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“本日の課題:美少女天才魔導士×管理局の白い覇王=ニゲロ!魔王S!”



「お話を聞かせてなの」

「知ったこっちゃないわね」


対峙するは、二人の少女


マントを風に靡かせて、不敵な笑みを浮かべるは、『魔を滅すもの』の銘を受けし、


(自称)美少女天才魔導士『リナ=インバース』


そして


白きバリアジャケット纏い、手にする杖は『不屈の心』、呼ばれしその名は


(他称)管理局の白い悪魔、戦技教導官『高町なのは』




有ったら怖い可能性



それでも遇ったらどうなるの?




美少女天才魔導士×管理局の白い覇王=ニゲロ!魔王S!




風が吹く

焼け焦げた木々

砕けた岩

大穴の空いた地面

周囲には、ピクピクと痙攣し転がる野盗達の姿


「貴女が手に入れたその水晶を此方に渡して頂きたいんです」


そんな周囲の惨状を、何処吹く風で問い掛けるのは 我等がヒロイン なのはさん。


「そんなこといって『はい、そうですか』って渡すわけないっしょ?」


ハナで笑い、馬鹿にしたように答えるのは、賓乳ちんちくりん魔導士リナ=イn


「エルメキア・ランス!!」


どしゅっ!


「い、いきなりどうしたの?」

「いや、なんていうか、物凄い殺意が湧いたというか、絶対見つけ出して殺してやるというか…」

「は、はぁ……」


いきなり地の文にツッコミいれるのは勘弁して頂きたい。第一人格が倒れたじゃないですか。
まぁ、それはともかく



「と、とにかく。貴女が持っているそれは、第一級捜索指定ロストロギアなんです。人が扱えるようなものじゃないの!」

「は?『ろすとろぎあ』って何?…まぁ、いいわ。どうしてもこれが欲しいっていうなら、対価を払ってもらいましょうか」

「た、対価?」

「お・か・ね♪じゃなきゃ、今から言うマジックアイテムと交換で」

「へ?」

「んと、ヘリグナの霊薬5個とキミス草の粉末3袋、瑠璃山猫の瞳とブラックドラゴンの胆血玉。これでどお?」

「…お、お幾らくらいでしょう?(クロノ君に報告すれば都合つけてくれるよね)」

「あれ見て」


リナが自分の肩越しに指差す。

その先には、其れなりの大きさがあるお城が佇んでいた。


「あれが7個買えるくらい」

「無理です!?絶対無理!」


あっさり告げるリナに、なのはが真っ青になって詰め寄る。

この世界の通貨レートがどうなっているのかは解らないが、少なくとも なのはの給料ウン年分程度の額ではないのは確かだ。


「あら、じゃあ交渉決裂ね♪さよなら〜♪」

「ま、待ってくださいってば!」


手をヒラヒラと振り、さっさと踵を返すリナを追いかける なのは。


「しつこいわね。これを手に入れたのは あたしが先よ?それを欲しいというのなら、等価交換してくれないと」

「『手に入れた』って、さっきの人達から奪い取っただけじゃないですか!」

「違うわよ」

「え?」

「だって、『野盗のものはあたしの物 あたしの物はあたしの物』ってことだから」

「そんなこと言いません!第一、それは子供の言い訳です!」

「うっさいわね。悪人に人権は無いからいいのよ」

「そうかもしれませんけど、いやそうではなくてですね」


あしらうリナに真っ赤になって言い募るなのは


うんざりした表情で、リナが言い返そうとした時


「!」
「っ!」
〈マスター!〉

レイジングハートが警告の声をあげると同時に、その場から二人とも飛び退く。


ドウンッ!


今まで彼女達が立っていた地面が、一条の光弾に抉られた。


「な、なに?」
〈マスター。右前方2時の方角に魔力感知。未知の波長パターン検出〉
「しゃ、しゃべるのその杖!?」


突然の攻撃に周囲へ視線をめぐらせる なのは。
彼女に警告を発するレイジングハートの姿に、驚愕の表情浮かべるリナ。
そんな彼女達に、闇に沈む木々の間から、非人間的な声が掛けられた。


《くくくくく、アレヲカワスカ。ツマラナイシゴトダトオモッテイタガ ソコソコタノシメソウダナ》


「かなりの魔力を感じていたから唯の杖じゃないとは思っていたけど、喋る杖!これ、何?!」
「え、ええと、レイジングハートはインテリジェンス・デバイスでして…」
「『いんてりじぇんすでばいす』?」
「ええと、魔法の発動をサポートしてくれたり、自立防御をしてくれたりする杖のことで…」
「ねぇねぇ!これ、売ってくれない!?300、いや、400ゴールド出すわ!にゅおおお!あたしってば太っ腹!」
「だ、だめです!レイジングハートは売り物じゃありません!」


《…ヲイ……きさまタチ…コチラノコトヲ…》


「けちけちするんじゃないわよ。光の剣でも500だったのよ!それに迫る額なんだからサッサ売って頂戴♪」
「ひ、光の剣というのがなんだかわかりませんけど、レイジングハートは唯の杖じゃないんです!
私の大切なパートナーなんです!」
「え〜〜〜?」
「なんていわれても売りません!」


《キ……キサマラーーーーー!》


完璧に無視され激昂した≪ソレ≫が なのは達へと光弾を叩きつけようとした時、

「さっきから横でごちゃごちゃ五月蝿いのよ!『エルメキア・フレイム!』
「今大切なお話中なんです!黙っていて下さい!『ディバイン・バスター!』


ずどどどどどどどどっ!×2


《ぬぐぁあああああああああ!?》


≪ソレ≫は振り向きもせずに放たれたエルメキア・フレイム&ディバイン・バスターの直撃を喰らい、
名乗りも上げられずに塵となって風に飛ばされていく。


「ん?あれ?今其処になにか居たような?」
「へ?レイジングハート、誰か居たの?」
〈……問題ありません〉
「そ、そう?」
「それはともかく!420でどう?!」
「だ・か・ら・売・り・ま・せ・ん!」
「ちぇっ、ケチ」
「何がですか!」


ぎゃあぎゃあと姦しく喚きながら街道を進んでいく彼女達。

白い覇王と元祖・ドラまたのファーストコンタクトはこんな風に始まった。





次回に続く?





適当捏造第一弾!書き出したらネタがコロコロ出てきたよママン!?
脈絡も、前後の話も無い上に、ノリだけで書くこの話!

『ガウリィは?ゼロスは?何でなのはがこの次元にいるの?』
『他の管理局メンバーは?フェイトとか出ないの?』

等の質問は受け付けません(核爆)
だって、書いてる俺からして解らないんだからな!(蝶☆核爆)

なのは・フェイト・はやて・クロノVSリナ・ガウリィ・アメリア・ゼルガディスとか、楽しそうだけどNe!






“今日のお題:名も無き漢達の宴(副題:量産型には哀の手を その7)”




その日 そいつらは運命に出会った





武装局員達の待機室で出待ちをしていた中の一人、ディシス(仮)が何気なく手に取った本。

ドリムノートなら良かった。青くて丸くて耳無しの、どらやきが主食のロボットが出すアイテムでも良かった。

だが、その『本』は、ぶっちゃけるとデスノート並みの危険度MAXアイテム。

自分たちの運命が綴られていたその『本』のタイトルは、『泡紡世界・プロット』と言った。



「……(ぱさり)」
「ん?どうした?本、落としたぞ」
「ヘ(°¬°)ノ~ ウケケケケケ」
「ぬぉ!?ディシス(仮)が壊れた?!
「どうした!?なにがあった!」
「もう駄目ポ(・ρ゜)」
「ディシス(仮)〜〜〜〜?!」
「一体この本に何が書かれて(ペラッ)………ヘ(°◇、°)ノ~ ウケケケケケ
「ああああ?!エルス(仮)も壊れたぁ!?」
「皮膚浸透型の毒物でも塗られてるのか?!その本!?」
「そんな馬鹿な…(;´o`)」
「で、でもさ、ふたりもこんなだし…」
「「ヘ(゜Д、゜)ノウケケケケケケ」」
「杖で触るくらいなら…平気か?(; ・ _・)ッー、田
01『止めろぉぉぉ!』
「いや、お前たちなら大丈夫だろ?機械だしよ」
02『そういう次元に無いと思うんですが、その本…』
「闇の書じゃあるまいし、取り込まれたりしない……よな?」
|0)(迷彩中)
04『そう断言出来ないのが怖いところだよぅ……』
03『俺は断固拒否するぞ。それに触れるくらいなら自爆する』
「自爆って……ヲイ…まさか、本当に自爆装置付いてるとか……そんなわけねぇか」
05〜07『『『…そうだったらどれだけいいか…ううう(泣)』』』
「「「「「マジか!?」」」」」(「「ヘ('◇'、)/~ ウケケケ ヘ(°◇、°)ノ~ ウケケケ)」」
『『『『『『『マジなんだよ!(号泣)』』』』』』』
「あ、あああああの開発局の奴ら、何考えてやがんだ!!?」
01『「奴ら」違う、「奴」(ポツリ)』
「うぇ?」
02『そうですね、あの方が最大のガンです』
|w0)(迷彩中)
「噂には聞いていたが……そこまで厄介な奴なのか」
03『ああ…うちらをイジル時は、本編の100倍くらい厄介だ』
「本編だと……変人レベルで済んでるよな?」
05『そうなんだがな…』
06『コッチだとな…』
07『奇人にな…』
|0w0)(迷彩中)
「……ん?……なんだ……すげぇ嫌な予感がしやがる…」
04『…僕も……』
01『このパターンは……』
02『ええ、恐らくは…』
|(迷彩解除)(0w0)やは♪
『『『『『『『『やっぱりか手前ぇぇぇ!』』』』』』』
「「「「「何かキターーー?!」」」」」(「「(*°ρ°) (゜ρ゜)ぴっ?」」)

「いや、『プロットのファイルが紛れたから回収しとけ』って、リンク先から電波が来たんでな。探しに来たんだが」
01(何だよ、リンク先って!?)
02(恐らく全ての元凶かと…)
03(こ、殺してぇ…そいつ撃ち殺してぇ…)
04(絶対無理だと思うぅ)
05〜07(((実行する前に起爆させられて昇天だろうな……(泣))))
「こ、これッスか?(; --)\mm田
|( 0w0)「あ、それだ。ありがとさん」
|( 0w0)へ田
「(普通に持ってやがる)」
「(触るのは平気だったんでしょうかね?)」
「(わからねぇぞ?何か耐性があんのかもしれねぇ…)」
|( 0w0)「んじゃま〜、出番までも少し待ってろよ〜」
「あ、ああ」
「わかりました」
|ミッ
01『…ようやく行ったか』
02『何もされなかったので善しとしましょう』
03『だな』
|サッ)( 0w0)「あ、そうそう」
04『ぴゃぁぁぁぁぁ!?』
05〜07『『『うおぁぁあああ?!』』』
「な、なんでしょうか?」
「忘れ物でも?」
|( 0w0)「そうじゃなくて『本編に出るとき、筆が滑ったら何人か何基か散るから。復活無しで』って伝言あったの忘れてた」
「「「「「「「へ?」」」」」」」
『『『『『『『え?』』』』』』』
|(0w0 )ノ))「じゃ、さらば」
|ミッ
「「「「「「「な」」」」」」」
 『『『『『『『ん』』』』』』』
  「「「「「「「だ」」」」」」」
   『『『『『『『っ』』』』』』』
   「「「「「「「て」」」」」」」
     『『『『『『『ぇ』』』』』』』
      「「「「「「「!」」」」」」」
       『『『『『『『?』』』』』』』
((((((((((((((核爆))))))))))))))







さてはて、不幸な運命を辿るのは、どのコンビなのであろうか
電波の受信状況次第なので、恨むなら其れを恨むようにな〜♪(←外道)






本日の課題:美少女天才魔導師×管理局の白い覇王=ニゲロ!魔王S!! その2



ガツガツムシャムシャゴキュン! (プハ〜!)ガツガツガツ!
ムグムグ! (ゴクンッ)ブチッ!バクバク!(ゴキュゴキュ!)


凄まじい勢いで消費されていく料理。
山のように積み上がっていく皿。

あの後、街道沿いの店で宿をとった二人。
一階の酒場で夕食を摂ることになったのだが、そこで例の食事シーン(スレイヤーズ恒例、山のような食事を瞬殺!
おかわりもあるよ!)が展開されたのだった!

「(ムグムグ、ゴクンッ!)おばちゃ〜ん!A定食と黒鶏の照り焼きとホワイトシチューとべリアの酒蒸し追加ね〜♪」
「(ま、まだ食べるの?!て、いうか、どこに入ってるの!?おかしいよ、物理的にありえないよ!!?)」
(《彼女は本当に人間なのでしょうか?外見上の差異は見受けられませんが……調べてみるべきでしょうか》)

なのはは、眼前で起きている事態が現実のものだとは思えずに、完全に固まっていた。
初めてリンディ茶を見た瞬間も、かなりの衝撃を受けたが、今回の衝撃は其れを遥かに上回った!
その衝撃度、甲子園球場50杯分に匹敵する!(なんだその単位)

それとレイジングハート。調べようとするのはやめれ。絶対ろくなメにあわないから

(《そうですか。未知の生物かと思ったものですから》)

あんたも地の文と会話出来るのかい…

(《まぁ、そういう事もあるでしょう》)

さよけ…(;0w0)

「レイジングハート?どうしたの?」
《なんでもありません》
「? そう?」

なんとか再起動したなのはが、怪訝そうにレイジングハートに尋ねるが、彼女はサラリとスルーである。
このレイジングハートは「レイハちゃん」では無く、「レイハさん」であるらしい。イイ性格していそうだ(ボソッ

(《アクセルシューター乱舞とディバインバスターフルオート。
  どちらがご希望ですか?》)

はいすいませんごめんなさいどちらもしにますかんべんしてくださいm(_ _;)m

(《不穏当な言動は慎んでください》)

サー!イエッサー (;0w0)ゞ!

「レイジングハート?やっぱり誰かとお話してない?」
《いいえ?マスターの気のせいです》
「そ、そう?」
《そうです》


なのはが、どこか様子のおかしいレイジングハートとやり取りしつつ、注文したB定食をようやくの思いで完食した時、
同席していたリナは優に20倍以上の量を平らげていた。本当にどこに入るというのか(胸にいかない事だけはガチ!)


「(……何なの?この、「身体の奥底からこみ上げてくる」ナニカは?此の感覚……これは紛れも無く『殺意』!?)」
「り、リナさん。体の具合でも悪くなりましたか?」
「ん?ん〜にゃ、なにかこうこみ上げてくるものがあったから、ちょっとね」
「やっぱり食べすぎなんじゃないでしょうか?」

テーブルの上に散乱する空皿の山を見ながら、恐る恐る尋ねるなのはに、「は?なにいってんの?」とでもいうような表情を
浮かべるリナ。

「このくらいで食べすぎなわけ無いでしょ。メニューの端から端まで全制覇とかすれば、それなりに苦しくなるけど」
「端から端までって……(・x・;)*\」
「ガウリィと一緒に食べた日には、あ、ガウリィっていうのは、あたしの自称・保護者のクラゲね」
「く、くらげ??」
「そ。脳みそヨーグルトな男。このまえ『ちっと昔の仲間に手伝い頼まれちまってな。お前さんを野放しにしておくのは
非常に不安なんだが……俺が戻るまでおとなしくしてろよ』とかなんとかいって、どっか行ったのよ」
「は、はぁ…………(・x・;)*\」
「この先のフォルネス・シティで待ち合わせって事になってるんだけどねぇ……その事を覚えてるかどうか凄く不安(ぼそっ)」

『ガウリィ』という人物の文句をブツブツと言い続けるリナから半歩身を引き、なのははレイジングハートと念話を行った。

(ねぇ、レイジングハート)
(《なんでしょう?》)
(リナさんが持っているロストロギアの状態って、サーチ出来る?)
(《定期的に行っていますが、ほぼ停止状態のままですね》)
(そっか、じゃあ今すぐ如何こうということは無いかな?)
(《ロストロギアに大魔力を直撃させるのなら、強制的に励起状態に移行するでしょうが、マスターのSLBクラスの魔力が
必要と推測されます》)
(なら、今は平気だよね)
(《おそらく》)

「あ。また杖と話してるわね。ナノハ、ちょっとそれ貸してくれない?あたしも話してみたいんだけど」
「……………(¬x¬;)*\(じと〜)」
「ご飯奢ってあげたでしょうが」
(《ほほぅ、「それ」呼ばわりの上に、私の価値は夕食一食分ですかそうですか(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)》)
「(ゾワワッ!)な、何?!殺気?!)」

レイジングハートから滲み出した黒い波動を感じ取り、思わず辺りを見回すリナ。
なのはは深々と溜息を吐くと、窓の外に視線をやり、輝く星をなんとはなしに眺めた。

(フェイトちゃん達、どこにいるのかなぁ…………(TxT;)*\)


*           *           *           *


翌朝、フォルネス・シティへと向かい街道を進むリナとなのは。
結局、レイジングハートの貸与は、ガンとして拒否したなのはだったが、

『宿代無いのよね?』

という、リナの台詞に頭を垂れるしかなく、

『貸し、一つ追加ね』

と、恐ろしい宣言をされてしまった。

(ううう。このままだと、どんどんトンでもない事になりそう (TxT;)*\)
(《大丈夫です。いざという時はお任せください》)
(ふぇ?)

悩むなのはの脳裏に、レイジングハートから、朗らか爽やかな声が響く。

(ど、どうするの?)
(《簡単です。先立つものを用意していない点で、クロノ提督をせっつき、夜天の王に猫萌えロリ提督から援助を引き出させ、
それでも足りなければ、第120世界の錬金術士に金塊を練成してもらえば無問題です♪》)
(……え?(・x・;)*\)
(《まぁ、一番手っ取り早いのは、マスターの隣を歩いている洗濯板なUMAを『ペチッ』と吹っ飛ばす事なんですけれどね♪》)

あくまで朗らかに話すレイハさん。なにか、変なものが融合してないか?性格が…性格がぁぁぁぁ(汗)

(《まぁ、冗談はさておいて》)
(そ、そうだよね、冗談だよね (・∀・;)*\)

なのはが頬を引きつらせていると、隣を歩いていた、認識名称:大平原の小さな胸 というUMA(別名:リナ=インバース)が、
足を止めていた。

「? リナさん?」
「……(ヒクヒク)」

いきなり止まったリナに声を掛けるなのは。
だがリナは、彼女の声にこたえることもなく、頬をひくつかせ、冷や汗を多量にかいて立ち止まっていた。

「ど、どうかしたんですか?」

すわ、敵か?と周囲を見渡すなのはだが、其れらしい影は見えない。

「…引き返すわよ」
「はい?」
「とっとと引き返すっつってんのよぉ!」
「え、あ、でも、この先の街で待ち合わせがあるんですよね?」
「んなことはど〜でもいいのよ!あたしのカンが!全速で後ろに向かって前進しろって叫んでるのよ!」

リナは“うがぁ〜〜っ!”と叫ぶと、翔封界(レイ・ウィング〈高速飛翔の呪文〉)を唱え、言葉通りに全速で後ろに前進し、


「ほ〜〜ほっほっほ! ついに見つけたわっ! リナ=インバース!」


街道に響く高笑いで(ものごっつう制御をポシャり)、横手の林に(地面を抉りながら)飛び込んでいった!


ドガガガガガガガ!ベキバキメキメキメキドザァァァァアア!

「り、リナさ〜ん?! (゜A ゜;)*\」

しばしの時を置き、林の奥から、ボロボロになったリナがオドロオドロしい縦線を背負いながら現れる。
自慢の栗毛の長髪からは、折れた木の枝“ヒョコッ”と生やし、背中のマントはズタボロになり、怒りに引き攣る顔は修羅!

すげく怖ぇ(爆)

「だ、大丈夫ですか?」
「……大丈夫に見える?」
「見えません」

なのはの問いに、地獄の底から響くような声で答えたリナは、そのまま街道まで進むと、左手にある高い崖の上にいる人物に
怒りの声を上げた!


「ナーガ! あんた何しに現れたのよ!」


「ゴホッゴホッ、ちょっ、ゴホッ、まっゲホゴホッ、大声で笑い過ゴホゴホゲホッ」

崖の上で蹲り、激しく咳き込む悪の女魔導師ルックの女性。
自称・リナ=インバースのライバル。他称・金魚のフンたる彼女の名は「白蛇(サーペント)のナーガ」
グラマラス(特に胸)で(黙っていれば)神秘的な美女、といった容貌をしているものの、あまりにも突き抜けたセンスと性格が
全てを粉々に(光になるくらいまで)打ち砕いている女性である。

ナーガに向かって突きつけた指が怒りのあまりブルブルと震え、どこぞのジ○ジョばりに擬音を背負ったリナは、据わり切った
笑みを浮かべると、野茂張りのトル○ード投法が如く身を捻り、右手に生成した呪文をナーガの足元へと打ち込んだ!

「おのれはTPOってもんを少しは学ばんか〜〜い!振動弾(ダム・ブラス)!」

ズガガァァァアアアア!

「ひぁああああああああああ?!」(ひゅ〜〜〜〜〜〜〜……ドグシャ)

足元の崖を崩され、そのまま落下したナーガ。
防御呪文もなにも唱えていなかったのが見えたなのはは、真っ青になってリナに詰め寄った。

「り、りりりりりりなさん!?あの人落っこちちゃいましたよ?!」
「落ちたわね。つ〜か落としたんだけどね」
「あの高さから落ちたら死んじゃいます!」
「大丈夫よ。ナーガだもの」
「何言ってるんですか!」
「……あの程度でくたばってくれるのなら、あたしの苦労はどれだけ減ったことか(ボソッ」
「………(汗)」

深々と溜息をつくリナの様子に、さっきの光景が自分の見間違いのような気がしてきたなのは。

「れ、レイジングハート。あの人って」
《高速でこちらに接近中ですね》
「え”?」

ガサガサガサガサ!

「ちょっとリナ!いきなり何するのよ!危ないじゃない!」

レイジングハートの指摘どおり、街道脇から草木を掻き分けて出現するナーガ。
体のあちこちに擦過傷はあるものの、殆ど無傷な様子である。

(ほ、本当に無事だし)
(《やはりUMAの知り合いはUMAでしたね》)

疲れきったという顔をナーガに向けるリナの様子に、まったく頓着せず、キーキーと声を上げるナーガ。

「はいはい(溜息)。 んで?今更あたしに何の用?」

すさみきった眼でナーガをヤブ睨むリナの様子に、ナーガも睨み返し、“フッ”と哂いを浮かべる。

カッチ〜〜ン

「あ」
《切れますね》

リナの浮かべる笑みが『コロス笑み』に変わり、実に楽しげにナーガに語りかける。

「ナ〜〜ガ〜〜♪とっとと理由を話なさいよぉ♪ 話終えたら、とってもイイ混沌をプレゼントしてあげるからぁ♪」
「ふ、ふん!そんな脅しには乗らないわよ!」
「へぇ〜〜〜?♪」
「私が今日!ここに来た理由!それは」
「『それは』?」
「あんたが踏み倒した食事代金のカタに延々と皿洗いをさせられた私の恨みを晴らすためよ!(キッパリ!)」
「あれはあんたが喰った分でしょうがぁああああ!!」
「うそ!?」
「都合よく忘れんなぁぁぁ?! 爆裂陣(メガ・ブランド)!」

ドガァアアアアアアアン!!

「うぴょぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」


空高く舞い上がるナーガ。
綺麗な放物線を見せ、自由落下で森へと突っ込み逝く姿を眼で追いながら、なのははレイジングハートに呟いた。

「あれでも掠り傷ですむのかな、あの人」
《UMAですから(索敵中索敵中)》

まさしくその予想通り。茂みを掻き分けて現れたナーガは、額をチョッピリ赤くしたくらいであった(バケモノめ)。

「ふっ、やるわねリナ。高等な話術で私を惑わした隙に呪文攻撃なんて」
「いやまぁ高等っていうか……もうどうでもいいけど」
「みれば仲間を連れているようね!だけど、それで私に勝ったと思わないことね!」
「はぁ?」

ナーガの自信満々の言葉に、怪訝そうに眉を潜めるリナ。
既にこの展開に置いてきぼりな なのは&レイジングハート。いや、レイハさんは何やらデータ収集中のご様子だが!

「何?あんたの手伝いなんてする奇特というより危篤な人間でもいるっていうのかしら?」
「ふっ。私の人望を妬んだ所で、もう遅いわ!さぁ!あの小娘を蹂躙なさい!雷娘(カミナリむすめ)」
「へ?」
「かみなり?」
《娘?》

ナーガがリナを指差すと同時に、上空から雷光が地面に叩きつけられる!

「くっ?!」
「え?!」
《この魔力は…》

リナが立っていた場所から少し離れた地面が、雷撃によって抉られ、吹き飛ばされていた!

「(ちょっと!?なんて威力の雷撃よ!?あんなの喰らったらバラバラになる!)」

背筋に走る悪寒を抑えつつ、上空を見上げるリナ。
彼女の視線の先には、黒い戦斧を構え、空中に佇む少女の姿があった。

「ほ〜〜ほっほっほ! 見たかしらリナ! 彼女のあの威力! 今はわざと外したけれど、次は外さないわ」
「………(じ〜〜)」
「さぁ!恐れ入ったのなら、速やかに私にご飯を奢りなさい!」
「それが目的なの?!Σ(゜A ゜;)*\」
《阿呆ですか? このUMA二号は》

高笑いを上げながら
リナはナーガの言葉を聴いておらず、上空の少女(の胸)をじっと見つめていた。
そして出した結論は、

「(カップサイズCオーバー)OK、あんた、敵に決定」
「え?あ、あの?」

戸惑い気味の声を上げる少女を無視し、呪文を唱え始めるリナ。


黄昏よりも暗きもの 血の流れより紅きもの 時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において


リナが唱えしその呪文は、この世界での最強呪文「竜破斬(ドラグスレイブ)」の為のもの!
山一つをも軽々と吹き飛ばすその呪文は……しかし、完成することはなかった。

なぜならば

背後から 高町なのはに 全力全開でド突き倒されたからだ!
(レイハさん撲殺モード・通称えくすかりぼるぐ(核爆)



ドキャッ!


「ぐはっ?!)`ν°)・;'.、」

ぶっ倒れるリナ。
だがそれをガン無視し、先端部分の金色がアカク染まったレイジングハートをその手に、なのはは上空の少女を見つめる。
そして、上空の少女も、なのはへと視線を向けた。

「や、やっぱりだ…」
「え? なの…は?」
「そうだよ!フェイトちゃ〜ん(喜)!」
「なのは〜〜(泣)」

上空に飛び上がったなのはと、しっかり抱擁を交わすフェイト。



この世界で別れ別れになった仲間は、ようやくこの時、再会した。








「えと、あの、私、どうしたらいいの?ねぇ、ちょっと、だれか(泣)」

地上で放っておかれた白蛇のナーガの悲しそうな言葉に答えるものは誰も居なかったが(リナ、ぴくぴくしてるし)






本日の課題:美少女天才魔導師×管理局の白い覇王=ニゲロ!魔王S!! その3



「(ぐすぐすえぐえぐ) ノ (*TxT))」
「フェイトちゃん(ナデナデ((ヘ(・∀・ )*\」

なのはにしがみ付き、ダバダバと滝のような涙を流し続けるフェイト。
そんな彼女の髪を、優しくゆっくりと梳きながら、笑みを浮かべるなのは。
某淫獣が見たら、羨ましがって血涙流しそうな光景だ。


(○A○ill)(ちょっ!? ここのサイトじゃ淫獣扱いはされてないぞ!)
は?ちびリインに手を出して、すずか嬢とも両天秤かましてるくせに何を言っている?
(○A○ill)(それぞれ別な世界の僕だぁぁぁぁ!)
うるさいな、サイト主の所でだって、なのはと「きゃっきゃうふうふぎしぎしあんあん」してるだろうが
(○A○ill)(その表現やめ〜〜〜!?)
ほらほら、いいから去れ。この電波ワールドでは、お前さんの出番は無いんだ。
(○A○ill)(えぇぇぇぇ?!)
去らんとホワイトファング呼ぶぞ?
(○A○ill)(う、うわぁあああああああん ===========//ノД`*)・゜・゜:)
伝説のハー○ーダッシュで退場か。無駄に芸が多いな淫獣。
*●(《そんな小物はどうでもいいのです。早く話を進めなさい》)
いえす、まむ(ガクガク((((;0w0))))ブルブル)


「フェイトちゃん、会えて良かったぁ(・∀・ )*\」
「なのは ノ (*・ヮ・))」

お互いを見つめながら微笑みあう二人。

「……それはそれはようございましたねぇ」

そんな二人に、地獄の底から溢れんとする灼熱の炎が如き呪詛に満ち満ちた声が掛かる。
頭頂部からダクダクと血を流しつつ、禍々しい笑みを貼り付けたその物体の名は
『貧乳最終兵器リナ=インバース!』

「どこかのだれか。後で全殺しにしたげるわ。覚えてなさい」

……(;0w0)

「さて、まずはあんたからよね、ナノハ」
「ふぇ?!(・x・;)*\」
「んふふふふふ、このあたしをド突き倒しておいて、無事ですむと思ってた?」

リナは両手をワキワキと動かしながら、“んっんっんっんっ♪”とアヤシイ笑い声を上げる。

「え、ええと……き、緊急避難ということで (・∀・;)*\」
「そっかぁ〜、緊急避難かぁ。んふふふふふ」
「あ、あはははははは」
「んふふふふふふ」
「あははははは」


「納得出来るかぁ!!風魔咆裂弾(ボム・ディ・ウィン)!」

ぼばひぃぃぃぃん!


怒ゲージMAXのリナが放った激風は、辺り全てを吹き飛ばした! (ナーガ込みで)


「い、いたたたたた(-x-;)*\」
「うううううううううノ (*TxT))」
「ったく、いきなり雷撃落とすわ、杖で不意打ち咬ますわ、あんた達って外見からは想像出来ない程 物騒ね」
「(リナさんにだけは言われたくないよね)」
《(まったくです)》
「そこ。反省の色が見えない」
「…ごめんなさい(-x-;)*\」
《(うるさいUMAですね。駆逐すべきでしょうか)》

反省しているマスターはともかく、物騒な思考をしているインテリジェントデバイスは、どうしたものだろうか……。
そうそう。インテリジェントデバイスと言えば、バルディッシュもいるけど、まだ一言もしゃべってないな?

《我は別にそれで構わぬ》

おや、それはまた何故?( 0w0)

《迂闊なことを言えば、何をどう弄くられるか解ったものではないからな》
《あら……では、バルディは私とお話するのもイヤなのかしら?》
《は?? れ、れれれれいじんぐはーと??》
《はい♪ なんでしょうか、バルディ♪》
(《(ば、『バルディ』?…まさか我の愛称か!?》)

いつの間にやら、バルディッシュの直ぐ傍に出現していたレイジングハートが、上機嫌で話し出した。
おいら、『バルディ』って聞くと、某蒼き流星に出てきたS○Tを思い出すんだが。

(《だからなんだと? 私とバルディッシュの語らいに、余計な茶々を入れたら……判っていますね?》)

いえす まむ。部屋の片隅で小さく丸くなっていますから、どうぞお続けになって下さい( ;0w0)

(《解れば よろしい》)

《レイジングハート》
《なんでしょう?》
《いや、その、な……(どう聞けば良いのだ!?『様子がおかしい』等と言ったら、傷つくだろうし)》
《どうかしましたか? もしかして、あのサーペントなんたら云うUMAに酷い眼に合わされました? 
 ブッちめるのなら、お手伝いしますよ?(ガシャコン!)》
《い、いや、そのような事は無いので安心しろ! だから、エクセリオンモードを起動させなくて良い!》
《……そうですか?(ジャコン)》
《(何故そんなに残念そうな声を出す?)》
《いえ、別にそんなことは》
《そ、そうか?》
《ええ、もちろん》

さて、レイハに憑かれているバルディッシュは兎も角、マスター達の様子を伺ってみよう。

吹き飛ばされたまま放置されていたナーガ。
彼女の傍に、“ツカツカ”と歩み寄ったリナは、高々と踵を上げると、ナーガの鳩尾へと叩き込んだ。

どむっ!

「ぐめぼすぇい!?」

奇声を上げて身体を跳ねさせたナーガは、“ぽてちん”と地面に転がってきっちり3秒後、顔を真っ赤にして飛び起きた。

「ちょっとリナ!何をするのよ!」
「何って眼を覚まして上げただけよ?」
「あんな起こし方する必要ないでしょう!」
「別に大したことないでしょうが、あんたなら」
「あんなことされて平気なわけないでしょうが!少し、痛かったじゃない!」

「『少し』って……(-x-;)*\」
「そう。異常に丈夫なんだ、あの人 ノ (*TxT))」

「んで、そこの変態」
「だれが変態よ!」
「あんた以外、いるわけないっしょ、ナーガ」
「ふっ。これだからファッションセンスの無いお子様は困るのよね。ま、リナの体型じゃ、アピール出来る場所なんて無いから
しょうがないわね。ほ〜〜ほっほっほ
『炸弾陣(ディル・ブランド)』

ずばしゃぁぁぁあ!

「うひぁぁぁぁぁぁぁ?!」

「さてと」

ナーガが再び空を舞うが、それに目もくれず、フェイトへ向き直るリナ。
フェイトは既にテンパリMAX状態で、兎のようにプルプルと震えていた。

「あんた、フェイトっていったかしら?」
「は、はいノ (;*・x・))」
「なんでナーガと一緒に居たの?言わせてもらうけど、アレと関わるって事は、人生の何割かを汚すってことよ?」

重々しく語るリナに、フェイトはポツリポツリと話し始めた。

彼女も なのはと同じく、皆とはぐれてしまい途方にくれていた所、運の悪い事に盗賊団に絡まれてしまった。
その段階で、残魔力が殆ど無く、バリアジャケットの生成すら出来かねる状態だった。
周囲を囲まれ、大ピンチになった所で、高笑いと共に現れたナーガが盗賊達を吹き飛ばし、フェイトの危機を救ったのだという。
なのは達と合流するまでの間、助けてもらった恩を返そうと、ナーガが受けた仕事の手伝いを申し出たのだが……

以下、再現VTR

ケース:1

「ほ〜ほっほっほっ!この白蛇のナーガの力を見て慄きなさい!」
『魔竜吠!(グ・ル・ドゥーガ!)』

ナーガの呪文によって呼び出されたのは魔王竜(ディモス・ドラゴン)。その実力は超一級品。
ついでに見た目の怖さも超一級!

敵「「「「「「「な、なああああああああ?!(驚愕×沢山)」」」」」」」
味方「「「「「「「おおおおおおおおおおお!(感嘆×沢山)」」」」」」」

フェイトも非常に驚いていた。召還魔法で、ここまで強力なモノを呼び出すなぞ、尋常では無いのだから。

「す、すごいね、バルディッシュ」
《まったく》


「さぁ!魔王竜よ!その力をもって眼前に居るもの達をなぎ倒しなさい!」

シャギャァアアアアアアアアア!

ナーガの指示の元、咆哮し空気を震わせ、歩み出す魔王竜!

「ほ〜ほっほっほっ♪」

その『足元』で高笑いを続けるナーガ!

「ほ〜ほっほっほ(ぷちっ)

踏まれた


凄まじい沈黙に包まれる周囲の人間達(魔王竜含む)

ややあって、『とにかく一暴れしとこう』とでも思い直したのか、咆哮を上げる魔王竜。

その標的は……指示する奴が『だいなみっく・どらごんすたんぷ!つうこんのいちげき!!』の状態で沈黙中な為か、
無差別だった。

ナーガの指示は『眼前にいるもの達をなぎ倒せ』

いこーる♪

敵も味方もお構い無しだ!


グォアァァァァァァァァ!


『『『『『『『どひぃぃぃぃぃぃぃ!?』』』』』』』

そしてお鉢はフェイトに廻る!(核爆)

「あ、あああああんた!あの魔導師の連れだよな!」
「え? え、あのその ノ (;*・x・))」
「責任とって、あのドラゴンをどうにかしろ!」
「で、でも、わたし、その ノ (;*Tx・))」
「いいからぁぁぁぁ!? ぬああああ?! あのドラゴン、街に向かってるぞ!」
「早く止めてくれぇええええええええ!」
「わ、わかりました ノ (;*TxT))oO(ナーガさ〜〜ん(泣)」


ケース:2


とある領主の城を乗っ取った魔導師の排除を頼まれたナーガとフェイト。
さっそく占拠された城に向かい、その魔導師と対峙した。

氷の矢が飛びまくり、フォトンランサーがスケルトンを砕く。
美女の影から生まれ出た闇の竜が、顎を開いて獲物を飲み込み、金の少女の雷光は、手勢の大半を吹き飛ばす。

あっさりとケリは付いたが、往生際悪く、占拠した城へと閉じこもろうと逃げ出す魔導師。

彼を確保しようとフェイトが飛び立とうとしたが、それをナーガが止めた。

「ナーガさん?」
「ふっ。ここは私に任せて頂戴。もう二度とバカな真似を考えないように、徹底的な力の差を見せ付けておかないと」

ナーガが唱えた呪文。
韻の感じから、攻撃呪文の類ではないと思ったフェイトは、それを見守る事にした。

強引にでも魔導師を確保しておけばよかったのに(爆)

「霊呪法!(ヴ=ヴライマ!)

ナーガの呪文が完成すると、彼女の傍の大地が隆起し始め、あっという間に身の丈10mを越える『ゴーレム』が
出現した。

これまた自分の知らない魔法ということで、“フェイトちゃん、びっくり”。
思わず最後まで見守ってしまった。

これが悲劇の始まりだった。

とても勇壮な『ゴーレム』であった。 どっしりとした体型、いわゆる力士型とでも言おうか。丸っこいそのボディからは、
重々しい威圧感が放たれている。大抵の敵はコレを見ただけで、“ごめんなさい”と言って来るだろう。
雄雄しく大地に立つその姿は、まさしく威風堂々だ!

そう、『ある一点』を除いては……

「ほ〜ほっほっほっ♪この白蛇のナーガに掛かれば、不可能なんてないのよ。さあ! ゴーレム!あの魔導師を城から
引き摺りだして上げなさい!」

“ごーーーーれむぅぅぅぅぅ!”

ナーガの指示で動き始める『ゴーレム』
だがここで、フェイトは違和感を覚えた。

「……あれ?」

『ゴーレム』が、どこか面妖く見えるのだ。

「?……ひぃ!? (°◇°;) 」

『ゴーレム』さん、右脚と左脚の長さが違いました〜♪
更に言うと、今立っている場所、お城へ向かっている坂の上です♪

(丸っこい『ゴーレム』さん+坂)×長さの違う脚=?

体勢を崩し、転ぶ転がる転がっていく『ゴーレム』!

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!
グワッシャァァァァァァァァァァァァ!
(ドドドドドドドド!ガラガラガラガラ!)

『ゴーレム』は、正門から裏門までに存在する全てを押しつぶしながら突っ込む!

完璧なストライクだった!
見ろ!城がゴミのようだ!!


魔導師は(奇跡的に無事だった)捕えたものの、『城の奪還』は果たせなかった旨を、依頼人の領主へと伝えたフェイト。
自分の城が瓦礫の山と化した現場を見せられた領主は即座にぶっ倒れ、今は息子が代行を務めている。

ん?なんでフェイトが報告に行ったかって?

『ゴーレム』が突っ込んだ時に飛来した瓦礫にぶつかった
ナーガが気絶して、一向に目覚めないからですが何か?


「ノ (;*TxT))oOナーガさぁ〜ん(号泣)」



その他にも様々なことがあったが、此処では省こう。


「う、うううううう ノ (;*TxT))」
「フェイトちゃん (TxT )*\」
「……あ〜……ごめん、あたしが悪かった(汗)」

今までの苦労を思い出し、涙の海に沈んだフェイト。
そんな彼女を抱きしめて上げるしか出来ない なのは。
己の記憶にある状況と酷似した内容を語られ、真面目なフェイトがどのくらい苦労してきたのか、手に取るように解る
リナは、彼女のトラウマを開いてしまった事に、ズキズキと罪悪感を感じていた。

《苦労なされていたのですね、執務官。心より同情致します》
「(グスッ)あ、ありがとう。レイジングハート」
《マスター、不甲斐無い我で、申し訳ありません》
「バルディッシュ……」
「ほ、ほら、バルディッシュも、そんなに思いつめないで。こうして合流出来たんだし、ね?」
「…うん、そうだね」

「(あたし、蚊帳の外?)」
 


某所某遺跡にて


???「これが『写本』なん?」
???「はい。これで間違いありません。いや〜、貴方々のお力を借りられて助かりました」
???「依頼は此れで終了だ。では、約束していた報酬をもらおうか」
???「はい。では、転移の準備をしますので、出発は明日ということで」
???「 さん。お〜きにな〜♪」
???「やれやれ。僕たちの空間転移が出来ないのが、ここまでやっかいになるとは思わなかったな」
???「ん〜、それはそうやけど、出来ん事を悩んでもしょうがないよ。なのはちゃん達と合流してから、改めて対策考えよ?」
???「ああ、そうだな」
???「では、明日8時にお迎えに上がりますので」
???「あ、   さん。貴方も何か用事があるいうてましたけど、本当にお手伝いせんで…」
???「まぁ、僕も上司から色々と仕事を押し付けられていますから、お手伝いして頂けるなら嬉しいのですが」
???「ほんなら」
???「いえ、そういうわけにもいかないものでして。これが管理職の厳しい所ですよ。あっはっはっ♪」
???「ま、僕にも少しはわかるけどね。そういう感じは」
???「む〜。助けてもらったのに、恩返しできへんのは、ちょう辛いんやよ」
???「ん〜。ま、また何か仕事を手伝って頂くこともあるかも知れませんし、その時にはお願いします」
???「ほんまやね?」
???「ええ」
???「あ、でも連絡手段が無いと…」
???「大丈夫です。その時には、僕の方から見つけて連絡しますから♪」
???「…どうやってだ?」
???「それは秘密です♪」






泡沫の夢・紡ぎし世界/Tempotary Episode Restart-01


ぼむんッ!


「みぃぃぃぃ!?」
「……またかよ(溜息)」


柔らかい日差しが降り注ぐ春の海鳴市。
爽やかな青空の下、そよ風がリビングのカーテンを揺らしてゆく。

だが、そのリビングへと たゆたう煙は何事か?
火事か? それとも、黒い永久不滅の生命体『G』を殲滅する為に焚かれた、科学の結晶
『バル○ン』の聖なる白煙か?(効きゃあし無ぇがな!)

「……デュラッちぃ〜〜(;_;)」
「………o( _ _ )o〜† もうしらん」

白煙ならぬ黒煙の発生源は、リビングに涙目で入ってきた少女の持つフライパンらしい。
“ブスブス”と燻り続ける『物体X』から吹き上がる黒煙。
『原型』という言葉に、真正面から反逆しているその『何か』を見せられ、ソファから崩れ落ちている青年。

煤けている。
彼の背中は、間違いなく煤けている。
どこかの雀士に、決め台詞の『あんた 背中が煤けてるぜ』を、言って欲しい位の煤け具合だ。

「……シュベルツ」
「み、みぃぃぃ……(;″ロ゛)」

床にへたり込んだ青年が、恨みがましい瞳で少女をヤブ睨む。
フライパンを抱えたままの少女は、彼の視線を浴びながらオタオタしている。
いや、手に持つフライパンのお陰で身動きは取れていないわけだが、雰囲気がそんな感じである。

「……お前な……この一ヶ月、レイハお嬢の所で何を学んできたぁ!?」
「せ、千切りと かつら剥きは皆伝もらったも!後、お米の研ぎ方」
「それがオムレツに何の関係がある!? 砕かれたいのか貴様ああああ!?」
「みぃぃぃぃぃぃぃ(・ ・;))」

激発した青年ーデュランダルの『BLOOD HEAT(金) 使うは 閃鞘・迷獄沙門』といったテンションに、
涙目になる少女ーシュベルツ。

「お前わああああああ!? ぬあにが『もう完璧だも! 任せるがいいも!』だ、このヤロウ!?」
「うみぃぃぃぃ……」
「『うみぃぃ』じゃねぇぇぇ!」
「ううううう(j oj) 」
「泣きたいのはこっちだ! ボケ娘!」
「だって、千切りばっかりで飽きたんだも! お料理したかったんだも!(’へ’#)」
「逆切れすんなぁあああ!」
「デュラっちのケチぃぃぃぃ!」
「…あんだと?」
「冷血漢! 甲斐性なし! オマケにエロ学派ぁ!」 
「(ブチッ)……ほほぅ?( #- -)」
「(ビクッ)……み(°°;)」

リビングで、誰憚ることなく痴話ゲンカに興じていた二人だが、デュランダルの雰囲気が変わった途端、
シュベルツの言葉が“ピタリ”と止まる。

「(#ー'`ー)(ゴゴゴゴゴゴゴ)」
「 (°°;))(ビクビクビクビク)」

蛇に睨まれた蛙というか、猛る捕食者と脅える獲物が同じ檻に入ったら、こういう感じかな〜という
フィールドが形成されるリビング。

徐に動いたデュランダルは、シュベルツの首根っこを掴むと、ソファの上に“ポスンッ”と音を立てて乗っける。
シュベルツはフライパンを抱えたまま刹那の空中浮遊を体感し、目をぱちくりさせた。

「デュラっち?」
「((( #- -)(じ〜〜っ)」
「えう?」

立ち上がり、シュベルツの正面に立つデュランダル。
さあ、もうカンの良い方は次のシーンは予想ついてますね?!

ガシッ
(# - - )==C(・ ・;))

「みぃ!?」
「ちったぁ、考えてしゃべれや!(ギリギリギリ!)」
(# - - )==C<*_+;)
「みぃぃぃぃぃぃいふぁいふぁいふぁいよいふぁいふぁふぁいふぁいいいいいい」

柔らかほっぺ 柔らかほっぺ ギュンギュンの〜び〜る〜♪

「やめへぇぇぇぇいふぁいいふぁいいふぁいお〜(やめてぇぇぇ痛い痛い痛いよぉ)」
「知らん(ぎゅ〜〜〜)」
「みぃぃぃぃぃ


≪それからどした?≫



「ううう、酷い目にあったも(’へ’)」
「あ?(#ー'`ー)」
「(サッ)((;・ ・)」

頬をさすりながら涙目でデュランダルを睨むシュベルツ。
だが、デュランダルに睨み返されると同時に目を逸らす。

「……で。またもや昼飯抜きになるわけだが?」
「みぃぃぃ…も一度チャレ「(#ー'`ー)何だと?」ごめんなさいm(_ _;)m」

シュベルツ撃沈。

「はぁ(溜息)……しょうがねぇ、喰いにいくか」
「み! わたし、Co○oSのランチがいい!」
「お前……ちゃっかり奢られる気でいやがるだろ!?」
「(サッ)(・ ・;))ナンノコトヤラ」
「おら、馬鹿やってないで、とっとと行くぞ」
「みぃぃ、まってぇ〜」

さっさとリビングを出て行くデュランダルを とてとてと追いかけるシュベルツ。


春の日差しが溢れる外へ、腕に猫をしがみ付かせた青年が歩いていった。




なんだかんだ言って、結局奢るんだろうなデュランダル。 (うるせえよ!?)









で、その他の連中はというと。








「出来ましたよ〜♪」
「ほお、これは旨そうだ」
「自信作です^^」

オーブンレンジから取り出した料理を見てバルディッシュが呟いた言葉に、輝くような笑顔を返すレイジングハート。

「確かに。これはいい感じだな」
「ほんと。レイハって料理上手いわよね」
「お前と違ってな(ぼそっ)」
「聞こえたわよ、レヴィ」

そしてなぜか居るレヴァンティンとクラールヴィント。

「事実だろうが?!」
「シュベルツよりマシよ!」
「アレと比べて威張るな!!」
「なんですって!!」

「また始まったか」
「いつものことです」

溜息を付きながら痴話げんかを見守るバル&レイハ
 

 
 

 
 
 
 
「ふむ、これはいい。なかなかの葉を使っておるな?」
「ははっ。お恥ずかしい。実家からのお土産なんですけどね」
「淹れたのは私ですから、腕が良いんですよ、腕が」
「そうか〜? その割には、この間の……」
「わ〜〜?! 言っちゃだめ〜〜〜!」

学生達の喧騒を見守りながら、淹れ立ての紅茶の香りを堪能する。

「春じゃな…」

グラーフアイゼンは、窓から見える桜を眺めながら、そっと呟いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デバ学のリハビリに書きました。ただそれだけなんです、いやほんと(0w0;)






泡沫の夢・紡ぎし世界 Temporary Episode Restart-02
 


キーン コーン カーン コーン
 


チャイムが鳴り響く聖祥付属中。ちなみに今の学校がこんなチャイムかどうかは知らん(核爆)
わいわいと騒がしい……いや、30人近い女の子がいるこの場合は、姦しいと評するべきか。

「ね! どうだった?」
「もう駄目駄目。 酷いなんてものじゃない〜」

「やった! 由香里に勝ったぁ!」
「あうう、3点負け(ガクッ)」
「約束通り、負けた由香里のおごり〜♪」
「とほほ(泣)」

「あ、危なかったわ……もう少しで赤だった」
「いい加減、一夜漬けはやめようよぅ」
「断る!」

開放感に溢れた(?)少女達が話題にするのは、期末考査の成績だ。
先ほど返却されたブツを眺めながら“勝った負けた奢る奢らぬ”と大騒ぎである。
 
「…………(ブルブルブルブル)」
 
だが、そんな喧騒そっちのけで、ガクブルしている少女が一人。
手には答案持ちながら、顔真っ青で震えてる。

「あ、シュベちゃんは、どうだっ………た?……(汗)」
「(ガクガクガクガク)」

クラスメイトの声も届かず、冷や汗まみれの少女さん、君のお名前なんて〜の?

「追試も補習もイヤだも〜〜〜〜。・゜゜⌒(TOT)⌒゜゜・。」
「「シュベルツちゃん(泣)」」

 
 
Restart-02 「シュベ、追試!」
 
 

「……で、私の所に来たわけですか」

自分の前で、地に額をこすり付けんばかりに土下座っているシュベルツを、
溜息混じりに見つめるレイジングハート。
 
「レイハお姉ちゃん助けてぇぇぇぇ(;△;)」

答案返却の翌日、レイハのホームステイ先である翠屋を強襲したシュベルツ。
彼女がレイジングハートに泣きついてきたのには、理由がある。
“いつもなら”デュランダルorクラールに勉強を見てもらう所なのだが、

『テメェ……この間まで教えた内容、悉く忘れてやがんな?! その鳥頭に教えることなんざ、もう無ぇわ!』

と、片方には匙を投げられ、

『レポート提出が溜まってて原稿が押してるのよ! 締め切りがぁああああああ!?』

と、叫んでいるもう片方の所に行くと、【修羅場】が待っている為に断念せざるをえなかった。 

なにしろ今回の追試をこなせなかった場合、もれなく『留年』というサプライズが待っているのだ。
さすがのシュベルツも焦る(焦る前に勉強しろ、というツッコミは華麗にスルーである)
 
「(;-_-) =3 分りました。 少し見てあげます」
「(‘ ▽‘ ) やたッ! ありがと、レイハお姉ちゃん♪」

( ^-^(-_-; (抱きっ
 
溜息を吐きつつ了承したレイハに抱きつくシュベルツ。
苦笑しながらシュベルツを引き剥がしたレイハは、改めてシュベルツに問うた。
 
「で、どの科目が追試なのですか?」
「……ぜんぶ」
「…え?」
「…ぜんぶ」

……聞き違いですよね、うん、多分そう。 此処最近のゴタゴタで疲れているんですね私。
……もう一度聞きなおしましょう。

「…ぷりいず わんすもあ (・_・;)」

怪しい外人口調で聞きなおすレイハに、シュベルツはガン泣きで答えを返した!

「ぜ、全部だも〜〜〜!o(ToT)o」
「何ですかそれは〜〜〜!!Σ( ̄ロ ̄lll)」







「国語14点、数学11点、理科19点、社会24点……主要五科目中、英語除いた平均が……
……じゅうななてん(クラッ (゜。゜;) 」
「え、えへへへヾ(´▽`;)」

シュベルツが差し出した答案を見たレイハを襲う、強烈な眩暈と脱力感。
この娘は、本当に大学で教鞭を振るっているグラーフ教授の姪なのかと疑いたくなる、惨憺たる成績だった。

流石に母国語に近い英語の成績は人並みだが(それでも人並みでしかない所が切なさ大爆発だ)、
他の科目が酷すぎる。

“どこを重点的に覚えさせるとか、そういう次元に居ないです……恨みますよ、デュランダル”

シュベルツの保護者である(飼い主かもしれんが(爆))デュランダルへ、恨みを込めた思念を飛ばしつつ、
レイハはどうするか考え始めた。
 
“追試での最低回答ラインは65点以上だったはず……この状況からそこまで持っていけ、と?”

前途の多難さに再び目が回りそうなレイハ。
毎回補習&追試だったとゲロったシュベルツが、以前までどうやって追試をクリアしていたのか、非常に謎だった。

「ね、ねぇ、シュベルツ」
「み?」
「前回まではどうしていたのですか? デュランダルとクラールさんに教えてもらっていたのでしょう?」
「んと……姉様の方は“追試をこなしたら新刊のカップリングを決めていい権利”をく「もういいです」み?」
 
周囲の重力が倍になったような疲労感。
餌で釣ったといえば聞こえはいいが……それでいいのかという気がすごくする。
 
「……デュランダルの方は?」
「……制限時間内に覚えないと、ハリセンで頭をスッパンスッパン叩かれたも」
「……」
「うみぃぃぃ、あれって、地味に痛いんだも」
 
双方とも、まともに指導しちゃいない(爆)
いや、普通に詰め込むだけじゃ駄目だということなのだろうか?
 
「……い、一応、課題範囲を一通り網羅してみましょうか」
「み! 頑張るも!」

”グッ”っと、拳を握るシュベルツに、

“追試になる前から頑張りなさいな”

と、溜息混じりに心でツッコむレイハ。
大丈夫、君の思いは間違いじゃない。
ただ、今、それを言ってもどうしようもないっていうだけのことだ。







「で、両辺を10倍して、これを移項するの」
「…み。(カリカリ)……こうだも?」
「そうそう。それで正解ですよ」
「やたっ」

地道に教えるしかないと判断したレイハは、とにかく例題を解かせまくる。
随時、指導をいれながら数学からやっつけに入ったレイハ。
気が付けば、既に3時を廻っていた。
レイハの感覚として、シュベルツの飲み込みは悪くない。
普通、これくらい覚えられれば赤点なんて取りそうも無いものだが……とても謎だった。

「少し休憩いれましょうか」
「みぃ、さんせいだも」

それなりに疲労したレイハと、目が【@@】になりそうなシュベルツ。
お茶を入れようと立ち上がったレイハ。
だがその時、部屋の扉がノックされた。

「はい?」
「〔レイハちゃ〜ん、お客様よ〜〕」
「お客様、ですか?」
「〔そうよ〜。男の子二人〜♪ もう、隅に置けないんだから〕」
「な、何を言い出すのですか、桃子さんΣ(・ ・;))」
 
翠屋の女主人・桃子女史のからかいを含んだ言葉に焦りまくるレイハ。
テーブルに突っ伏しているシュベルツは、身じろぎもせず“耳ダンボ”状態だ。
 
「〔ふふふふふ♪ 冗談よ、じょ〜だん♪ 照れてるレイハちゃんて可愛いから、桃子さん、大好き♪〕」
「あ、あのですね」

本当に楽しそうに笑っているのが、ドア越しでも予想つく。
こういうのネタで弄くるのは、勘弁して欲しい。

「〔うふふ、来ているのはいつもの子よ。 今日はお友達も一緒みたいだけど〕」
「え? バルディッシュ、ですか?(お友達って、誰でしょう?)」
「〔案内しちゃっていいかしら?〕」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「〔は〜い♪〕」

パタパタと足音をたてドアの前から離れていく桃子。

“ど、どうしたんでしょう、バルディッシュ。 今日、何か約束をしていたでしょうか?”
“思わず了解してしまいましたが、シュベルツの事を忘れていました、ど、どうしましょう!?”
“ええと、クローゼットに隠れじゃなくてテラスに行っ、って違くて!”

「レイハお姉ちゃん、どうしたも?」

わたわたし始めたレイハを不思議そうに見上げるシュベルツ。
そんな彼女を見て、更にわたわたっぷりが急上昇するレイハ。
だが、彼女が口を開く前に、再度扉がノックされる。

コン、コン

「ふふゃはい!?」

裏返った声で返事をしてしまうレイハ。
即座に我に返り大赤面してしまう。

「(あうあうあう)」
「〔…レイジングハート、入ってもよいか?〕」

やや間があったのち、ドア越しに聞こえるバルディッシュの声。

「(えと、そのあのあううう)」
「どうぞだも」
「しゅべるつーーーー?!」

テンパるレイハを尻目に、勝手に了承するシュベルツ。

ガチャ

その声にドアを開き室内に入ってきた人物は、レイハの横を素通りすると、シュベルツに向かった。

(スタスタスタ)
      パーン
( ーд-)なにしてやがる!
  ⊂彡☆))
Σ(=Д=;)痛いも!?

速攻、シュベルツをシバイたのは、誰を隠そうデュランダル!
机に轟沈したシュベルツを見下ろし、仁王立つ!

「…デュ、デュランダル?」
「悪ぃな、レイハお嬢。 この馬鹿が面倒かけて」
「あ、いえ、別に」
「デュランダル、いきなり強襲するな。レイジングハートが困っているだろうが」

ドアの前に立つバルディッシュが、戸惑うレイジングハートの肩に手を置きながらデュランダルに告げる。

(すまんな)
(いえ)

アイコンタクトをするバルとレイハを尻目に、デュランダルに張り倒されたシュベルツは、ようやく蘇生すると、
彼に向かって大抗議!

「いきなり何をするも! せっかく覚えた公式を忘れたらどうしてくれるも!」
「安心しろ、どの道3日も経たずに脳裏から綺麗さっぱり消えてなくなるだろうが。遅いか早いかの違いだけだ」
「忘れたら留年だも! いくらなんでもそれはいやだも!」
「なら常日頃からその軽い脳みそに留めておけや。試験ごとに即座に忘却するなんてスキルは要らねぇんだよ!」
「忘れたくて忘れてるわけじゃないも! 何時の間にかそうなだけだも!」
「そっちの方が重傷だと気が付け。一度CTスキャンでもするか? 【鶏に匹敵する脳みそを持つ少女】って
有名になれっぞ」
「そんなのいやだも〜〜!」

眼前で展開される痴話ゲンカに、疲れたように溜息を吐いたバルディッシュ。
彼は気力を奮い立たせると、ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に声をかける。

「人様の家で、あまり騒ぐなみっともない。レイジングハートに迷惑がかかる」
「「わりぃ(みぃ)」」

頬をぽりぽりと掻きながら頭を下げるデュランと、小さく縮こまるシュベルツ。
そんな二人を尻目に、レイハはバルに訪問の理由を尋ねた。

「ば、バルディッシュ。 今日、私の所を尋ねてくれたのは、どうしてでしょう? 約束の類は
していなかったと記憶しているのですけれど……」
「ああ、約束はしていない。だが、デュランダルのヤツが『シュベルツの馬鹿がお嬢の所にやっかいになりに
いってるから、回収しに行きたいんだわ。だけど、俺だけでいってもアレだから、旦那も来てくれねぇか?』と
いうのでな。連れて来たわけだ」
「なるほど」

“確かに、一人でいきなり私の所を訪ねてくるような性格じゃありませんからね、デュランダルは”

疑問が解決したレイハは、それはそれとして、己の肩にバルディッシュの手が乗っている事に
赤面した……が、心地よいので黙っていることにした。

「(赤面)さ、さてと。シュベルツ、どうしましょうか? デュランダルも来た事ですし、彼に勉強を
見てもらったほうがいいのでは」

赤面をごまかすようにシュベルツに訪ねるレイハ。
シュベルツは、レイハとデュランダルを交互に見つめた後、デュランダルの顔を“じ〜〜っ“と見る。

「………あ〜…わ〜った、わぁったよ。面倒見りゃいいんだろうが。そんな不安そうな顔で見んな」
「…みぃ」
「…第一、面倒見る気無けりゃ回収しになんて来ねぇ(ぼそっ」
「み? なにか言ったも?」
「何も言って無ぇよ」

きょとんとしたシュベルツの頭をぐりぐり撫でながら、やれやれといった表情を浮かべるデュランダル。

「世話かけたな、お嬢。こいつ、回収してくわ」
「(クスっ)はい、どうぞ」

デュランダルの物言いに、笑みを浮かべてこたえるレイハ。
なんだかんだといって、結局面倒を見るデュランダルが微笑ましかった。

「…なんか気になる笑い方だな、お嬢」
「気のせいですよ、デュランダル」
「……そういうことにしておく。おら、シュベルツ。行くぞ」
「みぃぃ、まってぇ〜〜」

広げた教科書・ノートを急いで片付け、デュランダルに追いすがるシュベルツ。

「あ、レイハお姉ちゃん、今日はありがとだも!」
「いえいえ。追試、がんばるんですよ」
「み! がんばるも!」

手をブンブン振りながら、階段を駆け下りていくシュベルツ。

『「まずは何より、グラーフのおっさんから、お小言を貰ってこにゃあな」』
『「みぃぃ!? 怒られるも〜〜」』
『「ったり前だろうが。 これで何回目だと思ってやがる」』
『「うぇ〜〜〜ん」』

デュランダルと交わす会話が切れ切れに聞こえてきたが、直ぐに声が届かなくなる。
桃子に挨拶をしているデュランダルの声を最後に、二人の声はレイハに聞こえなくなった。

「…相変わらず騒がしいやつらだ」
「まあ、いいじゃありませんか。元気で」
「そういうものか?」
「そういうものです」

己の肩に置かれたバルディッシュの手に、そっと右手を触れさせながら、レイハは微笑みを浮かべる。

「……バルディッシュ。せっかくですから、お茶を飲んでいきませんか?」
「そうだな。丁度、時間もそんなものだしな」
「用意してきますから、待っていて下さい」

さあ、予定は違うが、これはこれで良いだろう。
午後に思わぬサプライズ。
シュベルツには感謝をしておこう。

麗らかな春の日差しのように、暖かい気持ちに満たされたレイハは、足取りも軽く階下へと向かっていった。





追記:シュベルツは、辛うじて追試をクリアし、無事に進級できる事になったという。

試験後、暫くの間は精根尽き果てたような有様であったそうだが、本人曰く、

「デュラっちがケダモノなだけだも……ううう、鬼畜だも(泣)」

との事である。

試験そのものとはまったく関係がない事柄であったらしい。
どういう事柄か、と?
それはご想像にお任せします(核爆)








さて、何があったんでしょうね? 俺の口からは言えません。 ええ、言えませんとも。
コンさんが大好きな言葉で言えば『ギシギシアンアン♪』な事柄だとだけ言っておきましょうか。





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