄い事になってるわね……あたしは一体どんな顔をして作ってのかしら) 自分自身の呆れと、ある種の尊敬の念に中位の汗マークが頭に浮かぶ。 一人で食べるには大き過ぎる、ってかもう凄すぎる。 完食出来ればテレビチャンピオンでも、そこそこ良い所まで行けるのではないかと思う。 と、そんなどうでも良い思考を片隅に置き、当面の問題を口にする。 「あたしは一体誰にチョコを上げるつもりだったのか…」 時刻は早朝。 徹夜での作業にも係わらず、眠気はまったくと言って良いほど無い。 気が付けば、世間でバレンタインデーと呼ばれる日になっていた。 リリカルなのは 外伝話ほのぼの系? My Heart to You Heart 〜無意識下の行動って良く解らない編〜 原因は昨日の塾が終わった時。 塾でそこそこ話しをする友達の一人が唐突にバレンタインの話題を持ち上げたのが切っ掛けだった。 チョコを作るのかと聞かれた時は、真っ先に否定の答えを返した。 そのまま話の矛先が外されていれば、こんな馬鹿な事はしていなかったんじゃないかと思う。 続いて別の友達が(悪意があるのか不明だが)作るような相手がいない発言に何故かムキになって反発してしまったのが悪かった。 そこで自分は何をどう思ったのか、と過去に戻って自分の頭の中を覗いてみたいと思うが後の祭りだ。 「本当にどうしようかしら、これ」 問題は今目の前にある、このパーティー用に匹敵するチョコケーキ。 捨ててしまうのは勿体無さ過ぎるし、かと言って身内にあげるというのも恥ずかしい。 それにしても、よくここまでの物を作れた物だ。 もう一度同じ物を作ってと言われても絶対に無理だと言える。 本当にどんな気持ちと表情をして、自分はこれを作っていたのだろうか。 考えていて、なんだか悲しくなってきた。 「どーせあたしは独り身よ」 言ってしまって、また落ち込んだ。 今現在、自分の周りの友人達は、恋のバーゲンセール実施中と言い表せるくらい恋愛関係の事柄が多い。 特になのは、フェイト、はやて、すずかの四人は好きな人が同じ、恋の三角関係とやらを形成中だ。 それでも、これまでと変わらず仲良くやってる。だからこそその手の話しが話題になる事もあり、一人だけ取り残された気分になる事もある。 行き遅れのОLってこんな気持ちなのかと思ってしまう辺り、ちょっと危なくなってきてるのかも。 「……どうしよう」 「どうしたのアリサ?」 「うわひゃぁ!?」 行き成り耳元で声が掛けられて、予想外の事に一瞬心臓が止まったような気がするくらい驚いた。 反射的に振り返りながら後ずさったら、机に腰をぶつけて呻き声みたいな声が出て何か嫌だった。 「だ、大丈夫?」 痛みに腰を擦っているあたしの目の前にはユーノがいた。 心配そうな顔をしながら、手を差し伸べても良いのか把握しかねているようで、手をだしても半端な所で止まってる。 「……なんでユーノがここにいるのよ?」 その疑問にユーノはああ、と一呼吸置いてから答えた。 「以前頼まれてた物が出来上がったのを伝えに来たんだよ」 「本当に!?」 思わず身を乗り出してユーノに聞き返すと、小さく微笑みながら「うん」って頷いた。 何でか知らないけど、その顔を見るのが少し恥ずかしくなってきた気がした。 「で、でも。いきなりノックも無しに人の部屋に入らないでよね」 「いや。使用人の人に連れてきてもらって、ノックしても呼びかけても全然反応しないし、机に向って独り言いってたから」 その言葉にちょっと口篭る。 そんな事になってたとは自分では気付かなかったから、正直知りたくなかった。 もしかしたら、かなり危ない空気を出してたんじゃ、想像しようかと思ったけどやめた。 「ところで、何か困ってたみたいだけど?」 「え? あ、な、なんでもないわよ」 「あ、それ美味しそうだね。どうしたの?」 隠そうとした途端に、目敏く机の上のチョコレートケーキを見つけるユーノ。 そっぽ向いたのが、こんな形で裏目に出るとは思わなかった。 無性にユーノを殴りたくなったけど、それで殴るのは流石に理不尽かな。 「別にどうもしないわよ」 「もしかして、これアリサが作ったの?」 「な、なんであたしがそんな」 「何となくかな。アリサも料理作ったら上手だと思うし」 当然の事みたいに話すユーノの言葉がちょっと嬉しかった。 実際に見せた訳じゃなくても、人から自分の出来ることを褒められるのは嫌な気分じゃない。 「ッ当然でしょ。あたしはパーフェクトバイリンガルなんだから!」 「ははっなのは達も凄いって、アリサの事褒めてるよ」 それも嬉しい。 親友達が自分のいない所でも、自分の事を話題にしてくれる。 彼女達にしてあげられる事がほとんどなくても、自分が誇らしく思えた。 「……ねえ、ユーノ」 「なに?」 「これ食べてみる?」 そう言うと、驚いたような顔をしてユーノが「良いの?」って聞いてきた。 最初はどうしようかと思ったけど、今は別に構わないと思った。 もうこんな物を作ったのがバレてるなら隠しても仕方ないし、丁度良いから証拠隠滅に協力してもらおう。 全部食べきる事は無理だろうけど、残りは少しずつ自分で食べればそれ程時間を掛けずに食べきれるだろうし。 一人で全部食べるよりはマシでしょ。 「じゃあ頂きます」 「ちょっと、フォークとか使いなさいよ」 徐に手掴みでチョコケーキを食べようとしたユーノを慌てて止める。 前に異世界から来たって紹介してもらった時は、結構この世界の事も知ってるんだなって思ったけど、やっぱり何処かずれてるのかしら。 平謝りするユーノを見ながら、食器棚からフォークを探す。 「あった。はい」 「ありがとう」 お礼を言いながらあたしの所にイスを持ってくるユーノ。 そう言えばずっと立ちっぱなしで足が痛くなってきた気がするから丁度良いかも。 イスに座って、机に置いてあるチョコケーキの一角にフォークを差し込む。 下手につつけばすぐに崩れそうなだけに、慎重な作業をするみたいにゆっくり動かす。 本当にどうしてこんなの作ったんだろ。 「じゃあ、今度こそ頂きます」 「うん」 まずは一口。 口を動かすユーノを見ながら感想を待つ。 「ん」 「ど、どう?」 「うん。凄く美味しいよ」 笑顔で答えてくれて、本心からそう言ってくれてるんだと解った。 それが凄く嬉しかった事に喜びながら少しホッとした。 作った工程を全く憶えていない代物を食べさせておいて何だが、ここまで材料を使っておいて不味かったら眼も当てられなかったと思う。 でも、正直に褒められるのは嬉しいけど、ちょっと恥ずかしい。 「お世辞で言ってるんじゃないでしょうね」 「ううん、本当に美味しいよ。アリサも食べてごらんよ」 試食はしなかったのか聞かれるかと思ったけど、ユーノは気付いてるのか。多分気付いてないんだろうな。 自然にあたしの口元にチョコケーキを乗せたフォークを差し出した。 まだ試食してなくてどんな味なのか気になってたから、あたしはそれを何の疑問も無く、小さく口をあけて食べた。 「あ…ん」 「どう?」 「……おいしい」 良かった。 自分で言うのも何だけど、見た目に遅れをとらないくらい美味しかった。 あたしの反応を満足そうに見ると、ユーノはまたチョコケーキをフォークで刺して自分の口に運んでいく。 そこでハッと気が付いた。 今の自分がした行動。それは、なのはが惚気話をする時によく話題に上がる”食べさせ合いっこ”という物ではないか。 冷静に考えると凄く恥ずかしい。 恋人でもないのに、いや恋人でも恥ずかしいだろうが、そんな行動を何の疑問も感じないでやってしまうとは今日の自分は明らかに変だ。 それは作者の力量が大いに関係しているのもあるが、それを言ってしまっては元も子も何もあったものではない訳で本日はお日柄も良かったり悪かったり。 「アリサ、アリサ」 「へぅ?」 「大丈夫? なんだかさっきから眼の焦点があってない気がするけど?」 「平気よ、ちょっと寝不足なだけ」 そうだ、そうに決まってる。 でなければ、自分もあの万年色ボケ少女たちの仲間入りしてしまう。 はやてやすずか辺りは面白そうと言うかも知れないけど自分はまだ常識人だ。 あの妙な甘い時間を生きてます♪的空間を築くような人種にはならない。 じゃないと、暴走する友人を誰が止めるというのだ。 と、深刻な使命感に浸っていると、目の前に湯気のたったコーヒーが差し出された。 「ユーノ?」 「少しは眼が覚めるよ」 何時の間に入れたのか、ユーノの手にもコーヒーが入ったコップが握られていた。 小さくお礼を言ってから一口。舌に触れた途端、凄く苦くて寒気がするような感じが全身を駆け巡った。 「にがぃ」 「はい、アリサ」 コーヒーの苦さに手で口を押さえていると、ユーノが口直しとばかりにケーキをフォークに乗せて寄せてくる。 さっきと違って、気付いてしまった今は恥ずかしくて素直に食べる事なんてできなかった。 でも、周りを見渡しても他に口直しできそうなものもない。 仕方ないから、あたしは口をあけてユーノにケーキを食べさせてもらった。 ケーキの甘さが、舌に沁み込んでた苦味を消していって、少しさっきとは違う美味しさがあるように感じた。 「そう言えば、アリサはどうしてこんな凄いケーキを作ったの?」 「え?」 唐突に振られてつい焦ってしまう。 こんな物を作った事がバレた上に、正直に話すのは流石に出来なかった。 何か良い言い訳が無いか必死に考えるけど、良さそうな案は咄嗟には出てこなさそうだった。 「ちょっと暇潰しに作ってみたら、予想以上に良いのが出来ちゃって……残すのが勿体無いからアンタに別けてあげてるんだからね! べ、別にバレンタインがどうって訳じゃないんだから」 「あ、そう言えばなのはからも聞いたけど、今日って好きな人にチョコをあげる日なんだよね?」 しまった。やぶ蛇だったか。 よくなのはやフェイトが誤爆するところを見るけど、まさか自分がやるとは思わなかった。 それにしても、この男はどうでも良い事には気付くくせに、どうしてなのはの想いには気付かないのだろうか。 「これって、その為の練習用……なのかな? 今更だけど、僕が食べちゃって良いの?」 「別に余ものだから構う事無いわよ」 「ふーん。でも、アリサにチョコ貰える人は絶対喜ぶと思うよ」 「だから頑張ってね」と言ってユーノはチョコケーキを食べていく。 時折コーヒーで口直ししながら、気持ち良いくらいの勢いで食べて時々あたしにも差し出してくる。 最初はあたしも断ったけど「余らせるのも勿体無いでしょ?」って言われたら食べるしかなかった。 でも、不思議と嫌ではなかった。 「ユーノ、フォーク貸して」 「はい」 ユーノは自分の使っていたフォークを渡してきた。 他のを取ってくるとかしないのかと思ったけど、何でか口に出す事はしなかった。 特に理由は無いけど、自分自身疑問に思った。 「はい」 「え?」 ユーノがキョトンとしながらあたしと、あたしがユーノに差し出したフォークを見る。 勿論持ち手はあたしが持ってて、ケーキの乗った先端がユーノの口元に持ってってる。 って、なんでこんな事をしてるんだろう。 今更だけど、恥ずかしくなってきた。多分、今のあたしの顔は赤くなってると思う。 だから、早く食べて欲しかった。 その気持ちを汲み取ってくれたのか解らないけど、ユーノは食べてくれた。 どうしてか解らないけど、それがまた嬉しかった。 ケーキを食べるユーノの横顔を見て、時折食べさせてもらって、時々あたしが食べさせてあげる。 そんな恥ずかしい行動を、あたし達はケーキが無くなるまで続けていた。 時間は夕方。 あたしは玄関の前まで出て、ユーノを見送る事にした。 使用人が案内するって申し出てきたけどそれは断った。 それもどうしてかは解らない。 ただ、あたしはユーノを見送りたいなって思った。 「今日はご馳走様でした」 「あたしのこのデバイスの使い方、また今度詳しく話を聞かせて頂戴」 「うん、ゴメン。今日はただ食事させてもらっただけになっちゃったね」 「別に良いわよ。あたしも助かったから」 「そう言ってもらえると助かるよ」 そう言ってユーノは苦笑して、別れを告げて帰ろうとする。 「ユーノ」 「ん、なに?」 「あれ?」 ユーノが振り向いてから、あたしはしまったと思って口篭る。 今日は本当に変だ。 自分の事なのに、別の意思が働くみたいに良く解らない行動に出ることばっかりだ。 内心呆れつつ、ユーノにこの葛藤がばれない様に振舞うように勤める。 「また、遊びに来なさいよ」 「うん。その時は宜しく」 そう言って、今度こそあたしはかえるユーノを見送った。 「ふぅ、どうしちゃったのよ今日は?」 部屋に戻ってきて、ベットに仰向けに寝転がって呟く。 右腕を眼に当てながら、今日の事を思い出す。 段々顔が熱くなっていくのがわかった。 「はぁ」 ふと、横に眼を向けると、少しだけチョコのついた皿が目に付いた。 チョコケーキを乗せていた器だ。やっぱり量が多くて全部食べきる事は無理だった。 それでも、残りは明日のおやつに丁度良いくらいの量まで減っていた。 あの後、区切りの良い所で部屋に戻って、ユーノに頼んでおいた魔法を扱う道具、あたし専用のデバイスを受け取った。 あれを貰う経緯はあまりにも馬鹿らしくて思い出したくないが、魔法を使えるようになるかもしれないと聞かされた時は喜んだ。 それを見つける切っ掛けはユーノだし、今も忙しい(なのはが言うには仲間内で一番だという)中自分の為に時間を割いてくれた事も嬉しい。 その所為だろうか。 今日の自分の妙なテンションと行動は……きっとそうに違いない。 でなければ、あんな事はしない。いや、して堪るもんか。 もしなんの実感も無くやるようになったら、誰もなのは達を止められなくなってしまう。 あたしが最後の砦なのだ。 妙な使命感を持って、あたしは自分自身に気合を入れた。 「なのはには今日の事、内緒にしないとね」 もしばれたらと思うとちょっと恐かった。 なのははユーノの事に恋愛関係が絡むと、壊れるから恐い。 多分止める人がいなければ、胃潰瘍で吐血する人が続出する事間違いないだろう。 そんな怒りの矛先を真っ先に受ける気などサラサラ無い。 今日の事は自分の胸の内に締まって置こう。 そこまで考えて、何かが引っ掛かった。 「んん?」 なにかを忘れている気がする。 それも何かとても重要な事。 なんだろう? 今日の事で気をつけないといけない事は、なのは達にユーノとあった事がばれないように――― 「あーーーーーーーー!!! ユーノに口止めするの忘れてたあーーーーーーー!!」 高町家なのはの部屋。 「なんなの? 今日は朝から妙な胸騒ぎがするの……」 何でか知らないけど、なのはは何時ものメンバー、仲良し五人組で映っている写真楯に視線を向けた。 その視線を真っ先に受けたのは、写真に写るアリサ。 なのはが妙な雰囲気を発しながら写真楯を見ていると、不意に形態から着信メロディーが流れた。 曲はLOAD OF THE SPEED。 「はい、もしもし。あ、ユーノくん♪」 ユーノからの電話を受けて上機嫌に成るなのは。 暫くの間、花がポワポワ飛び散るようなピンク色の空気が発生、幸せオーラを充満させていく。 そして数分後。 「ふーん。アリサちゃんがチョコレートを……ね」 『なのは?』 「ねえ、ユーノくん」 『なに?』 「そのケーキ。一人で食べたの?」 その問い掛けをした時、写真楯のガラスの面が、アリサの部分だけ盛大に罅割れた。 「その時のお話、二人に詳しく聞かせて欲しいな♪」 終り。 「はぁ……」 溜息を一つ出せば幸せが一つ消えていくと言う。 なら自分はどれくらい幸せを消してしまったのだろう。 暗い顔をしていても何もならないと解ってはいるが、やはり憂鬱なものは鬱だ。 趣味の機械いじりをして気を紛らわそうとしても、あまり効果は良くない。 物思いに耽りながらも、休む事無く手が動くというのも自分の事ながらちょっと凄いと思った。 「はぁ〜……」 色々考えてしまって、今度は深い溜息を吐く。 原因は、やはり現状に対する自分の気持ちだろう。 唯一自分と同じ、一般のお嬢様だったアリサまでもが魔法少女となってしまった。 いや、友人が憬れていたものになれた事は祝福すべき事で、当然自分としても嬉しく思っていた。 だけど、これで自分だけ、これという確たる魔法少女のモチーフが無いというのは少し寂しい。 「わたしも、皆と一緒の景色が見たいな」 ポツリと呟いた途端、ソレまで動いてた手が急にピタッと止まった。 その拍子に、カチッて何かがぶつかった様な、合わさったような音が聞こえたような。 ピピー!! 「へ?」 突然鳴り響いた音に驚いて眼を瞬きしてると、なんだか機材から白い光が漏れ出してきた。 キュィーンっとか、ピカッ! って感じの音が鳴ったかと思ったら、目の前が真っ暗になりました。 ボギャァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!! リリカルなのは 外伝話ほのぼの系? My Heart to You Heart 〜計算(データ)じゃない編〜 物凄い爆発が起きて、窓や扉から盛大な煙が飛び出す月村邸。 その反動でネコが「ニャー」と愛らしく、どこか余裕のある鳴き声を挙げながら吹っ飛んでいった。 ちなみに全部無傷のまま、ついでに何処かへ遊びに出かけて行った。 さらにそれを慌てて追いかける、月村邸のMIBっぽい黒ずくめの人達が追いかけ、全部捕まえるのに丸一日を費やしたのは別の話。 「きゅううぅ@」 もうもうと立ち上がる煙の中で目を回すすずか。 視界の利かない部屋(というか屋敷全体)に、何の苦も無く入り彼女に近づく人影がいた。 「すずかお嬢様」 「あ、ノエル」 声を掛けられて眼を覚ます。 どうやら今の爆発で気を失ってたみたい。 だけど、こんな凄い爆発の中で気絶で済む私って一体。 ちょっと疑問に思うけど、考えたら色々ありそうなので止めておく。 「あはは、またやっちゃった」 わたしの言葉にノエルは少し、本当に少しだけど溜息を吐いてるように見えた。 また、と言う言葉に自分自身少しやり過ぎてる気もするけど、そこの所は見逃して欲しく思う。 叱られるかな。と思っていたわたしの予想に、ノエルは全く違う答えを返してくれた。 「ユーノ様がお見えになられたのですが――」 「本当!?」 ノエルの言葉に、つい飛び付く様に聞き返す。 やってしまってから、過剰に反応しすぎかな。と思ったけど、この気持ちは止められなかった。 正直な話、わたしは彼、ユーノくんが家に遊びに来る事を楽しみにしてる。 その気持ちは胸の内に締まっておこうって思ってたけど堪えられなかった。 だから、最近はなのはちゃんに負けないように、自分なりの方法で彼に近づきたいと思ってたりする。 それが、さっきの趣味でもある機械いじりに繋がってるけど、失敗が多いのがたまに傷かな。 などと、思っていると首筋に鋭い衝撃が奔った様に感じた。 気が付くと、ノエルが右手を手刀に構えてて、小指の方から煙が出てた。 「戻られましたか?」 「う、うん。ごめんねノエル」 痛む首筋を押さえながらノエルに謝る。 うう、アリサちゃんもそうだけど、最近みんなからのわたしへのツッコミが厳しい気がする。 そんなにわたし、変になっちゃってるのかなぁ。 でも、それは後で考えよう。 今は彼と一緒にいられる時間を楽しもう。 「そ、それで、ユーノくんは?」 「先程の爆発で吹き飛ばされ、玄関先で倒れてます」 その言葉を聞いて、急いで爆発で吹き飛んだ窓へ駆け寄って玄関のある場所を確認する。 まだ彼方此方から煙が立ち込めてて、視界が利き辛かったけど、庭の方に見覚えのある姿が見えた。 「ユーノくん!!?」 倒れてる彼の姿を見て、いてもたってもいられず、手すりに手を乗せて飛び越えるようにジャンプ。 足から地面に着地、その時足を衝撃を和らげるように足を曲げて、戻す反動で一気に駆け出す。 ちょっと、裏設定使っちゃってるけど、仕方ないよね。 と、誰に対してのものか解らない言い訳をしつつ彼の元へと急ぐ。 そうして彼の元へ走る最中、良く見ると彼と重なるようにもう一人倒れているのが見えた。 「ユーノくん! にファリン!?」 二人の数メートル手前で思わず急ブレーキを書ける様に、両足を前に出して制動をかける。 どうしてか車が止まるような音が聞こえたけど、それは気にしないで置こう。 止まった所で様子を見てみると、二人はまるで抱き合うようにして倒れていた。 抱き合うようにしてって言うか。これはもう完全に抱き合ってる。 多分、爆発が起きた時にユーノくんが咄嗟にファリンを護ってくれたんだろうな。 その証拠に、彼の身体の彼方此方に汚れが付いてるのに対して、ファリンはほとんど無傷。 「二人とも、ごめんね」 二人に対して申し訳なく思うと同時に、少しファリンが羨ましく思えた。 自分も一度で良いから彼にそこまでギュッと抱きしめて欲しい。 文字通り指、人差し指を加えながら見てると、追いついてきたノエルが私の隣に立っていた。 「早く二人を部屋へ運んだ方が宜しいかと思うのですが」 「そ、そうだね! じゃぁ―」 わたしがなにか言う前に、ノエルは二人に近づいてファリンを抱き起こす。 傷が無い事を確認すると、彼女はファリンの背中に回って両肩を抑えて俯かせる。 気付けっていうものをやるのかな。 そう思ってたら、ノエルは瞬時にファリンの首に腕を回し腕拉ぎ十字固めを完成させて。 ゴキッ― と、イヤに響く音を立てました。 ファリンは「あふっ」って声を出したと思ったら、糸の切れた人形の様に動かなくなった。 「の、ノエル?」 「それでは、すずかお嬢様。私達はこれで」 淡々と告げると、ファリンを肩に担いで所々から煙の上がる屋敷に戻っていくノエル。 その後姿を私は呆然と見送るしか出来ませんでした。 「もしかして、ノエルもユーノくんが好きなのかな?」 その八つ当たり……それは無いよね。 ファリンに同情しつつ、ユーノくんと二人きりにしてくれたノエルに感謝。 すぐにユーノくんを部屋に連れて行こうかと思ったけど、庭の草の上で気絶してる横顔を見てやめた。 気が引けたっていうより、もう少しこの顔を見ていたいなって思ったのが本音だと思う。 「ちょっとイジワルかな?」 「う……ん」 苦笑しながら呟くと、彼が顔を顰めた。 起きるかなって思ったけど、そのまま穏やかな寝息を立てて眠ってしまった。 ホッとしたような、残念なような、そんな複雑な気持ちが湧き上がるのを感じた。 でも、嫌な気分じゃない事は解る。 むしろ、楽しく思ってる自分がいる。 「ふふ♪」 「う〜ん」 横になってる彼の隣に座り、彼の頭を自分の膝の上に乗せる。 こうして見ると彼の顔が間近でよく見れて、尚更綺麗で整った顔立ちをしているのが解る。 何となく、手持ち蓋さになったので、ちょっと彼の頭の天辺の髪を弄ってみる。 気になるのか、彼は顔を顰めながら唸り始めたけど、振り払おうとはしない。 それが少し可笑しくて、心が温まるのを感じて……ああ、幸せだなぁって思えた。 見上げると、空は何処までも青く広がっていた。 日溜りの中、彼の寝顔を見ていたらわたしまで眠くなってきた。 今日は沢山お話したいなって思ってたのに、勿体無かったかな。 でも、こんなに長く、近くで彼の顔を見れたから、役得かもとも思えた。 裏話 「酷いですお姉様〜、首がバチバチいってますよ〜」 「ファリン。もし私があそこで助け舟を出さなかったらどうなってたか解らないんですか?」 「はい?」 「あの時のお嬢様の眼……あれは狩人の目でした」 「え、えうあう……じゃ、じゃぁ」 「ええ。寝てるとは言えど、今お布団を持っていこうものなら例え私達であろうと」 影で妙なことを言われていることも気付かず、すずかはユーノに膝枕しながら気持ち良さそうに眠っていた。 続く? 前回、緊急入院をお伝えしたシャマルさん。 その後の経過はというと。 「おめでとう本郷猛くん! キミは」 「やめてー!! やめてジョッカー!!」 「死なせたくない。ならば方法は一つ」 「患者違いますよ先生ぇええーーー!!?」 「上の上ですね……見た目は」 「見た目は!?」 「清らかなる心持つものこれを身に着け邪悪と――」 「いやぁぁああああーーーーー!!!?」 「全人類をワームに」 「天道さぁあああああああああーーーーーーーん!!?」 色んな名医に見られて順調に回復に向ってます。 良かった善かった。 『ピピ、ミナサン。モウ少シ、オ待チ下サイ。私、出番。モウスグデス』 「誰!? こんなロボ作ったのって擬態!? 擬態なの!? 誰か助けてぇーーー!!!??」 シャマルちんピンチ!!! ピンチのシャマルに救いの手は現れるのか!? 救いの羽はナイトかイ●ジンか!? 次回SYAMAIR −夕影− 「ところで、イマジンって聞くと学研のオバちゃんを思い出すのは私だけ?」 前回、全力全開で暴走したなのはとリイン。 結果だけ言えば、ユーノ達は取り合えず生きていた。 ただし無事だったのは女性二人だけで、ユーノはヤバかった。 何がヤバイって、なのは達がぎゃわわわわーーーー!! って感じで駆け寄った時。 彼は地面に仮面ライダーカブトのマークっぽい形で地面に突っ伏し、黒焦げになっていた。 それだけならまだ良かったのだが、横を向いていた彼の顔はゾンビの様に枯れ果ててた。 瞳は瞳孔が開き中途半端な白さを持ち、口もまた中途半端に開いてそれが尚リアルな死者を連想させた。 その後、心肺蘇生を行なおうとした際に再びなのはとリインが暴走し始めたのをすずかが止めたり。 何処かの校長と階段を登り始めたユーノをアリサのツッコミで引き戻したりと、ちょっとした一悶着もあったが何とか蘇生。 回復魔法を行使し、安全圏に到達した所で落ち着いて話が出来る所へ移動となり現在彼女達は温泉旅館へと来ていた。 で、現在何をしてるかと言うと。 「えっぐえぐ……ヒックッゑグゥエ……ユーノくぅぅううん」 「グシュグシュ……ユーノさぁぁぁぁん」 「二人とも、泣いてないでちゃんと反省文書かないとダメだよ?」 なのはとリインは泣きながら、指揮棒を手で弄ぶすずかに反省文を書かされていた。 心成しか、すずかが怒っている様に見えるのは気のせいだろうか。 そんな疑問なぞ頭の片隅にも置かずに、恋する乙女二人は400字詰めの原稿用紙を瞬く間に文字で埋めていく。 内容は……発行の手順で不具合が生じた為に改修させて頂きますとしか言えない。 そんな中、肝心のユーノはと言うと。 「ぅぅ〜ん」 「なんであたしが……」 アリサが膝枕しながら看病していた。 りりかるなのは? 傍観×横槍=ご利用は計画的に、漁夫の利を得るのは策士的に ユーノが豪い事になった時、慌てふためき色んな意味で暴走したなのは達を止めたすずか。 その時の彼女のオーラは何故か逆らえない物があった。 ユーノの看病を誰がするかでもめた時も、彼女の落ち着きながらも底冷えするような口調に全員が恐怖した。 そんな彼女がアリサを看病に抜擢したのは、一番安全そうだからとの言。 「まぁ、あの二人に任せたらとんでもない事になりそうだしね」 「ぅぅう……ぅん?」 「あ……目、覚めたの?」 「……!!!?」 「きゃぁ!?」 目を覚ますと呆然としていたと思ったら、何かに驚いたように突然上体を起こす。 アリサが驚いているのに気付かず、ユーノは目の前の窓から見える太陽を視界に入れた。 その瞬間、彼の中でダムが決壊するように何かが溢れ、瞳から涙が零れそうになった。 「あ…」 「ちょっと、ユーノ」 「え? ありった!?」 ユーノが振り返ると、脳天に垂直チョップが叩き込まれた。 何か妙な予感を感じたアリサの超直感がその行動を起こさせたのだ。 でも、普通にあれだけの魔力の放流を間近で受ければ、後ろにいた二人がどうなったのか。 新人戦士の初めての決戦の様に不安に思うのも仕方ないだろう。 「え? あれ?? 僕は一体……確かなのはとリインの砲撃が」 「言わないで、あんな巻き添えで死にそうな目にあったなんて思い出したくない」 「そうだ! アリサ、すずかは? 大丈夫だったの!?」 ユーノの剣幕に一瞬気圧されたが、すぐに呆れたように溜息を吐く。 まったく、この男は……というか、自分の知り合いはどうしてここまで自分の事を省みないのか。 やれやれといった感じでいるアリサを見て怪訝な顔をするユーノ。 「大丈夫よ。すずかもあたしも、ユーノのお蔭で怪我も無かったわ」 「そう……良かった」 「良かった。じゃ、無いわよ!」 言いながらアリサは人差し指でユーノの額を小突く。 ユーノはキョトンとしながら、目を瞬かせながらアリサを見る。 「なのはが良く無茶するって言うけど本当なのね。なのはが心配するのも解るわ」 なのはの話をされて、なんとも言えず後ろ頭を掻く。 「でも、ありがとう」 「え?」 「一応、あんたには助けられたからね。ありがとうユーノ」 「あ、うん。痛たた……!」 ズキリと痛みが走り、痛みに顔を顰めて肩を抑える。 「大丈夫!?」 「うん。ちょっと痛んだだけで、大した事はないよ」 「焼死体になりかけといて、大した事ない筈ないでしょ」 「焼死体って……」 苦笑するが、アリサの青褪めた真剣な表情から一笑にすることは出来なかった。 自分でもあの殺人的な濁流に飲まれて、良く無事だったと思う。 実際は無事ではなかったが、彼には解るはずもない。 (ああ、良く生きてたなぁ僕) 「あのさ、ここ温泉みたいなんだけど。腰痛とかにも効果あるみたいだから入ってきたら?」 「温泉かぁ…そうだね。入ってみようかな?」 なんで温泉に来たのかは、取り合えず聞かないで置く。 普通病院だろう。けど、どう説明すれば良いのかこんな珍事件。 色々考えると泥沼に嵌りそうなので、取り合えずユーノは温泉へと向う事にした。 「よっと、アリサはどうするの?」 「え?」 「そう言えばなのは達もいないし、何処にいるのかな?」 「……気にしないで早く入ってきちゃいなさいよ。お風呂セットは露天の入り口で貰えるみたいだから」 「うん。解った」 少しよろめきながらも、伝い歩きで部屋を出るユーノ。 その姿を見送りながらアリサは、親友の言葉を思い出す。 「ここまではすずかの言う通りにしたけど……なにを考えてるのよすずか」 「知りたい?」 「わきゃぁ!?」 急に真後ろから肩を掴まれつつ話しかけられ、思わずシェーのポーズで驚く。 「すすすすずか!?」 「アリサちゃん落ち着いて」 「あ、あんた何処から」 どうして誰もいなかった筈の部屋に、しかも入り口や窓から侵入した形跡も無くどうやって入ったのか。 アリサの当たり前の疑問に、すずかは微笑だけで返す。 それが何故か恐くて深く追求できなかった。 「さ、アリサちゃん。折角だから私達も温泉入ろ♪」 「え? なのはとリインは?」 その質問にも微笑みだけで返し、アリサの手を引っ張って部屋から出る。 廊下を出てからすずかに案内され、少し歩くとロビーで二人の姿を見つけた。 なのはとリインはホールのテーブルで何故かコックリさんをしていた。 何故か見知らぬメガネ&波塀式バーコード頭のおじさんも一緒だった。 「なんでなのは達はコックリさんなんてやってんのよ」 「違うよアリサちゃん」 「なにが違うのよ?」 聞くとすずかはチョイチョイと手招きをして、彼女達に近づくように指を指す。 疑問に思いながら近づくと、なのは達が妙に緊張したような面持ちで。 弱冠ギャグ調に悶えてたり、涙目になったりと急がしそうに表情を変えているのが良く解った。 どうやらかなり集中してるようで、アリサが声が聞き取れるくらい近づいた事にも気が付いていないようだ。 「ポチョムキンって何なの〜!!?」 「助けてって、勝手に動いてます〜!! しかも辞めようとしても許可してくれません〜!!」 「ポックリさんポックリさん。どうかお怒りをお沈め下さい!!」 「何が違うかー!!」 つい我を忘れてちゃぶ台返しをしてしまったアリサ。 ゼーハーと荒く息を吐きながら、なのはとリインの前に仁王立ち。 「あ、アリサちゃん」 「なにをやってんのよあんた達は」 「ぽ、ぽっくりさんにどうしたらユーノさんに赦してもらえるかを聞いてたんです」 「だから、どう違うのよ」 「ま、マズイ!! 儀式を途中で辞めたりしたら!?」 アリサが呆れて額を指で押さえていると、テーブルの下敷きになっていたおじさんが慌しい声を発した。 その目の前にはポックリさんに使われていた一枚の紙。 次の瞬間、紙の中心から黒い靄の様なものが飛び出るように現れる。 「しまった!? 闇黒破壊王ポチョムキンが復活してしまったか!?」 「だからポチョムキンって何なのよー!?」 「な、なんて魔力なの!?」 「こんな禍々しい魔力。これは一体!?」 「え? そんなにシリアスな場面なのコレ!?」 馬鹿らしいやり取りに着いていけなくなってきたアリサ。 だが、なのは達の表情からとんでもないものが出てこようとしているのが解り更に混乱する。 そう言えばとすずかの姿を探すと、何時の間にかいなかった。 「すずか!? どこに行ったのよ!?」 「来ます!!」 「野郎が何を考えてるか解らないけど、次にヤツの姿を見たら多分なのは……プッツンするだろうという事だけなの」 「あたしは作者にプッツンしたいわ」 黒い靄が虹色のような光に寸断され、異世界の扉が開く。 その奥から、邪悪な意思を持った黒き衣を纏うものが歩み出て笑みを作る。 「彼方は一体何者ですか!?」 「本土側のアルター使い、無常 矜侍で」 「ナノブリットォオオオオオオ――― バァアアストォォォオオオオオオオオ!!!!!」 「オボロォオオオオオオオオオオオオ!!!??」 なのはは全力全開で黒スーツの男を殴り飛ばした。 男が吹き飛ぶついでに次元の断層も急速に閉じて行った。 何か色々ヤバイ気がしたのを自覚してるのだろうか。それとも世界の修正効果か。 もう既に遅いと解ってるが、それでも入っちゃイケナイ事がある。 って言うか、どこまでネタで拾うつもりだ。 「はぁ、はぁ」 「終わりましたね」 「早!?」 「まだだ! まだ終わらんよ!!」 悪役的な発言に振り向くと、そこにはデュエルディスク(旧タイプ)を腕につけたマスオ(仮名)さんがいた。 今ので一緒に来たのか? で、ついでにアルター使いになったのか? 言いたい事や言わなければならない事は多く限りなくあるが、それらを集約して立った一言。 身体を捻り、全身のバネを最大限に活用し、遠心力に乗って両手を振るい、一定の位置で止めながらアリサは言う。 「何で・ダーーーーーー!!!?」 「僕のターン・ドロー!!」 アリサの華麗なる零式突っ込みをカレーにスルーしてマスオ(仮名)はカードを一枚引く。 さり気なく本人の絵柄や表情が修正されていて、中途半端に格好良くなっているが、所詮は映画もクソも無いサラリーマン。 埼玉に住む超絶幼稚園児の父・ヒロシ(仮名)のような劇画的風格は無い。 「さっきから何なのよ。このやりようの無い殺意は」 「死者蘇生!!」 「そんな!?」 「死者……蘇生!?」 怒りに震えるアリサを無視して、盛り上がるなのは達。 この辺に立ち入ってる人なら大抵は知っているであろう死者蘇生のカード。 効力はその名の通り、死んだ者を蘇がえらせ、生きかえらせる事。 即ち黄泉還り。昔映画であったような事が起こるのだ。 「まさか!?」 「そう、僕が蘇らせるのは最強の存在ぃ!!」 「ねえリインフォース。直接あいつ殴らないの?」 「そんなのより、あのデカイ方が倒し甲斐があるでしょうなの」 「なのは」 「それは残念。折角このピンチガードを――――」 どっかのリーマンもどきがなにか語るのを無視してアリサは友人の変わりように嘆く。 そうしている間に、デッキにカードを組み込み、モンスターを召還するリ−マンマスオ(仮名)。 「さぁ出でよ! 最強のカード!! 鋼鉄の王者!!! 破壊の魔神ンンン!!!!」 カードが機械にセットされ、周囲の建物を原子分解・部品として組み込み再構成。 あたりロビーの床をブチ破り、瓦礫を舞い上がらせながらその巨体を現していく。 咄嗟になのはとリインフォースはアリサを庇い、防御魔法を展開する。 そして見た。 彼女達の眼前に現れた、緑に輝く機械の双眼を。 「出でよ!! 最強のリアルロボット! ダイ・ガァアアーーーーーッド!!!」 高々に叫ぶマスオ(仮名)。拳まで上げてノリノリである。 そのある意味可哀そうな姿を、なのは達はジョジョ風の顔に目の所のペン入れを忘れたような表情で眺めていた。 ちなみに、その他の一般市民は見事に瓦礫を避けて旅館の外へ逃げ切っていた。 おかしもを護り、ちゃんと歩いて脱出したお蔭だと後の女将は語っていたという。 その頃のユーノ。 「ユーノくん。温泉、気持ち良い?」 「ぁぁ……うん、きき、気持ち良いよ!?」 バスタオル一枚で身体を隠したすずかの胸が背中に当たっていた。 後書き はい、今回はいちゃいけない人がゾロゾロ出ましたねー。(今回もだろ) いやだって今日スクライド見たんですよ。 んで、あやせが死ぬ回の挿入歌が良くてさぁ。 なんか色々出したくなっちゃったのさね。 さぁて、すずか行き成り出しちゃったからな〜裏面的な何か。 次回はそうさな、バーニングアリサに向けて突っ走るか。 そうさ、立ち止まらずに突き進む。 すっごくやっちゃイケナイ事ばかりやってる俺だからこそ前に向って突っ走る!! 意地ってもんがあるんだよ、男の子にはぁ!! とか言いつつ、退くに退けない所に来た事の言い訳を言ってみたり。 ラディカルグッドスピードゥ!!! ≡≡≡≡≡≡大 |