「デュラーンダルー♪ 遊ぼうぜー!」
「…」
 冬に入り、そろそろ暖房が必要になってくるというこの時期。
 何時ものとおり、呼びもしないのにレヴァンティンがやってきた。
 ちゃんとドアから入って来い。窓から入ってくるなんてお前何処の猿だよ。


『世界平和を望むもの』=デバイスファイト=
 ストーリー『1-1――灼熱の剣士』


 最初の頃なんぞ窓をぶち破り鉄格子を破砕して入ってきた。不法侵入というレベルを超えてテロ行為。こいつ何処の国のものだ。
「お、窓閉める? それとも換気のために暫く開けとく? あーでも寒いよな」
「そっこー締めろ、出口はあっちだすぐ帰れ」
「冷たいなあ、折角差し入れとか持ってきたのに、俺ハードワークで疲れてるんですよ、ちょっとはごろごろさせてくれ」
 いいつつ結構な勢いでベッドにダイブ。ぼすんとベッドが大きく揺れてそのまま沈む。確実にスプリングが壊れた。――こいつ、此処が俺の家と知っての狼藉か。
 因みにこいつは働いていない。ので、それはハードワークとは言わない。
「てめぇ…ああもういい、で、差し入れって何だよ」
「ん? いや、随分前になんか欲しがってただろ、こう見た目に格好良いけど使えないデュエルディスク…じゃなくて、オークションで落としたちょっと欲しいけど役に立たなくて確実に捨てるような…そうでもないな、何だっけ」
 確実にラリってる。
「もういいから帰れよお前、何か、教団の内部事情調査書でも持ってきてくれたのか」
 手に入るわけ無いけどな。などと思いつつ俺がクチにすると、それそれ! と水を得た魚のように跳ね上がるレヴァンティン。
「マジか」
「そうそう、ほら、教団内部の調査書、クラの奴もちょっときな臭いって探ってたから随分簡単に手に入ったぜ、アイツ人間不信だよね、絶対、ほい――まあオリジナルじゃなくてコピーなのは勘弁してくれよ」
 紙束を受け取る。そしてその中身を捲っていく。
 ソングの怪しい実験報告書は飛ばした。アイツそろそろ首になるってバルの旦那から聞いたし、何よりアイツはもうあの手の実験をしていないはずだ。悪魔の件で懲りただろ。アレを御するのは到底無理だ。
 ――87年、悪魔封印。レイの姐さんにいれたアレはそういう名称で固定。89年、俺の村を崩壊。オッケー。2年間の空白の間に何があったかは知らないが、何度か暴走しかかってるらしい。
 あの人何気に感情制御はあんまりうまくないからな。流された上で悪魔が発動することくらいは珍しくない。実際、初見えであの人のストレスが溜まっててぶっ飛んで発動しかかってたし、悪魔。
「あれ、これだけか? 悪魔の事件って、1年前の事件で全部終結してるじゃないか、他こまごまと事件起きてるけど」
「そうなんデスヨねー、こっちがきな臭いってんで俺はこっちに来たんだけどさー、早速襲われてすぱーんと殺してきた、アレ教団の人間だろうなー」
 此処で一番きな臭い人間が何かほざいていた。
 レヴァンティン。一年前の事件で知り合ったこのアンちゃんが教団の広域指名手配に載っていたと知ったのは、こいつと知り合って一ヵ月後だ。
 色々ポスターとか貼られてまして、それの一枚を何気なく見てみたら刀、和服に似合わないサングラス。やけにニヤニヤしているその笑顔。紛れも無くレヴァンティンだった。
 ――それ以前からこうやってくっちゃべる仲だったのもあって、今更追い返すのも気が引けたし、何よりこいつとは戦いたくないのでこういう仲を続けている。
 まあ、こいつが殺人を繰り返している理由がくだらないせいもある。
 そんなくだらない理由で動ける奴がいるのなら、この世界も捨てたものじゃない。
「教団、益々城砦じみてきましたネ、検問受ける所でしたよ、おまけに何か傭兵風情が出張ってましたし、ソングの弟子とやらも一目見てきました、可愛いねアレ」
「お前間違っても手を出すなよ、犯罪だぞお前だと」
 いやそれ以前にこいつは殺人犯なのだが。
「まーあっちにゃヤバいマスコットが居るから大丈夫だろ、レイの姐さんもバルの旦那も、本気を出せば先ず間違いなく教団壊滅する」
「それはどうでショウ? あっちだってあの2人は目の仇ですし、うーん案外ピンチなんじゃない? アットゲーム! みたいな」
 ワケわかんねえ。
 ――まあしかし目の仇にされているのはそうだろう。バルの旦那もレイの姐さんも、1年前の事件でやけに立場は危うい。
 まああの事件での加害者はレヴァンティンと、他外部からってことで一応の決着を見せたが、それでも魔剣“グラム”を取ってしまった罪は変わらない。姐さんも使い捨てだったはずが見事に悪魔を制御して、いまや手のつけられない“エクセリオン”。
 ――目の敵にされて当然だ。
「いいよなー、あの2人ラブラブだよなー、そういえば君はどうなのさ、恋人とか居そうじゃない、あの教団のマスコットとか」
「んー、いないんじゃないか、まあのろけで良いんなら話すけど?」
「ぬ、興味はあるが辞退する、アンタのは特別胸焼けしそうだ。――アレですよ、デュランダルがにやけてるなんてありえないから! 何だよ今のハッピーエンドオーラは! チクショーお前だけ幸福エンディングか! どんだけ俺を苛むつもりだよ!」
 知るか。ていうか暴れるな。
 そのままギャアギャアわめくこと数分。レヴァンティンはようやく大人しくなる。
「帰るときに散らかしたごみ片付けてけよ、ていうかそういうお前は? クラールさんとか、上手くいってるんじゃないのか?」
「…むー」
 途端に大人しくなる殺人鬼。ロボットのように動かしていた手足が止まる。
 そのまま黙ること、きっかり十秒。
「興味ねー!」
 などとのたまい、そのまま壁に向かって半回転。壊れたベッドの上でよくやるよアンタ、と正直に褒めたくなる。
 ――余談だが、こいつはマジでクラールヴィントと呼ばれた暗殺者が好きである。ただそれが高じて他の女性に手を出せなくなった上、自分自身のコトを考えると彼女にも手を出せないというのろけっぷり。こっちが胸焼けするくらい熱々だ。
「よいしょ」
「あれ、何でそっちの一番遠いソファーに座る」
「変な菌に感染しない様にだ、で、何の用事だよ、別に寝床なら何処でもあるだろお前」
 ちょっと前に一家惨殺事件があった。
 犯人はこいつ。誰も動いて居ない深夜に居間に押し入って、そのまま朝まで豪快に睡眠した所、翌朝そこのおばさんに見つかってしまい、そのまま全員殺した。まあぶっちゃけこいつは何処でも寝れるらしい。
 まあこいつが捕まるわけにも行かないので其れは仕方が無い。関係の無い人だし、俺が心を痛めるようなことでもないだろう。
「いや、ちょっとね、周りが五月蝿いんだよ、とくにクラールが、“格好いいきめ台詞が欲しい”っていったらみな邪険に追い返すんだ」
「帰れ」
 まあそれくらいしか返す言葉は無い。


■□■□■


 翌朝。
 そのまま泊まっていったレヴァンティン――無論ベッドで寝た――の横でとりあえず目覚める。血液感染しそうで怖かったのをスルーするために俺は離れて寝た。や、実際アイツの血液なんて被ったことは無いので感染はありえないんだが。
 さて、仇名というモノがある。
 レイジングハートの姐さんなら『惨劇の砲台』。バルディッシュの旦那なら『雷神の系譜』。クラールヴィントなら『惨殺者』。
 後は――ああ、そうそう、シュベルトクロイツには『うつろうもの』の2つ名がついていた。無論悪口だ。それ以外の何者でもない。
 ちなみの目の前の人には『不死者』の仇名がついている。
 で。
 こいつは、それが偉く気に入らないらしい。
 いいじゃんか、別に。格好いいし。
「いやすっげー弱そうじゃないですか、ほらほら『雷神の系譜』とかもう名前だけで負けてマスヨ? 悲しいじゃんかよー」
 かもしれないが、どうでもいい。第一俺にいたっては名前すらついていない始末。別に名前があるからどうというわけではないが、少なくとも新規メンバーには覚えられやすい。悪評でアレなんでアレ、だ。
 まあ、仇名で俺が今の所格好いいと思ったのは一人だけだ。多分もう死んでる…と、思うがどうだろう。俺と同じ街、というか村に居たんだが、例の悪魔騒ぎで死んだかどうかを確認していない。
 既にあれも4年前。
 記憶も朧気になってきた。
「んー、じゃあもう『灼熱臓腑』でいいじゃんか」
「うわぉ起きていきなりそのレベル!? こ、これはちょっと予期してませんでしたよ…!? 嬉しい誤算だがちょっと方向性が違うぜデュラっち!」
 注文だけは細かいんだから、どんな仇名が良いかもうちょっと詳しく説明しろ。
 ついでになんだ? 格好いいきめ台詞が入る仇名? ――今のところその手の奴で最も格好いいと思ったのは、『私は成長しない、私は生まない、貴方を消すためだけに此処にいる――我は消滅者“ギアンサル”、不滅の竜の顎』だったか。
 アレは死んだ。
 間違いなく死んだ。
 あの悪魔に真っ向から挑んだ、俺の村の唯一の戦士。因みに俺の師範代。でもアレ絶対師匠より強い。その師匠も、今何処に居ることやら。
「んー…そもそもお前って噂しか聞かないからなあ、これがバルの旦那とかなら直ぐに思いつきそうなんだが…」
 あまり付き合いが深いほうではない。
 こうやって偶に会って馬鹿話をする程度の間柄だ。――たいていは俺が先に折れる。
「んー…不死者ね、不死者か、お前死なないのか?」
「は? 何を言っておりますか、普通に死にまっせ、首刎ねられたら当然死ぬし心臓穿たれても死ぬ、体が分断されれば生きていられないし脳をなくしても死ぬね」
 まあそうだろうな。
 つまりこいつは殺されないようにしているだけの話だ。殺しても生き返る、んじゃなくて殺されないように生きているだけの話。
 何が起きても死なない限り、そいつは不死。
 故に“不死者”。こいつ相手にこれほどぴったりな仇名も無いと思うんだが――。
 まあ、何が起きても死なないのではなく、こいつは何が起きても平気なように体を整えているだけだ。俺もこいつも凡人の領域を出ない。凡人が天才に勝つにはちょっと条件を変えてやらなくちゃしょうがない。
 つまりレヴァンティンと俺は凡人。
 これがレイジングハートやバルディッシュ、シュベルトクロイツという天才に勝とうとするからどこかで歪が出る。
 それが勝とうというのだから一番最初の条件を変える。凡人のトップスピードと天才のスタート直後ならば、それなりに勝負にはなろう。
 俺たちは最初っからトップスピードを維持しなければ、誰が相手であろうと到底勝てないのだ。
「ん? トップスピードの維持? 速度超過で炎か…」
 何か、一瞬頭の中をよぎる不穏な単語。ふむ、明瞭なるモノ――か。
 でもこれどうだろう。水先案内人なんだけど…。
「…」
 よせば良いのに、と思いつつそろそろ帰ってくれることを期待して、俺はその単語を彼に持ちかける。
 意味は、と尋ねてきたので特に無いと答え、只速度超過の炎とだけ答えた。
 其れを聴いた瞬間のレヴァンティンの笑顔を見せてやりたい。とっても不気味だ。
「おっけー! 有難う! そのセンスだけで十分です! 細かい作業はこっちでやるわ! いやもう持つべき者は友達だね! こんないい名前他じゃ絶対手に入らないぜ!」
 そこまで喜んでくれるとは、こちらとしても多少頭を悩ました甲斐があったというもの。でもお願いだから扉から出て行け。堂々と窓から出て行くな。
 上機嫌で去っていくレヴァンティンを見送って、俺は散々な風景になった部屋を見渡す。これ、労災出るかな。

 まああの名前が広まるかどうかは別として。
 俺としては、さっさとレヴァンティンが捕まることを期待するしかないわけだ。正直な話をするならば彼の活躍は殺人に過ぎない。
 それでもその理由を知っているのなら。
 ――ただ静かに、アレの狂騒が終わるのを待つばかりだ。先ず俺には止め様が無いしな。


■□■□■


 教団。
 一種の所属系の組織で、まあ有能な人物達が集まる。俺やレヴァンティンのような人間にとっては鬼門もいいところだ。特にレヴァ。アイツ殺人鬼だしなあ。警察の真似事、というか街の自警団だから、正に鬼門だ。
 本部には知り合いが大量に所属しているので時折顔を出すが、そのたびに勧誘されるのはどうかして欲しい。はっきり言って所属する気は無い。俺のモットーは『できる限り楽にいきたい』なのだから。
 一年前から変わった俺のモットー。
 やるべきことをやった俺からは見事にあらゆるモノが抜けた。
 ――だがとりあえず俺としては此処、教団本部に用事がある。
 本当、要塞じみてきてやがる。冗談じゃない。検問マジで張られてやがる。
 別に疚しいことのある組織ではなかったのだが、一年前の悪魔騒ぎからどんどんとおかしくなってきている。此処が可笑しくなり始めたのは、確かに一年前の今日辺りからだ。
 噂自体は例の悪魔騒ぎよりずっと前から立っていたが、それらは全部この内部で収まるものだった。それが、今回はちょっとおかしい。噂が外に漏れ出しているし、その噂を収めようともしない。教団並の大きな組織なら十分収められると思うのだが。
 近隣まで飛び火するような類のうわさでなければここまで広がらなかっただろうに。
 ――この場合、近隣は教団のある街を指すのではなく。
 教団の支部所が無い場所までを、指す。確認したわけではないしそこまで広がってないだろうが、世界全域にまで噂が広がっているような恐れもあった。
「うぃっす、バルの旦那」
「む、デュランダル? 此処に用事か」
 だが別に俺にはどうでもいいことで。
 俺としてはこの旦那に話があるだけで此処まで来たのだ。
「いや、此処っつーかアンタに用事――例の殺人鬼についてちょっと聞きたいんだけど」
「ん――そうか、まあ上がれ、聞きたいのはどっちの殺人鬼だ?」
「は?」
 どっちって――。
 レヴァンティン以外に居るのか、殺人鬼が?
「何だ、知らないのか、そうか…
 まあついぞ2ヶ月ほど前の話だがね、“神炎”という殺人鬼が現れた、まあ実際の名前は知らないがな」
 全く聞いていない。
 ふぅん、レヴァンティンの奴も知ってるかな、この情報。いや、知ってるだろうな。同類は常に同類に敏感だ。
 じゃあ話さなかったのは俺に関わって欲しくなかったからと好意的に解釈するべきか。
 あるいは、俺が勝手に此処に辿り着くと知っていたと解釈するべきか。
 ――最後の可能性としては自分でブチコロスってもので、多分これが一番可能性として高い。要するに俺は関わる必要が無いと、アレはそう判断した。
「これがレヴァンティンと同じようなタイプの殺人鬼でな、教団意外の連中にもずっとマークされていたらしい――アレはレヴァンティンよりずっと火力が高い、うかつに近付くなよ、お前でも焼かれるぞ」
「うわ、そりゃこえぇ、んー、でもなあ」
 その手の奴って放っといて良いんだよな。
 どうせそのうち本物に削除される。真似事は長く続かない。何より、もうちょっと確認が必要だが、その手の殺人、レヴァンティンは絶対に許せないはずだ。
「一応聞くけどその殺人鬼に殺された人たち、共通点は?」
「いや、無いな」
 だとするなら。
「放っといていいな、そういうのは本物に消されるのがオチだ」
「む?」
 不可解な顔をするバルディッシュ。俺がレヴァンティンと知り合いであることは知らないだろうし、不可解な表情をして当然だった。
 だがもうこれは放っておいて良い事件だ。
 俺が聞きたかったのはレヴァンティンが最近なんかやってるかってことだったのだが、これでは聞く必要もなくなってしまった。暫くその“神炎”と呼ばれた殺人鬼を追っていることだろう。
 ハードワークと言っていたが、ひょっとしてこのことだったのか。相変わらずだ、アイツは。どうせ自分のコトを棚上げして殺人鬼を追っているに決まっている。困っている人は助けなくちゃ成らないでしょう、馬鹿か。
 ――よってこの事件は早々に終了する。
 それよりもこの教団の要塞じみてきた様子をちょっとばかり探ることにした。
「なあバルの旦那、教団マジで要塞じみてきたけど何があったんだよ?」


■□■□■


 思い出したのはあの地獄。
 人々の悲鳴が折り重なって、その中で誰かが笑っていた。

 どれだけ時間がたってもそれだけは忘れることができない。
 苦痛も快楽も、楽しかった記憶も苦渋の記憶も消えていって――。
 それでも稀に思い出す、それらの記憶に、俺は僅かに舌打ちした。何度見てもしょうがないのに、何度も見てしまうのは何とかして欲しい。
 終わってしまったことは取り返せないし、始まってしまったことは終わらせるしかない。
 それでも見るのは俺が人間だから。
 取り返せるものならば取り返したいと、どこか思っている。
「――まあ結局其れは無理なわけで」
 夢の残滓に縋るだけ。
 それが生き残った人間に赦された唯一の望み。まあ、結局それがある場所は同じ。望みなんかどのような場所にあってもいいということで。
 起床する。
 要塞じみてきた教団に寝床を借りて、昨日は泊まった。結局バルディッシュから聞き出せた情報など何も無いが、この教団の要塞じみてきた情勢はどうにかしたい。おちおち遊びに来ることだってできやしない。おかしな噂だって立ちまくっているし、これはどうにかしたほうがいいんじゃないのか。
 ――あ、新聞きてら。躊躇い無く手に取り、広げる。
 一面の見出しを見て、俺は思わず少しだけ笑った。苦笑でもなければ微笑でもない。本当に、少しだけ笑った。

『殺人鬼、殺人鬼に斬られたか!?』

 つーかこのセンス、馬鹿だろ。貼られた写真の中には5つの死体。辺りは焼け爛れて溶けている。岩の壁まで溶けているあたりどんな熱量だったか想像に難くない。
 その死体も焼け焦げていて判別はつかないが、どう考えてもレヴァンティンではありえない。アイツ、昨日のうちに決着つけやがった。さては俺の家を出たとき既に当たりをつけていたんだろう。
 ――焼けた壁の中に、幾つか亀裂が入っている。
 それはどうにか読むことが出来るというレベルの“文字”だった。知らなければ読むことも出来ないだろうというレベル。書いてある文字は単純明快。彼の名前が書かれている。
 スペルで『Canopus』。単純にカノープス。“明瞭なもの”を指す単語。
 うん、やはりこれはぴったりだ。
 “速度超過で炎”――太陽にしか思えない。そら、どうだ? 太陽ほど“明瞭なもの”はこの世界において他に無いだろう?
 まあそんなくだらない連想から生まれた名前だが、書き記してるってコトは随分気に入ったらしい。
 さて。
 バルの旦那やレイの姐さんが騒ぎに参加するのも時間の問題。俺は、精々老人のご機嫌取りでもしてここで久しぶりにゆっくり過ごすかな。ガキのご機嫌取りなんて真っ平御免だし、他の奴よりはあの老人はずっと気楽だ。
 とりあえずこの話は此処で終わりということになるだろう。言っておくが今回、俺はこれ以上レヴァンティンに関わるつもりは毛頭無い。

「おーいアイゼン老ー! 茶でも飲まないかー?」
「誰が老人じゃ若僧、おう、丁度暇しとったところでな、良いお茶があるぞ」

 今日も今日とて世界は平和。
 けれどこれから直ぐ、此処もまた戦場になる。
 それはこれより一年後の冬。
 ――この教団が崩壊した一つの逸話。


《to be next chart.》


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《後書き》

 という名前の逃げ道
 とりあえず最初にサイモンさんにごめんなさい
 いや、すっげーすき放題やってますし
 因みにこれは『ストーリーモード』での話です、あの、これ格闘ゲームの話ではなくこの後の話もちゃんと考えてますのでっ!
 ちゃんとなのは達の分も、格闘ゲームとしての話も考えてます、いやいらないって言われればそれまでなんですけどっ
 ただこっちが先に浮かんで書かれているだけでっ!
 そしてやりたい放題やってると結構気分も良くて…
 まあこんな物語になっちまいました
 …
 お目汚しすいませんでした、感想はまた掲示板に…
 
 目指せ、茄子茸、とかそんな感じの作品ですよ
 似てる所が多々ありますが突っ込み不要





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