魔法少女リリカルなのはBLADE

第四話:救世の銀


物語は室内訓練室から始まる。

ユ「ご苦労様。」

ユーノはジュースのカンをコウに渡す。

コ「正直、勝てるとは思わなかった。」

さすがに体が重いのか地面に尻をつくコウ。

シ「こちらとしてはしてやられましたよ。」

甲冑を解いたシグナムがコウの後ろに現れる。

コ「相手が貴女ですからね、手の内を知られる前に決着をつけたかったから魔導師や騎士にない戦い形で勝たせて貰いました。」

シ「突然目の前から消えて見えた技の事か?」

コ「!!!さすがに気付かれますよね。」

シ「まあな、魔力でブーストした分けでも体術を駆使した分けでもないからな。」

てっきり高速移動の体術を駆使したと思った観戦者は驚きを隠せない。

コ「ミスディレクション、手品などで相手を他に集中させる技、俺の場合はラウンドシールドと声で意識を他に移しました。技名は迷。惑わしの意味もなしてます。」

ティ「つまり、私達は見事に手品の種に引っ掛かったって事ですか?」

コ「そう言う事。どちらかと言うと魔導師の方が引っ掛け安いかな。君達は魔法に関わり過ぎて魔力で人を認識するからね。俺みたいに魔力を完全に消せる人物とは相性悪いんだ。」

ユ「この世界では魔力はほとんどの人が持っているからね。サーチで一般か魔導師か区別するのは魔力量で区別するから僕達は逆に引っ掛かり安いって事さ。」

ヴィ「そういや〜私が追ってた時に魔力は感じなかったな。」

コ「ま、俺はいろいろと特殊何で・・・」

何処か憂いを漂わせるコウに言葉が出ない。

エ「じゃーシグナムさんが確かに防御したのに膝を付いたのも何かの技なんですか?」

コ「鋭いねエリオ君。でも種は秘密だよ。一応俺の隠し技だからね。」

ユ「さて、シグナムさんの気も晴れた事だしコウはさすがに医務室行きだね。明日迎に来るから僕は書庫に戻るよ。」

そう言ってユーノは訓練室を出ようとしたが・・・

な「なに言ってるのかな?」

がし

は「上手いこと誤魔化して逃げようしても無駄やで?」

がし

フェ「エリオ、キャロ・・・」

エ「わ、分かってます。」

キャ「任せて下さい。」

直立不動に敬礼をする2人。

ユ「ちょ、待って話し合おうよ!」

な「うん、たっぷりとベッドの上でね♪♪」

ユ「いや、今日の事務整理とかしなくっていいの!?」

は「ユーノ君は心配せんでもええよ。明日頑張ればええやけだし。」

ユ「いや、そこは仕事何だから今日頑張ろうよ。ね、フェイト!」

フェ「ユーノと久々・・・ユーノと・・・」

ユ「ええ〜い既にトリップ中か!?」

な「あ、すずかちゃん、アリサちゃんもいる?・・・良かった。・・・うん、そうなの。後で迎に行くね。」

ユ「何時の間に!?なのは、僕明日も仕事!」

な「だってユーノ君3人じゃ満足足りないでしょ?」

ユ「がん無視!がん無視なの!?」

は「ま〜諦めておとなしゅ〜連行されような。」

ユ「僕の意見は!?」

フェ「ユーノに拒否権はないよ。」

ユ「何処かのドラゴンイマジン以上に答え聞かない気だよね!?」

な「そう言いながらスイッチ入ると淫獣なのに・・・」

3人の女性に四苦八苦してるユーノ

コ「・・・俺の知ってるユーノはもういないのか・・・」

ユ「ちょ、少しはほろうしてよ!」

シ「スクライア、今なら爆乳騎士とロリ騎士セットももれなく付けるが・・・」

ヴィ「ちょ、あたいまで巻き込むな!」

シャ「あらあら大変ね♪♪」

コ「何かえらくカオス化してきましたね。」

ザ「スクライアが関わると最近こんな感じだ。」

コ「何て言うか・・・好かれすぎるのも大変だな。」

既に遠まきになり事態を見守るコウとザフィーラ。

エ「それじゃあ僕とキャロはヴィヴィオを向かえに行きます。」

年少組は逃げ出すように訓練室を出て行く。

ティ「良いわよね、逃げ出す理由が有るのって・・・」

何か遠い目をするティアナ。

ス「そんな事言って本当は争奪戦に参加したいくせに。」

ティ「な、なに言ってるのよこのバカスバル!」

ティアナはクロスミラージュでスバルを思いっきり撲る。

その様子を見ていたコウは、

コ「へーティアナさんもなんだー」

と妙になっとく。

ティ「ち、ち、ち、違います。ユーノさんには普段お世話になってるんでお仕事が大変なのは知ってるので今日無理されると・・・」

コ「つまり、この後ユーノの身に何がおきるかは知ってると・・・」

ティ「え、え〜とそれは〜〜」

顔を真っ赤にさせしどろもどろになるティアナ。

ス「相変わらず素直じゃないんだからー」

自分を素直に出さない相棒に呆れながら自分を死地に招くだろう姉を見ると、姉はユーノじゃなくコウを見ていた。

ス「ギン姉?」

ギ「な、なにスバル?」

ス「今日はユーノ先生の争奪戦に参加しないの?」

ギ「え・・・うん。そろそろ帰って御飯のしたくしないと・・・」

慌てた様子でギンガは訓練室を出て行く。

ス「ギン姉・・・ひょっとして・・・」

新たな可能性が沸き上がる。

コ「これ以上此所にいても仕方ないな。」

シャ「それにコウ君は医務室に行ってもらわないと。」

ザ「念のため我は監視役として付いて行くぞ。」

そう行って3人は訓練室を後にする。

ティ「私達も帰るわよ。」

ス「ま、待てよティア〜」

ユ「ちょ、み見捨てないでよ〜〜」

ユーノの叫びが木霊した。


翌日


コ「・・・何て言うか・・・大丈夫か?」

あからさまに顔色悪いユーノはさすがに心配になる。

コ「大丈夫大丈夫。」

コ「大丈夫って・・・本当仕事して平気か?」

ユ「平気平気。身体に負担はかからない仕事だし。」

コ「いや、しかし・・・」

ユ「だったら僕の仕事を手伝ってよ。」

コ「分かった。今のお前を無理させられんからな。」

しかし、彼は知らなかった。この一言から自分の運命が決定し、物凄く大変な出来事に巻き込まれて行くと。

コウはユーノと共に本局にトランスポートで飛び無限書庫に向かった。

ユ「此所が僕の仕事場、無限書庫だよ。」

コ「あー此所が古今東西有りとあらゆる資料が集められた書庫か。」

中へ入ると無数に積まれる本棚。

コ「なるほど。確かに無限だな。」

ユ「そうだね、未だに整理しきれないし、資料は増えていくし・・・」

ユーノが頭を抱え何かため息をつく。

コ「仕事はオーバーロードだしか?」

コウの眼前には無重力を漂う司書、司書、司書・・・

?「今回は早く返してくれたな。」

ユ「その・・・ごめんねチンク。・・・ひょっとしなくっても彼奴が?」

?「はい、あの方は本当に何を考えておられるのでしょう。業務終了間際に有り得ない資料を請求するのですから。」

ユ「クロノ・・・本当にそろそろ頭冷やして殺ろうかな?」

コ「いや、何処からか出したか分からない本持って物騒な事吐くなよ。」

?「いえ、この際一息に殺りましょう。」

コ「何か司書の方まで物騒な事言ってるし!!」

?「司書長の事を思えば当然かと・・・」

コ「気のせいかな?思うが想うの方うな気がするのは!?」

?「それは多分間違いじゃないかと(ポ)」

コ「何か顔赤らめとるし、ユーノお前はどんだけフラグ立てとるんだ〜〜!!」

かなり暴走したコウが落ちついたのはそれから一時間後のことだった。その間にウーノ、チンク、クァットロ、ドゥーエの四人の自己紹介は済ませておいた。

コ「俺はもう突っ込み疲れたよ。」

ユ「ははははは・・・ゴメン。」

コ「頼むからこれ以上フラグ立てないでくれ、何かあの3人の嫉妬の矛先が俺に向きそうだし。」

チ「あながち無いと言えないのが怖いな。」

コ「既に昨日やられてます。さすがにバイントで縛られ問答無用に通常ダメージだからね、さすがにアルトにならないとしばらく動けなかったな。」

ウ「アルト?」

ユ「コウの特殊バリアジャケットの名称。ラウンドシールド十枚重ねにした防御服って言った方が分かりやすいかな。」

ドゥ「器用な事をしますね。」

クァ「と言うか、いくら防御を上げてもあの3人の攻撃だと・・・」

コ「いろいろと秘密が有ってね。さすがに話す訳にはいかないんだ。」

ユ「それにアルトには欠点もあるからね。それを狙われると大変なんだ。」

何処かユーノと通じ合うコウに嫉妬する四人。

コ(やべ〜〜何か知らんが新たに危険なフラグを立てちまったな。)

コウの特性、超不運(笑)

そんな話しをしながらも仕事事態はすむうずに進んでいる。

司A「司書長とあの四人は凄いのは知ってるけど司書長が連れて来た人は化け物か!?」

司B「だな、何せ司書長と互角並の探知と読書だもんな。」

司書達が言うようにコウの周りには数十の本が集り、眼前で開かれると分類別に飛んで行く。

古司「無限書庫を開拓仕出しから約10年間、司書長に並ぶ人は現れなかった。」

副司「でも、ようやく肩を並べる人が現れた。」

コウは司書達にユーノがスカウトした司書候補だと思われ、知らず知らず無限書庫内での二つ名を与えられていた。
輝く銀色のジャケットをたな靡かせる【銀の救世者】と。

司「司書長、何時もの子達です。」

キャ「こんにちはユーノ先生。」

ス「勉強を教わりに来ました。」

ティ「私は書庫が大変じゃないかとお手伝いに。」

エ「僕はキャロの付き添いです。」

ユ「いっらっしゃい四人とも、昨日の事務処理はいいの?」

ス「えーえとそれが・・・」

ティ「隊長達が腰を痛めてその・・・」

苦笑いを浮かべる四人、そして隣を見れば偉く呆れた表情のコウが・・・

コ「この絶倫。」

と冷たく言い放ってくれる。

司C「あ、司書長が倒れた。」

司D「よっぽど応えたみたいだな今の一言。」

司E「普通に考えれば羨ましいからな。」

司F「言うな、悲しくなる。」

コ「あの頃ユーノが今みたいだったら大変だったろうなー」

コウが何処か遠くを見つめるとユーノは起き上がりコウを激しく揺さぶる。

ユ「ちょ、いくらなんでもあの頃事思い出さなくっても!!」

珍しく慌てるユーノの姿は普段の知的な姿はなかった。

ティ「初めてね、あんな動揺するユーノさん。」

ス「うん。」

このどたばたが日常的になるなどこの時誰も想像しなかっただろう。

コ「お、落ち着け。あの頃は俺しか知らないし・・・」

ユ「分かってる?あの頃事あの3人が知ったら・・・」

コ「OK、言いたい事は理解した。」

ユ「お願いだから変に危険発言しないで。」

コ「ああ、俺も命はおしいからな。」

2人の会話が気になったティアナはつい・・・

ティ「今の会話から察するとユーノさんはスクライアにいた頃モテタって事ですよね?」

安易に答えを提示する。

ユ「ティアナ・・・」

ユーノに肩を叩かれた瞬間ティアナは身体を振るわせる。目の前にいるのは何時もの笑顔絶えないユーノでなく魔王達でさえおののく翡翠の支配者だった。

ユ「分かってると思うけど他言無用だからね。」

ティ「サーイエッサー!!」

奇麗に敬礼するティアナにいらんトラウマを与えたな、と反省するコウ。

ユ「他の皆さんも分かってますよね?」

『Yse、マイロード!!』

その日、確かに黒ユーノが降臨した。



次回予告

ユ「じゃ、何時ものように同時魔法の発動から。」

自分の技術を教える翡翠の賢者。

コ「キャロちゃんは召喚士なのか、なら・・・」

救世の銀からの思わぬ協力要請。

バ「我はバハムート全ての真龍を纏める王。」

現れたのは強大な力を持つ龍帝。

コ「・・・分かりました。なら俺の全てを掛けて貴方に挑みます。」

明かされるコウの真の力。

キャ「次回、第五話:龍帝VS闘神


エ「僕達は頂上対決を間近にする。」





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