魔法少女リリカカなのはBLADE


第十三話【悲しみの連鎖。】


ツインリボルバーナックルに。コウは、未だ決定だを与える事が出来ないでいた。


(強い、総合的には俺の方が上だが、強者に対した技が豊富だ。その上、裁ききれない危ない一撃は狙撃でほろうしている。)


的確な連結なうえ、死んでいたブランクなど無い動き。格闘戦で此処まで手間取るのは久しぶりなだけに、コウは完全に闘士モードになっていた。


(だか、二人を水牢に閉じ込めていられるのは、余り長く出来なそうだからな。)


冷静さを取り戻した。ギンガは、先程から、結界破壊の術式を幾つか展開して試している。


(あの様子だと。後、15分位で解かれるか?)


冷や汗を感じながら、必殺技の使える時を待っていた。


その頃。ティアナは、1つのビル内を、慎重に探索していた。


(墓を、掘り起こされた局員は数名、その中で狙撃の名手は・・・・)


ティアナは姿を隠しながら、相手に近付く。相手を眼で捕らえる距離になる。


「そんな所に隠れても無駄だよ。ティアナ。」


此方に気付いた相手は、自分の名を呼ぶ。


「兄さん・・・・」


ティアナは、クロスミラージュを構えながら。兄の目の前に出る。


「酷いな、兄さんに武器を向けるなんて。」

「!?」


ティアナは、咄嗟に。回避をする。


「うん。強くなったね。」


ほぼ、不意打ちに近い攻撃を交わす妹を誉める。


(兄さんの得意技、遠隔狙撃。このビル事態が罠を張り巡らした檻。戦闘に集中しないと殺られる。)


ティアナは、反撃を咄嗟に放ったが、全て落とされている。


「ティアの目的は、俺の捕縛。でも・・・・」


ティアナはディレインバインドで拘束される。


「俺は、死者だ。殺さない限り止められない。」


自身を、殺せないだろう妹にそう言う。


「確かに、あの頃の私なら無理だった。」


必ずしも。管理局が、犯罪者を無力化して捕らえていた訳じゃない。自分や上官であるフェイトは未だその事に当たっていないだけだ。


「魔法は、万能じゃない。例え否殺傷でも相手の命を奪い兼ねない。」


自身が、無茶をやらかした時。なのはさんが、お灸を据える為に使ったクロスファイヤーシュート。アレも、下手をしたら私は大怪我だったらしく。それを知ったユーノさんが大激怒。なのはさんがフツクシイ土下座でヴィータさんと謝った。


「魔法は過ぎたる力。だから、常にもしもを想定して中らないといけない。魔法が使えて当たり前に出来てしまう事が多くなる反面。魔法による危険性を忘れがちになる。だから僕は、魔導師しとしてでなく、魔法使いとして此所にいる。」


魔法を導く者としてでなく。魔法を使える者と居る。その意味の深さを理解出来る場所に居れる、自分はきっと幸せ者だ。


「前の私なら、きっと兄さんを撃てなかった。だけど。自身も討たれる覚悟で兄さんを討つ。」


相手も、自分も、命掛けなのだ。相手の命を刈り取る覚悟を胸に秘め戦う。私は、コウさん直伝バインドクラッシュを発動させ。罠を抜ける。


「馬鹿な、多重構築のバインドを!!」

「成る程、私みたいな魔力の低い者にはうってつけの方法ね。」


私は、コウさんにある抜け穴を教わった。


「魔力量が高ければ確かにバインドは砕けるよ。ただ。ユーノ見たいに複合式を使える相手とぶつかると力業じゃ脱け出せない。」


コウさんの言うように、確かに。ユーノさんのバインドに捕まると、隊長達でも脱け出せない。


「だから、相手のバインドに自分のバインド構築を上乗せするんだ。一見するとバインド強化に見えるけど、相手の魔法に干渉する事に成功出来たって事、つまり。」


私とキャロは理解出来た。魔法は言い換えるならプログラムの様なもの、それをハッキング出来た時点で自身の勝利だ。


「もっとも、ユーノ相手にはこの方法も通じ難いがな。」


ユーノさんは。通常魔導師が、使用する魔法構築を十とすると。ユーノさんは、百以上。複数のマルチタスクを同時に執行出来る。回転力の高さと精密差。それが合わさってるからこそ出来る技。


「バインドブレイク、+上乗せで解かないといかんから無駄に魔力消費が多くなるんだよな〜(;-_-)=3」


私も、試しにユーノさんのバインド脱出を試みた。脱け出す事に成功したも、魔力は完全に空に近かった。


「ティアナは、1回コツつかめば物に出来るさ。」



馴れた頃には、教えた俺より上手くなったよ。と、太鼓判を押された。


「私は、迷わない。スターライト・ブレイカー」


裁きの閃光は、ディーダを呑み込んだ。



(!!狙撃が止んだ。)


コウの打ち出した拳がクィトに直撃した。


「わりぃ、遅くなった。」

「・・・・ノーヴェちゃん、ウェンディちゃん。今から起こる出来事を全て止めないで。」

「「へ?」」

「頼んだよ。」


コウはクィトに一瞬で近付く。


「さ迷える魂よ。安らかに眠れ。」

「!!」


コウの左腕は、クィトを貫いた瞬間、クィトは、炎に包まれる。


「か、母さん!!」


ギンガの悲鳴に似た絶叫が木霊す。


「ありがとう。・・・・娘達をお願いね。」


クィトは、燃え盛る炎の中で、コウの左頬に手を添え、肌を焼ながら塵となった。


「コ、コウ。顔。」

「気にしなくっていい。問題は、ここからだ。」


ノーヴェとウェンディが振り返ると。黒い邪気に包まれた。ギンガとスバルの姿。


「何だあれ?」


ノーヴェが驚くのも無理ない。黒い邵気が二人を包んでいるからだ。


「あれは・・・・」


コウが説明する前に、人とは思えない咆哮を上げ、ギンガとスバルが消える。


「なっ!!」


ノーヴェが驚くと、ゴッと打撃音がが響くと。壁に叩き付けられた二人の姿。


「へ?え!?」

「簡単に説明するなら洗脳系に捕らわれているだな。しかも・・・・」


更に漆黒を濃くした二人が立ち上がる。


「簡単に解除出来ない。」


二人を解放する方法は知っている。難易度が有るなら二人同時だろう。洗脳状態にも関わらず、リボルバーナックルを取っているのだ。簡単には行かない。


(ま、確実に1回いや、二回死んだな。)


あえて、迷いが有るなら。自身が[化け物]だと知らしめる事だ。


(・・・・何故だろう。彼女に知られたくないと思うのは。)


再び、踏み込んで来る。ギンガを見つめながら、コウは、自身の想いに気付けないでいた。


「そろそろ魔力も限界でしょう。」

リーンフォースは息をあらげる二人を悲しい瞳で見つめる。


「まだだよ。」

「私達は諦めない。」


普通なら倒れる程のダメージをリーンフォースは受けている。だが・・・・


「[死者の書]により再構築されたリーンフォースを倒す事は出来ない。[死者の書]事態を破壊。もしくは、使用者の意識を断つしかないんだ。」


その声に3人は驚く。


「「「ユーノ」君!?」」


転移魔法で駆けつけたユーノだった。


「どうして?」


なのはの疑問は最もだ。余程の事がない限り、ユーノは無限書庫から現場に来るなどないからだ。


「戦う相手が相手だからね。優しい君達が、これ以上傷ついて戦う姿を見たくない。」

「でも、」

「心配要りません、奥方様。ユーノ様が何も対策も無く前線に立つことなどありません。」

「せやけど。」

「大丈夫。僕は絶対に負けないから。行くよクリス。」

「無限書庫司書長権限確認。ロックを開放します。」

「創設なる魔導書よ。今こそ我が声に応え、その戒めを解き放て。クリスクリエイター。エボリューションセットアップ!」


ユーノの持つ創設の書は、デバイスではない。その実はロストロギア。しかも、アルハザードの技術体型で模したものだ。
易々と使う事は不可能に近い代物で。しかも、無限書庫の奥の方に眠っていた。偶々奥を整理していたユーノの探知魔法にかかり、何故かユーノとのリンクに成功したのだ。ユーノも変わった自身の姿に驚愕し、制限をかけている。その力を理解すれば欲する者も後をたたないほどなだけに。何せ、自身の記憶している魔法処か、思い付いた魔法さえ、創設してしまえるのだ。しかも、何れだけ魔力が乏しい者でもエボリューション・・・・自身を違う進化させ存在を変えてしまえるのだ。


「「イージスフォース、セットアップ完了。」」

[こいつあスゲーや。はやての嬢ちゃん見たいなユニゾンか?]

「近いとも遠いとも言える。鋼の守りよ。傷つきし者達を守り癒しを与えよ。ハイ・ラウドガータエクステント。」


なのは達が結界に包まれる。


「これって。」

「なのはには1回使った事あるよね。今度は大人しくしててね。」


あの時の事を言われ。なのはは、顔を真っ赤にする。


「シグナム、そちらは任せますよ。」

「承知した。」


「あの時よりも随分と強くなったようですが。私は、消滅させる以外倒す事は出来ません。」

「僕を嘗めないで。僕は、無限書庫司書長ユーノ・スクライア。無限を統べる長が何にも対策なく、愛する人の大切な人を見捨てるわけないだろ。」


自信満々に言い切るユーノになのは達は目が釘付になった。





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