門番を吹き飛ばし、最奥の部屋へ突入する。
 中央に台座がある以外は何の飾りっけも無いこの部屋は、遺跡の宝物を納めるための場所。

「お願い」

 連れ添って長い、相棒とも呼べるデバイスに頼んで周囲に索敵を掛けてもらう。結果はすぐに返ってきて、罠や特殊な仕掛けは無しと教えられる。

「うん。ありがとう」

 彼女の声に答えるように、魔法の杖が明滅した。その姿を見とめてから、今度は視線を台座へと移す。

「あれが今回のロストロギアだね」

 台座の上に鎮座しているのは、金の台に留められた宝玉。一見するとただのガラス玉のようにしか見えない、蒼い玉。

「触っても大丈夫かな……?」

 恐る恐る手を伸ばし、宝玉に触れる。指先に感じる、宝玉の蒼にぴったりな冷たさ。

「触っても大丈夫そうだし、このまま持って帰ろうか?」

 相棒も特に反論をしないので、宝玉を掴もうと手をかける。

「でも、綺麗だよね〜。このロストロギア」

 上から覗き込めば、引き込むような深い蒼が目を楽しませてくれる。このままずっと見ていたいと思わせるような、そんな色合い。

「っと。早くお仕事済ませて帰らないと」

 ぐっと力を込めて宝玉を引っ張りあげる。宝玉は意外と簡単に台座から外れてしまう。

「なんだか、ちょっと呆気なかったかな?」

 けれど、それならそれでいいだろう。
そう思い、ロストロギアを杖の中に収納しようとして、

「え…………?」

 突如輝いた宝玉の蒼光に、全ての色が塗りつぶされた。






あとがき
 唐突に書きたくなる! 模擬戦をしよう!(ry
 いや、先日第一カードの改定してて気づいたんですよ。
 『模擬戦をしよう!』とゆータイトルでやってるこのシリーズですが。

 模擬戦、一回もやってなくね?

 第一カードは模擬戦の“も”の字も出てきてないし、第二カードはヴォルケンズがクロノをぶっつぶしに来る話だし、第三カードに至っては大規模演習戦。

 看板に偽りありだろう、これっ!?

 そう思うとちゃんと模擬戦を書きたくなって(ry
 っというわけで、唐突に始まる『模擬戦をしよう! 〜模擬戦を、しよう!〜』をよろしくお願いしまー(ry





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