“ユーノとなのはと久遠とお昼寝なの”

「ただいま〜」
その言葉とともに、ぼくは高町家の玄関をくぐった。
「ふあぁ〜」
眠くて仕方がない。
昨日は、どこぞの執務官のせいで徹夜作業。
(まあ、次の日にまわさずに徹夜をしてまで終わらせてしまうあたり、あいつのことを「仕事人間」だとバカにできないと思うけど。)
このままベットに入って寝てしまいたい。
そんな誘惑に駆られながらふと縁側を見ると、そこには2匹の小動物の姿があった。
1匹は小さな狐。
もう1匹は毛色が少し桜色がかったフェレットのような動物。
2匹は縁側に座布団を敷き、その上に丸くなって眠っていた。
「なのはってば、玄関も閉めずに無用心だなぁ。」
そうつぶやきながら、ぼくは2匹のそばへ行く。
「よく眠っているね、なのは。」
そういって、2匹のそばに腰を下ろすと、フェレット・・・なのはの毛をなでる。
よく眠っているらしく、なのはも、狐・・・久遠も目を覚まさない。
つい最近、なのはに変身魔法を教えてからというものの、何かにつけてすぐに変身するようになった。
何でもいつもとは視点が変わるので面白いらしい。
今日はどうやら、久遠と縁側でお昼寝しようと変身したようである。
ぼくはなのはと久遠を抱き上げると、背を預けられる場所に座り、ひざの上に2匹をおく。
これだけ動かしても目を覚まさないなのはと久遠のほほえましい姿を見ながら、眠気のリミットがきていることに気づく。
いいや、このまま寝ちゃえ。
そう思いながら、ぼくはまどろみの中に身をゆだねていった。
「おやすみ、なのは、久遠。」


「うにゃ〜」
ぽかぽか陽気にあてられて、くーちゃんといっしょにすっかり眠っちゃった。
ぐるっと見回すと、くーちゃんが狐の姿で丸くなっていました。
あれっ?
くーちゃんの向こう側にわたしたちが寝るために敷いてあった座布団が見えます。
いつの間に移動したのかな。
でも、縁側に直接寝ていたにしては、体は痛くないし・・・
そう思って、さらにぐるっと見回すと・・・
「にゃにゃにゃっ。」
見知った顔がわたしの上のほうにありました。
「ゆ、ユーノ君!」
どうやら、わたしたちはユーノ君のひざの上で寝ていたみたい。
「え、あ、どーゆーこと?」
確か、ユーノ君は昨日から徹夜でいなかったはず。
私はパニくりながらも、ユーノ君のひざの上から降りました。
変身を解き、元の姿に戻るとくーちゃんを抱き上げユーノ君の隣に座ります。
そーいえば、こうやって無防備に眠っているユーノ君を見るのって結構久しぶりかも。
最近休みの日がなかなか合わないため、朝食の時間くらいしか会うことがなかったし。
でも、寝顔を見ていると、かっこいいというよりかわいらしいかな。
そうやって、寝顔を覗き込んでいたら、突然ユーノ君が手を伸ばしてきてわたしを抱きしめました。
「にゃにゃにゃっ!」
あわてて、くーちゃんがつぶれないように床に下ろすことができましたが、わたしはユーノ君に抱きしめられてしまいました。
「ゆ、ユーノ君、ちょっとっ・・・」
なんとか振りほどこうとしましたが、さすがに男の子。
わたしの力では振りほどけません。
起こそうとしても、全然起きてくれないし。
しばらくもがいていたけれど効果なく、わたしはあきらめてユーノ君に抱きしめられるがままになってしまいました。
わたしの顔はユーノ君の胸の上。
耳に聞こえるのは始めて聞くユーノ君の心臓の鼓動。
とくん、とくん
そんなユーノ君の音を聞いているうちに、また眠くなってきちゃいました。
ま、いっか。
わたしは痛くならないように体の位置を置き換えると、ユーノ君に寄りかかるようにしてまた眠りにつきました。
「おやすみ、ゆーのくん・・・」


目が覚めたユーノがなのはを抱きしめていたことに驚くのはもうまもなくの事。


あとがきという名の座談会なの

というわけで、なんとか書き上げた・・・
なのは「お疲れ様〜」
あ、ありがとう。
ユーノ「で、今日僕らを呼んだのは?」
あ、ユーノもきてたんだ。
ユーノ「きてたって・・・あなたが呼んだんでしょうが。」
そういやそうだった。
まあ、今回のお話のあとがき代わりに、出演者呼んで座談会でもしようかなと思って。
久遠「でもくおん、ずーっと寝てただけ・・・」
あ、あはははは・・・
ごめん、久遠。
今回は二人に出番譲ってあげて。
久遠「うん、いいよ」
く〜、久遠はいいコだなぁ。
なのは「それより、なにを話せばいいのかな?」
う〜ん、実は全く決めてなかったり。
ユーノ「なんだそりゃ」
そういうな。
ほとんど突発に書いた話だし、あとがき書くつもりも最初はなかったし。
大体、最初はユーノの話だけで、なのはのパートはなかったんだよ。
なのは「えっ、わたし出番なしだったの?」
ぶっちゃけ、そういうこと。
一度、ユーノパートだけで完成にしたんだけど、そのあとになのはパートを思いついて追加したのが今回の話。
さすがに、久遠パートは作れなかった。

ところで、今回の話に私的設定が入っているんでちょっと紹介しようかなと思うんだけど。
久遠「してきせってい、って?」
まず、ユーノ。
ユーノ「ぼく?」
そ。
君は闇の書事件のあと、アニメ本編では管理局の用意した寮に入ってるんだけど、ここでは、現在高町家に居候中。
なのは「そうだね。わたしが無理言って引き止めたんだっけ。」
ユーノ「そんなことないよ、なのは。あの時はすごくうれしかったし。」
なのは「そう?それならよかった。」
ユーノ「士郎さんや桃子さん、恭也さん、美由希さんもいろいろよくしてくれてるし。高町家の一員として迎えてくれたのがすごくうれしかった。ありがとうね、なのは。」
なのは「にゃはは、お礼はいいよ〜」
お〜い、いちゃつくのはあとにしてくれ〜
なのは「にゃにゃにゃっ」
ユーノ「い、いちゃついていないよっ!」
・・・まいっか。
でもうひとつが、久遠。
久遠「く〜ん、くおん?」
そう。
実は知ってる人は知ってると思うけど、久遠はリリカルなのはの原作であるとらいあんぐるハートに登場するキャラの一人なんだ。
あっちの久遠は、祟り狐という化生で、いろいろあって向こうのなのはの友達なんだ。
なのは「へ〜、わたしとくーちゃんって友達なんだ。」
久遠「くおん、おねえちゃんとともだちでもうれしいな。」
なのは「ありがと、くーちゃん。」
だけど、こっちの久遠は妖怪じゃなくてなのはの使い魔。
素体となった動物はもちろん狐。
ユーノ「あの時は大変だったよなぁ。」
なのは「そうだねぇ。」
ま、そのときの話は、そのうちできたらやるかもしれないけど、今回はパス。
ユーノ「面倒くさがってる。」
面倒なんじゃなくて、ここでばらすとぶっちゃけネタがなくなるだけ。
ユーノ「おいおいおい。」
いいだろ、別に。
そう簡単にネタが出てこないんだし。

ま、そんなわけで、今回の座談会はおしまい。
なのは「えっ!もう?」
こっちもネタ切れなんだよ〜。
ユーノ「しょうがないなぁ。」
うるさいやいっ!
それじゃ、次回作に、
なのは、ユーノ、久遠「ドライブ イグニッション!」





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