魔法少女リリカカなのはBLADE


第十二話【破られた平穏。】


無限書庫のひと騒動から一週間、書庫内では縦横無尽に飛び交う司書達の姿。


ア「ようやく落ちついたと思ったら厄介な事件が起こったね。」

ユ「連続墓荒らし事件か・・・・・」

ウ「しかも、狙われたのは有名な管理局員ばかり。」

チ「ああ、義父上の奥方の墓もな。」

クァ「あの子は、だいぶ荒れたわね。」

ア「暴走して突っ走らないようコウが一緒何だ。心配いらないさね。」


母親の墓を荒らされたギンガは、非常に危険な眼差しをしていた。無茶をしかねないので。ユーノは、コウにギンガを見守るよう頼んだ。


ドゥ「せっかく、良い関係になりかけていたのに残念ですね。」


互いに、意識しているのが、丸わかりな二人を。より親密にする作戦が立てられ。3日前に、実行されたばかりだった。


ユ(コウには、悪い事したかな・・・・)


根が、素直なコウは、見事に引っ掛かった。どっからどう見ても。バカップルな展開に苦笑いしたほどだ。


ユ(デート後に今回の事件、変に気負いそうなんだよな。)


コウ自身が、自分を不幸の象徴だと思っている伏しがあるだけに、責任を感じる。


ア「で、思い中る術式は禁術扱い。それに近いロストロギアも封印対象で殆ど管理局が保管中。」

クァ「戦闘機人技術やプロジェクトFを用いた技術で攻める気かしら?」

ドゥ「私達がここ(管理局)にいる以上、対策はとられますからそれはないわ。」

ユ(後。思い中るのは、『死者の書』。でもあれを使うのはコウ以外不可能なはず。それに、封印した世界は時空航行艦じゃいけない。)


コウに、封印安置場所を変えたのは聞いている。


ユ(万一に、マサトの手に落ちる事はないと思いたいな。)


もし仮に、犯人が闇堕ちしたマサトなら。ユーノは全力を持ってコウを止める事態になる。


ユ「災厄な事態にならない事を祈るばかりだよ。」


無限につならる本棚を見上げ、ユーノは溜め息をついた。


一方。ギンガは、怪しい場所をしらみ潰しに捜査していた。


ギ「また、ハズレね。」

ス「もう50軒目だよ。」

ティ「やっぱり、宛もなく捜すのは無謀ね。」


何やら、怪しい薬を売っている疑いのある店を徹底して調べた。しかし、出て来たのは販売事態が違法の麻薬草ばかりで、ギンガ達が捜している物は見つからなかった。


コ(三人とも焦っているな。当然だな、自分達の家族の墓を掘り返されたんだ。心中は乱れに乱れているな。)


ユーノが、彼女達を見守るよう頼んだがよくわかる。


コ「三人共、少し休め。ここで無理をすれば本当の犯人確保に支障がでる。」

ギ「何言ってるんですか!?死者の眠りを妨げる輩を追うんですよ。それに、私達は以外に頑丈なんで心配いりません。」


今の彼女達に何を言おうと伝わらない。それは、彼女達自身にもマイナスだろう。


コ「失う辛さは理解している。だが、それを君達の大切な人が望むと思うか?」

ティ「確かに、コウさんの言う事は間違ってません。でも・・・・」

ス「譲れない思いもあるんです。」

コ(・・・・やはり、何を言っても止められないか・・・・)


コウは、瞳を閉じ。ゲンヤに頼まれた事を思い返す。


ゲ「墓を掘り返した奴が何を企んでるかは分からねー。だが、考えれるのは掘り返された者が敵と現れる事だ。ギンガやスバルがクイントを前にしたら、闘い処の騒ぎじゃねー。」

コ「ええ、下手をすると・・・・」

ゲ「身勝手な頼みだとは思ってる。万一の時は・・・・」

コ「心配しないで下さい。万一の時は俺が・・・・」

コ(彼女達の復讐相手になっても、俺は彼女達を守る。俺の全てをとしても・・・・)



コウが、瞳を開けると。向こう側から1人の女性が歩いてくる。その女性を見てスバルとギンガは酷く驚いている。


コ(あの顔は!?)


コウも、ゲンヤに写真でクイントの姿を見せられいた。故に、前から歩いて来る女性に最大警戒になる。女性はギンガとスバルの前に立ち満面の笑顔をする。


ク「大きく成ったわね、スバル、ギンガ。」

ギ「母さん。」


クイントは、二人を抱きしめ。


ク「本当に大きくなったわ・・・・殺してしまいたいくらいに!」


殺気が、立ち上がった瞬間。コウは、有無を言わず。クイントに攻撃仕掛けた。クイントは、二人を放し後方に下がる。


ク「あら、随分失礼な人ね。」

コ「母親が、子供を殺すって言ったら、誰だってこうする。」

ク「此は参ったはね、感じる力だけで。私を超えてるは、まともに戦っても勝てないはね。」

コ「その割に随分余裕ですね。」

ク「ええ、私1人では勝てないのは確かね。」


コウは、何かを感じ。咄嗟にプロテクションを発動する。次の瞬間、プロテクションに着弾音がする。


コ「長距離狙撃か!しかも、腕が凄腕だな。」


コウは、プロテクションと同時に探敵魔法を使った。範囲200mに其らしき者はいない。


ク「あら?今のも余裕で防いじゃうの?」

コ「こう見えて、死戦を幾田も乗り越えているんでね。」


コウは、クイントの余裕に納得した。処に要るか定かでない。狙撃主を警戒しながら戦うのは、普通にリスクが上がる。


コ「ティアナ!!俺は、戦闘に集中する。狙撃が何処から来るか見て、君は狙撃主を押さえてくれ。」

ティ「え!?」

コ「混乱してるのは分かる。だが、目の前に居るのは敵だ。ギンガとスバルは、母親だと気にして戦えない。君は冷静に戦況を理解できる。頼りにしているよ。」


コウは、そう言って、クイントに攻撃する。


ク「あらあら、せっかちな男性は、嫌われるわよ。」


クイントは、危なげに回避し。バリアジャケットに身を包む。


ギ「母さん!!」


慌てた様子のギンガに、コウは、咄嗟に・・・・


コ「我が声に応え、何の者に水の束縛と守りを!!」


拘束と防御の特性を持つ、水の監獄を発動した。


ギ「此は!?」

コ「俺の本来の属性を使用した拘束結界。物理的攻撃や力付くの突破は出来ない。」

ク「あら、娘達は拘束するの?」

コ「下手に、貴女を庇われると面倒なので。」


状況を理解していても。ギンガとスバルは、クイントを守ると断言できる。怨みを受ける覚悟で、コウはもう一度。クイントを葬る事になる。


ク「そう、でも。本当に私を殺せるの?」


次の瞬間、コウの雰囲気が変わった。


コ「ええ、手加減抜きで。」


コウは、左手を手刀にして構える。


ク「あの方の話しでは、そこまで冷酷に為れないと聞いたのですが。」

コ「封印をどう解いたは知らないが、やはり。彼奴が裏にいるのか。」

ク「シクスが全て揃った以上、僕が動くのは当然だろ?だ、そうよ。」

コ「なるほど。彼奴が考えそうな策略だ。」

ス「どういう事?」

ギ「母さんを甦した者が、残りのシクスマテリアルを回収していた。でも、それができるのは・・・・」

コ「・・・・マサト。お前は、本当に戻れない所まで堕ちたんだな。」

ク「ご本人からのもう1つの伝言です。『僕は、本当の君と殺し合いをしたいからね。』だ、そうよ。」

コ「彼奴は、本当に。この世から消されたいみたいだな。」


次の瞬間、コウのオーラが、どす黒くなる。


コ「そんなに見たいなら見せてやろう。本当の化け物の力を・・・・」


普段の物静かな雰囲気が、一転する。


ク「参ったは、此方にもう少し。戦力を送って貰うべきかしら?」

コ「そちらも、此方も、増援は出来ない訳だ。」

ク「ええ、でも。此方は、問題ないは。其ほどの殺気を放ちながらも、あの子達に気遣いしている貴方が、一瞬で決着はつけないもの。」

コ「・・・・」

ク「その優しさが、貴方のリミッターね。あの方は、一切の優しさなど残っていないわよ。」

コ「本当に悪趣味だな。生前の本人の想いを少し残す何てな。」

ク「先程より、殺気が落ちたわよ?本当に優しい子。」

コ「俺が、闘った中で。一番殺り辛い相手ですよ、貴女は。」


コウが、瞬時に詰め寄り。手刀を振るおうとすると、腕を銃撃去れる。


コ「ティアナ!!」

ティ「大丈夫です、任せてください。」


そう言って、ティアナが駆け出す。


コ「追わないんですか?」

ク「必要はいは、身内が私だけとは限らないわよ?」

コ「!!」

ク「行かせないわよ。」


クイントが、コウの前に立ち塞がる。


(念話妨害も去れてるか。)


咄嗟に、念話を使ったが、ノイズが酷いので妨害されていると分かる。


ク「今度は、此方から攻めますね。」


スバルやギンガ以上の鋭い拳と蹴り。体術も、ビスマルク以上だろう。


(ビスマルクは、魔力に物言わせた戦闘スタイルだったが、クイントさんは本物の体術。確実に、此方の急所を突いてくる。)


唯一の救いは、女性故の拳の軽さだろう。


ク「やはり、貴方に一撃入れるには。今のままじゃ駄目ね。」


そう言ったクイントが、水檻に捕らわれる。娘達に近く。


コ「その水檻は、特殊結界。解く事は用意じゃない。」

ク「そうね、此方からの攻撃も無駄ね。でも、このて檻は、対象者への攻撃以外は通すは。」


クイントが水檻に自らの手を入れ。


ク「ツイン・リボルバーナックル。セットアップ!」


クイントが、発動トリガーを叫び、腕を抜くと。両手に装備されたリボルバーナックル。

コ「!!!」

ク「思ったとおり、今だ私の認証を解除してないのね。」


冷徹な、微笑みを浮かべ。クイントは、コウに再攻撃を仕掛けた。


一方・・・・


空中でぶつかり合う魔法。


は「何でや?」


相対する、敵に対しての疑問。


は「何でアンタが、リーンフォスがここに居るねん。」


悲しみと戸惑いを乗せた言葉が響く。


リ「すみません、主。私は、何者かにより現世に再生され。貴女方を倒すようプログラムされています。」

ヴ「どうにかなんねーか!?」

リ「すまない、私の力も及ばぬのだ。」

は「うちには出来へん。リーンフォスをまた空に返す何て出来へん。」

(リーンフォスが相手じゃ、はやてはまともに戦えねー。なのはとフェイトもまだこっちに来れねー。その上、攻撃約の私と、ザファーラも。何でか分かんないけど攻撃できねー。)


シグナムはとある騎士と好戦中、ヴィータが内心焦ると放たれ魔法。ザファーラが身を盾にし、受ける。


ザ「グォ!」


魔力をまともに受けたザファーラは、地上に落下し守護獣姿になる。


シャ「ザファーラ!」


一番最初の砲撃で落とされていたシャマルは満身創痍ながらもザファーラに回復をかける。


(チキショー、魔法が殆ど発動しねー。)


再び集められる。魔力は自分が盾になっても、はやて事撃ち落とす事ができる。


(これまでなのかよ。)


魔力が放たれ、ヴィータが眼をつむる。しかし、衝撃は来ない。瞳を開けると、そこには。


な「お待たせヴィータちゃん。」

フェ「二人は遣らせない。」

ヴ「なのは、フェイト。」


最も頼りになる、援軍だった。





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