FF4プレイメモ 〜 ゲームは1日1時間! 〜

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〜クリスタルを巡る戦い〜


 しっかし。どうにも不思議なことがあるのです。そもそも、どうしてゴルベーザはクリスタルを狙っているのでしょうか?
 クリスタルが超常的な力を有していることは分かります。しかし、彼はクリスタルを用いて何をしようとしているのでしょうか?
 ゴルベーザ以外にクリスタルを狙った者としてダークエルフがいますが、彼は永遠の命を得るためにクリスタルを狙っていました。
 では、ゴルベーザも永遠の命を求めているのでしょうか? 可能性としては無いと言い切れないわけですが。

  ……なーんか、違う気がするんだよなぁ。

 バロン国を乗っ取り、地上の各国を襲撃してまでゴルベーザが欲したクリスタル。それには、恐らくは天地創造すら行える莫大な力が眠っているはずです。
 どんな大きな野望も大望も果たせるはずです。

  ゴルベーザが何を求めているかは分かりませんが。

 一体、何を求めているのか。
 それを探るヒントを探しながらプレイを進めてみたいと思います。



 さて。城外に出るとカインがやってきました。彼の先導でどこかのダンジョンに連れて行かれます。
 ダンジョンの中はローザが拘束されているダンジョンと同じ物らしく見覚えがありましたが、改めて注目してみると不思議な場所です。中世系ファンタジー風の世界が広がるFF4ですが、このダンジョンの中はとても未来的です。
 壁には機械とランプが並び、床は石や木、土といった自然の材料で作られているようには見えません。
 飛空艇が(バロン一国だけだが)実用化されているこの世界。技術力が高いことは頷きますが、このダンジョンの様相はテクノロジーをオーバーしています。

  ……この不自然さがゴルベーザの目的を知る手掛かりになるかもしれません。

 ダンジョンに入って数歩進むとゴルベーザの声が響きました。

「約束を守ってもらってうれしい限りだ……。はやる気持ちも分かるが、私の礼を受け取って欲しい。私は、君の愛しいローザと一緒に、このゾットの塔の最上階にいる。ここまでたどり着ければローザの命とクリスタルを交換してやろう。早くこなければ、君の大事なローザの命の保障はできん。さぁ、上ってこい!」

  卑怯だぞこのヤロウッ!

 そうやってこっちを消耗させる腹づもりなんだなちっきしょう!
 もしも道中でセシルたちが倒れることがあれば死体からクリスタルを探り出せばいいわけですし……罠と分かっていましたが、これはちと厳しいです。
 涙目のセシルはゾットの塔に挑戦します。

  しかし

 真面目にレベル上げを行っていなかったせいか戦い方が悪いのか、はたまた装備が悪いのか。ゾットの塔攻略に苦戦を強いられます。
 何度も回復地点に戻って少しずつ進んでいくことになりますが問題が発生します。

  このマップ。非常に目に痛いのです。

 青と緑のマップに赤いランプがちらついてひっじょーに目に痛いです。勘弁してください。やめてくださいっ!?
 とっととこのマップを抜け出したい衝動を抑えて堅実に進んで行きますが……目、超痛ぇ

  それでもどーにか奥まで進み。

 ゾットの塔に落ちている装備を回収してパーティを強化しながら歩いていると最上階へらしき場所に辿り着きました。
 よーやくこのマップを抜け出せる……。
 なんて安堵してたらエンカウントのバックアタックでテラがピンチです。運無いなぁっ!?
 まあ、もうすぐボス戦だろうし! ゴルベーザの姿が見えたら回復しよう!

  そう思って、回復しないで先に進んだら。

 ゴール手前の部屋で囲まれました。彼女たちは四天王「風のバルバリシア」の片腕メーガス3姉妹と名乗ります。
 ちょっと待ってください。テラのHPが100を切っているんですけど。
 しかし、こっちの都合を加味してくれるはずはありません。あえなく、テラピンチのままメーガス3姉妹との戦闘が始まりました……。

  ちきしょう!

 メーガス3姉妹は非道です。こっちがテラを回復しようとしますが、その前にテラにリフレクを掛けられてしまい回復ができません。
 仕方ないのでテラがターゲットにされないことを祈りつつ地道に攻撃します。

  苦節3分

 気づいたらメーガス3姉妹は地に伏していました。こちらの損傷は軽微
 あ、あれ。な、なんで……? もしかしてメーガス3姉妹は雑魚だったとゆーことなのでしょうか。
 片腕がこれでは風のバルバリシアもたいしたことなさそうです。いや、そもそも片腕が3人いることがおかしい! 腕、何本持ってるんねんっ!
 さて。気を取り直して再び最深部を目指します。

  そこにはゴルベーザとカインがいました。

 ローザの姿は見えません。交渉の場に人質を連れてこないのは悪役の常套手段ですが、ゴルベーザもご多分に漏れずそうしてきました。
 これでは彼が求める土のクリスタルを先に渡すしかありません。相手の要求を拒めば居場所すら分からないローザに何があるか分かりませんから……。考えたなぁっ!
 案の定、ローザを渡せと要求しても突っぱねられて先にクリスタルを渡すことになります。
 そして、クリスタルを渡すと知らん振りされますちっくしょぉっ!?
 もうこうなったらゴルベーザを倒すしかありません。でも、以前こちらを赤子の手を捻るように蹂躙していったゴルベーザにセシルたちは勝てるのでしょうか……?

  いや、一人だけ可能性を持った者がいます。

 テラです。彼は封印されていた最強の黒魔法「メテオ」を持っています。彼はアンナの仇とばかりに単身ゴルベーザに挑みました。
 持てるあらゆる魔法を繰り出し、ゴルベーザに息を付く暇を与えません。
 だが、ゴルベーザはやはり屈強でした。テラの魔法で彼を打ち倒せる様子はありません。

  ここで、テラはメテオを使う決断をしました。

 しかし、テラの精神力ではメテオを使うには足りません。ステータス的には最大MPが90しかないため消費MP99のメテオは使えないのです
 精神力が足りない。しかし、使わなければならない魔法がある。
 そしたら選べる選択肢は一つしか残りません。

  テラは命そのものを消費してメテオを発動させました。

 隕石と呼ばれる莫大な質量を持った物体がゴルベーザに降り注ぎました。
 静かに戦いを見守るセシルたちの前で、テラとゴルベーザは崩れ落ちました。
 文字通り命を懸けたテラのメテオ。ゴルベーザに致命傷を与えることはできましたが、テラもまた倒れ伏してしまいます。
 報われないことに、ゴルベーザは死ぬことはなく、去ろうとします。セシルが追いかけますが、ゴルベーザの力にセシルも吹き飛ばされてしまいます。
 ゴルベーザはセシルにトドメを刺そうとしますが、何かに気づいた後に意味深なセリフを吐いて「この勝負、預けておく!」と告げ去ってしまいます。
 倒れていたカインに声を掛けました。メテオの影響で洗脳術が解け正気に戻ったようです。

  そして、倒れているテラに駆け寄ります。

 ゴルベーザに対する復讐心に燃え、周囲が嫌になるくらいアグレッシブな老人だったテラ。しかし、彼の身体にはもう力が入っていません。枯れ枝のように頼りなく、簡単に折れてしまいそうです。
 憎しみで戦い仇を討ち漏らしてしまった。そう悟ったテラは、憎悪を理由に戦うことの虚しさを口に出し……事切れてしまいました。

  ……うざったい爺さんだったよ。

 人の話は聞かないし。勝手に突っ走るし。ギルバートやシドには喧嘩を吹っかけるし。空気を全然読まねぇ。
 防御力が低いから攻撃を受けるとすぐに瀕死になるし、強力な魔法を覚えているくせにMPが90しかないからすぐにMPがすっからかんになっちまう。
 いなくなってせいせいする。これでうざったい爺さんに振り回されることも無くなるんだ。
 死んでよかった。
 まぁ、あんたの娘の仇くらいは取ってやるから安らかに眠ってくれや。
 じゃな。

  ……。なんて、思えるかぁっ!

 テラの猪突猛進は娘を想う親心が起こしたものだ。テラは憎まれ口は叩いても本心から言ってるわけじゃない。天邪鬼なだけだ。
 空気を読めないったってそれは日常パートでのことで、大事な場所で一番重いセリフを言うのはテラだった。
 いつまでも生意気が抜けない爺さん……最年長の、仲間だった。
 殺しても死なないんじゃないかって思ってた。
 でも。現実には、呆気なく死んじまった。

  ……やりきれねぇ。やるせねぇ。

 パロムとポロムが石になった時も感じたよ、こんな気持ち。でも、双子の時はまだ助けられる可能性があった。
 石化の呪文さえ解ければあいつらは助けられるんだ。
 可能性は低いかもしれないけれど、でも、ゼロじゃないんだ。

  だけど、死んじまったら誰がどうやっても助けられねぇじゃんか。

 機械と人工物に囲まれたゾットの塔じゃ埋葬してやることもできねぇ。
 しかも、逃げたゴルベーザを追いかけないと……テラの死が無駄になる。
 だから、先を急ぎました。

  憎しみで戦うことの虚しさを解かれたばかりだったけど。

 今、足を急かしているものは……憎しみのようなものだと思う。
 アンナと、そしてテラの仇討ちを胸に誓って。ゾットの塔、最後の扉を開け放ちます。

  そこには縛られたローザの姿がありました。

 しかも、彼女の頭上に設置されたギロチンが今にも落下しそうです。
 脊髄反射のようにセシルは駆け出しました。
 脳裏には……死んだばかりの仲間の姿がちらついていたかもしれません。

  間一髪。

 セシルはローザを助けることに成功しました。
 ほっと胸が撫で下ろされます。
 流石に、立て続けに仲間を失うのはごめんです。

「セシル、私、貴方が助けに来てくれるって信じてたわ!」

 ローザを助けられたこと、テラのこと、逃げたゴルベーザのこと。色々なことがごちゃ混ぜになって言葉を出せないセシルの代わりにローザが口を開きました。
 彼女の声に押されて、無事を喜んで2人は抱き合います。
 改めて感じた体温に意を決したセシルが言います。

「君がいなくなってわかったよ。僕は君を……」

 パロムとポロムは石になってしまいました。
 テラはメテオを使い死んでしまいました。
 リディアはリヴァイアサンに飲み込まれて行方不明です。
 幸いにしてローザを救出することはできましたが、いつ何かが再び起こるか分かりません。セシルが無事に生きていられるという保証もありません。
 傍に居てくれた人がいつまでもそこに居てくれるなんて、そんな甘い夢は現実が粉々に打ち砕いてしまいます。
 そして、打ち砕かれた後になって壊れてしまったものがどれほど大切なものだったか分かる……のです。
 幸いにしてセシルは砕かれたものを取り戻す機会を得ました。そして、機会をものにしました。
 だからこそ。胸中から気持ちが溢れ腕の中にいる人に告げたい言葉が口から漏れ出たのでしょう。

  しかし。空気を読まない男がいました。

 その名はカインです。
 彼は項垂れながらセシルの言葉を遮って

「許してくれローザ……。操られていたばかりじゃない! 俺は、君に傍にいてほしかったんだ!」

 この野郎。告白をかましました
 しかし、ローザのスルー力の方が上でした。

「一緒に戦いましょう、カイン」

 見事に告白は無かったことにされます
 あぁ……なんだか、ここまで来ると哀れだなぁカイン……。
 カインは改めてセシルたちに謝罪をします。
 彼が謝るのなら当然良い子ちゃんのセシルは喜んでカインを仲間に迎え入れてくれました。

「竜騎士である君の力がいる! ともにゴルベーザと戦ってくれるな?」

 もしかしたら、この寛大な心こそが聖騎士の証なのかもしれませんね。
 いや、よくよく考えると暗黒騎士時代もこんな風だった気がしなくもないですが、ええと、ほら。
 暗黒騎士時代はヘタレでしたしっ。


 何はともあれ、ローザとカインが仲間になりました。
 ステータスを見ればカインは装備が充実したのでそのままにします。まあ、ゴルベーザの下で将として活動していたのですから妥当な所でしょう。
 ローザは囚人の服しか身にまとっていませんが、事前にテラから剥いでおいたげふんげふん装備で武装します。

  そういえば、拘束されていたローザの世話ってカインがしてたのかなぁ。

 メーガス3姉妹みたいな女性もいたんだし身の回りの世話は女性がしていたとも思うのですが特に物語中にも登場しないし、カインが行っていたのかもしれません。
 そうなると超羞恥プレイをかました後にカインは告白したわけですから、スルーされても仕方が無いですね、こりゃ。
 なんと言うか。報われない男です。カイン。

  それはおいといて。

 ゴルベーザには逃げられてしまいましたがローザを救出できたのでゾットの塔を後にしましょう。テラの亡骸をアンナの隣に埋葬してあげなければなりませんからとっとと飛空艇まで戻りたい所です。

  ……っと、思っていたら。

 塔を出ようとしたセシルたちにどこからか声が掛けられます。
 声の主が言うには、彼女はゴルベーザ四天王「風のバルバリシア」だそうです。そういえば、3本の片腕が出てきましたね。
 どうやら、カインとは少々因縁がある様子ですが、「空中戦はお前だけのものじゃない!」とカインに格好付けられたので、あんまり強くないと思います
 多分、カインを巧く使えば勝てるはず。
 そんな、戦闘前からがっかり感漂う四天王でしたが、戦闘に入ると印象が一変します。

  な、ないすばでぃのおねぇちゃんだっ!?

 しかも格好がエロイです。ひじょーにけしからんです。これがエロゲーやギャルゲーだったら戦闘終了後にはサービスシーンが存在するに違いありませんっ!
 しかしこれはファイナルファンタジーなのでサービスシーンはありませんでした。カインの「ジャンプ」でバルバリシアの防御を切り崩しながら戦うと呆気なく戦闘は終了しました。

  バイバイないすばでぃのねーちゃん!

 けれどバルバリシアも四天王。四天王は倒れてもしつこいというのはスカルミリョーネや亀野郎を相手にした経験からよく知っています。
 身構えていると、バルバリシアがゾットの塔ごとセシルたちを潰そうとしました。
 しかしローザのテレポで脱出。バルバリシア、涙目。

  …………ってっ!?

 そうだよ! テレポだよ! テレポで脱出ができるのなら、パロムとポロムの時もテレポで脱出すればよかったじゃないかっ!
 な、何で気づかなかったんだよっ!? テラなんて賢者だろうっ!?

  って……テラ?

 そういえば、テラの亡骸をゾットの塔に置き忘れたままでした。
 あの場は仕方なかったとは言え……ちょ、ちょっと微妙な気分です。
 えーっと。えーっと…………。

  ゾットの塔があんたのでっかい墓標だぜ!

 …………ごめんテラorz
 悔やんでいてもどうしようも無いのが現実です。って言うか、ゾットの塔がワールマップ上のどこにあるか分からないですし。う、ううぅ。
 ごめん。ごめんよテラッ!?



〜希望の光〜



 ローザのテレポートでやってきたセシルの部屋で作戦会議が始まります。
 まず、状況を整理してみましょう。


【各地の情勢について】
・バロン王国は王が空位のまま。
・ダムシアンは王城が壊滅し、王と王妃が共に崩御。王子はトロイアで静養中。
・ファブルールは王城と主戦力のモンク僧が壊滅状態。王も床に伏せっている。
・トロイアは無傷だが戦争経験を持たず戦力としての期待もし辛い。
・飛空艇戦力「赤い翼」の損傷は不明だが恐らく動かせないと思われる。
・ミシディアでは長老が祈り続けている。

【パーティ内戦力把握】
・攻防両面に活躍の場を持つ聖騎士セシル。
・防御と補助を支える命綱 白魔導師ローザ。
・攻撃のエース 竜騎士カイン。
・便利なアタッカー モンク僧ヤン。
特に言うことはない シド。

【ゴルベーザについて】
・行方不明。

【クリスタルについて】
全てゴルベーザの手中


 あれ。これ。世界終わったじゃん。
 ゴルベーザから4つのクリスタルを奪還しないといけないのに、ゴルベーザの居場所が分からないという最悪の状況です。
 困ったセシルたちはゴルベーザの軍門に下っていたカインに意見を求めます。すると、この状況でもまだまだ奪回可能ということが分かってきました。
 カインから得られた情報を整理します。


【クリスタルについて】
・クリスタルは全てで8つ存在している
・地上には 火 水 土 風 のクリスタルがありそれぞれ王国などが守っていた。
・残る4つは 闇の火 闇の水 闇の土 闇の風 という闇のクリスタル。
・闇のクリスタルは地底にある。
・8つ全てのクリスタルを集めると月への道が開かれる


 つまり、ゴルベーザはまだクリスタルを半分しか得ていないということになります。これは大きな希望をもたらします。
 まず、世界は終わってなんかいなかったということが分かりました。まだ反撃の糸口は残っています。
 続いて、ゴルベーザの居場所も分かりました。彼は「闇のクリスタル」を得るために地底世界に向かったのでしょう。
 そして、おぼろげながらもゴルベーザの目的が見えてきました。彼は、その理由こそまだ分かりませんが、月への道を開こうとしているようです。
 全てを話すとカインは「マグマの石」というアイテムを取り出しました。この石をどこかで掲げると地底への道が開けるらしいのです。

  ただ。そのどこかが分かりません。

 カインもどこで使えばいいかは知らなかったらしく会議は停滞を見せますが、ここで最年長の出番です。つまり、シドです。
 彼は言いました。「エンタープライズで世界を回ってみればいい」と。
 このまま考えていても答えなんて分かりません。なら、飛空艇で飛びまわってみるのが一番の得策でしょう。
 唯一の心配はエンタープライズをゾットの塔に置いてきてしまったことですが、なんと遠隔操作でバロンに戻ってきているとシドは言います。

  流石最新型の飛空艇だぜっ!

 これにて一安心で会議も閉幕。皆は旅の準備を始めます。
 それぞれが動き始める中で、セシルは少々悩み始めてしまいました。

「なぜ、あのとき、ゴルベーザは僕にトドメをささなかったのだろう?」

 ……言われてみれば妙です。
 でも、現状では答えを得るための鍵を持ち合わせていません。
 謎は謎のまま、身体を休めるためにベットに入るのでした。



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