最初に… この小説にはオリジナルキャラクターが出ます。 そういうのが嫌だという人は読み進める事をオススメできません。 大丈夫という方は自分の書いた小説で楽しんでいただければ嬉しいです。 それではどうぞ。 闇の書事件が終わって2年後。 一人の少年が破壊された城の正門の前に立っていた。年齢は10代半ば頃だろう。黒と白をベースにした薄い衣服を纏っており、茶色の髪、綺麗な黒い瞳をしていた。右手首には白と黒のリング状のアクセサリーがそれぞれ1つずつ巻いてある。 少年が右手に持っている地図を確認しながら小さく呟く。 「えっと、依頼された場所はここかな?」 『ああ』 『随分壊されているね〜』 少年の言葉に応えるように少女と少年の声が聞こえた。しかし少年の周りには誰もいない、廃墟を前にしているのは確かに少年1人だけである。 地図を折りたたんで、粉々に粉砕され風穴となった玄関をくぐる。破壊されたとはいえまだ生きている警備システムも多数あったが、少年は余裕でかわして玉座の間にたどり着いた。 『ここは?』 『見たところ玉座の間らしいが……』 「玉座の間か……ここならあるかな?」 罠が仕掛けられていないか注意しつつ、辺りを探索する。といってもそこには玉座しかないのでそこを調べる以外に調べるところなど無いのだが。 20分近く掛けて探すが結局何も見つからなかった。 「どこにも無い―――ここじゃない?」 『まだ他にも探していない部屋がある。そこにもあるかもしれないな』 「だね。――――う〜ん、でもちょっと休憩」 少年が休憩のために玉座の背に寄りかかる。しかし少年が寄りかかった途端、鈍い音を立てて玉座が動き出したためすぐに離れる羽目になった。 「うわっ!? な、なんだ!?」 少年は慌てて玉座から離れ、警戒しながらその様子を見守る。玉座は横にスライドするように動き、元の玉座の場所には地下へと続く階段があった。 「なるほどね。こういう仕掛けだったんだ……」 『降りよ』 感心して、少女の声に頷き階段を下りていく。階段を下りた先は真っ暗だった。少年は手から大人の握りこぶし大の光球を出して辺りを照らす。 明かりが照らしたそこは石造りの小さな古びた部屋だった。部屋の中心に置かれている台以外には何も無い、殺風景という単語がよく合う部屋だった。 台の上には一つの野球のボール大の蒼い宝玉がある。それは少年が探していたものだった。 「これか……」 少年は宝玉の存在を確認した後、光球を出していない手を伸ばして宝玉を取ろうとする。しかし手が宝玉に触れた瞬間、宝玉が輝き始めた。 「げっ、マジで!?」 宝玉から発せられた光は少年を包むと消えた。 少年の姿と共に――――。 魔法少女リリカルなのはLOC 第1話「始まり」 丁度同時期、とある遺跡にて。 発見されたロストロギアの調査及び封印のため、なのは達はとある管理外世界の遺跡内を探索していた。ちなみに無限書庫司書のユーノ、執務官と執務官候補のクロノとフェイト、特別捜査官のはやて、武装局員のなのは、特別捜査官補佐のシグナムとヴィータという過剰戦力ではないかというほどだった。 「ユーノ、ロストロギアの場所まであとどれくらいかかる?」 クロノがユーノに訊いた後、ユーノが探査魔法を使いながら答える。 「もうすぐだよ」 「もうすぐというのはどのくらいなんだ」 クロノがはっきり言わないのに少し苛つきながら訊いた。事実ここまで来るのに結構な時間を要していたため疲れがたまっている。加えて遺跡の通路は石畳で敷き詰められたものなので、進めど進めど景色が変わることがなく、精神的にも疲労が溜まっていた。 「だからもうすぐだって。ほら、ここの部屋だよ」 ユーノが返事をして角を曲がるとと一同は1つの部屋に行き当たった。扉は青銅製で、長い年月が経っているせいか、所々錆びている。 「―――開けるぞ」 一同は警戒しながら、クロノが扉を開けるのを待つ。クロノが扉を開けると、部屋の中には台座が1つだけあり、その上に野球ボール大の蒼い宝玉が一つ置かれていた。それ以外は何も無い、遺跡の通路と同じように石畳が敷き詰められただけの殺風景極まりない部屋だった。 部屋の中を見たはやてが少し安堵したように呟く。 「どうやら今回はなんの問題も無く回収できそうやね」 それを聞いたなのはとフェイトが少し緊張をといた。しかし、クロノとユーノが注意を促す。 「油断するなよ、3人共。相手はロストロギアだ。何が起こるかわからない」 「そうだよ。それにA級指定のロストロギアだからね。油断して対応が遅れたら大変なことになるかもしれない」 「そやったね、帰るまでが遠足やし」 「そんな軽いのりで言われても……」 「とにかく、警戒だけは怠るなよ」 「うん、分かった」 「ごめんね、クロノ、ユーノ」 まだ幼い部分があるとはいえ、三人とも優秀な魔導師だ。クロノとユーノの言葉に直ぐ気を引き締め直した三人の様子にクロノは微笑を浮かべた。 「分かってくれればいいさ」 「ハラオウン、部屋には私とヴィータが先行する」 「安全を確認したら、合図するから」 ヴィータとシグナムがクロノの後ろから声を掛ける。 部屋に入る前には勿論ユーノが探査魔法で罠の解除、調査をするが、万が一と言うこともある。罠が発動するとしても冷静な判断で切り抜けられるシグナムとヴィータが名乗り上げてくれたのは、正直クロノとしてはありがたいことだった。 「分かった。頼む」 「シグナム、ヴィータ。気ぃつけてな」 はやてが2人に心配そうな眼差しを向ける。二人は主の心配を取り除くため笑顔で答えた。 「はい。主はやて」 「だいじょーぶだよ。はやて」 シグナムとヴィータが安全を確認した後、クロノ達は慎重に部屋に入る。中に入ると部屋の外では分からなかった部屋の広さを実感した。 「わぁ……広いね」 「本局の訓練室ぐらいの広さはありそうやね」 なのはとはやてが感心する。他の皆はと言うと部屋の広さを実感しながらも宝玉へと慎重に近づいて行っていた。シグナムとヴィータは周囲の警戒の意味合いも含まれていたが。 宝玉の前まで来たところで、なのはとはやてが未だに部屋の中をはー、と感心しながら見回していることにユーノが気づき、声を掛ける。 「ほら、なのは、はやて。封印を始めるよ」 「あ、ごめんね」 「今行くよ〜」 気づいたなのはとはやてが小走りでユーノ達へ近づく。なのは達がこちらに来るのを確認してユーノは封印に必要な術式を練った。しかし、ユーノが魔法陣を展開した瞬間、 ―――――Link――――― 「え……?」 部屋に電子的な声が響き、なのは達が首を傾げると同時に台座の上に鎮座してあった宝玉から蒼い光が発せられた。 「なっ、みんな! 離れるんだ!」 クロノが直感で危険を察知し皆に声を掛けるが、言われるまでもなくなのは達は目を腕等で庇いながら離れていた。宝玉は部屋を覆うほどの強い光を放ち、一際輝いたかと思うと徐々にその光は弱まっていき、そのまま静かに消えた。光が消えた後、部屋の中は光が発せられる前と全く変わっていなかった。――――台座の前に少年が倒れている点を除けば。 「……誰だ? こいつ?」 ヴィータが不審そうに眉を顰め、グラーフアイゼンを構える。 茶髪の少年は俯いて倒れているため顔は確認できなかったが、白いシャツに黒のジャンパー、長ズボンと明らかに遺跡探索には向いていなさそうな服装のため、怪しさ大爆発だった。 「分からない。だがロストロギアから出現したんだ。油断するなよ」 クロノもデュランダルを構えながら、険しい表情で答えた。 以前まではS2Uを使っていたのだが、闇の書事件以来、当時の最新鋭のストレージデバイス『デュランダル』を使用するようになっていた。ちなみにS2Uはちゃんとクロノの胸ポケットに入っており、必要に応じて使い分けるようにしているとか。 「分かってるよ、んなこと」 「うっ……」 ヴィータが答えたあと、少年がうめき声を上げた。ヴィータはバックステップをして間合いを取り、グラーフアイゼンを構える。他の皆もデバイスを構えながら、少年がゆっくりと立つ様子を見守った。少年は首をさすりながら周りを見渡して呟くように愚痴る。 「痛〜〜、全く……あれがディメンションリンクだなんて聞いていないよ…。おかげでどっかに飛ばされちゃったし……はぁ、どうしよう」 がっくりと首を落として1人でぶつぶつ言っている様子をクロノ達は唖然として見ていた。最初に気づいたヴィータに視線を投げかける。 「なぁ、どうすんだよ」 「どうするって言ったって……」 「とりあえず事情でも聞いてみる?」 「そうだな、そうするか……」 クロノが少年の方に近づき話しかける。少年はクロノが近づいてくるのを確認すると、愚痴るのをやめた。心なしか、目を細めて警戒心が高まった気がする。 「こちらは時空管理局のものだ。少し話を聞きたいんだが…」 「(時空管理局? 何だろうそれ?)えっと、こっちの世界の人かな? それはいいんだけど、今はそれどころじゃないかも」 「(こっちの世界? 別の次元世界の人間か?)どういうことだ?」 「すぐに分かるよ」 すると、いきなり壁が崩れてロストロギアの守護と思われるガーディアンが20体ほど現れた。ガーディアンはそれぞれ鎧を纏った体に剣という格好だ。ガーディアンが歩くたびに空洞音が響き、クロノは直ぐに鎧の中身が無いリビングメイルだと気づく。 「な!?」 「こういうことだよ」 少年は答えた後、手首の白のアクセサリーに話しかけた。 「いける? エクス」 『問題ないよ、ユウ』 「よし、じゃあ行こう。ソードフォーム!」 『Set up』 エクスと呼ばれた白色のアクセサリーがその形を一振りの剣に変えた。刀身は銀色に輝き、柄と刃の連結部分には金色の宝石がはめられている。 「くっ! 各員、迎撃するんだ。君も手伝ってくれ」 「もとより、そのつもりだよ!」 ユウと呼ばれた少年はガーディアンに向かって駆け出す。 こうして、後に「DL事件」と呼ばれる事件が始まった。 ----後書き---- ユウ :「ついにやっちゃったね」 カークス:「ついにやっちゃいました」 ユウ :「まずはお礼。こんな未熟な文を読み続けてくれた人に」 カークス:「みなさんどうもありがとうございます」 ユウ :「未熟な文章力で駄文をたらたらと書き続けて人に読ませる。ある意味すごいと思うよ」 カークス:「うう、耳が痛い……」 ユウ :「ま、その辺りは置いておいてこれからどうやって進めるの?」 カークス:「最初はオリキャラの紹介とか入れる。所々笑い云々も入れながら行きたいなと思うけど…」 ユウ :「どこで笑いを入れればいいか分からない。あと未熟な文章力のせいでシリアスがシリアスとして読めないかもしれないってところ?」 カークス:「うう…そのとおりです…」 ユウ :「やれやれ…こんなんでいつまで続くのやら…」 カークス:「とりあえずちゃんと最後まで書ければと思います」 ユウ :「書ければじゃなくて書かなきゃ駄目。ちなみにこの時はなのは達は11歳なんでしょ? なんでそんな中途半端にしたの?」 カークス:「えーと、実際ネタバレになっちゃうんであまり詳しく言えないけど、リインUがちょうど作られる時期にしたかったってことかな」 ユウ :「今の台詞で多分読者の何%かは気づいたね。さて、この作品に対しての感想があれば幸いです」 カークス:「私が書いた小説を読んで皆様が楽しめるように頑張ります。次回は戦闘から入りますが、多分戦闘で終わります…(汗)」 ユウ :「作者の書く戦闘描写がどれほどのものか敢えて突っ込みません。それではいつになるかは分かりませんがまた次回にお会いできたらと嬉しいです」 ユ&カ :「「それでは、失礼します」」 |