魔法少女リリカルなのはBLADE外伝 鬱章前編 高町なのはは顔を真っ青にしながら赤いランプが灯る手術室の前でただひたすらにユーノの無事を祈った。 な「ユーノ君・・・」 なのはの心は荒れていた。数時間前にヴィヴィオがさらわれ無事を知らせる連絡が入った矢先に今度はユーノが大怪我を負ったと言う知らせ、いくらエースオブエースと言われる彼女でも心は折れる寸前だった。 フェ「なのは・・・」 そんななのはをフェイトは優しく抱きしめて。 フェ「きっと大丈夫だから・・・」 と励ますしかなかった。 一方本局では大騒ぎになっていた。ユーノが倒れただけならここまで大騒ぎになってはいなかっただろう。しかし偶然にも血まみれで倒れているユーノを司書が見てしまい瞬く間に本局全体に伝わった。そしてクラウディアでは深刻な表情で今回の事件にたどり着いたクロノが自分自身を呪っていた。 ク「僕は何で気付かなかったんだ!最高評議界の闇を彼奴が気付かない分けなかったんだ!!」 クロノは壁に思いっきり拳を叩き付け後悔する。 ク「彼奴がなのは達に心配かけないよう秘密裏に闇を調べ上げているなんて予想できたのに・・・」 叩き付けた手は赤く血が滲み出る。。 リ「あまり自分を責めては駄目よ。」 ク「母さん・・・」 リ「今回の事は貴方だけの責任ではないは。」 ク「しかし・・・」 リ「確かに貴方が一番ユーノ君と会う回数は多かったは、でも気付かれないように事を進める何てユーノ君にとって朝飯前よ。」 ク「それでも僕は自分を許せない、ほんの少しでも気付かない何てなのはの時よりたちがわるい。」 リ「そう思うなら貴方がすべき事は・・・」 ク「ユーノが炙り出した闇を僕達で捕まえる事です。」 その瞳にはしっかりと炎がやどっていた。 一方、3時間以上にわたって手術室のランプが消える。中から手刀医であるシャマルが手術室から出てくる。 な「シャマルさんユーノ君は!?」 鬼気迫る表情でなのははシャマルに問い詰める。 シヤ「落ちついてなのはちゃん手術は成功よ、ただ出血が多かったから目覚めるのは明日よ。」 な「良かった・・・」 緊張の糸が切れなのはは廊下に座りこむ。 フィ「本当に良かった。」 は「ほんまや、一時は肝が冷えたで。」 フェイトとはやてがホットしているとシャマルから念話がくる。 シャ{はやてちゃん、フェイトちゃんちょっといいかしら?} は{何やシャマル念話で?} シャ{ユーノ君の傷にかんして何だけど・・・} フィ{傷に関してならわざわざ念話じゃなくっても・・・} シャ{だだの殺傷だったらなのはちゃんにも話せただけど・・・} は{何やなのはちゃんに聞かれたら不味いんか?} シャ{微量だけど魔力が残ってたの。} フィ{だったらユーノを刺した犯人が分かったの?} シャ{ええ・・・でも・・・} は{何やシャマル勿体ぶらんと言い。} シャ{犯人はヴィヴィオちゃんなの。} フィ{え・・・} は{シャマルそんな冗談・・・} しかしシャマルの顔色は悪いままだった。 は{嘘や嘘って言い。} シャ{嘘じゃないは、間違いなくユーノ君を刺したのはヴィヴィオちゃんよ。} フィ{そんな・・・} シャ{そうじゃなかったらユーノ君が真っ正面から胸を刺される何て有り得ないもの。} は{やから念話なんやな、こんな話しなのはちゃんには話せんわ。} シャ{ええ・・・今回の事件の全容が明らかになるまではなのはちゃんには話さないつもりよ。} は{そうしたほうがええやろうな、うちは今からユーノ君の部屋に何か無いか調べるさかいフェイトちゃんはなのはちゃんのそばにおったて。} フィ{分かった。なのはの事はまかしておいて。} 3人は互いに頷く。 シャ「なのはちゃん、今日は色々心労が重なったから一旦家に帰ったほうがいいは。」 な「でも・・・」 フィ「なのはの気持ちも分かるけど、ヴィヴィオだって今日恐い体験したんだから私達が側にいてあげないと。」 シャ「それに今日中には目を覚まさないから落ちついてからヴィヴィオちゃんと一緒に来た方がユーノ君も喜ぶはずよ。」 な「分かりました。今日は帰ります。」 なのはは頭を下げると手術室を後にする。 は「ほなフェイトちゃん、なのはちゃんの事頼んだで。」 フィ「うん、はやても捜査のほう頑張って。」 2人もまた手術室を後にする。 ユーノは夢を見ていた。まだスクライアの集落にいたころの夢を・・・とても懐かしく思いながらユーノはさらに夢中へ落ちていく・・・ 迫り来る炎を纏った手刀をラウンドシールドで受け止める。 ?「く!何て硬いシールドなんだ!!」 目の前に自分と同い年くらいの少年は舌打ちする。 ユ「アポトロス!」 ア「了解。」 ユ「ファイア!」 4つの翠の魔法騨は対する少年に向けられる。 ?「くっ!!」 少年はすぐさま離れる。 ユ「チェーンバイト!!」 ユーノは追うようにバイトを放つ。 ?「てや!」 手刀でバイトを切り払う。 ユ「アクセルシューター」 続けざまにアクセルシューターを放つ。 ?「はぁーーー」 切り払いながら間合いを詰めていく。 ユ「ストライクバインド!」 僅かな隙を狙いバインドを放つ。 ?「なっ!」 間一髪で右に避ける。 ユ「チェーンバインド!」 声に反応し後ろに避けたがバインドは見当たらない。 ?「しま・・・」 少年はディレインバインドに捕まる。 ?「勝負あり、コウお前の負けだ。」 コ「はい・・・」 それが僕とコウ・タツミヤとの出会いだった。 そして舞台は再び現実世界へ移る ユーノが殺傷されてから既に一週間たっていた。 フィ「なのは少し休んだほうがいいよ昨日から寝てないでしょ?」 な「ごめんフェイトちゃんもう少しこうさせて。」 なのははユーノの手を握りしめ小刻みに震えている。 フィ「ユーノが目覚めなくって心配なのは分かるけどなのはが無理して体を壊したらもともこうもないよ。」 な「でも今はこうしてないと不安なんだ。」 フィ「なのは・・・」 フェイトはそっとなのはを抱きしめる。だがその行為が誤解を招いているなどとはこの時は想像もつかなかっただろう。 一方はやてはユーノの部屋から見つけ出したディスクのパスワードを解くのに苦戦していた。 は「これも駄目や、ユーノ君が思いつきそうなのは後何やろうな…」 シ「ユーノの事ですしミット、ベルカ文字以外の可能性も有りますからね。」 は「そうなるとお手上げやな。」 ザ「とりあえず一息ついたらどうでしょう?今を詰めて焦りになられても上手く頭は回りませんから。」 リ「それにはやてちゃんまで倒れたら大変です。」 は「そやな、一息ついてからまた頑張るわ。」 はやては大きく伸びをしテイブルに置かれた珈琲を飲む。 は「せやけど、ユーノ君はまだ目覚まさへんようやな。」 ザ「シャマルの検診では積もりに積もった疲れで体が本能的に休みを求めていると言う事です。」 シ「当然と言えば当然だな、ただでさえ無理して仕事をするユーノが私達に気付かれないよう闇と戦っていたのだ。体はとうの昔に限界を超えていたでしょう。」 リ「フィ・・・ユーノさん無理し過ぎです。」 は「いい加減行動に移そうか?」 シ「主の気持ちも分かりますが高町やテスタロッサとの協同もありますし・・・」 リ「でも今回の事で強行に移る女性職員が多くいるかもしません。」 は「リインの言うとおりや、ただでさえ競争率高いユーノ君の隣や、うちらの存在で奥手に走っとる女性司書の皆さん何て一番危ないで!!」 リ「はやてちゃんの言うとおりです。何処の誰か分からない人にかっ浚われるくらいならはやてちゃんが一番適任です。」 シ「リインも主もおちついてください。確かに強行に出る輩もいるでしょうが大抵、高町に頭冷やされるかテスタロッサに感電させられるか2つに1つでしょう。」 は「あーそれは否定できへんわ。」 ザ(スクライアは目覚めたら目覚めたで苦労しそうだな。) シ(主には悪いですが私だってユーノの隣りは譲る訳にはいかないです。) リ(なのはさん達には悪いですけどユーノさんは絶対はやてちゃんとくっ付けるです。そして堂々とフィータど呼ぶです。) は「さて休憩もとったし、作業再開や!」 はやては再びパスワードを入力し始める。 その頃ユーノは夢の中をさ迷っていた。 ユ「だからここの構築は・・・・」 コ「えーーと、こうか?」 ユ「そうそう、そんな感じ。」 コ「シールドの構築って結構難しいな。」 ユ「感覚で張ることも出来るけど折角だし基本に忠実な方が魔力消費は少ないからね。それに君のフレーイムブレードは肉体硬化に炎を灯す技だから通常より魔力消費も多いんだ。だからなるべく魔力が少なく張るコツを覚えておいたほうがコウの為になるしね。」 コ「そう言われると・・・確かに無駄に炎を流し出してる方が多いかも・・・」 ユ「僕達は発掘者だし、いざって時炎が使えないと大変だかりね。」 コ「それは言えるな、所で・・・」 ユ「何?」 コ「さっきから女の子達が何か聞きたそうにこっちを見てるんだけど・・・」 ユ「何の用だろう?」 コ「こっちはいいから女の子達の所に行ったら?」 ユ「そうするよ何か分からない事あったら呼んでよ。」 そう言ってユーノは女の子達の所へ向かった。 コ「何であんなに好意抱かれてるのに気付かないんだろう?」 妙な殺気を当てられるだけにコウは割と感が鋭くなっていた。 中編に続く。 |