「ぜぇぇぇりゃぁ!!」
「ハハッ!!」
短刀と槍の切っ先がぶつかりあい、火花を散らせる。

男は斬るというよりも叩くように短刀を振るい、それに対するサクヤは受け流しつつ鋭い反撃を加える。
しかし男の斬撃を三合受けては一合返すのが今のサクヤにとっては精一杯である。

「どうした!、力ずくでも話を聞きだすんじゃねぇのか?」
男が挑発し、更なる一撃を繰り出してくる。
それをなんとか回避するサクヤの顔には疲労の色が濃い。

「ハァ、ハァッ」
肩で息をしている上に、火災による熱気、および酸素不足により形勢は不利である。
そもそもサクヤは砲撃魔道師であり、ミドルからロングレンジの戦闘に特化している。
しかし、父やヴォルケンリッターからクロスレンジの戦い方は一応学んでいる。
であるが故のジャベリンフォルムなのだが、いかんせん今は環境が悪すぎる。
サクヤのクロスレンジの戦闘スタイルは、小さい砲撃を交えつつ間隙を突いて攻撃する、
というものなのだが、下手に砲撃を行使すれば男もろとも生き埋めになってしまうし、
全てをかっ飛ばすほどの大出力砲撃に、現在のアルケイオンは耐えられない。

「ハルミみたいに高速移動が使えりゃまだなんとかなるが……」
顎から滴り落ちる汗を拭いつつ男との間合いをはかる。
一瞬の隙を見出したサクヤは飛び掛るようにして斬りつける。

(手ごたえあり、か……!?)
伝わってきた感触から有効打が入ったことを期待したが、

あっさりと期待を裏切られることとなる。

アルケイオンの切っ先は男の手のひら大に発生させたシールドに阻まれていた。
「破ッ!!」
その様子を確認したサクヤはとっさに掌底を叩き込む。
あっさりとそれを回避した男はカウンター気味にサクヤの顎を蹴り上げる。
舌こそ噛まなかったものの目から火花が散り、足元がおぼつかなくなる。

(……ここで負けたら師匠に合わせる顔がねぇな)

完全無敵のACE OF ACE、その弟子がこんなところでやられたらなのはの名声に泥を塗りかねない。

故にサクヤは最後の手段にでる。
「ハッァアァァァァァァァァァアァァァアアア!!!!」
一気に魔力を砲撃状に収束する。
しかしそれは男に向けたものではない。
自分の進行方向とは反対の方向に収束し、
打ち出す。
「貫けぇえぇぇえぇっ!!」
相手の喉元へ一直線に突きかかる。
クロスレンジで現在サクヤが決め手として使える唯一の技。
かわされればまったく意味を成さない技、しかしこの狭い通路という状況ではまずかわされることはない。

しかし男は予想だにしない行動に出る。
突っ込んでくるサクヤに向かってきたのだ。


「ガキにしちゃ悪くなかったが、時間も無いんでな。」

男の凶刃がひらめき、


ズブリと音をたててサクヤのわき腹へとめり込んだ。







魔法少女リリカルなのは-After determination-

act05:予兆








そのまま壁に叩きつけられ、息が詰まる。
床に落下し、頭部を強かに打ち付け意識が昏倒する。
斬られたわき腹からは激痛が走り、バリアジャケットに紅い染みを広げる。

「……かはっ、ゴホッゴホッ!」
呼吸を試みるが上手くいかず、咳になってしまう。
すると今度は嘔吐感がこみ上げてくる。

「ちっ、意外に防御の出力がデカイなおめぇ。」
男の短刀がひらめくのをみたサクヤはとっさにフィールド出力を限界まで引き上げ、
なんとか上半身と下半身がお別れするのを防いでいた。
しかしそれでも傷はかなり深い。

「じゃあな、坊主!!」
男はサクヤの頭部めがけ、一気に振り下ろす。
アレをくらったらおそらく自分は死ぬ。
ザクロのように血と骨と脳漿をぶちまけながら。
朦朧とする意識の中でサクヤは防御壁を展開しようとするが、術式が上手く構築できない。
こんなところで死んだら師匠は怒るなぁと沈んでいく意識のなかサクヤは思った。



「あたしの弟分になにしとんじゃー!!」


聞きなれない、しかし記憶にあたらしい声によって沈みかけていた意識が覚醒する。
数回瞬きをしてあたりを確認すると先ほどまでサクヤの頭を叩き割らんとしていた凶刃はなく、
変わりに目の前にはスバルが立っていた。

男はスバルに殴り飛ばされたようで、数メートル先で倒れている。

「なんかあったら念話で連絡してっていったでしょ?」
視線のみをに向けてスバルは軽く叱る口調でサクヤに話しかける。

「……ゴフッ!」
すいません、と声に出そうとするが失敗する。
かわりに口内に鉄の味が広がる。

(まずい、内臓までやられてる……)


「いきなり殴り飛ばすたぁ、思い切りのいい姉ちゃんだ」
倒れていたはずの男が起き上がっている。
「管理局特別救助隊隊長、スバル・ナカジマです、あなたを傷害の現行犯で逮捕します」
「うえ、ストライカー級の奴まで出張ってきてるのかよ、こいつは逃げたほうがよさそうだ」
そういうと男は懐から小さなスプレー缶のようなものを取り出す。
「じゃあな!!」
「待てコラァ!!」
スバルが追いかけようとすると男は先ほどの缶からピンを引き抜いてこちらに投擲してきた。

その缶に見覚えのあったサクヤはスバルに警告の念話を飛ばす。
「スバルさん!、目と耳を塞いでください!!」
「へ?」
サクヤに従いスバルが目を閉じ、耳を指でふさぐかふさがないかのうちに、缶がすさまじい光量と大音響を放ち炸裂する。
スタングレネード、本来なら地球にしか存在しない武器である。

まぶた越しからでもわかった強い光が収まるのを確認すると、指を耳からすっぽぬく。
塞いでいたものの多少の耳鳴りがする。スバルがなにやら悔しそうにしている、おそらく男を逃がしてしまったことだろう。
お互いの感覚が正常に戻ったところで、スバルはサクヤを背負う。

「あっちゃ、これ中までやられてるね」
「……すいません、不覚をとりました」
虫のなくような声でサクヤが返事をし、激しく咳き込む。
「しゃべんなくていいよ、体力消耗するし、外に出れば護君もいるから安心しな。」
脱出に向かうスバルの背中で、サクヤは奥歯をかみ締める。
いくらクロスレンジが不得意だといっても、あそこまで軽々とあしらわれたのは久しぶりである。
武装局員としてあの男を逮捕することもできず、ただただ自分の無力さに腹がたっていた。
そしてこの敗北は師匠であるなのはに泥を塗るに値する敗北であった。
しかし思考できないほどの痛みが再びわき腹から走る。

外に脱出し、熱気と息苦しさから開放され、護が青ざめた顔でこちらに走り寄ってくるのを視界の片隅に捕らえたあと


意識が落ちた。




―――


時空管理局地上本部総合病院
その手術室の前の廊下に、おそらく並の局員が見たら腰を抜かすか一目散に逃げ出すのでは無いかと思うような面々がいた。

クロノ・ハラオウン
はやて・Y・ハラオウン
高町なのは
ユーノ・スクライア
フェイト・T・ハラオウン
スバル・ナカジマ
リンディ・ハラオウン
ヴォルケンリッターの面々
リインフォースはメンテ中


「サク坊がやられたってのは本当か?」
別任務を片付けて駆けつけたヴィータが問う。
現在ヴォルケンリッターははやてと共に任務に就くことがほとんどない。
常に人手不足であるため、ヴォルケンリッターのような戦力を単騎で動かすことが多くなったからだ。

「事実だ、ツカサも落とされてる」
壁にもたれかかり、しかめっ面をしながらクロノが答える。
それを補足するようにユーノが口を開く。
「ツカサくんはうちの護が付いて治療中、ところどころ折る程度だけど……」
ユーノは更に続ける。
「サクヤくんは中で手術中、ハルミちゃんとルナサちゃんは事情聴取の最中だね」
「あの二人が質量兵器ずれにやられるとは思えませんが?」
シグナムが信じられないといった表情でさらに問う。
「その辺は現場に居合わせた人から聞いたほうがええな、フェイトちゃん、スバル、もう一度たのめる?」
フェイトとスバルは先ほど事情聴取を終えてきた。
「じゃあ私が途中までは説明するね」
フェイトが少々疲れた声色でしゃべりだす、事情聴取が疲れるのはどこの次元世界でも同様らしい。

「本日1348時、XV級時空航行艦船二番艦「リタルダント」は中規模次元震を観測、
座標がクラナガン近郊であること等から人為的に発生したものと判断、本艦付きの執務官、ツカサ・S・ハラオウンが現場に急行、
そこでサクヤ三等空尉ら四名の局員と遭遇、協力を仰ぎ救助活動と捜査活動を開始。特別救助隊到着後、出現した質量兵器と交戦する部隊と、
救助部隊に別れる。ツカサ・S・ハラオウン及び、ハルミ執務官候補生、ルナサ陸曹長は殲滅にあたり、
サクヤ三等陸尉とスバル隊長は救助のため建物内部に突入、高町司書は治療にあたった。」

そこで一度フェイトは手にしていたお茶で口を湿らし、続ける。

「殲滅活動中にツカサ執務官がランクSオーバー魔道師と接触、職務質問を試みるも応じずに逃走を図る、
呼び止めた執務官に対し攻撃をしかけ、撃墜する。魔道師はそのまま逃亡。」

次にスバルが引き継ぐ
「救助活動のため共に突入したサクヤ三等空尉と途中で別れ、救助活動を行っていると、高町司書から入電、
空尉が事件に関係があると思われる魔道師と交戦中とのことで、援護に向かった。
しかし既に空尉が負傷しており、魔道師は…ええーと、なんだっけ?スタンなんちゃらを使用し逃走、
追跡は不可能と判断し、空尉を背負いその場から脱出、現在に至ると。」

「質量兵器は駆けつけた武装局員とハルミとルナサによって全機撃破。」
クロノが補足する。


「サクヤくん、大丈夫かな……」
なのはが心配そうな声でつぶやく。

「大丈夫やって、あたしとクロノ君の息子で、なのはちゃんの弟子やで?」
「そうそう、クロノもあんなに大怪我したのに今ではピンピンしてるんだから大丈夫よ」
はやてとリンディがなのはをはさむように座り、声をかける。


「でも、アレだけの質量兵器はどこから出てきたんでしょう?」
シャマルが首をかしげ、疑問を口に出す。

「そのことなんだけど、ちょっとこれ見てくれる?」
ユーノの発言にみなが注目する。
「急だったからこれしかもって来れなかったけど………」
そういうとユーノはノートパソコンに酷似した形のデバイスを取り出し、いくつかのファイルを開く。
そこには、ここ最近の質量兵器出現事件の報告書が開かれていた。

「この報告にあるデータと、さっきリタルダントから抽出したデータを照合したのがこれ」
また別のファイルが開かれる、そこにはいくつかの数値の表とグラフが表示されている。

「これって………」
そのデータを見たシャマルはなにかに気がついたように眉をひそめる。

「シャマルはやっぱりわかる?」
「ええ、でもこれは相当な………」
「二人だけで納得してないで説明しろよ」
「あぁ、ゴメンゴメン」
ユーノはデバイスのディスプレイを皆に見えるようにし、説明を始める。


「ちょっと詳しく理解するには転送魔法と結界魔法の専門知識がいるんだけど、その辺は割愛して、
大まかなところだけ説明するね。まずこの反応を見てほしいんだけど、」

波形状のグラフの一箇所を指し示す。

「あぁ、この数値は魔力量の値ね、観測点から大体現場の全部をカバーするくらいの範囲だけど、
これが何にもない状態の数値、こっちが事件直後の数値」
「あんまり……っていうかほとんど変わらないね」
二つのグラフを交互にみながらなのはは言う。

「そう、だからだれか召喚師がいるという可能性は低いという結論が出たんだ、
でも流石にこれだけの質量兵器がどこかに隠されていたとは考えにくい、
だからちょっと現場に直にいって調べてきた、そしてもう一回別のアプローチで測定したらこんな結果が出た」
ディスプレイ上に新たなグラフが表示される。

「これは魔力と反対のベクトルのエネルギー、まぁAMFに近いものかな?を測定したもの、
これを平常時と比較すると、ほら、こんなに違う地点がある、これが何を意味するか?」

「なるほど、そういうことか」
クロノは納得したように頷く。
しかし他の面々は一様にまだよくわからないといった表情をしている。

故にユーノは言葉をつづける。
「通常転送魔法を行使すると魔力がその地点に痕跡として残る、召喚魔法ならなおさらだ、
だから召喚師は隠蔽結界を張る、でも結界も微々たる魔力の跡が残る、でもそれは計測されなかった、
つまり、召喚師は召喚魔法を行使し、隠蔽結界を張って、その上にそれらの魔法を相殺するだけの逆ベクトルの結界を張ったわけだ」

「ちょ、ちょっと待ってください、そんなことは可能なんですか?」
スバルが慌てたように質問をする。
「理論上は可能だ、しかし―――」
クロノの言葉をさえぎるようにシャマルが補足する。

「でも逆ベクトルの魔法は通常魔法の数倍の魔力を消費するの、
しかも術式が複雑だからまずAAAランク以下の魔道師には行使できない、
それにこの類の魔法は――」

ためらうようにいったん口を閉ざすが、いを決して言い切る。

「失敗すればリンカーコアごと相殺されるから禁止されてるの」

「ってことは………」
「強力な魔道師でかつ管理局の登録外の人間、そして組織がバックにある人間の犯行ということだ」
クロノが結論づけ、はやてが付け足す。
「ほんでな、可能性としてロストロギアが関与しているのも捨てきれんのや」

「陸だけの問題じゃなくなってるんだね……」
フェイトがため息を吐きつつ確認する。

「そうだな、僕も近々また海に………」

クロノがなにか言いかけたとき、「手術中」のランプが消えたので口をつむぐ。
程なく汗を拭きながら一人の医師が出てくる。

「お前の息子はずいぶんバリア出力が高いんだな?ハラオウン」
「伝説の教導官に師事しているからな、で、どうなんだ?」
「別状はない、内臓が少々傷ついているが問題はない、腎臓に当たっていたら終わりだったがな」
「そうか……」
クロノが今までの仏頂面から一転安堵の表情へと変わる。

「よかったぁ……」
他の面々もほっと胸をなでおろし、安堵する。

「今血液生成を補助する魔法をかけている。少なくとも一週間は入院だな」
「すまん、感謝する」

そう言い残すと医師はどこかへ歩いていった。

「今のは?だいぶ親しげだったけど」
ユーノが医師の消えた方向を見つめたまま問う。

「あぁ、士官学校時代からの旧友だ、多少縁があってな」
「ふーん」
クロノの回答に少々不満気な返事をするユーノ。

するとストレッチャーに乗せられたサクヤが手術室から出てくる。
意識が戻ったようで、その目にはあまりの大人数に驚いたような色が伺える。

「命に別状は無いそうだ、まぁお前が一番よくわかっていると思うが」
「しっかり休んだら取り調べやでぇ、もちろん担当はこのわたしや」

両親の言葉に安心したのか、酸素マスクの下で小さく笑みを浮かべる。

「修行が足りねぇなぁ、サク坊」
「こんなこといってますけど心配してたんですよ」
「うるせぇシャマル、余計なことは言うな!」
「大事が無くなによりです」

そんなヴォルケンリッターの面々の様子に苦笑する。

「心配したんだよ、サクヤくん?」
サクヤの顔を覗き込むようにしてなのはが声をかける。

「すいません師匠……師匠の名に傷をつけるような真似を……」
かすれた上に酸素マスクでくぐもった声でサクヤは苦渋の表情で謝罪する。

「そんなこと気にしなくていいよ、サクヤ君が無事なら」
「しかし師匠……」
「それ以上言うと逆に怒るよ?それと師匠はなしの約束でしょ?」
笑みを浮かべて言うなのはにサクヤはもう一度だけ謝罪の言葉を述べ、目を閉じた。

「寝ちゃったみたいね」
リンディが慈しむ表情で孫をみやる。

「じゃあ私となのはちゃんとシグナムたちはサクヤの病室まで付き添ってくるから」
「すまない、母さん」

サクヤをリンディに任せるとクロノとはやて、及びフェイトとユーノはツカサのいる診察室へと向かう。
「そういえばフェイトちゃん」
「なに?はやて?」
「さっきの戦闘でツカサがデアボリックつかったいうんは本当なん?」
「うん、飛行形の質量兵器を落とすときに」
「あれほど私かリインがいないときは行使したらあかんいうたのに……」

程なく診察室に着き、クロノが扉を開ける。
そこにはカルテを書いている護と、
ツカサに包帯を過剰なほどに巻いている金髪の女性がいた。

「ほーら、動かないのツカサ君」
「ちょ、ヴィヴィオさん、巻きすぎ巻きすぎ」
「姉さん、あんまり包帯無駄使いしないでよ」
カルテから顔を上げずに護が突っ込むが聞こえていないようだ。

その様子に一瞬あっけにとられたクロノだが、すぐに我に返り壁を軽くノックする。
「あ〜、お楽しみの所悪いが……」
「見てないで助けて」
「その分なら元気みたいやね」
「母さん!!」
「そういう趣味があったの?」
「艦長ぉ!?」

「ヴィヴィオ!どうしてここにいるんだ!!」
「あ、お父さん」
くるりと振り返ったその女性は高町ヴィヴィオと言った。
金髪でオッドアイという非常に目を引く要望の彼女は、
なのはとユーノの子供である。つまり護の姉である。

「ツカサくんが怪我したっていうからとんできたんだよ?」
「仕事はどうしたんだ!?」
「ちゃんと片付けてきたって」

彼女は母であるなのはと同様戦技教導官として活躍している。
そのスパルタ加減はなのはに勝るとも劣らないといわれている。
ちなみに今日の仕事は演習を兼ねた模擬戦だったらしいが、
ツカサとサクヤがやられたと聞くと、一人で一部隊を撃破してさっさといなくなってしまったとかなんとか。
まぁそれはまた別のお話である。

「お楽しみのところ悪いがツカサと話がしたい」
クロノのその言葉の意味を理解したのか、護とヴィヴィオは診察室を出ようとする。

「そうだ、サクヤは?」
「さっき手術が終わったで」
それを聞いた護はすぐに駆け出す。それをヴィヴィオが追いかけて行くのを確認するとはやては扉をしめる。


「ツカサ、お前が接触した魔道師についてだ」
「会話まで傍受できなかったんだ」
クロノが問い、フェイトがその問いの理由を補足する。

「……まず、あの男は召喚師についていっていました」
「やっぱり召喚師はいたんだね」
ユーノが頷く。

「召喚師について他には?」
「いえ、魔力が持たないとしか……」
「やっぱり個人の魔力じゃもたないんやな……」
ますます怪しいなぁとはやてがつぶやく。

「あと、僕の名前と所属を述べたら……」
「どうしたの?」
フェイトが次の言葉を促す。

「『ハラオウン?まさか、あの小僧の子供か?』と」
「!?、フェイト、その男の情報は?」
「今のところキャプチャしたこの画像しか……」
数枚の印画紙をクロノに手渡す。
それを見たクロノは一瞬目を見開き、信じられないといわんばかりの表情になる。

「まさか……、いやしかしこれは……」
「どうしたのクロノ?」
「そんなにいい男やったか?」

「この男は、僕が君たちに会う少し前に逮捕した男だ」
「今からざっと二十年くらい前か……釈放されたのか?」
「いや、この男は確か終身刑を喰らってるはずだ、それも特別監視つきの」

「じゃあなんであそこに現れたん!?」
「そんな話は最近聞いてないよ!?」
「クロノ……まさか!?」



「あぁ、どうも今回の事件は相当厄介だぞ」














to be continued.....














後書き
どうもjamiraです。
sts完結により大幅に設定を変更したので少し遅れました。
うーん、だれかかっこいい戦闘シーンの書き方を教えてください。
どうも躍動感がいまいち出せません。

五話目にしてようやく事件の片鱗が見えてきた感じです。
展開がかなり遅いのでゆるゆると読んでいていただけると幸いです。

毎度このような稚拙な文章に感想を書いていただける方、読んでいただけている方には、
多大な感謝をしたいとおもいます。ありがとうございます。
感想、批評、質問等いただければ幸いです。
では、短いですが今日はこのへんで。





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