「八神部隊長、なんですかコレ?」
「これか?これは地球で撮った写真や」

機動六課の談話室、そこに、はやてとフォワードメンバーが机を囲んで二冊のアルバムを見ていた。
アルバムの中にははやての幼少の頃の写真や、守護騎士の写真が沢山あった。

「わぁ、シグナム副隊長の寝顔初めて見ました」
「スバル、それは夜更かししてソファーで寝とったシグナムをシャマルが撮った写真や」
「じゃあコッチの泣いてるシャマル先生は何したんですか?」
「ゆで卵をレンジで作ろうとして爆発した結果やw」

スバルとティアナが質問している間、エリオはもう一冊のアルバムから写真を一枚抜き、ずっと見ていた。それは、はやてに満面の笑みで抱きつくヴィータの写真だった。

「可愛いな/////」
「エリオくん・・・どうしてその写真ばっかり見てるの・・・」
「私服姿もなかなか/////////」
「はぁ・・・」

この写真のどこかにヴィータ副隊長の弱みが写ってないかなぁ・・・無いだろうなぁ・・・

心の中でそんな事を思いつつ、キャロはアルバムのページを捲っていく
しかし、どこを見ても笑ってたり、怒ってる写真しかない
ページも段々無くなっていき、とうとう最後のページになった。
無いだろうと思いつつも少しは期待していたのにと嘆きつつキャロは最後のページを捲った
そして・・・

「・・・有った。ヴィータ副隊長の弱み」

キャロは一枚の写真をこっそりと抜き取り、ポケットに入れた。
これさえあれば、エリオくんたちを別れさせられるかもしれない・・・

「ふふふふふ」

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「ヴィータ副隊長w」
「・・・んだよキャロ、気持ちわりー」

訓練が終わったすぐ後、キャロはヴィータに話しかけた。
みんなの前で、あの写真を持って・・・

「エリオくんにそんな抱きついてもらっているのも今のうちだけです」
「はっ?」
「これを見てください!!」
「なっ!なんでこの写真を!?」
「ヴィータちゃん、一緒に写ってるのってあの子だよね・・・えっと、誰だけ」
「時空管理局で働いてるカイっていう男の子だよ」
「ああっ、そうだった。有難うフェイトちゃん」
「そんな/////なんでことないよ////」

なのはとフェイトが話をしている間、エリオの顔を見たものは5mくらい距離を取った

そこには何時もの明るい表情は無く、静かに怒っていて怖かったです。(のちにSさんとTさんは語る)

そうさせた物、エリオたちが見た写真はヴィータとカイが仲良さそうに抱き合って笑いあってるものだった

「ヴィータ・・・コレ、何ですか?」
「えっと・・・コイツはカイって言ってな・・・」
「名前なんか聞いてません」
「エリオくん、ヴィータ副隊長は浮気してたんです」
「違う!!」
「ヴィータ、僕の部屋で二人っきりで話しましょうか」
「・・・・はい」

いつもだったらヴィータの隣を歩いていくエリオが、今日はさっさと行ってしまう
その背中を重い表情でついていくヴィータ
てっきりその場で別れるのを期待していたキャロは首を傾げた

「あれ?おかしいな・・・」

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「で、結局あれは誰なんです?」
「その前にこの体勢はなんだ・・・」

この体勢・・・
ヴィータはエリオのベットの上でエリオに押し倒されていた
しかも、たちの悪い事にエリオの両手は逃げられない様ヴィータの首の横に。

「さぁ?」
「・・・・」
「質問の答えは?」
「・・・ああ!!もう、分かったよ!!教える。教えます!!!」
「うん」
「あいつは、その・・時空管理局に勤めててな」
「うん」
「あたしとエリオが知り合う前で、同じ所属だったんだ。それでゲートボールってスポーツが地球にあってな?あたしがしてるって、どっからかで聞いたみたいでさ・・その、教えて下さいって言われて」
「・・・」
「休みの日に地球行って、じーちゃんばーちゃんと一緒にゲートボールしてて、あの写真はカイも結構形が出来てきてからの初めての試合で・・・一番のライバルと決勝で戦って、勝って嬉しくって・・」
「あんな写真を撮ったと・・・」
「あれは知らない間に見に来てたシャマルが隠し撮りしてて・・・」
「まぁ、そのカイって人と何も無かったなら良いですけど」
「・・・うん、何も無かった。」
「今の空白が凄い気になるんですけど。まぁ・・・何か発覚した時はヴァイスさんから教えて貰った48手というものをやりましょう。一日4つずつくらい・・・12日くらいで終わりますよ」
「・・・」
「でも、今、この体勢をしていて逃す手はないと思うんです。」
「えっ」
「大丈夫、仕事に差し支えないようにしますから」
「はぅ・・・どこ触って・・・」
「僕、結構怒ってるんですよ。今日は一回で止めますが、何かあった時は本気で・・・」
「うっ、誰か・・・誰か助けてーーーーー!!!!!」

ヴィータの悲鳴は儚くも、部屋の完全防音で、誰にも届かなかった。
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ヴィータがエリオに襲われている頃、なのはとフェイトはシャワーを浴びていた。

「そう言えばさ、フェイトちゃん」
「なに?なのは」
「あのカイ君ってさ、ヴィータちゃんに告白したんじゃなかったけ?」
「うん、確か機動六課が始まる1ヶ月くらい前にね。でも断ったらしいよ」
「エリオはさ、知ってるのかな?」
「・・・さぁ」
「今、私の頭の中でね。48手って言葉が過ぎったんだけど、どうしてかな?」
「48手ッ!!なのは!!それは欲求不満が見せたものだよ!!私が手伝って・・・」
「うるさい」

SRB

「ふぅ・・・ちょっと血が飛んだけど、シャワールームで良かったw」
「な、なの、は・・・」
「なんか、幻聴が聞こえるのwもう一回」

SRB

「あ〜あ、また血が・・・今度は盛大に・・・」
「狽ネ、なのはさん!!一体なにを!!」
「スバル、ティアナ。良い所に来たね。ちょっと片付けといて」
「フェイトさん!!フェイトさん!!お気を確かに!!」
「あとヴァイス君の居場所分かる?」
「えっ・・どうしてですか?」
「ヴィータちゃんにヴァイス君のせいで危険が迫ってる気がするの」
「・・・さぁ」
「そう」

なのはの出て行く後ろ姿をティアナはずっと見ていた。
そして、本当になのはとフェイトは親友なのか、考え始めた。

「な、なの、は・・・これは愛情表現の裏返しなんだよね・・・ガクッ」
「フェイトさーーーん!!」

そしてフェイトとスバルのやり取りと聞き、現実から逃げた。

「どうしてSRBを撃ったはずなのに壁は壊れてないのかしら・・・不思議ね・・・不思議・・」
「ティア!戻ってきて!!フェイトさんも戻ってきてくださーーーい」

シャワールームにスバルの悲鳴が響き渡る。
同時刻、ヴァイスは背後から何者かに襲われ意識不明の重体に・・・
そして次の日、告白されたことを隠してくれとヴィータはなのはに頼み込み
また頭を撫でて良いという屈辱的な約束をさせられた。

「いつでも得をするのは私なのw」





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