久しぶりの休日、ユーノとフェイトが並んで立っている。
フェイトが言った。
「もうすぐ、なのはが来るよ」
「そうなんだ」
ユーノは嬉しそうに笑い。それを見たフェイトの目付きが変わった。
「言っとくけどユーノ。なのはに近づいたら許さないから」
「それは無理だよ。僕はなのはを愛しているんだ」
「それは私も一緒だよ。ただ、ユーノはなのはに相応しくないよ」
「なんで?」
「いつも書庫に篭ってる引きこもりモヤシ野郎になのは守れないって言ってるの」
「共に助け合う事はできるさ。それに君だって人の事言えないよ。君はなのはを守れてないじゃないか?」
「A.s1・2話でなのはを助けたじゃない!」
「あの時は僕もいたから、無効。それに僕は結界でなのはを守って結界を破壊しようとしながらヴィータの足止めをしてたのに、君は戦闘に専念してたのにも関わらずシグナムにあっさり負けちゃったじゃないか」
「でも、その後、シャマルさんから守れなかった!」
「それは君も同じでしょ? しかも、君は僕の治療をただ見ていただけだったし」
「くっ! でも、ユーノはその後から書庫に行って何もしてないよ」
「それは闇の書の資料を探すためで――」
「闇の書の封印方法を調べていたのに、結局その歴史しかわからなかったよね?」
「ぐっ! それだったら君は闇の書に吸収されて迷惑かけた!」
「それは!――」
「あの時、君の脱出方法をなのはに教えたのは、僕何だから少しは感謝してほしいね? それに、一期だって君はなのはに守られてばかりだった!」
「12話でなのはを守った!」
「僕はそれ以前から、ずっとなのはを守っていたさ」
「来て、いきなり自力でのジュエルシード集めを諦めて一般人に頼ったユーノに言われたくないし、第一うっかりジュエルシードを搬送に失敗したじゃない!」
「うっかり嘱託試験を落ちたと勘違いし、執務官試験を2度落ちた君に言われたくない!」
「くぁっ! なら、今はどう!?」
「今?」
「そうよ。傍にいなくちゃ、守る事もできないよ?」
「ははは、墓穴を掘ったねフェイト」
「何ですって?」
「『傍にいる事ばかりが守る事じゃない』君は自分の使い魔の言葉と、僕の仕事をも忘れたのかい? 僕の資料は遠からずなのはを守っているんだよ。なのはに相応しいのは僕だ!」
「私だよ!」
その時だった。近くの茂みから二つ人影が飛び出して来た。
「なのはを守るのは……相応しいのはアタシだ!」
「いいえ、なのはさんに……なのはお姉様に相応しいのは私です!」
フェイトは驚きの声を上げる。
「ヴィータ! スバル!」

それから15分後……。

「なのはは誰にも渡さねぇ!」
「なのはお姉様は私の物です!」
「なのはは僕が貰う!」
「なのはは私がお嫁さんにするんだ!」
十数分もの間、ずっとそんな言い合いをしていた4人はソレに全く気付かなかった。
「……みんな、何やってるのかな?」
ビクッ、4人の一斉に止まり、全員声のした方を向く。
そこには、なのはがいた。しかし、前髪のせいか目元は暗く、なぜかその奥から赤い光が見えた。
「なのは(さん)これは――」
4人は何とか弁解しようとするが、
「バスタ―――ッ!!!」
「「「「早っ!」」」」
すでに桜色の奔流に飲み込まれていた。
その後、4人は病院で、なのははエベレストに並みの始末書のせいで休日を潰したらしい。





――――――――――
ども、福神です。
二本同時投稿お楽しみいただけたでしょうか?
そして、コンさんには面倒なことをさせてしまい誠に申し訳ありません。
えー次回は、みなさん大好き○○○リが登場します。キャロの隠された能力が明らかになるかも……?





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