俺の名は……。職業は高町なのは専属記者ってとこ?

調印式も無事終わり王女一行が帰途に着く前に俺は非公式の晩餐会に招待された。
一応あの場に居合わせた者への礼と慰労のためだそうだ。まあ柄に合わない事は
コリゴリだが向こうが来いと行っている訳だし行ってやるか。
色々な奴に貸しを作れたし、そんな悪い事ばかりではなかったしな。

俺は時空管理局地上本部からほど近い王女が宿泊しているホテルに向かった。
到着した俺は先客の姿を見つけた。栗色の髪をサイドポニーにしている娘だ。

「よっ、なのは」
「こんばんわ……さん」
「あれから人気急上昇なんだってな」
「もう...」とむくれる なのは こうしていると年相応の女の子だ。
「もう……さんのせいですよ。一生恨みます」となのは。
「まあまあ、これでおばさんに睨まれる事はなくなるよ」
「でも……さんには助けてもらったし感謝しておきます」
「そうか、じゃあ今度水着写真を撮らせてくれよ」
「絶対おことわりしますっっ」

とまあ、これが高町なのはと出会った顛末だ。とりあえず俺の話はここまでだ。
俺は彼女に出会えて良かったと思っているが向こうはどう思っているかな。
取材対象に煙たがられるのは常だし最初の頃ほど嫌な顔をされなくなったので良しとしよう。




なのはが寮の自室で寛いでいると、はやてからそして程なくフェイトからも着信があった。

「この間のテレビ中継みたで」「私も」
「にゃははは...」
「ほんまカッコ良かったで」「うん、凛々しかったよ」
「にゃははは...ホント恥ずかしいよ。あんなのが生中継されるなんて...もうお嫁に行けないかも...」
「なのはにはユーノがいるから良いじゃない」
「とほほ...ユーノ君にもあまり見られたくないかも...」
「乙女心やね。でも聞いたよ。アレから女子にも人気爆発なんやろ」
「うん、前はサイン求められるのは男の子だけだったけど最近は女の子の方が多いの...」
「ドレス姿もすごく可愛いかったもんな」「うん、もう一度見てみたい」
「でも人通りの多い所で取り囲まれちゃうと周りの人に迷惑かかるし恥ずかしいし...」
「すごいなぁ」「すごいね」
「この間なんか赤ちゃん抱いた女の人から、この子が強くなる様、抱いてやって下さいとか頼まれたりして...」
「あはは、お相撲さんみたいやね」「...」
「でも私の事見て泣き出す子もいたりして、ちょっとショック...」
「あははは...全然怖いことあらへんのにな、笑ろうてんとしょうが無いな」「あははは...」と乾いた笑い声。
「二人ともひと事だと思って...」
「ひどい人になると、ここでバスター撃ってくれとか言うのよ」
「はあぁぁぁ...」「へぇぇぇぇ...」
「アクセスシューターで、ぶってとか...」
「マニアやねぇ...」「ホント...」
「ホント勘弁して欲しいよ...」
「そういえば、アレから王女様はどうしたん?」
「うん、とても喜んでくれて私の事を気に入ってくれた見たいなんだけど」
「なんだけど?」「ふんふん」
「お誘いもいただいたけど流石にお受けする訳にもいかなくて...」
「どんなお誘いやったん?」
「いっしょに帰って近衛隊長にならないかとか...」
「すごいなぁ」「すごいね」
「とかね....」と一晩中話つづける なのはたちだった。

魔法少女リリカルなのはStrikerS Before Story 「スタア誕生」(完)





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