闇に隠れた男は嫌らしい笑みを浮かべる。

マイクのスイッチを玩る男は、いわゆるPCを駆使すると垂直に挑戦され、かつ、水平に挑戦されている…平たく言えば、チビでデブだ。



「君に正しいけれんを教えてあげよう」(題名兼)



“Now, it’s a show time.”



 誰に聞かせるともしれない呟きと共に、男はスイッチを入れた。







諸君、私はリリカルなのはが好きだ
諸君、私はリリカルなのはが大好きだ

高町なのはが好きだ
なのちゃんが好きだ
なのはさんが好きだ
フェイト・テスタロッサが好きだ
八神はやてが好きだ
アリサが好きだ
月村すずかが好きだ
クロノが好きだ
ユーノ・スクライアが好きだ

U局で 有線で
衛星で DVDで
CDで 漫画で
小説で グラビアで
ネットで 同人で

この世界に存在するありとあらゆるリリカルなのはが大好きだ

地上波の本放送をリアルタイムで視聴するのが好きだ
静かな深夜に同じようなCMが繰り返される中で放送時間を待つ時など心がおどる

机をならべたサークル全てがリリカルなのはの新刊同人誌を並べているを見るのが好きだ
うず高く積み上げられた同人誌が次々に配布される様子など胸がすくような気持ちだった

リリカルなのはを扱った新たなサイトを探すのが好きだ
これまでリリカルなのはを書かなかった実力派絵師がトップ画像になのはたちの絵を持ってきた時は感動すら覚える

リリカルなのはの楽曲をゆっくり楽しめる時などはもうたまらない
高性能ヘッドホンで金切り声とも言える大音量に上げつつ目を閉じて浸るのも最高だ

まだまだ画力の伴わない新米絵師が情熱をもってなのはたちを書き続けて成長していく様など絶頂すら覚える

新旧ファンの滅茶苦茶な論争を見るのが好きだ
共にリリカルなのはを愛しているはずだった皆がほんの少しの意見の違いから仲違いしていく様はとてもとても悲しいものだ

ぷちオタ気取りのテロテロ坊主にしたり顔をされるのが好きだ
勘違いした流行を追いかけることしかできない出来損ないどもに軽蔑の目を向けられ害虫の様に扱われるのは屈辱の極みだ

諸君、私はリリカルなのはをありのままのリリカルなのはを望んでいる
諸君、私同様にリリカルなのはを愛する戦友諸君
君達は一体何を望んでいる?

更なるリリカルなのはを望むか?
情け容赦のない全力全開なリリカルなのはを望むか?
全力全壊の限りを尽くし三千世界のオタクを圧倒する嵐の様なリリカルなのはを望むか?


『リリなの! リリなの! リリなの!』


よろしい、ならばリリカルなのはだ


我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ
だがこの暗い闇の底でただただ堪え続けてきた我々にただの1クールではもはや足りない!!

2クールを!!
問答無用の2クールを!!

我らはただのオタク、それも一般人にロリコンと混同され見下されるオタクに過ぎない
だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
ならば我らは諸君と私で総力無限の圧力集団となる

我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう
我らの思いを見せ付けて眼を開けさせ思い出させよう
連中に希望の味を思い出させてやる
連中に好きなものにのめりこめる強さを思い出させてやる

天と地の狭間には奴らの浅薄な哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
人の思いを感じることのできる我らオタクによって
世界に命の炎を知らしめてやる

「リリカルなのはを愛する扇動者よりリリカルなのはを愛する全てのオタクへ」
合言葉は全力全開!!

リリカルなのは第3期 魔法少女リリカルなのはStrikerS 全力全開で視聴せよ





ブツッ









あとがき



御目汚し失礼、何故かまた「さぁ。」の奴です。

…テンションを上げるために試行錯誤していたのに…私は何をしているのだろう…少佐と私、シルエットは似ていたり…どうやら疲れているらしい…フリップフロップ失敗。

それにしても、あの壊れた演説がほんの少し改変するだけで結構まともな内容になる言葉の不思議。





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