今日は6月4日――古代遺失物管理部機動六課部隊長・八神はやて、20歳の誕生日である。 そこで六課は最低限の人員を残し、隊舎のロビーを使って誕生日パーティーを開く事にした。 はやてに黙って準備を推し進めて見事サプライズに成功した。翠屋の謹製のバースデーケーキのろうそくも吹き消し終わり、パーティーは盛り上がりを見せ始めていた。 そんな時、彼女の師匠であるゲンヤ・ナカジマから祝い酒が届いた。 はやては『祝い酒』と書かれた箱を見ながら苦笑する。ヴォルケンリッターは飲まないように言ったが、それに対し、はやてはこう言った。 「わざわざ送ってくださった物やし……飲まな悪いよ。それに、せっかくハタチになったんやしな」 中には数種の酒が入っていて、まず彼女はビールを取り出した。 だが、この酒が原因でまさかあんな事になるとは……この時は、まだ誰も誰も知らない。 そう、地獄が始まったのだ。 ――(10分後) ワインを片手で持ったはやては、 「なんや、めっちゃ楽しなってきたわ!」 とチーズを挟んだクラッカーを摘みつつケラケラと笑っている。 ――(25分後) 日本酒をグイッと煽ったはやては顔を赤くしながら、座って誰かと談笑していると思われるなのはをボンヤリとした視界で捉えた。 はやてはコップをテーブルの上に置くと、ゆるりと近づいて彼女の背中にゆっくりとのしかかった。 「なのはちゃーん。最近、新人達はどない感じや? 私そっち方面じゃ何にもお手伝いできひんしなー……」 「は、はやてちゃん。その事は前にも話したし、報告書にも書いたよね? それより、飲み過ぎだよ? それ以上乗っかからないでー!」 そんな事など無視して、さらになのはに体重を預けるはやて。しかし、彼女の手が不意に脇腹に近づいた時、ピクリと反応した。 はやてはゆっくりとソレに触れる。 「ふえ?」 「なのはちゃん。最近、また大きくなったんとちゃうか? 全くユーノ君が羨ましいわ」 「ん、あ……はやてちゃん!?」 揉みしだかれ、なのはは思わず声が上ずる。 「そや! せっかくやし、普段コミュニケーション取れへん新人達と親睦をふかーくしとこか?」 しばらく、なのはの胸を堪能していたはやてがフラリと立ち上がり、ワキワキと不気味に手を動かすはやて。その少し離れた所にいたスバル達はその迫力に立ち尽くす事しかできない。 「え、あ、あの……」 そんなスバル達に、ダメージの抜け切っていないなのはは叫ぶしかない。 「みんな逃げてー!!」 それに真っ先に反応したのはフェイトだった。 振り返り全員に告げる。 「みんな、私の後ろに!」 しかし、それがいけなかった。向き直ったフェイトのすぐ目の前には――はやてがいた。彼女はニンマリと笑う。 結果、全員が餌食になった。 ――(1時間後) 隊舎の外にあるベンチに二人の人間が座っていた。 「うぅ、キモチワルイ……」 「初めてなのに飲み過ぎですよ、部隊長」 青い顔するはやてに、ロングアーチスタッフ・グリフィスが言う。 彼らは被害にあったメンバーの医務室に搬送し終わり、はやての酔いが覚めるのを待っていた。 グリフィスははやてのお目付け役だ。ついでにザフィーラも地面に伏せて、はやてが暴走した時のために待機している。 グリフィスははやてが飲んでいた水の入りペットボトルを受け取りながら言う。 「第一、なんであんな事するんですか?」 「え、それはその……」 珍しく口ごもるはやて。 グリフィスは怪訝にしながら彼女の言葉を待った。直後、はやての体がグラリと揺れ、彼に寄りかかった。慌てて受け止めた彼をはやてが見上げる。 「あたしやって女の子やし、他の娘の事とか物凄く気になるんよ……」 こちらを見る上目遣いの目は潤んで、とろんとしていた。酒のせいもあるだろうが頬が上気していて、彼女のやや控えめな二つ膨らみが肩に押し当てられている。タイトスカートから伸びる足は難とも艶かしい。 何より、体から発せられる女性特有の甘い香りに、グリフィスの理性のタガが外れかかる。 が、 「ウプッ」 はやては口を押さえる。 「え?」 惨劇だったという。 ―――――――――― はじめまして初登校の福神です。 友達百人できるか楽しみです。 すみません。くだらないです。 基本テンション低いです。 よろしくお願いします。 |